中学受験に向けた勉強を進めるうえで、スケジュール管理は合否を左右する重要なカギです。
特に6年生の1年間は、学習の進度・模試・志望校対策など、やるべきことが目白押し。
そこで本記事では、塾に通う・通わないにかかわらず活用できる、中学受験の年間・週単位のスケジュール設計の方法を詳しく解説します。
また、親のサポートのコツや、生活リズム・体調管理の工夫まで紹介。
忙しい毎日でも迷わず進めるよう、今すぐ使える実践的な計画法をお届けします。
※Z会の中学受験コースのメリットや活用法を下記の記事で紹介しています。
Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法
中学受験では、受験当日までにやるべきことが非常に多く、しかも限られた時間の中でこなさなければなりません。志望校ごとに出題傾向が異なり、苦手科目の克服や過去問演習など、「やらなければならないこと」と「やりたいこと」が常に競合しているのが現実です。
さらに、小学生の生活には学校、宿題、習い事などもあり、すべての時間を勉強に当てられるわけではありません。そのため、「今日は何をやるか」「今週は何を重点的に進めるか」といった計画性と優先順位の明確化が、合格への鍵となるのです。
以下では、特に重要な2つのポイントに分けて解説します。
参考:合否を左右する中学受験のスケジュール管理(栄光ゼミナール)
中学受験では、時間の使い方そのものが学力の差に直結します。どれだけ能力がある子どもでも、時間の使い方が非効率では、実力がうまく伸びません。
たとえば、次のようなケースを比較してみましょう。
このように、計画を立てて取り組むかどうかで、結果的に大きな差が生まれます。
また、スケジュールを立てておくと、以下のような効果があります。
小学生が1人で1年分のスケジュールを管理するのは難しく、親のサポートが合否を左右することも珍しくありません。
もちろん、「全部やってあげる」のではなく、子ども自身が計画に参加し、主体的に進めるサポートをすることが重要です。
たとえば、親の関わり方としては以下のような方法があります。
また、子どもが予定どおり進まなくても頭ごなしに叱らず、柔軟に見直す姿勢も大切です。「なぜうまくいかなかったか」を一緒に考えることで、子どもの学習力も計画力も育ちます。
中学受験の本番は6年生ですが、勝負はすでに5年生までに始まっています。受験勉強をスムーズにスタートさせるためには、基礎学力の定着・学習習慣の形成・自己管理力の育成が欠かせません。
「中学受験っていつから始めるのがいいの?」という不安を感じているご家庭も多いですが、5年生までの過ごし方こそが受験の合否を分ける大きなポイントです。
この時期は「勉強って楽しい」と思える経験を積ませることが最優先です。
親の声かけや共学が「学習=ポジティブなこと」と思える環境づくりに役立ちます。
4年生になると、少しずつ中学受験を意識した勉強が始まります。
まだ本格的に追い込む段階ではないため、「無理なく続ける」ことを意識しましょう。
5年生からは中学受験のカリキュラムが本格化します。
ここで勉強が習慣になっていないと、6年生で大きく苦労します。リズムを整える最後のチャンスです。
具体的なスケジュールを組むことで、子どもも親も「何をどれくらいやるべきか」が明確になり、取り組みやすくなります。
時間帯 | 内容 |
---|---|
16:00〜16:30 | 帰宅・おやつ・休憩 |
16:30〜17:30 | 学校の宿題・復習 |
17:30〜18:00 | 中学受験向けの演習問題(算・国) |
18:00〜19:00 | 夕食・自由時間 |
19:00〜19:30 | 読書・暗記科目(理・社)・漢字練習など |
※テレビ・ゲームの時間も「1日30分だけOK」などルールを決めると効果的です。
「勉強」と「遊び」の切り替えがしやすいタイムブロック化がポイントです。
焦って難しい内容を先取りするよりも、今やっている内容をきちんと理解し、繰り返し定着させることが大切です。
「勉強=特別なこと」ではなく、「歯磨きや食事と同じように毎日当たり前にやること」にしましょう。
週に1回、月に1回など「予定と実績を比べて振り返る時間」を設けると、学習の軌道修正ができます。
中学受験では、最終的には自分で考え、自分で動ける力が問われます。その基盤を作るのが、5年生までの学習習慣です。
中学受験において「5年生までの過ごし方」は、6年生の学習効率を大きく左右します。
焦って詰め込むのではなく、毎日コツコツ積み重ね、学習習慣と自己管理力を養うことが最大の準備です。
中学受験の6年生の1年間は、大きく3つの時期に分けて計画を立てることが大切です。
それぞれの時期にやるべきことや優先順位が変わってくるため、まずは「年間を俯瞰する視点」を持ちましょう。
春から夏(3月〜8月)は、基礎の完成と総復習を行う重要な準備期間です。
基礎が固まっていないと、秋以降の実戦演習が非効率になるため、「できる問題を増やす」時期として取り組みましょう。
9月〜12月に入ると、本番に向けた実戦練習と志望校対策が中心になります。
ここでは「点数を取る練習」に重点を置きます。単なる知識の詰め込みではなく、戦略的な勉強計画が必要です。
6年生になると、模試や学校説明会、文化祭、運動会などのイベントが増えてきます。
予定が詰まりすぎると、勉強の時間が削られて焦りにつながります。
そのため、月ごとにイベントを見通しておくことが年間スケジュールでは非常に重要です。
年間計画を立てたあとは、週単位の具体的な学習計画を立てることで、日々の行動がスムーズになります。
ここでは「何曜日に何をやるか」を固定パターンで習慣化することがコツです。
毎日のスキマ時間の「見える化」→ルーティン化で、勉強習慣が身についていきます。
「解きっぱなし」「やりっぱなし」では成績は伸びません。
学んだことは定着して初めて“力”になります。
間違えた問題には「付箋」「チェックマーク」などを付けて再度取り組む習慣を。
“弱点の見える化→反復”こそが、合格への近道です。
計画を立てるうえで「必ず崩れる」という前提で考えることが大切です。
体調不良、学校行事、気分の波など、予期せぬ中断はつきものです。
スケジュールは「守るべきもの」ではなく、「活用するための道具」です。
柔軟に見直せること=継続できるコツでもあります。
中学受験は子ども自身が努力するものですが、その裏側で親の支えが非常に大きな力になります。特に小学生は、まだ「計画を立てて継続する」「気持ちを切り替える」などの力が未成熟なため、親の関わり方ひとつで、勉強の効率もモチベーションも大きく変わります。
ここでは、家庭でできるサポートの中でも「合否に直結する4つの具体的なポイント」を紹介します。
参考:中学受験の親の役割とは?母親が子供にしてあげられること(スタディアップ)
子どもがスケジュール通りに進めているかどうかを確認するだけで、勉強に対する意識が高まります。「見てくれている」存在がいることは、継続のエネルギーになります。
親が「管理者」になりすぎず、「一緒に乗り越える伴走者」のような立場で声をかけるのがコツです。
受験勉強は長期戦。体調が崩れれば勉強どころではありません。特に受験期はストレスや疲労が溜まりやすいため、生活面での安定が成績の土台になります。
「勉強ばかりさせる」のではなく、集中できる身体と心を保つことが親の大事な役割です。
模試の成績は、単なる点数ではなく「今やるべきこと」を教えてくれる重要なデータです。
しかし、子どもだけではその活かし方が分からない場合も多く、親のフォローが不可欠です。
課題や宿題の進み具合も、毎日でなくても週1で確認するだけでモチベーションが安定します。
中学受験はプレッシャーとの戦いでもあります。思うように成績が伸びない時、友達が遊んでいるのに自分だけが勉強している時など、子どもは少なからず不安や孤独を感じています。
受験期に親ができる最も重要なことは、「成績ではなく努力を認める」ことです。
安心できる家庭環境こそが、子どもの力を最大限引き出すエネルギーになります。
中学受験は、子ども一人の戦いではありません。
学習計画の確認や生活面のケア、メンタルの支えなど、家庭でできるサポートが合格への道を照らします。
塾に通わず中学受験に挑む「塾なし受験」は、自由度の高さとコストの低さが魅力です。ですが一方で、スケジュール管理の精度と家庭のサポート力が合否を左右する非常に重要な要素となります。
ここでは、塾に頼らず家庭学習で中学受験を乗り切るための年間・週単位のスケジュール管理の考え方と、家庭でできる具体的なサポート方法をご紹介します。
塾に通わない最大の利点は「自分のペースで学習できること」。
移動時間や授業に縛られないため、苦手分野に多く時間を割いたり、得意分野は早めに進めたりといった柔軟な対応が可能です。
ただし、この自由さは裏を返せば、自己管理ができなければ効果が出にくいということ。
毎日どの教科をどれだけやるか、どこまで進めたかを誰かが「見える化」して管理する必要があります。
塾に通えばカリキュラムや最新の受験情報を受け取れますが、塾なしの場合はすべて自力です。次のような点に注意が必要です:
これらを家庭で調べ、判断するにはかなりの手間と情報収集力が必要になります。
※なお、中学受験のおすすめ教材を以下の記事でくわしく解説しています。
中学受験算数のおすすめ問題集
塾なし受験では、市販の問題集や通信教育の教材を自分に合う形で組み合わせることが基本戦略です。
たとえば:
まず、6年生2月(受験本番)から逆算してカレンダーを作るのがポイントです。
「年間学習マップ」や「学習進行表」を自作することで、子どもも目標意識を持って取り組めます。
曜日 | 時間 | 学習内容 |
---|---|---|
月〜金 | 17:00〜18:30 | 基礎問題+前日の復習(1教科) |
土曜 | 午前 | 理社のまとめ・暗記テスト |
土曜 | 午後 | 過去問演習+直し |
日曜 | 午前 | 算数応用問題演習 |
日曜 | 午後 | 苦手分野の集中学習+親子で振り返り |
塾なし受験では、親が塾の先生や担任の代わりとなって、スケジュールの設計・進捗管理・声かけまで担う必要があります。
塾なし中学受験では、自由度の高い反面、スケジュール管理と家庭のサポート力が合否を大きく左右します。
市販教材や模試をうまく活用し、親が「コーチ」として支えることで、塾に通わずとも合格を目指すことは可能です。
いかがでしょうか。
中学受験をする小学生の保護者の方向けに、子どもの勉強のスケジュール管理の仕方と勉強時間の生み出し方を紹介しました。
なかなか勉強に取りかからず、勉強が進まないときもあります。
子どもとコミュニケーションを取ってスケジュール内容や学習環境を変え、リフレッシュ時間をつくるなどすると勉強へのモチベーションアップにつながります。
「一緒にがんばって良かった!」と親子で思える中学受験ができるよう、祈っています!
※関連記事:共働き家庭の中学受験塾選びのポイント
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