中学受験を検討するご家庭にとって、学校説明会は合否以上に「進学後の満足度」を左右する大切な場です。
しかし、「どんな準備をすればいいの?」「質問してもいいの?」といった不安を抱く保護者も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、事前の準備ポイントや質問のコツ、当日のマナーから、参加後に役立つ情報整理の方法や学校選びの判断基準までを丁寧に解説。初めて説明会に参加する方でも安心して臨めるよう、Q&A形式でよくある疑問にもお答えします。
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中学受験を控えたご家庭にとって、学校説明会は単なる情報収集の場ではなく、志望校選びや合否、そして入学後の満足度までも左右する極めて重要な機会です。学校パンフレットやホームページだけでは得られない、現地での空気感や先生・在校生の雰囲気、運営側の本音など、数値には表れない「リアルな情報」に触れられる数少ないチャンスです。
では、具体的にどのような点で説明会が重要なのでしょうか?以下で詳しく解説します。
参考:中学受験を意識したら必ず行いたい!学校見学と説明会の賢い活用法
学校説明会が受験に与える影響は意外と大きく、特に以下の3つの点で大きな意味を持ちます。
学力だけで学校を選んでも、「授業の進度が速すぎてついていけない」「先生との距離が遠く感じる」など、入学後にミスマッチを感じるケースは少なくありません。説明会に参加することで、教育方針・校風・生徒への接し方などが自分の子どもに合っているかどうかを直接見て判断できます。
学校によっては、説明会で入試傾向や出題のポイント、合格ラインの目安などを詳しく説明してくれる場合があります。また、過去に説明会で質問をしたことが受験校側の記録に残っているケースもあり、「志望度が高い家庭」として印象づけられることも。情報収集=合格戦略の一部として活用できます。
合格しても「思っていた学校と違った」と感じてしまうと、子どもも保護者も不満を抱えることになります。説明会で得た実感をもとに入学を決めれば、納得して通える学校選びができ、親子ともに満足度の高い中学生活をスタートできます。
パンフレットやWEBサイトの情報は、当然ながら学校が「見せたい部分」に特化した内容です。しかし、説明会に実際に足を運ぶことで、次のような“現地でしか得られないリアルな情報”を得ることができます。
説明会で登壇する教員の話し方、言葉選び、生徒への接し方などから、日々の教育現場の雰囲気が垣間見えます。資料では見えない、「この先生なら安心して預けられそう」と思えるかが重要です。
学校によっては、トイレや教室の掲示物、廊下の使い方に至るまで、教育に対する価値観や指導の細やかさが現れることがあります。写真では分からない「匂い」や「空気感」も含め、現場でこそ判断できる材料です。
在校生が案内をする学校も多く、生徒の受け答えや態度、自然な表情から学校生活の実態を感じ取れます。また、他の保護者の質問内容や雰囲気から、自分の家庭と似た価値観かどうかも確認できます。
学校説明会では、参加者である保護者側も実は「見られている」ことがあります。
とくに少人数の個別説明会や個別相談会では、保護者の服装や話し方、子どもとの接し方などが見られることがあります。中学受験は家庭の教育姿勢も評価対象になるため、学校側が「この家庭なら安心して受け入れられる」と思うかどうかも大切なポイントです。
説明会に何度も参加している、具体的な質問をしている、メモを取って熱心に聞いている──こうした姿勢は、学校に対して好印象を与えるだけでなく、選抜においてプラス材料になるケースもあります(特に推薦・帰国生入試・一部の個別対応校で)。
保護者が熱心で誠実であると、学校側も「この家庭には丁寧に対応しよう」と考え、より詳しい情報や本音を話してくれることがあります。説明会は一方通行ではなく、相互のコミュニケーションの場として活用できます。
中学受験における学校説明会は、合格可能性を高めるためだけでなく、親子が納得して進学先を選ぶための、貴重な現地体験の場です。見た目だけではわからない学校の内側を知るためにも、積極的に参加し、正しく「聞き」「見極める」力をつけることが、失敗しない中学受験につながります。
学校説明会では、「何を質問すればよいのかわからない」「失礼にならないか不安」と悩む保護者の方も多いはず。ですが、ポイントを押さえて質問することで、学校の本質や方針が明確になり、志望校選びの判断材料となります。
以下では、テーマ別に実際の説明会で役立つ質問例を詳しく紹介します。
参考:【中学受験】学校説明会の『成功&失敗』リアル体験談から学ぶコツ
中学3年間または6年間の学びが、将来の大学進学や人生の基礎をつくる大切な時期。学習面についての質問はとくに重要です。
これらの質問によって、中学受験後の学習環境が我が子に合っているかどうかを見極められます。特に先取り教育を行っている学校では、フォロー体制の充実度が進学実績にも直結します。
特定教科に力を入れている学校では、教材の質や指導の深さが進路実績に直結します。教科別に異なる取り組みを質問することで、子どもに向いている教育方針かどうかが明らかになります。
学校の出口(進学)についての質問は、親として最も気になるところ。数字だけでなく、指導体制の「中身」を確認しましょう。
中高一貫校でも、外部進学(高校・大学受験)への柔軟な対応があるかどうかは、進路選択の自由度に大きく関わる重要な視点です。
学校によっては「進学者数」ではなく「合格者数」で公表するため、水増しされていることも。進路実績の実態を掘り下げる質問が必要です。
学力だけでなく、人間性を育む環境も学校選びには欠かせません。
表面上のルールと現場の実態にギャップがあることもあるため、「現場の声」が聞ける質問が効果的です。
「いじめゼロ」と答える学校よりも、具体的な対応策を語れる学校の方が信頼性が高いという見方もあります。
勉強以外の活動も、学校生活の充実には不可欠です。
「部活が忙しすぎて成績が落ちる」といった事態を防ぐためにも、活動量と学習支援のバランスをチェックすることが重要です。
合格するためには、試験の中身や選考方法をよく知っておく必要があります。
「どの教科を重点的に対策すべきか」などの戦略が立てやすくなります。学力以外の評価要素(人物・家庭環境など)も確認しておくと安心です。
「補欠」と言われた時の心構えが変わるだけでなく、繰り上がりの可能性も実際の数字で判断可能になります。
学校の空気感や人間関係は、数字では測れない大事な情報です。
先生と生徒の距離感は、子どもの学校生活の満足度に直結します。説明会中の教員の話し方や生徒の様子もあわせて観察しましょう。
同じ学校でも、学年によって雰囲気が異なることはよくあるため、「どの学年の様子を見るべきか?」という視点を持つとより深く理解できます。
学校説明会は、単に情報を聞くだけの場ではありません。実際に足を運ぶことで、学校の雰囲気・生徒の様子・先生の対応・施設環境など、公式パンフレットには載っていない“リアル”な情報を得ることができます。
ここでは、保護者が現地で注目すべき観察ポイントを解説します。
建物の新しさや広さ以上に大切なのが、「日頃どれだけ大切に使われているか」という視点です。
清掃が行き届いているかどうかは、学校全体の「教育に対する姿勢」を映す鏡。古くても丁寧に管理されている学校には、指導の細やかさが感じられます。
説明会で登壇する先生の態度や言葉遣い、参加者への対応からは、日常的に生徒や保護者とどう接しているのかがよく伝わります。
とくに、質疑応答の時間や個別相談時に注目してください。現場の本音や教育理念の深さが見えてくる場面です。
在校生が案内役として参加している説明会も多く、彼らの様子は学校生活のリアルな「答え合わせ」になります。
在校生の雰囲気は、学校の「人間教育の成果」とも言えます。明るく、のびのびとした表情をしているかどうかをよく観察してください。
参加している保護者層を見ることで、「この学校に通うご家庭の雰囲気」が伝わってきます。
子どもにとって、「周囲の家庭との価値観の違い」が学校生活に影響することもあります。「自分たちの家庭がこの学校の雰囲気になじめるか?」という視点も大切です。
説明会で配られる資料は、学校の情報開示姿勢や誠実さを表します。
見栄えが良くても中身が薄い資料もあれば、地味でも「読み込める」資料を出す学校もあります。資料の充実度=情報公開の姿勢と考え、読み込む価値のあるものかを見極めましょう。
説明会はただ情報を「受け取る」だけではなく、その場の空気を感じ取り、自分の目で確かめ、耳で聞くことで初めて“学校の本質”に気づける場です。
校舎の様子、生徒の雰囲気、先生や保護者の姿、資料の丁寧さ──どれも見逃せない要素です。最終的に「ここなら安心して子どもを通わせられる」と感じられるかどうか、感覚的な納得感も大切にしましょう。
学校説明会に参加する前に、以下の3点は必ず確認・準備しましょう。
①持ち物
②服装
保護者も子どもも「清潔感」が大切です。派手すぎず、かといってラフすぎない格好を心がけましょう。
例:男性は襟付きシャツ+ジャケット、女性は落ち着いた色合いのワンピースやブラウス+スカート
③予約方法
最近はWEB予約が主流です。学校の公式サイトや予約専用フォームから、日程や時間帯を間違えずに入力しましょう。人気校は早く満席になることもあるため、早めの予約が重要です。
説明会では多くの情報が飛び交うため、聞きたいことを事前にリストアップしておくと安心です。
以下の観点で質問を分類すると整理しやすくなります。
質問カテゴリ | 例 |
---|---|
教育内容 | ICT教育はどの程度導入されていますか? |
校風・人間関係 | いじめ防止やSNS利用についての取り組みは? |
通学・生活 | 放課後の補習やクラブ活動の終了時間は? |
進学実績 | 中高一貫校の場合、高校進学時の選抜はありますか? |
スマホのメモアプリや、A4用紙1枚にまとめて持参すると便利です。
説明会の場では保護者の「態度」も意外と見られています。以下を心がけましょう。
複数の学校説明会に参加する場合、その場で感じた印象や情報をすぐ記録することがカギです。
整理しやすい表の形式でメモすると比較がしやすくなります。
例:
項目 | 学校A | 学校B |
---|---|---|
通学時間 | 45分(電車) | 30分(バス) |
校風の印象 | 穏やか・面倒見が良さそう | 自由で自主性重視 |
説明会での先生の印象 | 丁寧・ユーモアあり | 少し堅めだが熱意あり |
子どもの反応 | 楽しそうだった | 校則が気になる様子 |
志望校を決める際は、子どもと保護者が同じ目線で話し合うことが大切です。以下のような「判断軸」を設けて意見交換しましょう。
パンフレットやホームページには「学校の良いところ」が主に掲載されていますが、実際の雰囲気や日常はそれだけではわかりません。
学校説明会では「逆に何が書かれていなかったか」「実際にどう見えたか」に注目することが大切です。
たとえば:
「ギャップ」を見抜くことで、よりリアルな学校選びが可能になります。
学校説明会は移動を含めると半日かかります。保護者の方が説明会に行って子どもは自宅や塾の自習室で勉強するというご家庭もあります。
ですが、第一志望校はぜひお子様も連れていくほうが良いです。そのメリットをお伝えします。
第一志望校の説明会に行くと、たいてい子どものモチベーションアップにつながります。
説明会で説明してくれている先生は来年自分の「クラス担任」になるかもしれませんし、運動場や体育館で部活をしている中学生は「先輩」になるかもしれません。
そんな想像をしながら校舎内を歩くので、「よしっ!やるぞ!」と気合が入ります。
※関連記事:勉強の集中力を高める方法とおすすめアイテム
※関連記事:中学受験をやめたいと思ったら?:保護者ができる対処法と勉強嫌いにならないようにする上手なサポート方法
説明会で出題傾向を聞くと、子ども自身が「どのような問題を解けるようにすればいいか」を具体的にイメージしやすくなります。
説明会以外でも出題傾向は何度か耳にしていると思います。ですが、志望校の先生から志望校の敷地内で聞くとかなり強い印象になります。
自宅や塾で問題を解く際にも「解けるようにがんばろう!」と意識するようになります。
学校説明会に車で参加される方もいらっしゃいますが、電車やバスで行かれるほうが良いです。通学経路を子どもが確認できるからです。
電車なら、定期券の使い方やどのホームの電車に乗れば良いのか。バスなら、どのバス停のバスに乗るか。学校の最寄りの駅やバス停から学校までの道すじ、徒歩何分くらいで着くか。
説明会に合わせてスクールバスが出ていればぜひ乗りましょう。
通学経路を知っておけば、入学後はもちろんですが、入試当日も非常に役立ちます。慣れない移動はかなりストレスを感じますが、1-2回行っておくだけでストレスを相当軽減でき、入試に集中できます。
学校説明会と個別相談会は、目的や形式が異なります。
つまり、説明会は「情報をもらう場」、相談会は「相談する場」と考えるとよいでしょう。
はい、低学年(小1~小3)での参加にも十分な意味があります。
ただし、内容は高学年向けなので、子どもが退屈しないように配慮が必要です。
原則として適切な質問は歓迎されますが、以下のような場合には注意が必要です。
質問は、「簡潔に・建設的に・礼儀正しく」を意識すれば悪印象にはなりません。心配な場合は、質問カードの提出や、個別相談会で聞くのも有効です。
はい、多くの学校がオンライン説明会でもチャット形式やQ&Aタイムを設けており、質問が可能です。
ただし、学校ごとに以下の違いがあります:
オンラインでも積極的に質問することで、資料や動画ではわからない“生の声”を得ることができます。
中学受験は「情報戦」とも言われます。パンフレットやWEBサイトだけでは得られない「現場の空気感」や「先生の言葉づかい」「生徒の雰囲気」などは、説明会に足を運ばないとわかりません。
だからこそ、親は聞く力(どんな質問をするか)と見る力(どこに注目するか)を養い、子どものために良質な情報を引き出す“記者”のような目線を持つことが大切です。
受験生側は「選ばれる側」という意識を持ちがちですが、説明会は「学校を選ぶ」ための機会でもあります。
「我が子に合っているか」「教育方針や先生の姿勢は信頼できるか」「通学環境や安全面はどうか」など、家庭の基準で学校を評価する視点が必要です。
受け身にならず、「こちらも学校を見定めに来ている」というスタンスを持つことで、より納得感のある志望校選びができるようになります。
中学受験の学校説明会のポイント、説明会に子どもを連れていくメリット、個別相談会でのおすすめの質問を紹介しました。
志望校での説明会に子どもを連れていくと勉強のモチベーションアップにつながります。通学経路の確認になり、入試当日の余計なストレスを避けることにもつながります。
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