「家だとどうしても集中できない…」「気づいたらスマホを触ってしまう」そんな悩みを抱えている高校生は多いのではないでしょうか。受験や定期テストに向けて勉強時間を確保することは大切ですが、集中力が続かないと学習効率が下がってしまいますよね。
この記事では、実際に効果があった高校生の体験談や、集中力を高めるためのおすすめグッズ、専門家のアドバイスまで幅広く紹介します。
今日から家で集中して勉強するための「環境・習慣・工夫」がきっと見つかります!
高校生が勉強中に集中できないのには、いくつかの共通した原因があります。特に自宅では誘惑が多く、集中するためには工夫が必要です。
ここでは、多くの高校生を悩ましている3つの代表的な原因を解説します。
現代の高校生にとって、スマートフォンは常に身近にある存在です。SNSの通知やLINEのメッセージ、動画アプリ、ゲームなどは一瞬で集中を奪ってしまいます。
とくにSNSは「誰かとつながっていたい」という心理を刺激し、学習中にもついチェックしてしまいがちです。通知が来なくてもスマホが近くにあるだけで集中力が下がるという研究(DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー「スマホが近くにあるだけで、あなたの思考力は低下する」)もあるため、勉強中はスマホを別室に置く、タイマー機能付きの勉強アプリを使うといった対策が必要です。
夜遅くまでスマホを見たり、試験前に夜更かしして勉強したりすると、睡眠不足になりがちです。睡眠が不足すると脳の働きが低下し、集中力や記憶力が著しく落ちます。
また、平日と休日で起床時間が大きく違うと、体内時計が狂って勉強モードに入るのが難しくなります(早稲田大学「ノーベル賞で話題の「体内時計」は「時間栄養学」でコントロール」)。
できるだけ毎日同じ時間に寝て起きることが、集中できる日常をつくる第一歩です。
「何のために勉強しているのか」が明確でないと、集中するモチベーションを保つのが難しくなります。「ただなんとなく勉強している」「親に言われたから机に向かっている」状態では、集中は続きません。
短期的な目標(例:次の模試で英語の点数を10点上げる)や長期的な目標(例:第一志望の○○大学に合格する)を明確にすることで、集中力の原動力が生まれます。
家庭での学習は自由度が高い反面、集中する環境づくりや習慣化の工夫が必要です。ここでは、すぐに実践できる家庭学習の工夫を紹介します。
机の上が散らかっていると、視覚的な情報が増えて脳が無意識に処理しようとします。その結果、集中力が分散されてしまいます。
必要最低限の教材と文房具だけを置き、1科目ごとに使う教材を切り替えるたびに整理する習慣をつけると、集中力の持続に効果的です。
集中できる環境は「明るすぎず、暗すぎず」の照明が理想です。また、椅子は背筋が自然と伸びるものを選び、長時間座っても疲れにくいものを使用しましょう。
音環境については、完全な無音が苦手な人はホワイトノイズや集中用BGM(環境音など)を流すと、逆に集中しやすくなることもあります。
※歌詞入りの音楽はお勧めできません。
25分勉強+5分休憩を1セットとする「ポモドーロ・テクニック」は、集中力をリズムよく保つ方法として有名です。キッチンタイマーや専用アプリを使えば簡単に実践できます。
また、スマホのタイマーで「15分だけやってみよう」という“勉強スイッチ”を押すことも有効です。「始める」ことにハードルを置かないことで、自然と集中に入れます。
参考:ポモドーロテクニック(勉強法)とは?(スタディサプリ)
人間の集中力には波があります。たとえば午前中や夕方など、自分が最も集中できる時間帯に重要な科目や暗記を入れるのが効果的です。
逆に集中しにくい時間帯(昼食後や夜遅くなど)は、軽めの問題演習や復習にあてましょう。「自分の集中力ゴールデンタイム」を把握することが習慣化の第一歩です。
日々の勉強は、週のゴールから逆算する形で予定を立てると効果的です。週初めに「英語長文を3本解く」「化学の範囲を1章終わらせる」などの目標を決め、それを1日単位に分けていくイメージです。
こうすることで、計画の見通しが立ち、日々の勉強が「点」ではなく「線」としてつながります。達成感も得られやすくなります。
どんなに計画を立てても、やる気が出ない日はあります。そんなときは、「最低限これだけはやる」という“やる気が出ない日用メニュー”を用意しておくと便利です。
例:英単語を10個だけ確認する、ノートを見返す、5分だけ数学の問題に取り組むなど。大切なのは“ゼロで終わらせない”ことです。少しでもやれば、自信と習慣が崩れにくくなります。
勉強に集中するには、環境や習慣だけでなく、アイテムの力を借りるのも非常に効果的です。ここでは、実際に高校生の間でも人気が高く、効果が期待できる集中アイテムを目的別に紹介します。
音による集中環境づくりは、多くの高校生が取り入れやすい方法です。
勉強前にBGMを流すことで、「この音=勉強する時間」と脳が認識し、集中のスイッチが入りやすくなります。
香りは脳にダイレクトに働きかけるため、集中力や記憶力に影響を与えることがわかっています。
使い方の例:
香りをうまく活用することで、「勉強の空気」を自分で演出できます。
長時間の勉強では、体の疲れ=集中力の低下に直結します。特に椅子選びは見落とされがちですが、非常に重要です。
市販品であれば「ニトリ」「Amazonベーシック」「無印良品」の製品がコスパ良く、高校生にも人気です。
頭の中を“見える化”することは、集中と理解を深める近道です。
「書く→整理する→理解する→覚える」という好循環をつくることで、勉強が効率化されます。
集中力は、日々の生活習慣や食事によっても大きく左右されます。どんなに良い環境やグッズがあっても、体と脳のコンディションが悪ければ集中は続きません。
朝ごはんを抜くと、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足し、午前中の集中力が大幅に低下します。
こまめな水分補給(お茶や常温の水)を意識し、「脳を潤す」習慣を身につけましょう。
夜遅くまでスマホを見たり、ブルーライトを浴びたりすると、睡眠の質が落ちて集中力のリズムが崩れます。
質のよい睡眠をとることで、翌日の集中力の持続時間も大きく変わります。
カフェイン(コーヒー・緑茶)は一時的に集中力を高めますが、摂りすぎると不安感や睡眠の質を悪化させる恐れがあります。
また、糖分は脳のエネルギーになりますが、急激に血糖値が上がるジュースやスナック菓子は、その後の集中力低下を招くため注意が必要です。代わりに、ドライフルーツやナッツなどを活用しましょう。
集中力アップのテクニックやアイテムは数多く紹介されていますが、実際に効果を感じた事例があると、信頼度や実行しようと思うモチベーションが高まります。
ここでは、高校生や受験生のリアルな体験談を紹介します。
高校2年生のAさんは、毎日平均5〜6時間スマホを使っていたそうです。特にLINEやInstagramの通知が勉強の邪魔になり、「気づいたら30分経っていた」ということもしばしば。
そこで彼女は、スマホを「勉強時間中だけ親に預ける」ルールを実践。最初は不安だったものの、1週間で「集中できる感覚」が戻ってきたといいます。特にテスト前は、通知ゼロの環境が思った以上に快適で、問題演習に没頭できたとのことです。
この体験は、「スマホを完全にやめる」のではなく、「一時的に遠ざける」だけでも集中力が大きく改善されることを示しています。
勉強が苦手だった高校1年生のBくんは、「どうせ集中できない」と思い込んでいたそうです。しかし、ある日先生から「5分だけでもいいから机に向かってみなさい」と言われ、1日の最初の行動として「5分勉強」を始めました。
結果、最初の5分でやる気が出てきて、気づけば30分、1時間と集中して勉強できる日が増えたといいます。彼はその後「5分×4セット」を習慣にし、自然と毎日2時間以上の学習が定着するようになりました。
「短時間から始める」「ハードルを下げる」ことが集中力維持のカギになる好例です。
30名超の高校生に「実際に使ってよかった集中グッズ」についてアンケートを行ったところ、次のTOP3が挙がりました。
順位 | グッズ名 | コメント例 |
---|---|---|
1位 | ノイズキャンセリングイヤホン | 「周りの音が消えるので、自分の世界に入れる」(高3男子) |
2位 | アロマスティック(ペパーミント) | 「匂いをかぐとスッとスイッチが入る感じ」(高2女子) |
3位 | ToDoリスト付きホワイトボード | 「書いて可視化すると、何からやればいいか分かる」(高1男子) |
グッズはあくまで「補助ツール」ですが、自分に合ったものを使うことで集中への入り口が広がります。
数多くの高校生を見てきた現役塾講師(筆者)だからお勧めできる、集中できる家庭学習法について解説します。
※なお、中学生や中学受験生におすすめの集中力アップ法を、以下の記事でくわしく解説しています。
【中学生向け】勉強に集中する方法17選|自宅で集中力を高めるコツとおすすめグッズも紹介!
まず重視するのは、「無理のない学習計画」です。大きな目標をいきなり目指すのではなく、細かく区切ったスモールステップで学習を進めることで、達成感が得られやすく、モチベーションの維持にもつながります。
たとえば、「英単語を1日50個覚える」ではなく、「1時間ごとに10個ずつ×5回に分ける」といった具合です。達成できた回数をチェックリストで可視化すると、自信にもつながり、継続の力になります。
また、週単位で「復習の日」を設けて、知識の定着を確認することも忘れずに。こうした柔軟なスケジュール管理は、塾でも成果を出している勉強法のひとつです。
早く集中モードに入るのにお勧めなのが、家庭でも学習モードに切り替える“トリガー”(引き金)を持つことです。これは、決まった行動やアイテムで「勉強を始めるぞ」というスイッチを入れる仕組みです。
たとえば、
こうしたルーティンを毎回取り入れることで、脳が「これは勉強の時間だ」と自然に切り替えやすくなります。塾でも「着席したらまず5分で昨日の復習をする」など、決まった動きから学習に入る習慣を大切にしています。
家庭でもこれを応用し、自分に合ったトリガーを見つけることが、集中力アップのカギになります。
勉強に集中できるようになるには、「集中できる環境」「正しい習慣」「自分に合った工夫」の3つを組み合わせて考えることが大切です。
どれも“今すぐ・お金をかけずに・自宅で”できる方法です。まずは一つからでも行動に移してみましょう。
集中力は生まれつきの才能ではなく「習慣で育つ力」です。
うまくできない日があっても大丈夫。大切なのは、「自分なりに工夫し続けること」。完璧を求めるのではなく、昨日よりちょっとだけ集中できた自分を褒めてあげましょう。
毎日の積み重ねが、志望校合格や自分の夢につながっていきます。
あなたにも、必ずできます。
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