古文は「暗記が多くて大変」というイメージを持たれがちですが、参考書の選び方と使い方を間違えなければ、短期間でも安定して点が取れる科目です。
そこで本記事では、高校生向けに古文参考書を単語・文法・読解の3ジャンルに分け、偏差値別・目的別におすすめの選び方を解説します。
共通テストから国公立二次試験まで対応できる実践的な構成にしています。
古文は「やり方さえ合えば短期間で伸びる科目」です。一方で、参考書選びを間違えると、どれだけ時間をかけても点数が上がらず、「古文=センス科目」「自分には無理」と誤解してしまう高校生が非常に多いのが現実です。
実際、塾や学校現場で多く見られる失敗は、参考書そのものの質ではなく、使い方・組み合わせ・レベル選択のミスにあります。
以下に、高校生が特につまずきやすい代表的な3つの失敗パターンを解説します。
古文が苦手な高校生ほど、「とりあえず古文単語を覚えれば読めるようになる」と考えがちです。
確かに古文単語は重要ですが、単語帳だけでは古文は読めるようになりません。
古文は現代文と違い、
といった特徴があります。
そのため、単語の意味が分かっても、
「誰が」「何を」「どうしたのか」
が判断できず、内容が取れないケースが非常に多いです。
これは文法(特に助動詞・敬語)と読解演習が不足しているサインです。
☑ 古文は「単語 → 文法 → 読解」の順で積み上げる必要があり、単語帳はあくまで土台にすぎません。
古文の参考書選びで非常に多い失敗が、文法書と読解書の役割を正しく理解していないことです。
文法書は、
を理解するためのものです。
しかし、文法書を何周しても、
実際の入試レベルの文章がスラスラ読めるようになる
わけではありません。
逆に、
という理由だけで読解問題集から始めると、
という悪循環に陥りやすくなります。
この役割を理解したうえで、レベルに合った順番で使うことが、古文攻略の最短ルートです。
古文の参考書選びでは、
「みんなが使っているから」
「有名講師が書いているから」
という理由だけで選んでしまう高校生も少なくありません。
どれだけ評価の高い参考書でも、
では、最適な一冊はまったく異なります。
特に、基礎が不十分な状態で難関大向け参考書を使うのは逆効果になりがちです。
古文の参考書選びで最も重要なのは、
に合っているかどうかです。
古文の成績が安定して伸びている高校生には共通点があります。
それは、参考書を「ジャンル別」に使い分けていることです。
古文の参考書は、大きく分けて次の3ジャンルに分類できます。
この3つは役割がまったく違うため、
「どれか1冊を完璧にすればOK」という考え方は通用しません。
古文対策で最優先すべきなのが古文単語帳です。
理由は単純で、単語が分からなければ何も始まらないからです。
古文単語帳には、
など、さまざまなタイプがあります。
しかし、重要なのは掲載語数の多さではありません。
100%覚えている300語
なんとなく見たことがある600語
この2つなら、前者の方が圧倒的に読解力が上がります。
これでは、本文中で単語を見た瞬間に意味が出てきません。
☑ 古文単語は「瞬間的に意味が出るレベル」まで反復してこそ、得点につながります。
古文単語で特に重要なのが、多義語・頻出語の理解です。
例:
これらは、文脈によって意味が変わる単語です。
良い単語帳は、
になっています。
☑ 古文単語帳は「覚えやすさ」だけでなく、多義語の整理が丁寧かどうかで選ぶことが重要です。
単語の次に必須なのが、古文文法(特に助動詞と敬語)です。
ここをあいまいにしたまま読解に進むと、必ず伸び悩みます。
古文文法の中でも、得点差が最もつきやすいのが助動詞です。
助動詞は、
など、文全体の意味を決定づける要素を持っています。
そのため、文法書は、
ものを選ぶべきです。
古文が苦手な高校生の多くは、敬語で完全につまずいています。
古文の敬語は、
を覚えるだけでは不十分で、
「誰から誰への敬意か」を判断する必要があります。
敬語が分かるようになると、
が一気に読み取りやすくなります。
☑ 敬語が理解できる=古文が「物語」として読めるようになる大きな転換点です。
単語と文法がある程度身についたら、古文読解・演習用の参考書を使います。
長文読解の問題集は、古文を読む練習をするためのものです。
そのため、文法が入っていない状態で使っても効果が出ません。
文法が入っていないと、
という状態になります。
☑ 長文読解の問題集は「文法を使って確認する場所」と考えるのが正解です。
いきなり共通テストや難関大レベルの長文演習に入ると、
というリスクがあります。
特に重要なのは、
といった段階的な読解トレーニングです。
文部科学省の学習指導要領(国語-言語文化)でも、語彙の正確な理解に加えて「文脈での判断」も重要とされています。
文章の意味は,個々の文の意味を単に合わせただけのものではなく,文脈の中で形成される
文部科学省 高等学校学習指導要領解説 – 国語より引用
☑ 古文読解は「量より質」。
短文 → 標準 → 実戦の順で進めることで、確実に得点力が上がります。
古文の参考書は「評判」ではなく、今の偏差値・理解度に合っているかで選ぶことが最重要です。
ここでは、偏差値帯ごとに「これだけは外さない」組み合わせを紹介します。
このレベルの高校生は、
という状態になりがちです。
目標は「古文が少し読める」「文章の形が分かる」状態を作ることです。
『読んで見て聞いて覚える 重要古文単語315 四訂版』
古文が苦手な高校生にとって最大の壁は、
「単語を見た瞬間に意味が出てこない」ことです。
この単語帳は、
構成になっているため、暗記が苦手な人でも定着しやすいのが強みです。
☑ 偏差値40台の高校生は、まずこの1冊を完璧にすることが最優先です。
『大学受験ムビスタ 八澤のたった6時間で古典文法』
古文文法で挫折する原因は、
いきなり細かい活用・識別を詰め込まれることです。
この参考書は、
を短時間で理解させてくれます。
☑ 「文法がまったく分からない」高校生の入門書として最適です。
偏差値40〜50の段階では、次のような参考書は避けましょう。
理由は単純で、理解が追いつかず挫折するからです。
☑ この時期は
「量をこなす」より「分かる体験を積む」ことが最重要です。
このレベルになると、
という状態の高校生が多くなります。
ここからは、「理解」を「得点」に変える段階です。
☑ 助動詞が整理されると、文の意味が一気に安定します。
☑ 敬語が分かると、登場人物の関係が見えるようになります。
☑ 「分かったつもり」を防ぐ仕上げ用として非常に有効です。
☑ 共通テストで確実に点を取りたい人向け。
言語を手掛かりとしながら,・・・⾔葉による記録,要約,説明,論述,話合い等の⾔語活動を重視する。
大学入試センター – 大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針より引用
☑ 読解の「型」を身につけるのに最適な1冊です。
このレベルの高校生は、
という段階です。
「より深い読解力・記述力」が求められます。
『岡本梨奈の古文ポラリス[3 発展レベル]』
☑ MARCH・関関同立・早慶を目指す高校生に最適です。
☑ 旧帝大・医学部レベルを目指す人向け。
☑ 地方国公立大志望者の実戦仕上げに向いています。
古文の参考書選びで最も多い失敗は、
「とりあえず有名な1冊を買う」
ことです。
しかし古文は、苦手の原因が人によってまったく違う科目です。
この章では、
「今つまずいているポイント別」に、どんな参考書を選ぶべきかを解説します。
単語が覚えられない原因は、暗記量ではなく覚え方にあります。
☑ 単語が覚えられない人ほど、量を減らして定着率を上げることが重要です。
助動詞を、
ことが原因です。
☑ 助動詞が安定すると、古文全体の理解度が一段階上がります。
和歌は、
ことで苦手になりやすい分野です。
☑ 和歌はパターンを知れば安定して取れる分野です。
記述問題は、
ことが原因で失点します。
☑ 記述はセンスではなく、型と練習量で伸びます。
古文対策は、
共通テストと二次試験で必要な力がまったく違います。
☑ 読解スピードと正確さが最優先。
(参考:大学入試センター – 大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針)
☑ 深い理解と説明力が求められます。
(参考:これまでの試験問題及び解答等の公表(東京大学)・試験問題、解答例等について | 学部入試(九州大学)など)
そのため、
と、目的別に参考書を使い分けることが必須です。
古文が伸びる高校生と伸びない高校生の違いは、
参考書のレベルや冊数ではなく「使い方」です。
実際、
がはっきり分かれます。
その差を生むのが、周回方法と復習設計です。
1周目でやってはいけないのは、
「完璧に覚えようとすること」です。
特に古文文法では、
必要はありません。
☑ 1周目は
「こういうルールで古文は動いているんだ」
と理解できれば十分です。
この段階では、
を基準にしてください。
☑ 即答できない=未定着です。
3周目で全ページをやり直すのは、
時間対効果が非常に悪いです。
☑ この段階では、
「できない部分だけを集中的に」が鉄則です。
例:
☑ 誤答ノートは
「自分専用の最重要単語帳」になります。
参考書学習で最も多い失敗が、
「やった気になる」ことです。
そこでおすすめなのが、
簡単なチェック表の作成です。
各項目を
「○(即答)/△(迷う)/×(無理)」
で記録します。
☑ チェック表があるだけで、
学習効率は大きく変わります。
古文は、
だけでは、安定して点数が上がりません。
重要なのは、参考書を「勉強法」とセットで使うことです。
同じ1冊でも、
では、伸び方に大きな差が出ます。
古文参考書は、勉強法を理解した上で使ってこそ効果を発揮します。
例えば、
は、使う目的がすべて違います。
特に、古文が苦手な高校生は、
解説を読んでも「なぜそうなるか」が分からない
という状態になりがちです。
☑ 先に古文の基本的な読み方・考え方(勉強法)を押さえ、
その上で参考書を使うことで、理解の深さが段違いになります。
※高校古文の勉強法については、以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け古文の勉強法|偏差値40→70を狙うための最短ルートを徹底解説【単語・文法・敬語・読解】
「古文は後回しになりやすい科目」です。
そこで重要なのが、短時間でも毎日回せる設計です。
| 学習内容 | 目安時間 | やることの例 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 古文単語 | 7分 | ・即答チェック ・前日/3日前の復習 | 見て3秒で意味が出るか |
| 古文文法 | 7分 | ・助動詞1テーマ確認 ・例文を声に出す | 理解重視、詰め込みすぎない |
| 古文読解 | 6分 | ・短文1題 ・主語・助動詞に線を引く | 根拠を本文で確認 |
| 合計 | 20分 | ー | 毎日続けることが最優先 |
☑ 20分でも、毎日積み重なれば大きな差になります。
| 学習内容 | 目安時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 古文単語のみ | 5〜7分 | 即答できない単語だけ確認 |
☑ 忙しい日でも「ゼロにしない」ことが最重要
☑ 単語の勉強だけでも続けることで、古文力は落ちません。
古文では、
複数の参考書を同時に使うこと自体は問題ありません。
ただし、順番を間違えると効果が激減します。
これでは、
知識がつながらず「やった気」だけが残る状態になります。
週末に、
を入れると、完成度が一気に上がります。
この4点を押さえれば、
古文は短期間で安定した得点源になります。
| チェック項目 | ○ / × |
|---|---|
| 有名だからという理由だけで選んでいる | □ |
| 難しそうな参考書ほど効果があると思っている | □ |
| 読解問題集だけを中心に勉強している | □ |
| 単語や文法が不安なまま次の参考書に進んでいる | □ |
| 1周やって「合わない」と判断して買い替えている | □ |
基本は1冊で十分です。
むしろ、2冊・3冊と増やすと定着率が下がりやすくなります。
この2点ができていれば、入試古文で単語不足になることはほぼありません。
多くの場合、不足します。
学校教材は、
ことが多く、
「自分の弱点に特化した対策」には向いていません。
☑ 学校教材は補助、
☑ 市販参考書で弱点補強、
という使い分けがベストです。
条件付きでOKです。
変えていいケース
変えない方がいいケース
☑ 「合わない」と感じたら、使い方を見直す→それでもダメなら変更が正解です。
原則ナシです。
直前期にやるべきなのは、
の再確認です。
☑ 新しい参考書は「知識が増える」より
☑ 「不安が増える」リスクの方が大きいです。
正しい順番で進めれば、
2〜3か月で手応えが出る科目です。
☑ ダラダラやるより、短期集中+毎日20分が効果的です。
十分間に合います。
古文は、
ため、
現代文より期間で伸ばしやすい科目です。
※現代文の勉強法については、以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け|現代文の勉強法の完全ガイド【偏差値別・読解手順・おすすめ参考書】
不要ではありません。
共通テストでも、
が分からないと、
内容一致問題で確実に減点します。
「最低限の文法+読解スピード」が必要です。
まとめて対策できます。
多くの読解参考書には、
が含まれています。
☑ 和歌専用対策は、苦手な人だけ追加すればOKです。
紙がおすすめです。
特に古文は、
視覚的な整理が重要なので紙向きです。
毎日が理想ですが、
完璧でなくてOKです。
☑ 「ゼロの日を作らない」ことが最重要です。
高2後半〜高3春がベストです。
ただし、
でも、
やり方次第で十分得点源にできます。
古文参考書選びで迷ったら、
次の2点だけは必ず守ってください。
この順番を崩すと、
どんな参考書でも効果が出ません。
です。
× 「何冊やったか」ではなく
〇 「1冊をどこまで仕上げたか」
ここを意識すれば、
古文は確実に安定得点源になります。
この記事で紹介した内容をもとに、
自分のレベル・目的に合った1冊を選び、正しい順番で使うこと。
それが、古文攻略の最短ルートです。
※この記事の参考リンク:文部科学省「高等学校学習指導要領(国語)」
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