古墳時代は、日本の歴史において重要な転換期となった時代です。この時期、ヤマト政権の成立をはじめ、外交活動や文化の発展が日本の基盤を築きました。
特に、倭の五王や仏教伝来など、後の日本社会に大きな影響を与える出来事が多くあります。
そこで、この記事では、古墳時代の重要な出来事を年表入りで解説し、高校の日本史テストで狙われるポイントを整理し、効率的に学習を進める方法を紹介します。
参考:NHK高校講座 文字と画像で見る | 第3回 大和王権と古墳文化 | 日本史
古墳時代は3世紀後半から6世紀末までを指します。この時期、日本では前方後円墳をはじめとする大規模な古墳が作られ、ヤマト政権が勢力を拡大しました。
仏教伝来(538年)が一つの転換となり、飛鳥時代(593年から710年)へと移行していきます。弥生時代から引き継がれた社会構造や技術が古墳時代を支えました。
古墳時代は日本における初期国家形成期です。ヤマト政権が成立し、中央集権的な政治体制が整いました。
また、外交関係を通じて中国や朝鮮半島から文化や技術が伝わり、仏教や鉄器などが導入されました。
この時期の発展は、後の日本社会の基盤を築く重要な役割を果たしました。
年代 | 出来事 |
3世紀後半 | ヤマト政権が成立する |
4世紀前半 | 巨大な前方後円墳が造営される |
369年 | 倭・百済が新羅と戦い、伽耶(任那)諸国を支配下におさめる(『日本書紀』) |
372年 | 百済より七支刀が贈られる |
391年~407年ごろ | 倭国と高句麗が戦い、高句麗が勝利をおさめる(高句麗好太王碑文) |
421年~478年 | 倭の五王(讃・珍・済・興・武)が中国南朝の宋に遣使する(『宋書』倭国伝) |
5世紀半ば | 国内各地に大規模な古墳が出現する |
507年 | 継体大王(天皇)が近江より迎えられる |
527年 | 磐井の乱が起こる |
538年もしくは552年 | 百済の聖明王より仏教伝来→崇仏論争 ・『上宮聖徳法王帝説』では538年 ・『日本書紀』では552年 |
540年 | 大伴金村の失脚 |
587年 | 蘇我馬子・厩戸王が物部守屋をほろぼす |
538年、朝鮮半島にあった百済の王である聖明王(せいめいおう)が日本に仏教を伝えました。当時は欽明天皇の時代でした。
百済は高句麗や新羅にはさまれ、日本とよしみを通じて軍事支援をアテにしていました。友好関係を維持するため、日本に仏典や仏像を紹介しました。
仏教伝来後、日本では有力豪族の蘇我氏が仏教を保護しました。逆に神道を保護していた有力豪族・物部氏が仏教に反対の立場を取りました。
蘇我氏と物部氏はヤマト政権内で権力争いをしており、仏教を軸として互いの勢力がさらに強く反発しあうようになりました。
587年、両者の争いは戦争に発展。蘇我氏・聖徳太子の連合軍が物部守屋をたおして、蘇我氏の1強体制になりました。
なお、物部守屋と蘇我馬子の対立について以下の記事でくわしく解説しています。
高校生向け!物部守屋と蘇我氏の仏教論争の背景を徹底解説|古墳時代の氏姓制度を学ぶ【日本史テスト対策】
古墳文化の代表例である前方後円墳は、ヤマト政権の権威を象徴するものでした。
埴輪は儀礼的な目的で用いられ、墳墓文化を彩る重要な要素です。この文化は、支配層の階層化や宗教的儀礼の発展を示しており、日本独自の文化形成に影響を与えました。
倭の五王(讃・珍・済・興・武)は5世紀に中国(宋)へ使節を送り、冊封体制に参加しました。
倭王武(ワカタケル大王)は宋書倭国伝に記録され、ヤマト政権の国際的地位向上を象徴しています。
ヤマト政権は大王(天皇)を中心に各地の豪族を支配下に置き、中央集権化を進めました。支配体制の強化は、律令制へとつながる国家形成の基盤となりました。
538年の仏教伝来(『上宮正徳法王定説』)により宗教的価値観が変化し、寺院建築や仏像制作が始まりました。
参考:国立国会図書館
また、渡来人は高度な技術を日本にもたらし、農業や工芸の発展に寄与しました。
「倭の五王」とは、古墳時代において、中国の宋や南朝(梁)などに朝貢し、その記録に登場する日本の王たちのことを指します。
彼らは、倭の国を代表して外交的な活動を行い、外交関係の証として「倭王」の称号を得ました。特に「倭王武」(ワカタケル大王)は、宋書に記録される最も有名な人物で、雄略天皇と同定されています。
飛鳥時代の有力豪族で、仏教受容を進めた人物。蘇我氏の権力基盤を築き、娘を天皇に嫁がせ朝廷との関係を強化しました。
反仏教派の代表的豪族です。仏教導入に反対し蘇我氏と対立。
最終的に蘇我馬子との戦いで敗北し滅亡しました。
渡来人は先進的な農業技術や鉄器製造、仏教の伝来を通じて日本の文化と産業を大きく変えました。彼らの技術革新は、古墳時代末期の社会発展に寄与しました。
記述問題では「倭の五王と朝貢外交」や「古墳文化の特徴」が頻出です。例えば、倭王武の活動や埴輪の用途についての説明が問われることが多いです。
過去問では「古墳時代の開始と文化の変遷」「外交活動」が多く出題されています。具体的には年表に基づく出来事の整理や人物の活動が問われます。
なお、以下の記事で古墳時代の一問一答を掲載しています。
高校日本史の一問一答(古墳時代):古墳の一覧、氏姓制度の説明、倭の五王など
「5世紀=倭の五王」など、年号と出来事や人物を関連付けて覚えることで効率よく暗記できます。語呂合わせも有効です。
以下の記事で日本史のテストで覚えておくべき年号や語呂合わせを解説しています。
【大学受験】日本史の年号一覧と覚えやすい語呂合わせ(日米修好通商条約、ポツダム宣言、満州事変など)
出来事の流れを図解やフローチャートで視覚化することで、複雑な情報を整理しやすくなります。特に外交の流れは図で整理すると効果的です。
以下の参考書は図が多く、視覚的に理解したい人におすすめです。
高校日本史テスト対策向けに、古墳時代の出来事や人物をまとめて解説しました。
要点をまとめると、以下のとおりです。
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