化学反応式を苦手にしている中学生・高校生は多いですよね。
暗記しようにも暗号のような元素記号が並び、さらに元素記号にはなかった数字(原子数)までついてきます。
ですが、化学反応式はつくり方を覚えれば勉強しやすくなり、テストでも高得点をねらえる範囲です。
そこで、化学反応式のつくり方を説明し、練習問題を用意しました。
※関連記事:化学反応式の一覧(分解、酸化、還元、化合、沈殿、中和
スタディサプリENGLISH パーソナルコーチプラン化学反応式は3つのステップでつくれます。
まず、化学反応している物質名を元素記号にしましょう。
例えば水素を燃焼すると酸素と混ざって水になります。「水素」「酸素」を元素記号にしましょう。
水素→H
酸素→O
化学式にすると、以下のようになります。
H+O→H2O
つづいて、先ほどの元素記号を分子に置きかえます。HはH2、OはO2です。
化学式にすると、以下のようになります。
H2+O2→H2O
最後に、左側の辺と右側の辺で原子の数を合わせます。
先ほどつくった「H2+O2→H2O」の式だと原子の数が以下のようになっています。
左側:Hが2つ、Oが2つ
右側:Hが2つ、Oが1つ
Hの原子数は合っていますが、Oの原子数が違っています。右側(H2O)にOを2つにする必要があります。
ただ、H2O2とすると水ではなく別の物質(過酸化水素水)になってしまうので、2H2Oとします。
すると、HとOの原子数は以下のようになります。
2×(H+H)=Hが4つ
2×O=Oが2つ
右側の式でHの数が4つになりました。左側のHは2つしかないので、4つにするためH2に2をかけて2H2とします。
これで左側も右側もHが4つ、Oが2つと同数になりました。
このようにして、化学反応式では左側の式と右側の式の「原子の数」を同じに調整してあげます。
化学反応式のつくり方が分かったところで、何回か練習してみましょう。
「銅」を加熱すると「酸素」と結びついて「酸化銅」になります。
この現象を化学反応式で表してください。
2Cu+O2→2CuO
「マグネシウム」を加熱すると「酸素」と結びついて「酸化マグネシウム」になります。
この現象を化学反応式で表してください。
2Mg+O2→2MgO
「銅」と「塩素」を結合させると「塩化銅」になります。
この現象を化学反応式で表してください。
Cu+Cl2→CuCl2
「鉄」と「硫黄」を結合させると「硫化鉄」になります。
この現象を化学反応式で表してください。
Fe+S→FeS
「銅」と「硫黄」を結合させると「硫化銅」になります。
この現象を化学反応式で表してください。
Cu+S→CuS
もっと練習したい人は教科書ワークが便利です。基本レベルから標準レベルまで、教科書に合わせた解説と演習問題が載っています。
化学反応式 | 化学反応の内容 |
2Ag2O→4Ag+02 | 酸化銀を熱すると銀と酸素に分かれる |
2H2O→2H2+O2 | 水を電気分解すると水素と酸素に分かれる |
2NaHCO3→Na2CO3+CO2+H2O | 炭酸水素ナトリウムを熱すると炭酸ナトリウムと二酸化炭素と水に分かれる |
CuCl2→Cu+Cl2 | 塩化銅水溶液を電気分解すると銅と塩素に分かれる |
2HCl→H2+Cl2 | 塩酸を電気分解すると水素と酸素に分かれる |
2H2O2→2H2O+O2 | うすい過酸化水素水に二酸化マンガンを加えると、過酸化水素が水と酸素に分かれる |
Fe+S→FeS | 鉄と硫黄を結合させると硫化鉄になる |
Cu+S→CuS | 銅と硫黄を結合させると硫化銅になる |
Cu+Cl2→CuCl2 | 銅と塩素を結合させると塩化銅になる |
C+O2→CO2 | 炭素を燃焼させると二酸化炭素が発生する |
S+O2→SO2 | 硫黄を燃焼させると二酸化硫黄になる |
3Fe+2O2→Fe3O4 | スチールウールを燃焼させると酸化鉄になる |
2Mg+O2→2MgO | マグネシウムと酸素を結合させると酸化マグネシウムになる |
2Cu+O2→2CuO | 銅を加熱すると酸化銅になる |
2H2+02→2H2O | 水素と酸素を結合させると水になる |
2CuO+C→2Cu+Co2 | 酸化銅と炭素の混合物を加熱すると銅と二酸化炭素になる |
CuO+H2→Cu+H2O | 酸化銅と水素の混合物を加熱すると銅と水になる |
2Fe2O3+3C→4Fe+3CO2 | 酸化鉄と炭素の混合物を加熱すると鉄と二酸化炭素になる |
Fe3O4+4H2→3Fe+4H2O | 酸化銅と炭素の混合物を加熱すると銅と水になる |
CO2+2Mg→C+2MgO | 火をつけたマグネシウムを二酸化炭素のなかに入れると炭素と酸化マグネシウムになる |
中学生向けに化学反応式のつくり方を解説しました。
化学反応式は、物質名を元素記号で表し、分子に書きかえ、原子の数をそろえると完成です。
練習用に酸化銅、酸化マグネシウム、硫化銅、硫化鉄の化学反応式の練習問題も用意しました。
また、化学反応式は丸覚えするより、先に現象を理解しておくと覚えやすいです。
化学反応式を得意にして理科のテストで高得点をねらいましょう!
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