「小論文の結論は序論と同じで良いの?」
「結論に何を書けば減点されない?」
このような疑問を持っている中学生や高校生は多いのではないでしょうか。
小論文は高校入試や大学入試でよく出てきます。書き方に戸惑う受験生も多いですが、書きなれてしまえば高得点を見込める入試形態です。
そこで、この記事では小論文の結論の書き方を例文つきで解説します。
※関連記事:序論の書き出し方
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小論文は3部構成が基本の形です。序論・本論・結論に分かれています。
そのなかで結論の書き方について説明します。
序論・本論・結論のなかで、結論は最後にくるパートです。
序論→本論で主張すべきことはすべて主張しており、結論は意見(主張)の締めになります。
最後にもう一度自身の主張を明確に述べましょう。
賛成/反対、課題への対策の仕方、資料から読み取れる傾向とその理由など、自分の意見や立場をはっきりさせます。
序論でも明確に述べていますが、最後にもう一度明確化しておくと論が引き締まります。
結論は最後の締めなので、長々と書く必要はありません。50~100字程度で簡潔に書きましょう。100字を越えても全く問題ありませんが、たくさん書くと全体の論旨展開があいまいになりかねません。
200字以内、400字以内などの短い小論文なら結論は省略しても大丈夫です。
結論の書き出しは定型にしておきましょう。以下のようなものが決まり文句です。
「以上より~と考える。」
「よって~と考える。」
オリジナルの表現でも問題ありませんが、定型文で書くほうが良いです。早く小論文を書き慣れますし、採点官も見慣れた形式なので違和感がありません。
小論文は減点方式ですから、「素晴らしい答案」より「減点されない答案」を書くようにしましょう。
序論と結論ではどちらも自身の意見や立場を書きます。ですが、全く同じではなく、以下のような違いがあります。
前述のように小論文は3部構成の最後のパートです。
「最後だからこその注意点」を3つお伝えします。
まず、字数稼ぎの書き方はやめておきましょう。
【例文】
「以上のように、企業における定年の上限年齢引き上げには賛成である。現在、多くの企業は定年を満65歳としているが、本論でも述べたように、70歳になっても就業意欲の高い高齢者は増えていることが資料から読み取れる。」
上記の例文では、「賛成」の立場を明確にしていますが、賛成の根拠として本論で主張した内容を再度書いています。
結論では、本論の内容をくり返す必要はありません。
本論と異なる内容や理由を結論で述べるのもよくありません。
【例文】
「以上のように、企業における定年の上限年齢引き上げには賛成である。先ほど述べた経済的観点からの理由以外にも、定年引上げによって高齢者の健康増進につながると考えられる。」
上記の例文では、本論で書いた内容とは別の観点からの主張を追加しています。
結論はあくまで序論→本論の「締め」なので、新たな内容を追加してはいけません。
小論文はあくまで設問で聞かれた内容に対する主張を書きます。そのため、問われていない内容を書くのもよくありません。
【例文】
「以上のように、企業における定年の上限年齢引き上げには賛成である。そもそも、定年制度を設ける必要がないと考える。労働意欲があり身体が健康なら、いつまでも働きたいと考える人もいるのだ。」
上記の例文では、「定年の上限年齢の引き上げに賛成か反対か」を聞かれています。ですが、結論では「定年制度そのものに反対だ」と答えています。設問と解答がずれています。
このような「問いと解答の整合性」は、小論文で特に大きなポイントです。
それでは、ここまでお伝えした内容を踏まえて、小論文の結論の例文を紹介します。
【設問】
「小学校の宿題を禁止することで家庭での学習環境の不平等を改善しようとするフランスの試みについて、メリットとデメリットを提示しながら自身の考えを書きなさい。」
【結論の例文】
「以上のように、小学校の宿題禁止にはメリットもデメリットも存在する。地域社会との連携によってデメリットに対応すべきと考える。」
【設問】
「「課題をどんどん先送りにしてしまうリスク」について、筆者の考えへの賛成・反対の立場を明確にしつつ、自身の考えを具体例を示しながら記述しなさい。)
【結論の例文】
「以上のように、課題の先送りはさらに悪い結果につながりかねないため、反対である。」
【設問】
「地方の人口減少にともなう問題とその対策を論じなさい。」
【結論の例文】
「以上のように、地方の人口減少は地域インフラの崩壊につながりかねないため、計画的な集住を行うべきである。」
小論文の勉強に役立つ参考書を紹介します。
書き方を丁寧に解説しているものから、多量に練習できるものまで選んでいます。
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こちらは小論文の書き方をイチから解説してくれている参考書です。
小論文と作文の違いなど、小論文を書くにあたって知っておくべき内容にはじまり、「資料型小論文」では資料のどこを見れば小論文を書けるかといった「入試で役立つコツ」をたくさん紹介しています。
練習問題は少ないので、最初に読んだら別問題集で練習をし、ときどき「これってどうだったかな?」と気になったときに戻るようにしましょう。
出版社:KADOKAWA
つづいては、小論文問題集の定番です。小論文の書き方のイロハを学べます。
「小論文の種類ごと」に書き方を説明してくれています。
小論文の種類は、「課題文型」「テーマ型」「資料型」「教科型」といくつか分かれています。受験する大学によって異なるため、複数の大学を受験する場合、何パターンかの小論文を書きなれておく必要があります。
この問題集で早めにタイプ別の書き方を知っておけば対策がしやすくなります。
ただし、演習はあまりないので次に紹介する問題集を使って練習を重ねると良いです。
出版社:ブックマン社
こちらの問題集は全国の小論文過去問を集めており、「大量に」小論文の練習ができます。全国の一般入試小論文を中心に5年分掲載されています。
10回~15回ほど書けばかなり慣れてきてコツがつかめてきます。
出版社:旺文社
入試まで日にちがなく、「書き方をパッっと知って、ササっと書く練習がしたい!」という人におすすめの参考書です。
小論文の書き方の解説と演習問題が数問あります。
残り1か月未満でなんとかしたい場合に役立ちます。
出版社:学研プラス
最後に紹介するのは小論文を書くときに欠かせない「背景知識」を手に入れるための参考書です。
小論文入試では、専攻学部・学科の専門内容を題材にした問題がよく出ます。
教育学部なら学校のクラス運営について問われますし、医療系なら「あなたが医療人ならこの場合どうしますか?」なども問われます。
専門知識はそれほど必要ありませんが、「受験生自身の興味・関心」「その専門分野についての受験生の意見」を聞かれます。過去数年間で報道されていた内容を知らないと書けないようなものが中心です。
ところが、入試直前にネットニュースや新聞を数年分読み返すわけにもいきません。
そんなときに活躍するのがこの「完全ネタ本」シリーズです。
ここ数年分の「重要トピック」と「そのトピックの概要」を分かりやすく解説してくれています。
小論文入試を受ける人には必須と言える参考書です。
専門分野ごとにシリーズが分かれているので、受験する学部に合うものを読んでおきましょう。
人文・教育系↓(文学部・教育学部全般)
社会科学系↓(社会学部、法学部、経済・経営、情報、国際)
医歯薬系↓
自然科学系↓(工学部、理学部、農学部、文理融合)
いかがでしょうか。
中学生や高校生向けに、小論文の結論の書き方を説明しました。
小論文は序論・本論・結論の3部構成です。結論では序論・本論で述べた内容のまとめを書きましょう。
設問とずれた解答を書かない、字数稼ぎをしないなどの注意点を守ると、高得点を取れる小論文を書きやすくなります。
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