中学受験の英語入試や、高校入試・大学入試の英検利用のため英検準2級の取得を目指す小・中・高校生は多いです。
中学入試で英検準2級なら一部の難関中学以外は合格の可能性が相当高くなりますし、高校入試や大学入試でも優遇制度を若干ですが受けられます。
ですが、準2級は高校生レベルであり、学校でまだ習っていない英単語や英文法も出てきます。
そこで、自宅学習をする小学生・中学生・高校生向けに、おすすめの問題集と問題集の選び方を紹介します。
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英検準2級は、中学卒業程度〜高校中級程度の英語力を測る検定です。
公益財団法人 日本英語検定協会が実施する実用英語技能検定(英検)の中でも、高校入試・大学入試に直結する重要な級として、多くの中学生や高校生が受験しています。
英検準2級は、「一次試験(筆記+リスニング+英作文)」と「二次試験(面接形式のスピーキング)」で構成されており、どちらも一定の基準を満たして合格する必要があります。
一次試験 | 問題の種類 | 問題数 |
リーディング | 短文の語句空所補充 | 20問 |
会話文の文空所補充 | 5問 | |
長文の語句空所補充 | 5問 | |
長文の内容一致選択 | 7問 | |
ライティング | 英作文(50~60語) | 1問 |
リスニング問題の種類 | 問題数 |
第1部:会話の応答文選択 | 10問 |
第2部:会話の内容一致選択 | 10問 |
第3部:文の内容一致選択 | 10問 |
一次試験の合否は、英検独自の「CSEスコア(英語力の見える化)」に基づき判定され、全技能(4技能)の総合評価で合否が決まる点が特徴です。
英検CSEスコアの満点が1800で、合格基準スコアは1322。つまり、合格点は74%です。
一次試験合格者のみが受験できます。英語での面接形式で、以下のような流れで行われます:
問題の種類 | 問題数 |
音読 | 1問 |
パッセージについての質問 | 1問 |
イラストについての質問(人物の行動描写) | 1問 |
イラストについての質問(人物の状況描写) | 1問 |
受験者自身の意見についての質問(イラストに関連する内容) | 1問 |
受験者自身の意見についての質問(イラストに関連しない内容を含む) | 1問 |
スピーキング力だけでなく、自分の意見を英語で話す力、反応の速さ、発音の明瞭さなども評価されます。
英検CSEスコアの満点が600で、合格基準スコアは406。つまり、合格点は68%です。
日本英語検定協会の公式定義では、英検準2級の想定レベルは「高校中級程度」です。
つまり、中学校で学ぶ文法・語彙をしっかり身につけたうえで、高校英語の初歩が理解できているレベルといえます。
しっかりとした準備をすれば、中学生でも合格は十分可能です。
比較項目 | 英検3級 | 英検準2級 |
---|---|---|
想定レベル | 中学卒業程度 | 高校中級程度 |
英作文内容 | 身近なテーマで自由英作文(意見なし) | 意見+理由を述べる型の英作文(構成力が必要) |
リーディング | 短めの文章中心 | 長文が増加し、文章構造も複雑に |
スピーキング | 質問中心 | 意見表明・応答のバランス重視 |
英検準2級は、英検3級に比べて「実践的な英語力・論理的思考・表現力」まで問われる難度の高い級です。
英検準2級を取得することで、以下のような入試優遇制度や活用方法があります。
英検準2級を持っていることで、入試本番だけでなく、受験戦略の幅も広がります。
※なお、英検準2級や2級で大学入試に優遇制度のある大学を以下の記事で紹介しています。
英検準2級が大学受験で優遇される大学一覧
大学受験で英検2級が利用できる大学の一覧
英検準2級は、全国的に知名度が高く、以下のような公式な場面での証明力があります。
早い段階で英検準2級を取得しておくと、将来の選択肢が広がり、英語学習のモチベーションも高まります。
英検準2級にはリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能が求められます。自分が特に強化したい分野に応じて、問題集を選びましょう。
目的 | 選ぶべき問題集の特徴 |
---|---|
英語の基礎からやり直したい | 中学英語の復習+準2級対応の総合問題集 |
本番形式で演習したい | 過去問/模擬試験タイプ |
英作文やスピーキングを強化したい | ライティング・面接専用の問題集や音声付き教材 |
たとえば、「初めての英検準2級で何から始めていいかわからない」場合は、まずオールインワンタイプ(4技能対応)の問題集が安心です。
英検準2級は「中学卒業〜高校中級レベル」とされていますが、人によって得意・不得意があります。以下を目安にしてください。
学力レベル | 向いている問題集 |
---|---|
中学レベルの英語はあるが、英検対策は初めて | 優しい解説付きの入門問題集(例:「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズ) |
高校である程度英文法を習っている | 本番形式の過去問/スコアアップ対策 |
英語が得意・2級も視野に入れている | スピーキングやライティング特化の応用問題集 |
「難しすぎて途中で挫折」や「簡単すぎて伸びない」を防ぐためにも、自分のレベルに合った“ちょっと上”くらいの難易度がベストです。
特に独学で準2級を目指す場合、以下の点がそろっているかが重要です。
スキマ時間を使って勉強することが多い中高生にとって、音声付きの問題集は特におすすめです。通学中や休み時間でも耳で学習できます。
英検準2級は「目的」「レベル」「構成」の3つを意識して問題集を選ぶことで、短期間でも効率的な対策が可能になります。
英検準2級を初めて受ける中学生には、「出題傾向の解説+基礎問題」がセットになった入門書がおすすめです。
英検準2級によく出る英単語が収録されています。
合格に向けて覚えておかないと単語数が一気に増えます。とはいえ英検の勉強に回せる時間・期間は限られているので、覚えないといけない単語を「いかに効率よく暗記できるか」がカギです。
利点:ABCの三段階で暗記必須単語が配列されており、「本当に覚えておかないといけない単語」から順に覚えられます。コンパクトで持ち運びができるので、電車の中などでも勉強できます。
例文やイラストを使って、難解な英文法を中学生に分かるように解説してくれています。
必要最低限の形や知識を学び、「やってみよう!」や「チェックテスト」ではそのアウトプットができます。
文法を学んだ後は本番そっくりの模試で腕試し。面接試験の対策もできます。
利点:試験会場に持って行けるコンパクトな「でる順BOOK」がついています。単熟語ファイナルチェックをはじめ、「試験直前に役立つ内容」がポケットサイズの別冊に収録されています。
1冊で二次試験対策までカバーできるオールインワン型で、本番とよく似た傾向のオリジナル問題が頻度別に掲載されています。
利点:試験会場に持って行けるコンパクトな「でる順BOOK」がついています。単熟語ファイナルチェックをはじめ、「試験直前に役立つ内容」がポケットサイズの別冊に収録されています。
掲載6回分すべての音声がついており、リスニングや面接対策ができます。
準2級の試験内容や合否判定方法がわかる「英検インフォメーション」もあり、はじめて受験する場合も試験情報がよく分かります。
また、正答率の高い問題には★マークをつけてくれているので、優先的に勉強すべき内容を把握できます。
利点:アプリで音声がきけるうえ、面接対策の問題・解答例・解説も掲載されており、二次対策もできます。
スタディサプリで大人気の関先生が解説する英検対策問題集です。
解説が非常に丁寧で、この記事で紹介している過去問題集のなかで一番ページ数が多いです。
過去問演習は3回分しかないので、この1冊を仕上げてから旺文社の過去問題集を併用すると質の高い演習を積めます。
利点:単語の成り立ちや音声までくわしく解説してくれており、丸暗記に頼らない英検対策ができます。高校入試、大学入試対策でも一貫した解説なので、関先生の問題集で勉強している人は特に勉強しやすいです。
高校生は、ある程度基礎ができていることを前提に、本番に近い形式の模試タイプの問題集や苦手な分野の演習に特化した問題集を使うと効果的です。試験慣れしておくことで、時間配分や出題傾向への対応力が身につきます。
旺文社による分野別の英検準2級対策問題集です。リーディング、ライティン、リスニング、ライティングの3つに分かれています。
それぞれ大量の練習問題が掲載されており(リスニング120問、長文38題など)、苦手分野の克服に集中的に取り組めます。
利点:基礎レベルからステップバイステップで取り組み、最後は10回分の模擬試験も受けられます。
リスニング対策や英文の構造分析、長文読解に特化した問題集です。著者はユメタンや東大英語のキムタツシリーズの著者です。
1日1レッスンを14日間つづけるをコンセプトにつくられており、各レッスンには著者からのワンポイントアドバイスがあります。
利点:著者が東大受験対策のプロなので、「傾向と対策」だけではなくちゃんと英文を理解できるような勉強の仕方を学べます。
英検準2級の英作文に必要な構成力、アイデア力、語彙力を多量の演習で養えます。間違いやすい文法・語法も頻度順に掲載されており、ライティングの力をかなりアップさせられます。
利点:難易度が高く、英検準2級の合格レベルを越える力が身につくので、本番がやさしく感じられます。
試験1週間前から取り組んで短期間で英検対策を仕上げる問題集です。筆記試験とリスニングの対策だけでなく、面接対策も掲載されています。
アプリをダウンロードすればスマホでリスニング音声が流れます。
英検S-CBTの模試2回分をPCで体験できる問題集です。
リスニング・リーディングは自動ですぐに採点され、スピーキング・ライティングでは自分の解答を保存して復習できるようになっています。「筆記型」「タイピング型」のどちらにも対応しているので、自分の受けたい試験対策ができます。
利点:S-CBTは紙版のテストと難易度も出題傾向も同じですが、解いているときの操作感が違います。はじめてS-CBTで受けるときは戸惑いがちですから、本番慣れができる貴重な問題集です。
※S-CBTについては、以下の記事でくわしく解説しています。
英検scbtと従来型英検との違い
英検準2級に合格するには、計画的な学習がカギです。ここでは、部活やテストで忙しい中高生でも実践できる「3か月で合格」を目標にした学習法とスケジュール例をご紹介します。
3か月=約12週間と考え、以下のように週ごとに目標を設定すると、無理なく学習を進められます。
苦手なパートを集中的に対策することで、得点を確実に伸ばせます。
英検準2級を受けようとする中高生からよく聞かれる疑問に答えます。
はい、一部の私立高校・公立高校の推薦入試・一般入試では、英検準2級の合格を出願条件や加点要素として採用しています。
また、英検CSEスコアを英語の試験に代用できる学校も増加中です。志望校の募集要項をチェックしておきましょう。
決して遅くありません!高校生から準2級を取得することで、
など、さまざまなメリットがあります。準2級は「高校中級レベル」なので、大学受験へのステップアップとしても最適です。
学校の授業だけでも、定期テストで平均点以上をキープしている人なら、合格は十分に可能です。ただし、
は、学校であまり練習できない分野なので、問題集やアプリを使って補う必要があります。
英検準2級は、「中学卒業〜高校中級レベル」の英語力を証明できる、中高生にとって実用性・進学優位性の高い資格です。
自分のペースで取り組める問題集を選び、毎日少しずつでも学習を続ければ、3か月での合格も十分に目指せます。
いかがでしょうか。
英検準2級の合格を目指す小・中・高校生向けに一次試験、二次試験の問題集を紹介しました。
パス単や旺文社の過去問題集をはじめ、予想問題集や文法、長文読解、英作文、リスニングの分野別問題集も紹介しています。
英検準2級を取得すると中学入試、高校入試、大学入試で加点されるなどのメリットがあります。自分に合う問題集を選び、効果的に対策しましょう!
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