英語の受動態の疑問文のつくりかたを例文つきで解説(中学生が間違いやすい問題など練習問題あり)

中2で習う英語の受動態の疑問文は、誰が何をされたのかや動作が行われたかどうかを確認する際に使う表現です。

疑問文を作る際には、通常の受動態にbe動詞を文頭に移動させるだけで簡単に作成でき、テストでも点を取りやすくなります。

そこでこの記事では、受動態の疑問文の作り方をくわしく解説します。進行形、過去時制、完了時制、未来時制それぞれについて例文つきで解説しています。

最後に練習問題も用意しているので、問題演習をとおして理解を深めていきましょう!

Z会

受動態の疑問文の作り方

中2の英語で「受動態」という英文法を習います。受動態の疑問文は次の3つの手順でつくれます。

be動詞を文の先頭に置く

受動態の基本形は「be動詞 + 過去分詞」です。疑問文にする場合は「be動詞」を文の先頭に置きます。

【例文】
平叙文: The cake was made by my mother.(ケーキは母によって作られました。)

疑問文: Was the cake made by your mother?(ケーキはあなたのお母さんによって作られましたか?)

上記のようにbe動詞の「was」が文の先頭にきます。「be動詞」の形(is/was/areなど)は文の時制によって変わります。

※関連記事:be動詞am、is、areの使い分け:主語によって区別する方法の解説と無料の練習問題
※関連記事:be動詞was、wereの使い分け:主語によって区別する方法や意味の違いを解説(練習問題つき)

動詞を過去分詞形にする

受動態では動詞を過去分詞形にしますが、疑問文でも過去分詞形を使います。

【例文】
現在形: Is the homework done?(宿題は終わっていますか?)
過去形: Was the car repaired yesterday?(車は昨日修理されましたか?)

上記のように、現在や過去の時制で「be動詞」が変わりますが、動詞の形は変わりません(過去分詞形のまま)。

Yes/Noの疑問文と疑問詞を使う疑問文の違い

Yes/Noで答えられる疑問文は「be動詞」を先頭に置くだけで作れます。

一方、疑問詞を使う疑問文(what, who, when, where, why、how)では、「疑問詞」を「be動詞」の前に置きます。

【例文】
Was the letter sent?(その手紙は送られましたか?)

When was the letter sent?(その手紙はいつ送られましたか?)

上記のように、「~しましたか?」と聞いてyes/noで答える疑問文では「be動詞」を文頭に置きます。「when(いつ)」のように疑問詞を使って質問する場合は「疑問詞+be動詞」の順番になります。

受動態の疑問文の例文

ここまで解説してきた受動態の疑問文を、例文でまとめて紹介します。

過去時制の受動態疑問文の例文

過去時制の受動態疑問文(「~されましたか?」など)の例文は以下のとおりです。

①:Was the window broken by the storm?
(窓は嵐によって壊されましたか?)
②:Were the pictures taken by you?
(写真はあなたによって撮られましたか?)

「be動詞+主語+過去分詞形」の順です。

現在完了時制の受動態疑問文の例文

現在完了時制の受動態疑問文(「すでに~されましたか/完了しましたか?」など)の例文は以下のとおりです。

①Has the book been read by her?
(その本は彼女によって読まれましたか?)
②Have the documents been submitted by the students?
(その書類は生徒たちによって提出されましたか?)
③Has the project been completed by the team?
(そのプロジェクトはチームによって完了しましたか?)

「have/has + been + 過去分詞」の順です。

進行形の受動態疑問文の例文

進行形の受動態疑問文(「~されていますか/いましたか?」など)の例文は以下のとおりです。

①Is the work being done by the students?
(その作業は生徒たちによって進められていますか?)
②Was the room being cleaned then?
(部屋はそのとき掃除されていましたか?)

「be動詞+主語+being+過去分詞形」の順です。

疑問詞を使う受動態疑問文の例文

疑問詞を使う受動態疑問文(「誰が~されますか?」「どこで~されましたか?」など)の例文は以下のとおりです。

①Who was chosen as the leader?
(誰がリーダーに選ばれましたか?)
②Where was the treasure found?
(宝物はどこで見つかりましたか?)

「疑問詞+be動詞+主語+過去分詞形」の順です。

中学生が間違えやすい受動態の表現

ここからは、中学生が間違いやすい受動態の表現をいくつか紹介します。

yetとalreadyの意味の違いと使い分け方

受動態を学校で習うときには、yetやalreadyも一緒によく出てきます。それぞれの意味や使い方を解説します。

yetの意味と使い方

意味: 「まだ」「もう」

用法: 主に否定文や疑問文で使われます。特に「まだ」何かが起こっていない場合に使われます。

yetの例文

【例文】
I haven’t finished my homework yet.(私はまだ宿題を終えていません。)
Have you eaten yet?(もう食べましたか?)

alreadyの意味と使い方

意味: 「もう」

用法: 主に肯定文で使われます。何かがすでに起こったことを示します。

alreadyの例文

【例文】
I have already finished my homework.(私はもう宿題を終えました。)

yetとalreadyの使い分け方

まだ何かが起こっていない場合は「yet」を使い、すでに何かが起こった場合は「already」を使います。

yetとalreadyを使い分ける練習問題

次の受動態の文を完成させてください(yet または already を使って)。

(1)The homework ( ) ( ) ( ) by the teacher.

「宿題は先生によってまだ採点されていません。」

(2)The car ( ) ( ) ( ) by the mechanic.

「車は修理工場で修理されました。

(3)Has the letter ( ) ( ) ( )?

「手紙はもう送られましたか?」

解答と解説

(1)hasn’t been graded yet

「yet」は否定文で「まだ~していない」という意味を表します。

(2)has already been fixed

「already」は肯定文で「すでに~した」という意味です。

(3)been sent yet

「yet」は疑問文でも使い、「もう~しましたか?」という意味になります。

受動態でbyを使うとき、使わないとき

中学校の定期テストに出てくる受動態の問題は、「by」を使うものが多いです。なかにはbyを使わないものも出てくるため、混乱しがちです。

「by」は「動作をする人、モノ」を書くときには必要ですが、それがないときには書かないのが正解です。

  • 文中に動作をする人・モノがある→byをつける
  • 文中に動作をする人・モノがない→byをつけない

受動態でbyを使い分ける問題

次の文を受動態に書きかえてください。特に、「by」を入れるかどうか考えて解いてみてください。

(1)The artist painted the picture.

(2)Someone opened the door.

(3)People speak English in many countries.

解答と解説

(1)The picture was painted by the artist.

動作をした人物(the artist)が文中で明確に書かれている場合、by を使います。

(2)The door was opened.

ドアを開けた人物が重要でない場合や文中に書かれていない場合は、by を省略します。

(3)English is spoken in many countries.

受動態で一般的な事実を述べる際には、by を使いません。

「下線部をたずねる疑問文を作りなさい」の問題の解き方

中学英語の文法問題ではよく、「下線部をたずねる疑問文を作りなさい」という問題が出てきます。下線部が引かれている単語が「動詞」「場所」「人」「時間」「モノ」のどれなのかを考えてみると解きやすくなります。

  • 動詞→how
  • 場所→where
  • 人→who
  • 時間→when
  • モノ→what

「下線部をたずねる疑問文を作りなさい」の練習問題

以下の文の下線部をたずねる疑問文をつくってください。

(1) The book was written by a famous author.

(2) The event was held last Saturday.

(3) The problem was solved quickly.

(4) The letters were sent to the wrong address.

(5) The homework was finished by the students.

解答・解説

(1)Who wrote the book?

解説:問題文は「その本は有名な作者によって書かれた。」という意味です。「有名な作者」=「人」なので、「who」ではじまる疑問文にします。

和訳:その本は有名な作者によって書かれた。→その本を書いたのは誰ですか?

(2)When was the event held?

解説:問題文は「そのイベントは先週の土曜に開かれた。」という意味です。「先週の土曜」=「時間」なので、「when」ではじまる疑問文にします。

和訳:そのイベントは先週の土曜に開かれた。→いつそのイベントは開かれた?

(3)How was the problem solved?

解説:問題文は「その問題は速やかに解決された。」という意味です。「速やかに解決された」=「動詞」なので、「how」ではじまる疑問文にします。

和訳:その問題は速やかに解決された。→その問題はどのように解決されたか?

(4)Where was the letter sent?

解説:問題文は「その手紙は間違った場所に配達された。」という意味です。「間違った場所」=「場所」なので、「where」ではじまる疑問文にします。

和訳:その手紙は間違った場所に配達された。→その手紙はどこに配達されたか?

(5)Who finished the homework?

解説:問題文は「宿題はその生徒たちによって終わらされた。」という意味です。「その生徒たち」=「人」なので、「who」ではじまる疑問文にします。

和訳:宿題はその生徒たちによって終わらされた。→誰が宿題を終わらせたか?

受動態の疑問文をつくる練習問題

ここまで解説してきた内容をもとに、受動態の疑問文をつくる問題を解いて練習してみましょう。

能動態を受動態に書きかえる問題

次の能動態の文を受動態に書きかえてください。

(1)The teacher explained the lesson.
(先生が授業を説明しました。)

(2)She will finish the project tomorrow.
(彼女は明日プロジェクトを終わらせます。)

(3)They painted the house last week.
(彼らは先週家を塗りました。)

(4)He is writing a letter.
(彼は手紙を書いています。)

(5)My father cooked dinner.
(私の父が夕食を作りました。)

(6)They have solved the problem.
(彼らはその問題を解決しました。)

(7)The students will complete the assignment by Friday.
(生徒たちは金曜日までに課題を終えます。)

(8)He repaired the car.
(彼は車を修理しました。)

(9)She is cleaning the room.
(彼女は部屋を掃除しています。)

(10)The manager gave us instructions.
(マネージャーが私たちに指示を出しました。)

解答と解説

(1)The lesson was explained by the teacher.

「授業が先生によって説明されました。」
通常の受動態の文です。「主語+be動詞+過去分詞形」の順に書きます。

(2)The project will be finished by her tomorrow.

(プロジェクトが彼女によって明日終えられます。)
未来時制の受動態です。「主語+will+be動詞+過去分詞形」の順に書きます。

(3)The house was painted by them last week.

(家が先週彼らによって塗られました。)
通常の受動態の文です。「主語+be動詞+過去分詞形+by+動作主」の順に書きます。

(4)A letter is being written by him.

(手紙が彼によって書かれています。)
受動態の進行形です。「主語+be動詞+being+過去分詞形+by+動作主」の順に書きます。

(5)Dinner was cooked by the chef.

(夕食がシェフによって作られました。)
通常の受動態の文です。「主語+be動詞+過去分詞形+by+動作主」の順に書きます。

(6)The problem has been solved by them.

(その問題が彼らによって解決されました。)
完了時制の受動態です。「主語+have/has+been+過去分詞形」の順に書きます。

(7)The assignment will be completed by the students by Friday.

(課題が生徒たちによって金曜日までに終わられます。)
未来時制の受動態です。「主語+will+be動詞+過去分詞形」の順に書きます。

(8)The car was repaired by him.

(車が彼によって修理されました。)
通常の受動態の文です。「主語+be動詞+過去分詞形+by+動作主」の順に書きます。

(9)The room is being cleaned by her.

(部屋が彼女によって掃除されています。)
受動態の進行形です。「主語+be動詞+being+過去分詞形+by+動作主」の順に書きます。

(10)We were given instructions by the manager.

(私たちがマネージャーによって指示を出されました。)
通常の受動態の文です。「主語+be動詞+過去分詞形+by+動作主」の順に書きます。

受動態の英作問題

次の日本語を英語に書きかえてください。文の形は能動態または受動態です。

(1)その問題はもう解決されましたか?

(2)彼は宿題を終えました。

(3)その橋は2年前に建てられました。

(4)あなたは手紙を書きましたか?

(5)そのメールはいつ送られましたか?

(6)彼女はピアノを弾きます。

(7)この本は誰によって書かれましたか?

(8)昨日彼女がその部屋を掃除しましたか?

(9)そのレポートはまだ提出されていません。

(10)彼はその絵を描いていますか?

英作問題の解答

(1)Has the problem been solved yet?
「その問題はもう解決されましたか?」

(2)He finished his homework.
「彼は宿題を終えました。」

(3)The bridge was built two years ago.
「の橋は2年前に建てられました。」

(4)Did you write the letter?
「あなたは手紙を書きましたか?」

(5)When was the email sent?
「そのメールはいつ送られましたか?」

(6)She plays the piano.
「彼女はピアノを弾きます。」

(7)Who was this book written by?
「この本は誰によって書かれましたか?」

(8)Did she clean the room yesterday?
「昨日彼女がその部屋を掃除しましたか?」

(9)The report has not been submitted yet.
「そのレポートはまだ提出されていません。」

(10)Is he painting the picture?
「彼はその絵を描いていますか?」

解説

受動態の疑問文では、「be動詞」を文の先頭に置くことがポイントです。

また、受動態の動詞は「be動詞 + 過去分詞」の形が基本となります。時制によって多少組み合わせが異なりますが、それが基本の形です。

なお、疑問詞を使う受動態の疑問文では、疑問詞(Who, When, Whereなど)が文頭にきて動作主や時期、場所などを質問します。

まとめ

中学生や高校生向けに英語の受動態の疑問文の作り方を解説しました。

受動態の疑問文は、be動詞を文頭に置くことで簡単に作成できます。現在、過去、未来など、さまざまな時制に対応する形で使え、動作が行われたかどうかを確認する便利な方法です。

能動態の疑問文との違いも意識しながら、練習問題に取り組み、しっかりと使いこなせるように練習しましょう。

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福地 暁です。 個別指導の塾を経営しています。 これまで3000組以上のご家庭を担当させていただきました。 中学受験、高校受験、大学受験、英検・TOEIC対策、中学生・高校生の定期テスト対策など、さまざまな学習支援をしています。 みなさまの学びにプラスになる情報をお伝えしていきます! よろしくお願いします。 1男1女の父。 どうやら娘には「甘いパパ」と思われているようで、 アイスやジュースをねだるときは必ずパパのところにきます。

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