古文は「暗記だけの科目」と思われがちですが、実は正しい順番で積み上げると、苦手な高校生でも短期間で読めるようになります。
そこで本記事では、古文が読めなくなる原因・正しい勉強の順番・偏差値別の学習方法・共通テストと二次試験の対策の違いまで、現代文とはまったく異なる“古文の読み方”を体系的に解説します。
基礎から難関大レベルまで、今日から実践できる具体的な方法に落とし込んでいます。
古文は、現代文とはまったく異なる「別言語」です。
そのため、順番を間違えて勉強すると、努力しても伸びにくい科目です。
多くの高校生は、いきなり長文を読み始めたり、単語だけ暗記したり、文法の途中で読解に移ったりと、“逆順”の勉強をしてしまいます。しかし古文は、「基礎 → 運用 → 実戦」という正しいステップをふまないと、文章が読めるようにはなりません。
特に偏差値40〜50台で伸び悩む高校生は、勉強時間の問題ではなく、学習順序のミスが原因であることがほとんどです。
古文は以下の順で固めることで、偏差値が大きく伸びる科目です。
この章では「なぜ順番が重要なのか」を、構造から解説します。
古文は「日本語のようで日本語ではない」言語です。
文章の語順・意味の作られ方・主語の出方など、現代文とは根本的に仕組みが異なります。
現代文:主語 → 述語 の順が基本
古文:述語(動詞・助動詞)が文末に固まり、意味が最後まで確定しない
例:「〜ければ」「〜めり」「〜なり」などの助動詞が文末で意味を決めるため、
助動詞を知らない=文意が絶対にとれない。
古文は主語がほぼ書かれません。
そのため、敬語(尊敬語・謙譲語)の方向が、主語推定の唯一の手がかりになります。
「いたし」「あからさま」「あはれ」など、現代語と意味が異なる単語が多数。
単語を知らないと文章の骨格が理解できません。
つまり古文は、現代文の延長として読むのではなく、
「文法で読み解く言語」として扱う必要がある科目なのです。
「古文=暗記科目」と思われがちですが、実は違います。
確かに単語・助動詞・敬語は覚える必要がありますが、
暗記が苦手な生徒ほど古文が伸びることが多いです。
それには明確な理由があります。
英語に比べれば文法項目が圧倒的に少なく、
助動詞・敬語・識別さえ覚えてしまえば読めるようになります。
古文は、文章構造・登場人物の動き・敬語の方向などが
決まったパターンで進むため、
暗記より「慣れ」で一気に読めるようになります。
助動詞の意味・接続・識別は、
「覚えるというより慣れる」ものが多いです。
だからこそ、暗記に苦手意識を持つ高校生でも
順番通りに積み上げれば、偏差値が急上昇する科目と言えます。
古文が苦手な高校生には、明確に共通する弱点があります。
助動詞の意味・識別ができず、
文章の「語尾の意味」が確定しないため、
読解の土台が作れません。
例:
・「む」「むず」の“推量or意志”が区別できない
・「けり」の“詠嘆”が見抜けない
・「ぬ」「ね」の完了or打消の識別ができない
助動詞は古文の“心臓部”です。
古文は主語が省略されるため、
尊敬語・謙譲語・丁寧語の方向から推定する必要があります。
敬語の理解が浅い高校生は、
「誰が・誰に」話しているのかがあいまいになり、
物語を誤読してしまいます。
古典単語が300語に達していないと、
文章中の基本語が抜けて意味のつながりが切れてしまいます。
特に
・「あからさま」「あはれ」「つれづれ」
など、現代語と意味のズレがある語は要注意。
この3つの弱点を“正しい順番で”克服すると、
偏差値50→60→70と、階段を上るように成績が伸びていきます。
古文は「暗記科目」のように見えますが、実は 体系的に積み上げると最短で結果が出る科目 です。
基本の流れは次の3ステップ。
この3つがそろったとき、文章を「フィーリング」で読む状態から卒業し、
論理的に読み、正答率を安定させる読み方に変わります。
とくに偏差値40〜55あたりで伸び悩む高校生の多くは、
・単語だけやっている
・文法を覚えきれていない
・読解を感覚で読んでいる
という状態にあるため、3ステップに沿って再設計するだけで成績が跳ね上がります。
ここからは各ステップを具体的に解説します。
古文単語は、現代語の感覚のまま覚えてもすぐに忘れます。
とくに意味のズレがある語が多く、語源(もとのイメージ)を理解すると
記憶が一気に定着しやすくなる のが特徴です。
・丸暗記より記憶の保持率が高い
・文章中で意味が“腑に落ちる”
・別の意味(多義語)も覚えやすい
・長文での誤読が激減する
古文は「情景・心情」を描く言語なので、イメージと結びつけると圧倒的に覚えやすいのです。
脳科学的には、
単語を丸暗記するより、“意味のネットワーク”を作るほうが記憶が強くなる
といわれています。
(単語の再認記憶に閉眼が与える影響 – 九州大学など)
語源や背景、イメージを付けて覚えると
例:
「あはれ」=“心が動く感じ” → 情緒全般
→ 悲しい/しみじみ/かわいそう/すばらしい
と派生するため、意味の広がりも覚えやすくなります。
古文単語の中には、1語で「3〜6種類」くらいの意味をもつ語があります。
たとえば:
多義語を知らないと、長文中で意味がすぐに揺れて誤読の原因になります。
多義語を押さえる=文章の“意味ブレ”を防ぐ最短ルート です。
特に共通テストや難関大では、多義語の意味の使い分けが頻出のため、
多義語の優先度は単語学習の中でも最上位です。
古文単語は「語源・イメージ・例文」の3点セットで覚えると超効率的です。
テンプレはこちら:
例:「はかなし」
1)イメージ:しっかりしない
2)中心:頼りない
3)派生:むなしい/ちょっとした~
4)例文:はかなしことに涙を流す(取るに足らないことで)
この流れで覚えると、長文の中で意味が自然に“連想できる状態”になります。
文法は古文読解において「骨格」です。
なかでも 助動詞>敬語>識別 の順番は、合格者の多くがたどる“最短ルート”。
※なお、古文文法について『古典文法基礎ドリル』を参考にしています。
『古典文法基礎ドリル』(河合出版)
逆の順番でやると、読解に生かせずスランプに陥りやすいのが古文の特徴です。
助動詞は全部で約20種ありますが、
実はすべてを完璧に覚える必要はありません。
助動詞には
これらは訳し分けが得点に直結するので、
意味の種類+見分け方 を必ずセットで覚えます。
現代文と決定的に違うポイントが「主語が書かれない」こと。
その主語を見抜く最強のヒントが 敬語の方向(誰→誰への敬意か) です。
尊敬語:動作の主体を高める
謙譲語:相手・相手側を高める
丁寧語:読み手(作者)に向けて
例:
「給ふ」があれば
→ 主語は身分が高い人物
→ 後続の動作も同じ人物の行動であることが多い
このように敬語は、読解の“主語の道しるべ”になるため、
助動詞の次に重要な文法項目です。
古文の識別問題は、完全にパターン化できます。
特に頻出の3つを押さえると、大学入試の大半に対応できます。
例:「なり」=伝聞?推定?断定?
→ 前後の語の種類で判別(音・匂いの語/体言接続 etc.)
例:「べし」の連体形=「べき」
→ 文法問題で高確率で出る
例:「む」→ 未然形につく
→ 活用語尾を見れば一瞬で判別できる
識別は“暗記ではなくパターン”。
10の例を解けばほぼ全パターンをカバーできます。
※このセクションは東京書籍の教科書内容をもとに作成しています。
新編言語文化 | 令和7年度用高等学校教科書・シラバス | 東京書籍
古文読解の正体は
単語 × 文法 × 主語の推定(敬語)
です。
読解が苦手な高校生の9割は
・主語を見抜けていない
・助動詞の意味が取れていない
・場面の流れを意識していない
という理由で誤読しています。
ここでは「正しく読む方法」を解説します。
古文の主語は、自然にコロコロ変化します。
そのため、次の3つの“主語チェンジサイン”に注意します。
尊敬→なし/謙譲→尊敬 など
→ 主語が別の人物に移った可能性大
例:
殿中 → 屋敷 → 外出
→ 場面が変われば動作主も変わることが多い
「思ふ」「心苦し」などの心の動き
→ 登場人物の視点が誰かをチェック
これらに意識すると、主語の迷子が劇的に減ります。
※なお、主語を判定する根拠は教科書でも明確化されています。
(新編言語文化 | 令和7年度用高等学校教科書・シラバス | 東京書籍)
古文は「文法が読解を支配する」科目です。
特に次の3つは読解の決定打になります。
「ぞ・なむ・や・か → 連体形」
「こそ → 已然形」
→ 文末が変わるため、意味の切れ目を把握するのに必須。
主語推定に直結。
尊敬語=主語は身分が高い人物
謙譲語=相手が高い
→ 登場人物の関係図を補完する働きがある。
文末の意味を決める“意味決定装置”。
推量/可能/意志/過去/詠嘆/打消
→ 全て文章の方向性を変える。
これらが噛み合うことで、
古文は“筋が通って読める文章”になる のです。
古文を読む目的は「美しい日本語に訳すこと」ではなく
問題を正しく解くこと です。
ところが、多くの高校生は
「全部訳さないと読めない」と思ってしまいがちです。
しかし実際には、
場面(誰が・いつ・どこで・何をしたか)さえ分かれば、 80%の問題は解けます。
和訳にこだわると
・処理速度が遅くなる
・部分的な訳に気を取られる
・主語の読み落としが増える
という弊害が生まれます。
読解で最重要なのは以下の4つです。
文章全体の“流れ”をつかむことで、確実に正解へ近づけます。
※なお、こうした勉強をするのにおすすめの古文参考書を以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け古文のおすすめ参考書|単語・文法・読解をレベル別に完全整理【共通テスト〜難関大】
まず一言でまとめると:
以降はそれぞれを細かく分けて解説します。
| 試験 | 必要力 | 特徴 |
|---|---|---|
| 共通テスト | 語彙+文法+速読 | 文章量が多い |
| 私大 | 和歌・会話文・テーマ把握 | 出題形式が多様 |
| 国公立 | 記述・現代語訳 | 精度が命 |
※共通テストの出題傾向は大学入試センター掲載の過去問を参考にしています。
※早い段階で自分の志望校の過去問を確認しておきましょう。
過去の入試問題 – 早稲田大学 入学センター・過去問題・講評|立命館大学 入試情報サイトなど
※早い段階で自身の志望大学の入試問題を確認しておきましょう。
これまでの試験問題及び解答等の公表(東京大学)・一般選抜の試験問題等(京都大学)など
現代語訳でよく減点されるポイントを避ける「具体的ルール」を示します。試験で減点を防ぎたいなら厳守。
原文:人、見て涙こぼす。
悪い訳:「人は見て涙を流して悲しんだと思う」 → 「思う」が余計。
良い訳:「人は見て涙をこぼした。」→ 直接的で減点されにくい。
短期(1〜3ヶ月):
中長期(3〜6ヶ月):
目標到達のために必要な能力を「知識(単語・文法)」「技術(主語判定・場面把握)」「訓練(演習頻度・時間配分)」に分け、現在の偏差値帯ごとに最短で伸ばす方法をおつたえします。
このレンジの生徒は「読解速度と基礎語彙の不足」が最大原因。まずは“意味が大まかにつかめる”状態を作ることが最優先です。
参照:Weblio古語辞典
※なお、大学受験で覚えておくべき古文単語を以下の記事に掲載しています。
古文単語の一覧:大学受験で頻出の重要古文単語の一覧と覚え方を紹介(高校生向け)
この帯では基礎はできているので、「文法知識を即時に読解へ反映する」訓練が必要です。ポイントは定着させた文法をすぐに長文で検証すること。
ここからは「細部より文脈の把握」で差をつけるフェーズ。単語・文法はほぼ安定している前提で、物語や随筆の深層的読み解きに時間を投資します。
勉強しているのに古文が伸びない生徒には、共通する「やってはいけない」勉強法が見られます。NG勉強法と、その代替案をお伝えします。
どれも「やり方」を少し変えるだけで成果が出るものばかりなので、やっている項目があれば今日から改善しましょう。
現代語訳のみで単語を覚えると、古文特有の語感や文脈での用法が抜け落ちます。古文語は意味が複数あり、現代語だけだと「どの意味で使われているか」を判別できないことが多いです。結果として、長文で単語に出会っても「訳語は知っているが意味が繋がらない」状態になります。
文法を別枠で学習して満足してしまうと、実戦(長文)で使えません。文法は“抽象知識”で終わらせず、長文という具体場面で身体化(自動化)することが重要です。学んだ瞬間は理解していても、実戦で即座に適用できないと得点につながりません。
古文は現代文より主語が省略されることが多く、敬語の方向や助動詞でしか主語を推定できないケースが頻出します。主語を取り違えると登場人物の行為や心情を逆に解釈してしまい、致命的なミスにつながります。
「勘」は短期的には当たることがありますが、再現性が低く、間違いを何度も繰り返すと誤った読み方(=誤読のクセ)が脳に定着します。定着した誤読は修正が難しく、結果的に偏差値を上げるには大幅な時間と努力が必要になります。
これを毎日5〜10分続けるだけで、古文の“誤った勉強癖”は確実に改善します。
古文は「少しずつ・定期的に・アウトプット中心」で伸びます。ここでは「1日20〜30分」を前提に、平日ルーチン+週末まとめテストの実用スケジュールを例としてお伝えします。
短時間でも「継続」と「復習タイミング」を守れば大きな伸びにつながります。
少しの時間を毎日ルーティン化することで、語彙と文法が体に染み、読解の自動化が進みます。以下は20〜30分で回す「最短で効果が出る」1日の型です。
20〜30分ルーティン(例)
このルーチンを曜日ごとにテーマ分けするとより効率的です(下記参照)。
学習の質は「いつ復習するか」で大きく変わります。ここで有効なのがエビングハウスの忘却曲線を応用した復習プランです。
エビングハウスが示した忘却曲線は「学んでから時間が経つほど忘れていく」という一般法則が表されています。これを学習計画に落とし込むと、効率よく定着できます。以下は実践しやすい復習スケジュール例です(新しい知識を学んだ日を「Day0」とする)。
(※こちらの論文がエビングハウスの忘却曲線の活用の参考になります。
短期記憶を長期記憶に移行する方法 – 大阪教育大学)
推奨復習タイミング(目安)
古文学習での具体的運用例
ポイント
古文は単なる語句の暗記ではなく、単語 × 文法 × 主語判定(場面把握) の組合せで読めるようになる科目です。正しい順番で学び、短時間でも毎日復習を回すことで偏差値は必ず上がります。
これら3つが揃えば、和歌・随筆・会話文—all in—すべて「構造として読む」ことが可能になります。
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