中学入試の国語には語彙力がかなり必要です。
一般的な小学生なみでは足りず、中高生ぐらいの語彙力が求められます。
ですが、普通に過ごしているだけでは語彙は急に伸びていきません。
そこで、語彙力をアップさせられるドリルや、中学受験生におすすめの国語辞典を紹介します。
ドリル・国語辞典を使って語彙を増やす練習方法も紹介しています。
※関連記事:国語辞典を使う習慣をつくって語彙力と読解力を伸ばす方法
中学受験では語彙力がとても重要です。
※関連記事:子どもの語彙力を伸ばす方法と語彙力の高い子の過ごし方
語彙力アップに役立つドリルを紹介します。
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『10才までに覚えておきたいちょっと難しい1000のことば ジュニア版』の改訂版で、マンガで解説してくれているので分かりやすく、小学校低学年から使えます。
この1冊で完全に覚えようとするより、「聞いたことがある」「見たことがある」というやわらかいレベルまで使うのにおすすめです。
語彙力アップに長期的に取り組みたい家庭の導入編として便利です。
中学入試に出てきて、長文を読むうえで知っておくべき難解な言葉を集めて収録したドリルです。
答えを赤シートで隠して一問一答形式で暗記ができます。
分量が多いので長期的に取り組みたい方に向いています。
掲載されている言葉の量が多くて300ページ以上もあり、中堅中学から難関中学まで幅広く使えます。
意味を知らない言葉が出てきたときに調べる辞書のような使い方もできます。
問題集編も販売されているので、セットで活用することもできます。
最後は、分野別集中レッスンシリーズの語彙力編です。
文学的文章でよく出る「心情をあらわす言葉」や説明的文章でよく出る用語などが掲載されています。
このドリルはほかのドリルにくらべてとてもコンパクトで、入試直前チェックに向いています。
語彙力を伸ばせるドリルは、基本的には子どもが「読んで面白い」と感じるものが良いです。
それ以外に、一般的なおすすめの選び方をまとめました。
まず、年齢や学年に応じたドリルを選びましょう。
中学受験では先取り学習が必要なため、上の学年のものを使うことが多いです。
ただ、算数や国語の長文読解ではそのほうが良いですが、語彙力アップのドリルはそこまで急ぐ必要はありません。
年齢・学年相応のものであっても、大人でも説明に困るような言葉、意味をよく知らない言葉が数多く掲載されています。
小学校入学直後から語彙力アップに取り組まれているご家庭も多数あります。
低学年にはイラストが多めのドリルがおすすめです。
文字だけの解説だとまだ内容をイメージしづらい年齢です。イラストで視覚的に理解しやすいものが有効です。
4年生以降では語彙の解説に例文がついているものを選びましょう。
言葉は文脈によって意味や使われ方に多少の幅があります。
例えば「愛惜(あいせき)」という言葉は、「ある事物や人を大切にして、手放したり傷つけたりするのを惜しむこと。なごり惜しさ。」(日本国語大辞典)という意味です。
本やおもちゃなどの具体的な物だけでなく、「思い出を愛惜する(名残惜しむ)」のように形のないものにも使われます。
例文をみて、どのような使われ方をしているか、どのような状況で使われているかを知ると、その言葉をイメージしやすくなります。
6年生で語彙力アップドリルを使うときには、使いやすいもの・語彙の総チェックがしやすいものが便利です。
これらの条件に合うものがおすすめです。
つづいて、語彙力アップに便利な国語辞典を紹介します。
コンパクトで持ち運びしやすいものもありますが、ここでは、自宅で使う想定で通常サイズのものを紹介しています。
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中学受験をする小学生に定番の国語辞典です。
掲載語数が多く、小学生を飽きさせないように言葉の意味や使い方をカラーのイラストや写真も交えて紹介してくれており、とても見やすいです。
しかも日本地図を使って地域の特徴も説明してくれており、総合的な知識を身につけられます。
また、巻末に「10才までに覚えたい難しいことば1000」などが載っており、語彙を調べるだけでなく「学習」に使える国語辞典です。
こちらもは掲載語数が多く、中高生並みの難易度の国語辞典です。
中学受験では中高生並みの語彙力が求められるので、難易度はちょうど良いと言えます。
小学校高学年からおすすめです。
なお、表紙の色が赤色のもの(赤版)と青色のもの(青版)があります。
表紙のデザインが違うだけで中身は同じです。
国語辞典になかなか興味を示さない子におすすめなのがキャラクターものの国語辞典です。
こちらはそのなかでドラえもんの辞典です。
写真も交えて動物の赤ちゃんの特集や、さかさことばなど言葉遊びをして子どもの使える語彙力アップにつながる特集もあります。
すべての漢字にルビが振られており、1年生から使えます。
国語辞典は早い段階から親しみ、使う習慣ができているほうが役立ちます。巻末には国語辞典の使い方をマンガで紹介してくれており、楽しみながら国語辞典を使えるようになります。
ワイド版、小型版に分かれています。
ワイド版↓
小型版↓
さまざまな言葉の語源を紹介し、使い方を解説してくれている辞典です。
衣食住にまつわる言葉や文化と伝統からできたことばなど、中学受験もよく出てくるテーマが多いです。
言葉の意味だけでなく背景もついでに学べるので、国語の長文読解にも役立ちます。
タイトルにもあるように、「同音異義・異字同訓・類義語・反対語」を中心に掲載しています。
語彙力を上げるには関連語を一緒に学ぶのが効率的です。
「あう」という言葉でも「会う」「合う」「遭う」の違いをイラストと一緒に解説してくれており、文学的文章の表現にも強くなれます。
最後に紹介するには、これまでの辞典とは全く異なる切り口からの辞典です。
独立独歩、破顔一笑など四字熟語に特化しています。
秀逸なのはネコやイヌの写真とともに四字熟語を紹介してくれている点です。
シュールな写真、胸キュンな写真など、次のページをめくりたくなります。子どもだけでなく大人も心を揺り動かされること間違いなしです。
親子で「どの四字熟語が好きか(=どのワンコ、ニャンコが好きか)」と一緒に楽しく読めて、頭に残ります。
小学生にとって国語辞典は分厚くてむずかしそうに見えます。ハードルが高いため、そのハードルを下げられる国語辞典を選ぶのが常道です。
小学生向けの国語辞典は語句の説明の仕方に工夫をこらしてくれています。
子どもにとって文字だけでは印象に残りにくいため、イラストや写真、4コマ漫画も含めて語句の意味や使い方を説明してくれているものがおすすめです。
子ども向けの国語辞典のなかには、言葉の意味だけでなく日本国内の伝統行事などを紹介する特集を組んでいるものもあります。
中学入試の問題は幅広いテーマで出題されます。なかでも、日本の文化についての問題は国語だけでなく算数や理科、社会でもたびたび出てきます。
言葉の意味を知るだけでなく、関連する内容も紹介していると知識の幅をグンと広げて入試対策にもなります。
国語辞典のハードルを下げる意味で、好きなキャラクターがデザインされた国語辞典もおすすめです。
親しみを感じているキャラクターや絵柄の国語辞典だと、興味を示しやすくなる子は多いです。
特にドラえもんのように長く人気のあるキャラクターだと、国語辞典もシリーズ化されます。
1冊気に入ったら同じシリーズで別の国語辞典にも使いやすくなるというメリットもあります。
中学受験対策には、類義語・対義語などの関連用語をまとめている国語辞典が便利です。
国語の漢字の問題で類義語・対義語は頻出です。しかも、選択問題では同じ意味の別の言葉に言いかえられているのが普通です。
類義語にくわしくなっておくと正解を選びやすくなります。
外来語(カタカナ語)をまとめて紹介している国語辞典も非常に便利です。
中学入試の国語の長文には、小学生になじみの薄いテーマもよく出されます。
現代の社会の在り方などを説明する文章だと、外来語の登場もしばしばです。インフレ・デフレはもちろん、ジレンマ、ルーツ、スローガンなど一般的に子どもがよく知らないカタカナ語が当たり前のように出てきます。
国語辞典は掲載語数が多くなるほどページ数が増え、重くなっていきます。
外運びには重い国語辞典は適しませんが、自宅リビングで使う分には重さは問題になりません。
ここまで、ドリルや国語辞典を紹介してきました。
最後に、対義語・類義語をドリルや辞書で覚えて親子で練習して語彙を増やす方法を紹介します。
言葉はバラバラに覚えるよりも、関連するほかの言葉と一緒に覚えるほうが頭に残りやすいです。
ドリルや国語辞典を使って大量に覚えます。
まず、ドリルや国語辞典で言葉を1つ調べます。
その言葉の関連用語を5分ほどで覚えましょう。
5分たったらその対義語・類義語を1分以内にできるだけ多く書き出します。
書き出した言葉の数が多いほど記憶に定着しやすくなります。
親子で競争しながら書くとさらに効果的です。
書き出した言葉を使って例文を書いてみましょう。できるだけ自分の日常生活のいち場面を例文にします。
なかなか思い浮かばないときはドリルや辞典に載っている例文を参考にします。
これを週末に1度ずつ実施すると、使える語彙がどんどん増えていきます。
語彙の獲得にはやはりアウトプットが欠かせません。
ドリルや国語辞典で語彙を学習しつつ、同時並行で日常生活でも使って慣れます。
学校から帰ってきたときや夕食時には「学校であったこと」を聞きましょう。
「学校どうだった?」でも良いですが、howよりもwhatで聞かれるほうが子どもは答えやすいです。
ポイントは「教えてもらう(教えてね)」というスタンスです。矢継ぎ早に質問すると「詰問されている」と感じる子もいます。
1つお話をしてくれたら、「~なんだね。それから?」と返します。
返し方はいろいろですが、「子どもの言った内容を言いかえてあげる」「つづきをうれしそうにうながす」のがポイントです。
同じ内容を別の言い方にすると、子どものなかで話し方のレパートリーが増えます。
さらにつづきを促されると、別の内容も話そうとするのでアウトプットが増えていきます。
ときには「~とどっちがうれしかった?/楽しかった?」のように、比較する質問を投げかけてみます。
中学入試の説明的文章はたいてい、対比です。
対比は「何かと何かを比べる手法」です。日常会話で比べながら話す練習をしておくと、対義語を使いなれますし、文章を対比させながら読む練習にもなります。
子どもが話しかけてきたら前のめりで聞くのがポイントです。
親子の会話で言葉を使う練習をするには、楽しさが欠かせません。楽しいからもっと話そう(アウトプット)、伝えたいことを表現できる言い方を学ぼうという意欲がわいてきます。
いかがでしょうか。
中学受験生向けに語彙力を伸ばせるドリルや国語辞典を紹介しました。
ただ言葉の意味を覚える、調べるだけだとよほど言葉に興味を持っている子でないとつづきません。
演習しやすいドリルや、日本の生活・文化など言葉の意味以外の内容も知れる国語辞典などがおすすめです。
ドリル・国語辞典を使って親子でできる言葉の練習法も紹介しています。
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