「関係代名詞の前にinやwithなどの前置詞を置くやり方が分からない」
このような疑問を持つ高校生は多いのではないでしょうか。
前置詞+関係代名詞の順になるケースはあまり多くないため、慣れるのに時間がかかります。
そこで、前置詞を関係代名詞の前におく方法を解説し、早く慣れられるように練習問題を用意しました。
高校英文法を得意にして、定期テストや大学入試で武器にしましょう!
※関連記事:前置詞の問題:時間・場所・乗り物の順番や使い分け、in・on・atの使い分けfromとofの違い
関係代名詞とは、2つの文を1つの文にするつなぎめのような働きをする単語です。which、who、whom、thatなどがあります。
【例文】
I borrowed a book from a library last week.
(私は先週、図書館から本を借りてきた。)
+
The book turned out to be really interesting.
(その本はとても面白いということがわかった。)
↓
The book that I borrowed from the library last week turned out to be really interesting.
(私が先週図書館から借りてきた本はとても面白いということがわかった。)
例文のように、”I borrowed a book from a library last week.”と” The book turned out to be really interesting.”の文を関係代名詞thatがつないでいます。
関係代名詞が目的格として使われる場合、関係代名詞は省略できます。
主格・所有格・目的格(I-my-meのようなやつです)の3つあるうち、目的語の一部として使われているものを目的格といいます。
前述の例文を思い出してみましょう。
The book that I borrowed from the library last week turned out to be really interesting.
(私が先週図書館から借りてきた本はとても面白いということがわかった。)
ここでは、the bookはI borrowedの目的語になっています。関係代名詞を使わなければ、I borrowed(私は借りた)の後にa(the) bookが来ます。
私は借りた→何を借りたの?→本を借りた
というように、動詞の目的語になっています。the bookを先行詞として関係代名詞が使われているので、このときの関係代名詞は目的格であると言い、省略できます。
関係代名詞が含まれているほうの節を関係代名詞節と呼びます。関係代名詞節には前置詞が含まれることがあります。
【例文】
I went to a concert which my favorite band performed in.
(私は大好きなバンドが出演しているコンサートに行きました。)
上記の例文では、” which my favorite band performed in”が関係代名詞節です。inという前置詞で終わっています。
この前置詞inが関係代名詞の前について、”in which”となる使い方があります。それをこの後、説明します。
前置詞は関係代名詞の前におくこともできます。
I went to a concert which my favorite band performed in.
I went to a concert in which my favorite band performed.
(私は大好きなバンドが出演しているコンサートに行った。)
どちらの文でも同じ意味です。
ただし、前置詞+関係代名詞の順にするときには、いくつかルールが変わります。
まず、関係代名詞が目的格の場合でも省略できません。
“I have a favorite café which I like to study in.
(私には、勉強で使うのが好きなカフェがある。)
この例文だと、関係代名詞whichは目的格として使われています。目的格なので、whichを省略してhave a favorite café I like to study in.とすることもできます。
この文を以下のように、前置詞+関係代名詞にすることもできます。
“I have a favorite café in which I like to study.
ただし、I have a favorite café in I like to study.のようにwhichを省略することはできません。
関係代名詞のthatはwhichやwhoの代わりによく使われる表現です。
ですが、「前置詞+関係代名詞」の場合には、thatは使えません。whichやwhomを使います。
高校英語ではwhomがよく出てきます。
The boy whom I talked about yesterday is him.
(私が昨日話していた少年は彼です。)
この文でも前置詞を前に持ってきて、
The boy about whom I talked yesterday is him.とすることができます。
“about whom”という形が見慣れないため、”about who”としたくなりがちです。
ですが、前置詞を前に持ってくる前と形を変えてはいけないので、“about who”にしないよう気を付けましょう。
前置詞を関係代名詞の前に置く形には違和感が残る人は、まず関係代名詞を使わない文から考えてみましょう。
関係代名詞を使って2つの文を1つの文につなげ、それから前置詞を関係代名詞の前に移動させるようにします。
よく使う「前置詞+関係代名詞」の例を使って説明します。まず、in whichの例文です。
(例文1)「私の学校には無料で本を借りられる図書館があります。」
①My school has library. I can borrow books in the library for free.
↓
②My school has a library which I can borrow books in for free.
↓
③My school has a library in which I can borrow books for free.
この例文では②の関係代名詞を使う文にしたときには前置詞inがbooksの後ろについていました。この前置詞をwhichの前に移動させれば完成です(③)。
つづいて、with whomの例を紹介します。
(例文2)「私には書くときに使うのが好きなペンがあります。」
①I have a pen. I like to write with the pen.
↓
②I have a pen which I like to write with.
↓
③I have a pen with which I like to write.
①では”I have a pen.”という文と “I like to write with the pen.”に分かれていました。そこから関係代名詞を使って①の最後に書かれていた”the pen”が移動し(②)、さらに前置詞のwithをwhichの前に移動させています(③)。
最後にwith whomの例を紹介します。
(例文3)「彼には一緒にゲームを楽しむ兄がいます。」
①He has a brother. He enjoys playing video games with the brother.
↓
②He has a brother whom he enjoys playing video games with.
↓
③He has a brother with whom he enjoys playing video games.
こちらの例文も、”He enjoys playing video games with the brother.”の形から”a brother”を移動させて先行詞にし(②)、さらに前置詞withも移動させています(③)。
このように、段階を踏んで前置詞+関係代名詞の形にすれば、成り立ちから理解できるようになります。
次の文の空欄に当てはまる選択肢を選んでください。
(1) My school has a gym( )we play basketball and volleyball.
ア:about which、イ:in which、ウ:which、エ:with which
(2) There’s a park in my neighborhood( )I like to play tennis.
ア:about which、イ:in which、ウ:which、エ:with which
(3) I have a friend( )I enjoy playing soccer.
ア:with who、イ:with whom、ウ:who、エ:whom
(4) They have a teacher( )they discuss their favorite books.
ア:with who、イ:with whom、ウ:who、エ:whom
(5) She has a smartphone( )she takes pictures of her pets.
ア:with which、イ:which、ウ:about which、エ:in which
(6) They have a computer( )they do their homework.
ア:with which、イ:which、ウ:about which、エ:in which
(7) There’s a big tree in our backyard( )we have a picnic every summer.
ア:with which、イ:which、ウ:about which、エ:around which
(8) There’s a park at which we have picnics with our family and friends.
ア:with which、イ:which、ウ:about which、エ:at which
(1)イ(in which)
「私の学校には、バスケットボールやバレーボールができる体育館があります。」
①My school has a gym. We play basketball and volleyball in the gym.
↓
②My school has a gym which we play basketball and volleyball in.
↓
③My school has a gym in which we play basketball and volleyball.
(2)イ(in which)
「私の家の近所には公園があり、私をそこでテニスをして楽しんでいます。」
①There’s a park in my neighborhood. I like to play tennis in the park.
↓
②There’s a park in my neighborhood which I like to play tennis in.
↓
③There’s a park in my neighborhood in which I like to play tennis.
※先行詞は”a park”です
(3)イ(with whom)
「私にはサッカーを一緒に楽しむ友だちがいます。」
①I have a friend. I enjoy playing soccer with the friend (him/ her).
↓
②I have a friend whom I enjoy playing soccer with.
↓
③I have a friend with whom I enjoy playing soccer.
(4)イ(with whom)
「彼らには、好きな本について一緒に議論をする先生がいます。」
①They have a teacher. They discuss their favorite books with the teacher.
↓
②They have a teacher whom they discuss their favorite books with.
↓
③They have a teacher with whom they discuss their favorite books.
(5)ア(with which)
「彼女はペットの写真を撮るスマホを持っています。」
She has a smartphone with which she takes pictures of her pets.
①She has a smartphone. She takes pictures of her pets with it.
↓
②She has a smartphone which she takes pictures of her pets with.
↓
③She has a smartphone with which she takes pictures of her pets.
(6)ア(with which)
「彼らには宿題をするのに使うコンピュータがあります。」
①They have a computer. They do their homework with it.
↓
②They have a computer which they do their homework with.
↓
③They have a computer with which they do their homework.
(7)エ(around which)
「私たちの裏庭には大きな木があり、毎年夏にはその木の周りでピクニックをしています。」
①There’s a big tree in our backyard. We have a picnic around the tree every summer.
↓
②There’s a big tree in our backyard which we have a picnic around every summer.
↓
③There’s a big tree in our backyard around which we have a picnic every summer.
(8)エ(at which)
「公園で私たちは家族や友人とピクニックをします。」
①There’s a park. We have picnics at the park with our family and friends.
↓
②There’s a park which we have picnics at with our family and friends.
↓
③There’s a park at which we have picnics with our family and friends.
※やや無理がある問題ですが、「前置詞はそのときの状況によって使う前置詞が変わること」と「前置詞を関係代名詞の前に移動させること」の2点に慣れるためにつくりました
最後に、高校英文法を勉強するのに役立つ参考書と問題集を紹介します。いずれもAmazonのリンクをつけているので、リンク先で購入いただけます。
まずは『Vintage』(ビンテージ)です。ネクステなどと並んでよく使われている文法問題集です。
標準レベルから早慶レベルまでカバーしており、解説も丁寧です。ただし、問題数はやや少なめなので、解説→問題演習の順に勉強すると良いでしょう。
出版社:いいずな書店
特徴:
受験の“マスト・アイテム”さらに洗練されて登場!本書は,大学受験に必要な,英文法・語法・イディオム・会話表現などの広範な英語の知識を効率よく獲得し,さらにその知識を展開して入試問題を解く力を身につけることを目的とした学習書です。<特長>“最新入試を徹底研究,頻出問題を厳選”最近の入試傾向を踏まえて,必須の攻略ポイントを厳選しました。さらに,超頻出問題もチェックできます。また,必須項目を体系的に学習できるように問題を配列しました。“レイアウトを一新, 読みやすく学習がスムーズに進む紙面に”学習がスムーズに進む紙面にレイアウトを一新しました。 “詳しい解説で問題の解き方が身につく”問題を解く際の「着眼点」,正解への道筋である「問題の解法」,なぜ誤りなのかを示す誤答の「選択肢」の解説など,問題を解く力を養います。“学習の指針を示す豊富なコラム”「まずは確認」,「しっかり理解」,「整理して覚える」の3種類のコラムを掲載。理解しなければならないこと,覚えなければならないことを明確に提示しています。
Amazonより引用
つづいて紹介するのは『総合英語Evergreen』です。『Vintage』が文法問題集なのに対して、『総合英語』は参考書です。解説中心で、演習問題は少なめです。
解説の分量が相当多いので全部読もうとするよりも、文法問題集の分からない箇所だけ参照してみるのがおすすめです。
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Amazonより引用
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【学習アプリ】ターゲット例文をさまざまなかたちで確認できる学習アプリをご用意。コミュニケーションの基盤となる基本英文をしっかりとマスターすることができます。
いかがでしょうか。
高校生向けに前置詞を関係代名詞の前に置く用法を、例文を使って解説しました。in which、with whomが特によくテストに出てくる表現です。
前置詞+関係代名詞の順の場合、目的格でも関係代名詞を省略しない、thatは使えないといった文法を覚えておきましょう。
練習用に穴埋め問題も用意しているので、英文法を確認しながら解いてみてください。
※関連記事:前置詞を置く順番(from to、with in)の解説と練習用の穴埋め問題
※関連記事:前置詞の後ろにくる単語:名詞・代名詞・動名詞
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※関連記事:【高校生向け】Z会だけで難関大学に合格する方法
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