「内閣不信任決議ってなに?」「どこで決められるの?」「流れがよくわからない…」そんな疑問を持っている中学生のみなさんへ!
このページでは、内閣不信任決議の意味や流れ、なぜ必要なのかをわかりやすく解説します。中学公民の定期テストや、高校入試でもよく出る重要ポイントを図や例題つきでまとめました。
語句の覚え方やよくある問題の出題パターン、入試対策にも役立つ内容でしっかりサポート!政治がちょっとニガテな人も、これを読めばバッチリです!
「不信任(ふしんにん)」とは、かんたんに言うと「信用できない」という意味です。
つまり、「この内閣には、もう政治をまかせられない!」という意思をはっきりと示すのが、内閣不信任決議(ないかくふしんにんけつぎ)です。
たとえば、総理大臣や大臣たちが国民のためにならない行動をしていたり、失敗が続いたりしたときに、「このままではダメだ」と判断されれば、国会で不信任決議が出されます。
ポイント:
内閣不信任決議は、日本の政治を正しく動かすためにとても大切なしくみです。
このしくみがあることで、国会が内閣のやり方をチェックできるようになっています。
国のトップである内閣が、国民の気持ちを無視して好き勝手に動いてしまうと、政治はうまくいきません。
だから、国民の代表である国会が、「ちゃんとやってる?」と見はりをして、問題があると判断すればストップをかけられるのです。
日本の政治は「三権分立(さんけんぶんりつ)」というルールで、立法(国会)・行政(内閣)・司法(裁判所)に分かれています。
その中で、内閣不信任決議は、国会(立法)が内閣(行政)をコントロールできるしくみの1つなのです。
テストで覚えよう!
内閣不信任決議は、国会の中の「衆議院(しゅうぎいん)」だけで行われます。
衆議院は、「より国民の声に近い議院」といわれています。なぜなら…
そのため、政治に問題があるときは、国民の代表として、まず衆議院が動くべきだと考えられているのです。
機関 | 役割 | 不信任決議に関係する? |
---|---|---|
衆議院 | 法律を作る、内閣をチェック | する(不信任決議を出す) |
参議院 | 法律を見直す・意見を出す | 不信任決議は出せない |
内閣 | 国の政治を進める | 不信任される側 |
ここが重要!
まずは、内閣に対して「これはおかしい」「もっとちゃんとやってほしい」という不満が出てくるところからスタートします。たとえば…
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このような問題に対して、衆議院の議員たちが「この内閣にはもう任せられない!」と考えたとき、内閣不信任決議案が提出されます。
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その後、衆議院で話し合いと投票が行われ、**多数の賛成があれば「不信任決議が可決」**されます。
ポイント:
内閣が不信任されると、内閣はそのままではいられません。
このとき、首相(総理大臣)には2つの選択肢があります。
「内閣総辞職(そうじしょく)」とは、内閣全体がやめること(=解散すること)を意味します。
つまり、「国民の声をちゃんと受け止めました。私たちは身を引きます」という形ですね。
テスト用語:
もうひとつの選択は、「衆議院の解散」です。
これは、衆議院の全議員をいったんやめさせて、新しい選挙を行うということ。
「内閣がダメなんじゃない、衆議院の方こそやり直すべきだ」と首相が判断したときに行われます。
注意ポイント:
高校入試でよく出るのは、「不信任決議の流れを正しく理解しているか?」です。以下のような図を使って整理しましょう。
「内閣不信任決議」に関する問題は、中学公民の定期テストでよく出ます。ここでは、よく出る用語の意味や覚え方、テストに出やすい問題のパターンを紹介します。
意味:信用できない・まかせられないという判断
覚え方のヒント:
「不=ない」「信任=信じてまかせる」→「信じてまかせることができない!」
意味:内閣全員がやめること
覚え方のヒント:
「総=ぜんぶ」「辞職=やめる」→「内閣ぜんぶがやめる!」
意味:衆議院の全議員をいったんやめさせること
覚え方のヒント:
「解=バラバラにする」「散=ちる」→「いったんバラバラにして選びなおす」
中学校の定期テストでは、語句の穴埋めや選択肢問題がよく出題されます。以下はその代表例です。
衆議院が内閣に対して信頼できないと判断し、【 ① 】決議を出した場合、内閣は【 ② 】か、衆議院を【 ③ 】する必要がある。
答え:
① 不信任 ② 総辞職 ③ 解散
内閣不信任決議が可決されたとき、内閣がとるべき行動として正しいものを1つ選びなさい。
A. 国会を解散する
B. 内閣を解散する
C. 参議院を解散する
D. 内閣総辞職または衆議院解散
答え:
D. 内閣総辞職または衆議院解散
流れをしっかり理解していれば、テストでも正解できます。一問一答形式で練習してみましょう。
A:衆議院
A:10日以内に内閣総辞職か衆議院の解散
A:衆議院議員の総選挙(新しく衆議院議員が選挙でえらばれる)
A:新しい内閣がつくられる(新しく首相と大臣が任命される)
まとめ:
「内閣不信任決議」は、高校入試の公民分野でよく出題されるテーマのひとつです。特に、政治のしくみや内閣のしくみと関連づけた出題が多く、記述力や理解力が問われます。
高校入試では、「内閣不信任決議」単体ではなく、内閣のはたらき(行政権)や国会との関係と一緒に出題されることが多いです。
Q:内閣の行った政策に対して、衆議院が不信任決議を可決した。このとき内閣がとれる対応として正しいものを選びなさい。
A: 内閣総辞職するか、衆議院を解散する
ポイント解説:
記述問題では、「なぜ不信任決議が行われたのか?」を理由・背景・結果の順に書けるかがポイントです。
Q:衆議院が内閣に対して不信任決議を出すのはどのようなときか、理由を簡単に書きなさい。
模範解答:
内閣の政治のやり方に問題があり、国会(衆議院)が信頼できないと判断したとき。
書き方のコツ:
最後に、実際の高校入試に近い形式の練習問題にチャレンジしてみましょう。
衆議院が内閣に対して不信任決議を出したとき、内閣がとるべき対応として正しいものを1つ選びなさい。
A. 内閣の一部だけを入れかえる
B. 衆議院を解散するか内閣総辞職する
C. 参議院で多数をとりなおす
D. 内閣をそのまま続ける
正解: B
衆議院が内閣不信任決議を出すのは、どのような理由からか説明しなさい。
模範解答:
内閣の政策や行動が信頼できないと国会(衆議院)が判断したときに出される。
内閣不信任決議が可決された場合、内閣は何日以内にどのような対応をとる必要があるか。
模範解答:
10日以内に内閣総辞職するか、衆議院を解散しなければならない。
対策まとめ
※もっと問題を解きたい人向けに、以下の記事で一問一答問題を多数載せています。
【中3公民の一問一答問題】内閣と行政のしくみ:内閣不信任決議の後の流れ、大きな政府と小さな政府など
政治のしくみは、なかなか一度ではすべてを理解するのはむずかしいもの。ここでは、よくある疑問に答えていきます!
A. はい、原則として国会(衆議院)が開かれていれば、いつでも提出することができます。
ただし、提出には衆議院議員の50人以上の賛成が必要で、さらに過半数の賛成で可決されます。つまり、「なんとなく不満だから」ではなく、議員たちが話し合い、ちゃんとした理由があるときに出されます。
A. 内閣不信任決議は、衆議院だけで決めます。参議院にはその権限はありません。
これは、衆議院がより国民の意思を強く反映しているとされているからです。衆議院の議員は任期が4年で、解散もあるため、選挙によって頻繁に国民の声が反映されやすくなっています。
A. はい、何度もあります。たとえば、有名なのは1993年の細川内閣のときや、2012年の野田内閣のときなどです。
実際に可決されることは少ないですが、提出されるだけでも政治に大きな影響を与えることがあります。
ここまでの内容をしっかり復習して、テストや入試に備えましょう!
用語 | 意味 |
---|---|
不信任決議 | 衆議院が「内閣は信頼できない」と判断して出す決議。 |
内閣総辞職 | 内閣の全員が辞めること。 |
衆議院の解散 | 衆議院の全議員がいったん辞め、選挙をやり直すこと。 |
この3語はセットで出題されることが多いので、意味と流れをまとめて暗記しよう!
おさらいチェックポイント
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