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英検は大学受験に本当に意味ない?知っておきたい事実と対策(英検のメリット・デメリット)

大学受験を控えた学生たちにとって、英検の取得は大きな関心事となっています。しかし、英検が大学受験において本当に意味があるのか疑問に思う人も多いでしょう。

この記事では、英検が大学受験でどの程度影響を与えるのか、メリットやデメリット、さらに英検を大学受験で有利にするための5つのポイントについて詳しく解説します。

この記事の内容を参考にして英検を上手に活用し、大学受験を有利にしましょう!

※関連記事:英検scbtと従来型英検との違い(申込・実施日程など):スピーキングはscbtのほうが有利な理由とは

英検は大学受験で意味がないのか?

結論から言うと、英検(実用英語技能検定)は大学受験で大きな意味があります。

ただし、英検が大学受験で「意味がない」とされる理由も存在しており、その背景にはいくつかの要素があります。以下にその主なポイントを解説します。

参考:教育新聞

大学の方針による違い

大学ごとに英検の評価は異なります。一部の私立大学では、英検を持っていることが加点されることがありますが、国公立大学ではあまり重視されない場合もあります。

特に、英語の試験が別途用意されている大学では、英検が受験にあまり影響を与えないことがあります。

参考:日本英語検定協会・英検活用校

合格基準との関連

英検の級が高いからといって、それが自動的に大学受験に有利に働くわけではありません。

たとえば、英検準1級や1級を取得していても、どの大学でもそれを受験資格や点数に直結させられるわけではありません。推薦入試や特色入試などでの活用がメインで、共通テストや一般入試を重視する受験戦略の受験生の場合、英検が主要な要素にならない場合も多いです 。

なお、共通テストや一般入試によく出る英語のイディオムの一覧と練習問題を以下の記事で紹介しています。
大学受験によく出る英語のイディオム(英熟語)の一覧と問題

他の資格との比較

英検以外の英語資格(TOEIC、TOEFLなど)が大学入試で評価されることが増えてきており、これらの試験の方が大学側にとって有用とされる場合があります。特に国際的な評価が求められる学部や大学では、他の資格の方が有利な場合があります 。

英検が大学受験にどの程度影響するか

大学によって英検の影響は異なりますが、私立大学を中心に、英検が評価されるケースが増えています。

大学受験において、英検を利用できる大学は多くあります。例えば、英検準2級が利用できる大学についての詳細は、こちらの大学受験で英検準2級が優遇される大学をご覧ください。

特に準1級や2級を取得している場合、加点英語試験免除などの優遇措置が受けられる大学が多いです。

※関連記事:大学受験で英検準1級が利用できる大学の一覧
※関連記事:大学受験で英検2級が利用できる大学の一覧

私立大学での英検利用

英検のスコアを利用できる代表的な大学には、以下のようなものがあります。

  • 上智大学:英検準1級以上で共通テストの英語を満点扱い。
  • 東京理科大学:準1級以上で最大25点の加点。

国公立大学での英検の利用

国公立大学では、英検スコアを直接評価する大学は少ないものの、一部の大学では外部試験のスコアを参考にする場合があります。

たとえば、京都大学大阪大学では、英検のスコアを提出できるものの、他の科目で総合評価されるため、必ずしも英検が決定的な影響を与えるわけではありません。

英検が役立つ大学

英検資格が役立つ大学は全国にたくさんあります。以下にその一部を列挙します。

【国公立大学】
北海道大学
千葉大学
東京都立大学
横浜市立大学
大阪大学
大阪公立大学
広島大学
大分大学 など

【私立大学】
盛岡大学
流通経済大学
白鴎大学
桜美林大学
駒澤大学
上智大学
学習院大学
白百合女子大学
専修大学
法政大学
明治大学
立教大学
早稲田大学
東海大学
南山大学
同志社大学
立命館大学
関西大学
追手門学院大学
近畿大学
桃山学院大学
神戸女子大学
広島工業大学
徳島文理大学
久留米大学
日本文理大学 など

ほかにも多くの大学で英検利用が可能です。くわしくは、以下の記事で紹介しています。
大学受験で英検2級が利用できる大学の一覧
大学受験で英検準1級が利用できる大学の一覧

英検の有効期限

英検のスコア自体には有効期限がありませんが、大学によっては2年以内のスコアしか認めない場合もあります。

最新のスコアが求められることもあるため、志望校の出願要項を事前に確認することが大切です。

大学受験のために英検対策をするメリットとデメリット

英検を取得することで得られるメリットは多いですが、一方でデメリットも存在します。自分の受験戦略に合った資格を選ぶことが重要です。

参考:文部科学省

英検対策のメリット

まず、メリットを紹介します。

英語4技能を強化できる

英検はリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能をバランスよく鍛えることができ、大学受験はもちろん、将来のキャリアにも役立ちます。

推薦入試で有利に

英検準1級や1級を持っていると、推薦入試や総合型選抜(AO入試)で強力なアピール材料となり、合格の可能性を高めることができます。

デメリット

大学受験のための英検対策にはいくつもメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。

費用や時間の負担

英検の取得には多くの時間と費用がかかります。特に、準1級や1級を目指す場合、対策講座や模擬試験にかかる費用が高くなることもあります。

他の資格との比較で見劣りする可能性

国際的な英語資格と比べると、英検は日本国内での評価に限られることが多いため、特に留学を目指す場合はTOEFLIELTSの方が有利になることもあります。

英検と他の英語資格との比較

英検以外にも、大学受験で利用できる英語資格は多数あります。それぞれの資格には特徴があり、志望校や学部に応じて適切な資格を選ぶことが重要です。

TOEICと英検の比較

TOEICはリスニングとリーディングが中心で、ビジネスシーンでの利用が主流です。英検はライティングやスピーキングを含む4技能を評価するため、大学入試においては英検の評価が高いことが多いです。

IELTSと英検の比較

IELTSは留学を目指す際に有利な資格で、特にオーストラリアやイギリスの大学で評価されます。一方、国内大学では英検の方が広く知られており、国内志望者には英検が有利です。

英検を持っていても大学受験にあまり役立たない例

英検資格を取得していても、全ての大学で効果的に活用できるわけではありません。以下の例では、英検が思ったほどの効果を発揮しなかったケースを紹介します。

国公立大学での例

国公立大学では、英検が直接評価されない場合が多く、他の科目が重視されることがあります。特に、東京大学京都大学などのトップ校では、英語の資格よりも全体の成績が重要視されます。

私立大学でも加点が少ない場合

私立大学でも、一部の学部や入試方式では、英検が思ったほど評価されないことがあります。たとえば、慶應義塾大学の一般入試では英語資格があまり重要視されないため、英検取得が直接の合格には繋がらないこともあります。

大学受験で英検を有利にするための方法

大学受験において英検を有利に活用するためには、以下のポイントに注意して対策を進めることが大切です。英検は試験の一部免除や加点、推薦入試での強力な武器になるため、戦略的に取り組みましょう。

英検取得級を選定する

取得する英検の級によって、受験時に得られるメリットが異なります。たとえば、以下のような利点があります。

  • 準1級以上:多くの私立大学で加点や免除が受けられる。例えば、上智大学では準1級以上で共通テストの英語が満点扱いされます。
  • 2級:中堅私立大学や一部の推薦入試で有利になることが多いです。

英検と大学のマッチング

志望校が英検をどの程度評価するかを事前に確認することが必要です。例えば、早稲田大学のスポーツ科学部では、英検2級以上が出願要件となることがあり、慶應義塾大学の総合政策学部などでも英語資格が評価されることがあります。

推薦・AO入試での活用

推薦入試や総合型選抜(AO入試)では、英検準1級や1級を持っていることで、英語力を証明でき、アピールポイントとして大きな武器となります。

面接でも、英検取得の背景やその活用方法を話すことで、合格の可能性を高めることができます。

英検のスコア提出と事前確認

スコアの提出方法や認められるスコアの基準を事前に確認することが大切です。

提出期限と有効期間

大学によって、英検のスコアには提出期限が設定されています。たとえば、「英検のスコアは試験日から2年以内のものが有効」とする大学もあるため、事前に確認しておきましょう。

スコアの正式な申請手続き

英検のスコアを提出する際、スコアの証明書(合格証書)が必要になることが多いです。Webでの提出が認められる場合もありますが、大学によって異なるため、各校の入試要項をよく確認しましょう。

大学別の英検の活用事例

以下に、いくつかの大学がどのように英検を評価しているかを例として挙げます。

上智大学

英検準1級以上で、共通テストの英語が満点扱いとなる特典があります。英語が得意な人にとっては、英検を取得することで大学受験全体が有利になる可能性があります。

東京理科大学

準1級以上を取得している場合、最大25点の加点を受けられるため、他の受験生よりも優位に立つことができます。

英検を取得するメリットを最大化する方法

英検を取得しても、すべての大学で有利に働くわけではありません。英検の強みを活かすためには、他の英語資格との比較受験戦略を見据えた準備が必要です。

TOEICやIELTSとの使い分け

留学を考えている場合、TOEICやIELTSが必要になることがあるため、志望校の要件に応じてどの資格を取得するかを見極めましょう。

英検以外の資格の活用

国際的な評価を得られる資格、特にTOEFLやIELTSは、留学を視野に入れた場合に有効です。国内大学に限らず、海外進学を希望する場合は、これらの資格取得も検討しましょう。

英検の有効活用のためのアドバイス

英検を有効に活用するためには、資格取得のための継続的な学習と、スコア提出のタイミングをしっかり把握することが必要です。以下に具体的なアドバイスを紹介します。

英語4技能のバランスを意識した学習をする

英検はリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能をバランスよく評価する試験です。各分野の対策を偏りなく行い、全体のスコアを上げることが重要です。

模擬試験や対策講座の活用

模擬試験や対策講座を利用して、英検の試験形式に慣れることが大切です。特にライティングやスピーキングは、実際の試験環境での練習が効果的です。


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志望校の試験制度の確認

英検のスコアをどのように評価するかは大学によって異なるため、志望校ごとの試験制度や要件をしっかりと確認し、それに合わせた対策を行いましょう。

まとめ

英検は大学受験において必ずしも必須ではありませんが、その活用方法次第で大きなメリットをもたらすことがあります。

英検の取得が評価される大学が増えている中で、具体的な利用方法や対策を知ることは重要です。特に、英検対策をすることで得られるスキルは、受験英語においてもプラスに働くでしょう。

この記事で紹介した5つのポイントを参考に、計画的に英検を取得し、大学受験での成功につなげていきましょう。

英検を効果的に活用することで、他の受験生と差をつけるチャンスを手に入れることができます。

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福地 暁です。 個別指導の塾を経営しています。 これまで3000組以上のご家庭を担当させていただきました。 中学受験、高校受験、大学受験、英検・TOEIC対策、中学生・高校生の定期テスト対策など、さまざまな学習支援をしています。 みなさまの学びにプラスになる情報をお伝えしていきます! よろしくお願いします。 1男1女の父。 どうやら娘には「甘いパパ」と思われているようで、 アイスやジュースをねだるときは必ずパパのところにきます。

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