「世界史の100字論述の書き方が分からない」
このような悩みを感じている高校生は多いのではないでしょうか。
難関大の世界史では論述問題が出されます、定期テストや共通テストと全く問題傾向が異なるため、対策の仕方に困る人も多いかもしれません。
ですが、世界史の論述は十分な知識を持ち、適切な手順で答案を作成すれば安定して点を取れる問題です。
そこで、世界史論述問題の書き方や勉強法を、東大や早稲田の過去問を例にとって説明します。
なお、世界史論述問題の例題や解答を以下の記事で紹介しています。
世界史の論述問題と解答例
世界史論述問題とは、特定のテーマに基づいて、自分の考えを論理的に展開しながら解答する問題形式です。
求められる能力は、事実を正確に記憶するだけでなく、それを使って一貫した文章を構成する力です。例えば、「フランス革命の要因と影響を述べよ」という問題では、経済的要因、社会構造の変化、政治的改革の具体例を織り交ぜながら論じることが求められます。
記述問題は短い文で特定の事実を述べることが主目的であるのに対し、論述問題は複数の事実を関連付けて説明し、自分の視点を示す必要があります。
論述問題では、背景や因果関係を論理的に説明し、結論を導き出す構成力が問われます。
論述問題に取り組むには、教科書の精読が不可欠です。特に、歴史的な出来事の因果関係や年表を正確に把握し、年代ごとの流れを理解することが重要です。
また、資料集や歴史地図を活用して視覚的に学ぶことで、理解が深まります。
頻出する用語を覚える際は、関連性を意識しましょう。例えば、「産業革命」を学ぶ場合、「蒸気機関の発明」「資本主義の発展」といったキーワードを関連付けて覚えると効果的です。
マインドマップ(メモリーツリー)を作成するとさらに理解が進みます。
早稲田や東大など難関大学では世界史で論述問題が出されます。一般的な世界史の勉強だけでは100字の答案は書けません。
世界史論述の書き方を説明します。
まず、問われている時代を絞り込みます。
世界史は出題範囲が広大です。漠然と思い出して考えようとしても考えがまとまりきりません。
考察する範囲を絞り、解答のポイントを的確に見つけられるようにしましょう。
つづいて、問題に関連するキーワードを書き並べます。
例えば2024年度の東大では、国連事務総長による発展途上国での経済発展の遅滞状況についての演説を読んだうえで、以下のような問題が出ています。
民族の独立のために戦乱が起きたり、独立国どうしが対立したりした。1960年代のアジア・アフリカにおける戦乱・対立を以下の語句を使って12行以内で記述せよ。
【アルジェリア・コンゴ・パキスタン・南ベトナム解放民族戦線】
4つの語句を使って、アジア・アフリカでの民族独立に関連する戦乱や対立を説明する文章を書きます。
この問題では語句が提示されているので、その語句に関連するキーワードを書き並べます。
民族独立がテーマなので、以下の2点を書く必要があります、
以下のようなキーワードを答案に入れる必要があります。
どれか1つでも書きもらすと減点対象になります。問われている内容に関してキーワードを書き並べ、書きもらしがないようにします。また、キーワードを並べて書けば答案を書きやすくなり、答案作成に時間がかからなくなります。
キーワードが書けたら、キーワードを使って答案に関連する出来事を図にしましょう。
前述の東大の入試問題を例にすると以下のようになります。
アジア | アフリカ | ||
アルジェリア | フランスからの独立、長期の戦乱 | パキスタン | イギリスから独立、インドとの間にカシミール地方の帰属問題 |
コンゴ | ベルギーからの独立、資源確保のため分離政策の介入 | 南ベトナム解放民族戦線 | アメリカ・ソ連の介入、ベトナム戦争の発生・泥沼化 |
上記の図は頭のなかで作成できる程度の簡単な図です。ですが、視覚的に確認できるようにしておくほうが良いです。答案を作成中に文字数が短い・長いときに修正が必要になります。答案を消したり書いたりしているうちに論点がズレていくことがよくあります。
人は視覚情報の処理が得意な生き物です。答案作成や答案修正作業をしやすくために、図を描いて目で確認できるようにしておきましょう。
採点官が求めるのは、明確な主張と、それを裏付ける事実や事例の適切な提示です。
例えば、主張として「フランス革命は経済的要因が中心だった」と述べ、その根拠として租税制度の不平等や財政難を挙げます。
過去問を活用する際は、解答例を参考にしながら、自分の解答を修正していくことが重要です。
また、時間を計りながら解答することで、試験本番のペース配分を確認できます。
東京大学や京都大学では、比較や評価を求める問題が多く出題されます。例えば、「19世紀の国際秩序と現在の国際関係を比較せよ」という問題では、単なる事実の羅列ではなく、両者の本質的な違いを述べる必要があります。
政治史では「ナポレオン戦争」、経済史では「産業革命」、文化史では「ルネサンス」などが頻出です。
それぞれのテーマにおいて、時代背景や重要人物の役割を押さえることが攻略の鍵です。
政治史では、権力の変遷や国際関係、制度の形成が主なテーマです。
例えば、「ナポレオン戦争」では、戦争の原因としてフランス革命やヨーロッパ諸国の対立を押さえます。その上で、戦争がヨーロッパの政治秩序に与えた影響(ウィーン体制の成立や民族主義の高揚)を論じます。
また、「大日本帝国憲法制定」では、憲法制定の背景として自由民権運動やプロイセン憲法の影響を述べつつ、具体的な条文や制度の特徴を挙げると説得力が増します。
ポイント:
経済史のテーマでは、特定の出来事が経済に与えた影響を分析する力が求められます。
「産業革命」では、技術革新(蒸気機関や機械化)や資本主義の発展を挙げ、その影響として工場制手工業の発展、都市化、労働問題を論じます。
また、「世界恐慌」では、アメリカの株価暴落から連鎖的に起きた国際経済の崩壊と、その後の各国の対応(ニューディール政策やブロック経済)を比較することで、国際関係と経済の関連性を示すことができます。
ポイント:
文化史では、思想や芸術がどのように社会や時代背景に影響されたか、またそれが社会にどのような影響を与えたかを分析します。
「ルネサンス」では、古代ギリシャ・ローマ文化の復興を基盤に、写実的な美術(例:ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』)やヒューマニズム思想が発展したことを挙げます。
また、「啓蒙思想」では、社会契約説(ルソーやホッブズ)や合理主義の普及が近代革命に与えた影響を論じます。
このように、文化的な動きが他の分野(政治や経済)とどう関連するかを示すと説得力が増します。
ポイント:
実際の論述問題に挑戦することで、論述力を鍛えましょう。
論述問題では、必ずしもマニアックな知識は必要ありません。むしろ教科書レベルの知識をいかに総合的に動員できるかがカギです。
そのためには、たくさん論述問題を解いてアウトプットに慣れるのと、模範解答を見て「知識の構造化(再整理)」をしておきましょう。
前述のように、世界史の論述問題は解答手順を押さえれば書きやすくなります。ただし、そこまでいくには長期にわたる計画的な勉強が必要です。
世界史論述の勉強法を紹介します。
まず、古代史から現代史まで通史を覚えましょう。
論述問題では知識が必要不可欠です。世界史は出題範囲が広いため、歴史の流れに合わせて順に覚えていかないと途中から混乱してきます。
※関連記事:世界史の一問一答問題
世界史論述の答案を作成するには、「よく整理された知識」を頭のなかに入れておく必要があります。
タテの歴史、ヨコの歴史を「両方とも」勉強しましょう。以下の3点を整理して覚える必要があります。
例えば、2024年度の早稲田・商学部ではロシア・トルコ戦争の講和条約締結の経緯とその条約がもたらし結果について100字以内で記述する問題が出ています。
直接の戦争はロシアとトルコですが、イギリスによる「ロシアの南下を抑えたい」という外交方針が関係しています。
何があったか、どうなったかだけでなく、「他地域(他国)がどう関係したか」も押さえるようにしましょう。
以下のような参考書がおすすめです。
世界史論述では一定程度の知識が必要です。目安は共通テストで8割です。
難関大で求められる学力が共通テスト8-9割なので、過去問で8割を取れるくらい知識補充が進めば十分です。論述対策に本格的に乗り出しましょう。
※関連記事:共通テスト世界史の参考書
論述問題は「考えて書く」という面が意識されがちですが、世界史論述は暗記問題です。
論述対策問題集を使って解答を片っ端から暗記しましょう。
※関連記事:世界史の論述問題と解答例
解答を暗記する際には、解答内容を図で示して理解を進めるようにしましょう。
論述の勉強では「丸暗記」にならないように気を付ける必要があります。
入試では過去問と異なる問題が出てきます。図をかいて適切に内容理解ができるようにしておき、初見の問題でも複数の解答を組み合わせて答案を書けるようにしましょう。
論述問題では、序論・本論・結論にかける時間を事前に決めておくことが重要です。
例えば、全体が30分なら、序論に5分、本論に20分、結論に5分と配分します。
よくあるミスには、テーマに関係のない記述や、構成の乱れが挙げられます。
解決策として、まずアウトラインを作成し、それに基づいて文章を展開します。
もし知らないテーマが出題された場合でも、関連する知識や一般的な歴史的背景を活用して解答を作ることが可能です。
例えば、「中世ヨーロッパの経済」を知らなくても、封建制度や農業経済について述べることで対応できます。
最後はやはり過去問です。志望校の過去問を20年分以上は解くようにしましょう。
論述問題と一口に言っても、大学によって出題傾向はかなり異なります。
東大は全問記述ですし、早稲田は知識問題の一問一答が中心で最後に論述問題が出ます。志望大学の出題傾向に合わせた対策が必要なので、過去問をたくさん解いて慣れるようにしましょう。
なお、世界史論述の過去問対策は共通テストが終わってからで十分間に合います。適切な量の知識があること、知識ごとの関連性(タテ・ヨコの歴史)が理解できていることが必要ですが、それさえあれば対策にあまり時間がかかりません。
世界史に関しては、共通テストまでは「共通テストで目標点数を取れる」ように勉強し、共テ後から二次対策に切り替えましょう。
最後に、世界史論述の参考書を紹介します。
出版社:山川出版社
特徴:
大学入試の論述問題で合格点を取るための攻略法を丁寧に解説。制限字数に応じて基本編25題、発展編15題からなる。作業を通じて読み進めることによって、段階的に実力がつく。
山川出版社より引用
出版社:駿台文庫
特徴:
入試頻出の論述問題を45題厳選。東大・一橋大・京大などの論述問題をこの一冊で克服できます。
駿台文庫より引用
出版社:河合出版
特徴:
論述問題で確実に点を取る
●「論述問題で何が要求されているか」「何をどの地域と時代の範囲で書かなくてはならないか」「論をどう展開させていけばよいか」といった、論述を書く上で必要なポイント・能力を、例題を解くことによって身につけることができる内容となっています。
●ポイントを見極める例題75で理解を深め、練習問題116題で解答力をつけていきます。
河合出版より引用
東大受験者必携の1冊はコチラ↓
出版社:駿台文庫
特徴:
過去28年分(1989~2016年)の東大世界史の第1 問大論述(450~600字),第2問小論述(30~150字)を徹底的に研究し,テーマごとに配列。東大世界史に必要となるタテ軸は数世紀,ヨコ軸は全世界を見渡す視点を養いながら効率よく論述カを身につけることのできる東大受験生必携の1冊。
駿台文庫より引用
おすすめの論述対策問題集を4冊紹介しました。
対策問題集を選ぶ際には、まず志望大学の出題傾向を知るようにしましょう。
大学によって「文字数」「出題頻度の高い地域や時代」が異なります。
数十字程度の問題を出す大学もあれば、600字前後の問題を出す大学もあります。また、近現代中心に出題する大学、古代や中世も満遍なく出題する大学もあります。
それぞれの大学の出題傾向を知り、それに合う問題集を選ぶようにしましょう。
いかがでしょうか。
高校生向けに世界史論述の書き方を、東大や早稲田の過去問を例に説明しました。
答案をいきなり書き始めるのではなく、解答のポイントメモを作成しましょう。出来事を図で簡単にかいておくとさらに「減点されない答案」を書けるようになります。
タテとヨコの歴史の流れをしっかり把握し、共通テスト8割程度取れる知識を身に付けておきましょう。
※Z会を活用して、部活と並行して難関大に進学するための方法を下記記事で紹介しています。
Z会だけで難関大学に合格する方法
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