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「小論文の段落分けの仕方が分からない」
「小論文では段落分けをしないと減点になる?」
このような疑問をお持ちの高校生は多いようです。
高校生にとって小論文を書く機会はとても少ないですが、大学入試で必要になることがかなり増えてきています。
そこで、小論文での段落分けの仕方について例文付きで解説します。
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作文など長い文章では大抵、段落分けをします。
では小論文では段落分けするのでしょうか。結論を言うと、「段落分けをします」。
段落分けの仕方を説明します。
まず知っておきたいのは段落とは何かです。段落とは「意味や内容のまとまり」を指しています。
1つの段落で1つの話題を入れます。
段落ごとに目的を1つずつ持たせましょう。
後ほどくわしくお伝えしますが、文章の展開に応じて段落を分けるとすっきりした読みやすい文章になります。
小論文は序論・本論・結論の3部構成が基本です。この構成に沿って段落も3つに分けると書きやすく、読みやすい文章になります。
この場合、各段落の目的は以下のようになります。
前述のように小論文は3段落に分けると書きやすいですが、本論をさらに2つ3つの段落に分けることも可能です。
その場合、下記のような分け方が便利です。
序論 | 意見の主張 |
本論 | 意見の根拠① |
意見の根拠② | |
結論 | 再度意見の主張 |
また、自身の意見と異なる意見を提示し、それに対する反論をするという論旨展開も可能です。例えば下記のような流れです。
①段落:お客様は神様だという意見に賛成だ。
↓
②段落:なぜなら顧客に商品を買ってもらわないと店舗はつぶれてしまうからだ。
↓
③段落:顧客の言いなりになると店舗の運営に支障が出るという意見もある。確かに言いなりになると店舗側に大きな不利益が発生する場合もある。しかし顧客を尊重することと言いなりになることは同一ではない。
↓
④段落:顧客の要望をくみ取りつつ、店舗運営に重大な支障が発生しないような商品提供をすれば良い。
↓
⑤段落:従って、お客様は神様だという意見に賛成だ。
表にすると以下のようになります。
序論 | 意見の主張 |
本論 | 意見の根拠 |
反対意見への反論 | |
反論の根拠 | |
結論 | 再度意見の主張 |
段落の数も大切ですが、「その段落で何を言いたいのか」が重要です。
段落にはそれぞれ目的があります。段落の最初に要約を入れるようにすると段落の目的が明確になり、さらに読みやすくなります。
イメージとしては、各段落の最初の一文を読むだけで、その文章の内容が分かる書き方が良いです。
課題文型小論文では、受験生自身の意見を書く問題以外に「要約問題」もよく出てきます。
要約する問題では、解答条件が特に示されていない限り、段落分けしないのが一般的です。
ここまでは、段落分けの仕方について説明してきました。段落分けをしないと、大抵の場合、減点されるでしょう。
その理由を例文とともに説明します。
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小論文の採点で「段落分けをしているかどうか」は重要なポイントではありません。ですが、段落分けしていないと読みづらいうえに主張が伝わりにくいです。
そのため、大抵は減点されてしまいます。
段落分けしていない場合の例文を紹介します。
【設問】
「裁判員制度の課題とその対策を論じなさい」
【例文】
「裁判員制度には裁判員の負担の大きさが課題となる。心理的負担の観点から論じる。裁判員には、事件の内容や証拠の詳細などを直接聞くことが求められるため、その心理的負担が大きい場合がある。また、裁判員の判断が事件の結果に直接影響を与えることから、ストレスや心理的影響を受けることもある。この問題を解消するため、心理的支援やカウンセリングサービスを実施する必要がある。以上より、裁判員制度には裁判員の心理的負担解消の課題があり、カウンセリングの実施が必要と考える。」
いかがでしょうか。言いたいことが間延びしているような印象です。
何回か読みなおさないと「何を言いたいのか」が伝わりにくい文章です。
つづいては、段落分けが「多すぎる」例文を紹介します。
【設問】
「裁判員制度の課題とその対策を論じなさい」
【例文】
「裁判員制度には裁判員の負担の大きさが課題となる。
心理的負担の観点から論じる。
裁判員には、事件の内容や証拠の詳細などを直接聞くことが求められるため、その心理的負担が大きい場合がある。
また、裁判員の判断が事件の結果に直接影響を与えることから、ストレスや心理的影響を受けることもある。
この問題を解消するため、心理的支援やカウンセリングサービスを実施する必要がある。
以上より、裁判員制度には裁判員の心理的負担解消の課題があり、カウンセリングの実施が必要と考える。」
先ほどの段落分けのない例文よりも余白が多いので、見やすい印象になるかもしれません。ですが、「何を言いたいのか」はやはり間延びして、ポイントが分かりにくいです。
最後に、適切な段落分けをしている例文を紹介します。
【設問】
「裁判員制度の課題とその対策を論じなさい」
【例文】
裁判員制度には裁判員の負担の大きさが課題となる。心理的負担の観点から論じる。
裁判員には、事件の内容や証拠の詳細などを直接聞くことが求められるため、その心理的負担が大きい場合がある。また、裁判員の判断が事件の結果に直接影響を与えることから、ストレスや心理的影響を受けることもある。この問題を解消するため、心理的支援やカウンセリングサービスを実施する必要がある。
以上より、裁判員制度には裁判員の心理的負担解消の課題があり、カウンセリングの実施が必要と考える。
文字数が227字なので、序論・本論・結論の3つの段落に分けました。目的別に段落分けをしていて、なおかつ段落の数も程よいです。
600字や800字の解答になれば、本論をさらに2-3つの段落に分けても読みやすくなります。
段落分けと同じく、小論文では改行にも注意が必要です。
まず、改行するタイミングの注意点やコツを紹介します。
字数稼ぎを目的とした改行は厳禁です。
文章を書くときに改行を頻繁にする人もいます。なかには、一文ごとに改行している人もいました。
字数稼ぎで改行すると減点対象になります。
改行は頻繁にするものではありません。改行が多すぎると読みづらい文章になります。
段落分けと同じで、余白が生まれて見た目の印象は良いかもしれませんが、「何を言いたいのか」が伝わりにくい文章になります。
以上の注意点を踏まえて結論を申し上げると、小論文では、「段落分け」をするときにだけ改行しましょう。
つづいて、改行するときのルール(書き方)を紹介します。
改行すると、改行後の最初の1マスは空けるのがルールです。
改行時、句読点は最後の行に書きます。マス目が下になければ、最後のマス目に文字と一緒に書きましょう。
小さい「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」も最後の行に書きます。句読点と同じく、マス目がなければ最後のマス目に書きます。
いかがでしょうか。
高校生向けに、小論文での段落分けの仕方を例文付きで紹介しました。
段落は意味や内容のまとまりなので、段落ごとに目的を持たせます。小論文は序論・本論・結論の3部構成が多いので、構成に沿って3段落に分けると書きやすくなります。
また、改行は段落分けをするときにだけ実施します。字数稼ぎを目的とした改行は減点対象になります。
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