「図形が苦手。特に立体図形は苦手意識が強い。」
「算数を得意にして中学受験で有利にしてあげたいけど、図形がイメージしづらいみたい」
中学受験を予定している小学生の保護者で、このようなお悩みを感じている方は多いのではないでしょうか。
「中学受験は算数次第」と言われます。算数だけで合否が決まるわけではないにしても、算数が得意な子がほかの科目も伸びやすく、入試で有利になるのは間違いないでしょう。
算数のなかでも、図形は頭のなかでイメージできないと相当苦労します。
そこで、中学受験生の保護者の方向けに、図形(特に立体図形)を得意にできるおすすめのパズル教材を紹介します。空間認識力や論理性をきたえられるものばかりです。
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中学受験を予定している小学生向けに、図形を得意にできるパズルを5種類紹介します。推奨年齢の若い順にならべています。
Amazonのリンクをつけているので、リンク先でお得に購入いただけます。
※関連記事:【中学受験】平面図形・空間図形の解き方とおすすめの問題集
最初に紹介するのは学研の「頭がよくなる」シリーズです。
「アルゴ」(相手の持っているカードに書かれている数字を論理的に考えて当てるゲーム)でおなじみのシリーズで、アルゴ製作者であるピーター・フランク氏による図形パズルです。
今回紹介しているのは図形認識力とひらめき力を伸ばすことを目的にしています。
立体のボードのなかに15個の形の異なるピースを入れて、指定された立体図形を組み立てます。ピースの向きを変えるなど工夫しながら66種類の問題を解いていきます。
シンプルなルールと作りなので、ハマると一気に最後まで解きおえます。何周かしているうちにピースの組み立て方を覚えてしまい、満足して卒業します。
組み立て方を覚える辺りから飽きが来ますが、それだけいろいろな立体図形の形の特徴をつかんで頭に描く力も育っています。
ルールがシンプルなので子どもはしばらくするとまたやりたくなります。「数週間ハマって期間を空けてまたハマる」を繰り返します。
初級編と上級編に分かれており、上級編は小学校3-4年生レベル(大人も参加してうなるレベル)です。
アルゴはこちら↓
アルゴ初級編↓
メーカー:学研ステイフル
メーカー推奨年齢:6歳~大人まで
おすすめの学年:小学校低学年~3-4年生
2つめはラーニングリソーシズの「透明立体図形」で、「体積を比較」するパズル教材です。
非常に多くの種類の立体図形ピースがあり、立方体・球/半球・円柱・円錐・三角柱・三角錐・四角柱・四角錐・六角柱があります。
それぞれのピースに水やビーズを入れて「どれくらい入るか(=体積がどれくらいか)」「どの立体がたくさん入るか(=体積の大きさを比較)」を楽しみます。
お風呂場や庭などで水を入れて遊びながら、立体図形の感覚をつかんでいきます。
「水の入った立体Aに立体Bを入れると立体Bの体積の分だけ立体Aから水がこぼれる」という現象を感覚的に理解できるようになります。
中学受験で、箱のなかに石や木片を入れてその体積を求めたり水の深さを求めたりする問題がよく出てきます。このタイプの問題が苦手な子は、「立体には体積がある」「立方体や直方体以外の立体にも体積がある」ということを感覚的に捉えるのが苦手です。
小学校低学年くらいまでにこのパズル教材で体積に慣れておくと、その感覚を養いやすいです。難関中学をお考えのご家庭におすすめです。
こちらからなら「展開図を組み立てるパズル教材」とセットで購入できます↓
メーカー:ラーニングリソーシズ
メーカー推奨年齢:7歳以上
おすすめの学年:小学校低学年
前述の2種類は、「図形の感覚」を養う教材です。ここからは、「図形の感覚」「論理性」「特定の問題の解き方の習得」を目的にしたものを紹介します。
まずはくもんの「展開図パズル」です。
立方体や直方体などの展開図を選ぶ問題や、展開図を組み立てたらどの形になるかを考える問題が算数に出てきます。そのタイプの応用問題を楽しく練習できるパズルです。
上記画像のように、展開図から立体図形を考えたり、立体図形から展開図を考えたりと、頭のなかで図形をパタパタと開いたり閉じたりさせます。
6~7歳くらいにこの作業に慣れておくと3年生以降、図形を頭のなかで動かすイメージ力がかなりつきやすくなります。
この教材の問題そのものは小学校低学年でも解けるようになりますが、小学校4年生の子にもかなりおすすめです。
展開図の問題が苦手な子は「頭のなかのイメージ」だけで解こうとしがちです。図形の問題はイメージだけでなく、論理的に考えるとさらに解きやすくなります。
このパズルは面が色分けされています。色と展開図や立体図を見比べて、「緑の面がここにくるならピンクの面はここにくるはず」と論理的に考えれば解きやすくなります。
難しい問題ほど、「どこにヒントがあるか?」を考える力を養えます。6-7歳だとまだまだ理屈で考えるのは苦手です。4年生くらいになると論理性が急速に発達しはじめているので、1つ解き方が分かると「じゃあ、この問題もこうすれば解けるのでは?」と解決の糸口を見つけやすくなります。
図形が苦手な3-4年生が取り組むと「短期間で図形を得意にする」きっかけにもなります。
200問もあるので、早めにはじめて難易度の限界を迎えところでいったんストップし、1-2年したらまたチャレンジするのもありです。
メーカー:くもん
メーカー推奨年齢:6歳以上
おすすめの学年:小学校低学年~3-4年生
4つめはピタゴラスです。1-2年生向け、3-4年生向けもありますがここでは高学年向けを特におすすめしています。小学生向けに「図形認識力」「創造力」を育てることを目的にしているパズル教材です。
三角形や正方形などのピースに磁石がついており、ピースを組み合わせていろいろな形をつくれます。
1-2年生用や3-4年生用に比べてピースの種類が豊富です。正三角形、直角二等辺三角形、正方形、ひし形、正五角形の5種類です。
これらのピースを組み合わせて平行四辺形、台形、角柱、角錐などをつくることができます。
直角二等辺三角形を2つ組み合わせると正方形になる、正三角形を組み合わせればひし形になるなど、図形の特徴を遊びながら学べます。
特に秀逸なのが、「図形の問題を解くドリル」「透明のピース」があるという点です。
合同、対象な図形、展開図、体積といった5-6年生で習う図形の問題が載っており、パズルで図形の特徴をつかんだら算数の問題を解いて練習ができます。
※関連記事:中学受験算数のおすすめ問題集
ただし、問題は一般的な小学生向けです。中学受験をされる方には先取りのために3-4年生くらいがおすすめです。
また、透明なピースを使って組み立てると組み立てた立体図の「向こう側」まで見えるようになります。中学入試でよく出る「立体図形の応用問題」も解きやすくなります。
1-2年生用↓
3-4年生用↓
上記のピタゴラスを使って解く問題集編もあります↓(パズルは付属されていません)
メーカー:ピープル
メーカー推奨年齢:小学校高学年
おすすめの学年:小学校3-4年生
5つ目は、中学受験対策を目的にしたパズル教材です。中学入試で頻出の「立体を切断した問題」の対策用です。
上記画像のような立体パネルとさまざまな形の平面パネルがついています。立体パネルに平面パネルを入れて「どのような形になるか」をイメージします。
つづいて、下記の画像のような問題を解きます。これも教材の一部です。
ご覧のように断面図の面積を求める問題や切断した立体図の体積を求める問題の対策ができます。
11問の「基礎問題」でさまざまな図形の面積や体積、表面積などを求める練習をします。つづいて、11問ある「練習問題」で入試問題に近いレベルの問題を解きます。
最後に過去の入試問題から厳選された「実践問題(8問)」で入試実践対策ができます。
難関受験塾で教えている解き方が解説に載っているので、日ごろの受験勉強と違和感なく並行して進められます。解説を何度聞いても(読んでも)分からなかった子が、すぐに分かるようになります。
受験対策として4年生からはじめるか、図形の苦手な5-6年生にもおすすめです。
メーカー:学研プラス
おすすめの学年:小学校4-6年生
最後に紹介するのは問題集です。宮本算数教室でおなじみの『賢くなるパズル』シリーズです。
解き方を覚えるのではなく、試行錯誤をして「考える力」を養うことを目的にした教材です。
Z会など難関入試対策用の教材に出てくるような思考力をつける問題がたくさん掲載されています。
組み合わせの試行錯誤を「論理的に」行って解く問題が多く、取り組めば取り組むほど集中力・論理性・あきらめない力が身につくようになっています。
勉強の合間に、低学年から長期間かけて取り組むのがおすすめです。
出版社:学研
おすすめの学年:小学校低学年から
論理的に考えて組み立てて楽しむ立体パズルは、中学入試対策に非常に役立ちます。
中学入試で求められる力を、立体パズルをとおして身につけられるからです。それも、劇的に伸ばせます。
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まず、ブロックやピースの多いパズルを組み立てるには「完成イメージ」を頭に描いておく必要があります。
プロの風景画家は自然の景色を頭のなかでさらに立体的にイメージしなおしていると言いますが、同じようにパズルを立体的に組み立てるには完成した立体図を頭のなかで精密にイメージしておかないといけません。
この力はそのまま算数の立体図形を解くのに役立ちます。
例えば、下記の画像は青山学院中等部で出題された問題の一部です。円柱と四角柱が組み合わさっています。
横から見た図と真上から見た図の両方を示してくれているので、立体図形の問題としては分かりやすい部類に入ります。
ですが、横から見た図と真上から見た図を頭のなかで簡単に合致させられるかどうかで、問題の難易度は人によって大きく異なります。
イメージするのに脳のスペックをたくさん使わないといけないと、どうしても「問題を解く作業」に脳をフル回転させられません。問題の解き方が分かっても、ミスしやすくなります。
立体思考ができるかどうかは、中学入試で重要なポイントの1つなのです。
パズルのブロックは大抵、形が数種類に分かれています。
どの形のブロックを・どの向きで・どのブロックの・どの面と組み合わせればいいか。単純な立体図ならカチャカチャと適当に組み合わせているうちにつくれますが、複雑な立体図になると論理的に考えないといつまでたっても完成イメージに近づけません。
完成イメージに向けて論理的に考えつつ、試行錯誤を繰り返す。この繰り返しで自然に論理性が養われます。
私立でも公立でも中学入試に出てくる「思考力問題」は論理的に考えて解く問題です。
例えば下記の画像をご覧ください。小石川中等部の適性検査問題の一部です。
ある規則にもとづいてつくられた架空のゲームを受験生に提示して解答させる問題です。
受験生はこのゲームの規則性を「その場で考え」、設定された条件でどのような結果になるかを「論理的に考えて予想」します。
「たぶん、こうだろう」では解けません。論理的に帰結する解答を導き出す必要があります。
ロジックパズルの良いところは、こうした論理性を遊びながら(楽しみながら・積極性を引き出しながら)伸ばせるという点にあります。
※関連記事:子ども向けロジックパズル(幼児、小学校低学年向け):論理性、集中力を養って算数、図形に強くなろう!
中学入試は難関になればなるほど、「じっくり考えて解く力」が求められます。速さ・正確性だけでは合格点に届かないように問題設計されています。
立体パズルは創造性、論理性、立体思考をフル稼働させながら時間をかけて取り組む遊びです。子どもによっては30分、1時間、2時間も集中して取り組みます。
何度も失敗しては試行錯誤を重ねながら取り組みますから、ちょっとうまく行かなくても諦めずに取り組む粘り強さが身につきます。
時間と労力をかけて完成したときには達成感もひとしおです。
努力して報われたという経験、そのとき感じた大きな喜びは「やればできる」という実感につながり、「うまくいくまで何度も挑戦する」姿勢を養えます。
6年生夏で志望校の判定が悪いと早々にあきらめモードになってシュンとなってしまう子もいる一方で、「きっと合格できる!」と信じてがんばりつづけられる子に大きく分かれます。
信じれば必ず叶うわけではありませんが、自分を信じて努力しつづけられる子には成功する可能性があります。
この分かれ目になるのは5年生や6年生よりも、低学年くらいまでの経験が本当に大きいです。
この記事でも紹介したように、受験算数の図形問題で苦労する子は多いです。初めて解くときには誰もが「…?」となります。
ですが、問題のパターンは限られています。頻出問題を解くのに必要な図形イメージや考え方を前もって身につけておけますし、高学年で苦労していたらピンポイントに対策もできます。
受験塾がつくった教材であれば受験教材と解説が似ているため、図形が子どもにとっても取っつきやすいです。
※関連記事:中学受験算数のおすすめ問題集
中学受験をする小学校低学年・高学年向けに図形を得意にできる立体パズル教材を紹介しました。
ラーニングリソーシズやピタゴラスなどの知育玩具としても定番のシリーズのほかに、中学受験塾が作った「立方体の切断の攻略」など全5種類です。
図形パズルは空間認識力や論理性を高め、体積の感覚もつかめる便利な教材です。
中学受験を予定されているご家庭ではぜひご検討されてみてください。
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