飛鳥時代は日本史において重要な転換点を迎えた時代であり、政治改革や仏教文化の発展が見られました。
この記事では、飛鳥時代の始まりから終わり、主要な出来事や人物について詳しく解説し、高校日本史テスト対策にも役立つ情報を網羅しています。
歴史を効率的に覚える方法やテストで狙われるポイントも取り上げているので、ぜひ学習の参考にしてください。
参考:NHK高校講座 文字と画像で見る | 第4回 飛鳥の朝廷と律令国家の形成 | 日本史
飛鳥時代は、推古天皇が即位した593年(※旧暦では592年)から、平城京に遷都された710年までとされています。
この時代は、大和政権の確立から律令国家への移行が進み、文化的にも仏教の受容や飛鳥文化の発展が特徴です。
飛鳥時代は政治体制の改革が進み、律令国家の基礎が築かれた時代です。
また、仏教文化の隆盛や外交活動を通じて、日本独自の国家観が形成されました。この時代の改革と文化的発展が後の日本社会に大きな影響を与えています。
593年 | ・推古天皇が日本史上初めての女性天皇となる ・厩戸王が推古天皇の摂政になる |
603年 | 冠位十二階の制定 |
604年 | 十七条憲法の制定 |
607年 | 小野妹子が遣隋使として派遣される |
608年 | 隋の煬帝の命で裴世清(はいせいせい)が倭国を訪れる |
620年 | 『天皇記』『国記』が蘇我馬子と厩戸王によって編纂される ※どちらも現存せず |
638年 | 山背大兄王が斑鳩に法起寺を建立する |
639年 | 百済大寺の建立がはじまる |
643年 | 蘇我入鹿が山背大兄王とその一族を滅ぼす |
645年 | ・乙巳の変が起こる ・難波宮に遷都 |
646年 | 改新の詔が発布される |
649年 | 右大臣・蘇我倉山田石川麻呂が謀反の疑いで自害 |
652年 | 班田収授法が施行される |
663年 | 白村江の戦いで、唐・新羅連合軍に日本軍が大敗する |
667年 | 近江大津宮へ遷都する |
668年 | 中大兄皇子が即位して天智天皇になる |
671年 | 天智天皇が崩御し、大海人皇子が吉野に隠棲する |
672年 | 壬申の乱が起こり、大海人皇子が大友皇子を破る |
673年 | 大海人皇子が即位して天武天皇になる |
684年 | 八色の姓が制定される |
686年 | ・天武天皇が崩御 ・大津皇子が謀反の疑いで自害(大津皇子の変) |
689年 | 飛鳥浄御原令が施行される |
690年 | ・天武天皇の后が即位して持統天皇になる ・庚寅年籍が作成される |
694年 | 藤原京に遷都される |
697年 | 文武天皇が即位する |
701年 | 大宝律令が完成し、施行される |
708年 | 和同開珎が発行される |
なお、日本史全時代の年表を以下の記事でくわしく解説しています。
日本史の年表:縄文時代から昭和までの重要な出来事を年代順に一覧で紹介
乙巳の変は、蘇我入鹿の専横が原因で起こり、蘇我本宗家の滅亡とともに天皇中心の中央集権体制の始まりを示しました。その後、大化の改新では公地公民制や地方行政の整備が進められ、国家運営の基盤が整えられました。
なお、乙巳の変や大化の改新については以下の記事で詳しく解説しています。
高校日本史テスト対策:乙巳の変とは?大化の改新との違いを徹底解説
飛鳥文化は、日本初の仏教文化として知られ、法隆寺や四天王寺などの建築が特徴です。これらの文化的成果は、日本の宗教観や建築技術の基礎を築きました。
また、仏教の普及は精神文化にも深い影響を与えています。
聖徳太子は、冠位十二階(603年)や十七条憲法の制定(604年)、遣隋使の派遣(607年)など、政治改革と外交活動を通じて律令国家への基礎を築きました。
また、仏教を奨励し、法隆寺を建立(607年)するなど文化面でも多大な貢献をしました。
古墳時代の末期、蘇我馬子は仏教の受容を推進し、反対派である物部守屋を厩戸王とともにほろぼしました(587年丁未の乱)。これにより蘇我氏は強大な権力を手に入れます。
※なお、蘇我氏と物部氏による仏教論争については、以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け!物部守屋と蘇我氏の仏教論争の背景を徹底解説|古墳時代の氏姓制度を学ぶ【日本史テスト対策】
さらにその子・孫である蘇我蝦夷・入鹿も大臣として権力を握りました。
しかし、645年の乙巳の変で蘇我入鹿が暗殺され、蘇我本宗家は滅亡しました。これにより、天皇中心の政治体制が復活しました。
高向玄理や小野妹子は、遣隋使として中国の進んだ制度や文化を学び、帰国後の改革に活用しました。
これらの外交活動は日本の中央集権化や律令制度導入に大きく寄与しました。
飛鳥時代には、日本史上初の女性天皇が誕生しています。推古天皇です。
厩戸王(聖徳太子)の叔母であり、厩戸王や蘇我馬子と協力して政治改革を行いました。
なお、日本史で覚えておくべき天皇を以下の記事でくわしく解説しています。
日本史で覚えるべき天皇:大学受験に出やすい歴代天皇を順番に紹介(女性天皇は誰かも紹介)
記述問題では、乙巳の変が大化の改新のきっかけとなり、蘇我氏の排除と中央集権化につながった点を説明できることが重要です。
また、聖徳太子の改革と仏教の普及の関連性もよく問われます。
過去問では、乙巳の変や大化の改新の意義、聖徳太子の業績などが頻出です。特に「冠位十二階」や「十七条憲法」の具体的な内容を問う問題が多いため、詳細を正確に理解する必要があります。
なお、飛鳥時代の一問一答を以下の記事に掲載しています。
日本史の一問一答(飛鳥時代):飛鳥時代の解説と飛鳥文化・白鳳文化などテストによく出る問題
「593年=聖徳太子、推古天皇の摂政就任」「645年=乙巳の変、蘇我入鹿暗殺」など、年号と人物・出来事をセットで覚えると効率的です。
「群れよ(604)役人、憲法十七条」のように語呂合わせを使うと記憶に残りやすいです。
なお、日本史で覚えるべき年号の語呂合わせを以下の記事でくわしく紹介しています。
【大学受験】日本史の年号一覧と覚えやすい語呂合わせ(日米修好通商条約、ポツダム宣言、満州事変など)
飛鳥時代の改革や外交活動の流れを図解化すると理解しやすくなります。例えば、蘇我氏の台頭から大化の改新に至る過程をフローチャートで整理すると効果的です。
以下の参考書は図が多く、視覚的に理解したい人におすすめです。
A1: 飛鳥時代は、593年に聖徳太子が推古天皇の摂政となった年から始まり、710年の平城京遷都までの期間を指します。
A2: 飛鳥時代には、以下の重要な改革が行われました:
A3: 乙巳の変は645年に起こった政治的事件で、蘇我入鹿が中大兄皇子と中臣鎌足らによって暗殺され、蘇我本宗家が滅亡しました。この事件を契機に、大化の改新が進められました。
A4: 聖徳太子の主な業績は次の通りです:
A5: 飛鳥文化は、日本初の仏教文化として特徴づけられます。代表的な建築物に法隆寺や四天王寺があり、仏像彫刻や仏教経典の普及も進みました。また、建築や芸術において大陸文化の影響が顕著に見られます。
A6: 蘇我氏は権力を握りすぎたため、中央集権化を目指す中大兄皇子らに反発され、乙巳の変(645年)で蘇我入鹿が暗殺されました。この出来事をきっかけに、蘇我本宗家は滅亡しました。
なお、蘇我氏全体がほろんだわけではなく、乙巳の変やその後の政治改革には蘇我入鹿の親戚である蘇我倉山田石川麻呂が中大兄皇子に協力しています。
A7: 飛鳥時代の外交で重要な人物には以下の人々がいます:
A8: 高校日本史のテストでは次のテーマが頻出です:
A9: 飛鳥時代を効率よく覚えるには以下の方法がおすすめです:
A10: 飛鳥時代は律令国家の基盤が築かれ、日本の政治・文化・宗教の転換点となった時代です。特に、中央集権化の始まりや仏教文化の定着が後の日本史に大きな影響を与えています。
高校生の日本史テスト対策用に、飛鳥時代の出来事と人物をまとめて解説しました。
この記事のポイントをまとめると以下のとおりです。
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