「基本的人権って、なんだか難しそう…」と思ったことはありませんか?
中学公民では、この「基本的人権」が定期テストでも高校入試でも超重要なキーワードになります。
そこでこの記事では、自由権・平等権・社会権などの種類や違いを、中学生にもわかりやすく解説!
語呂合わせで覚えるコツや、よく出る記述問題のパターン、選択肢問題の対策法まで、テスト直前でも役立つ内容をしっかりまとめました。
公民が苦手な人も、この記事を読めば「基本的人権」がスッと頭に入ります!
参考:“人権”ってなんだ? | アクティブ10 公民 | NHK for School
基本的人権(きほんてきじんけん)とは、「すべての人が生まれながらに持っている、自由で平等に生きるための権利」のことです。
これは、日本国憲法の第11条・第97条でしっかりと守られています。たとえば、だれでも自分の意見を言えること、働けること、教育を受けられること、差別をされないことなどが含まれます。
【用語チェック】
日本国憲法より
● 第11条…「基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である」と書かれている
● 第97条…「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」として、人権の尊重が強調されている
このように、基本的人権はただのルールではなく、「人間らしく生きていくうえで欠かせないもの」として、国の最高法規である憲法が守っているのです。
基本的人権は、だれもが安心して、平等に生活できる社会をつくるために大切な考え方です。
(参考:法務省 | 人権教育・啓発の現状)
昔は、身分による差別、女性の権利がない、言いたいことを言えないといった社会がありました。そうした不平等をなくすために、世界中で少しずつ人権を大切にする考えが広まりました。
たとえば…
- 選挙でだれでも投票できるのは「参政権」のおかげ
- 学校に通えるのは「教育を受ける権利」があるから
- 差別されずに働けるのは「平等権」や「自由権」があるから
つまり、私たちが毎日「当たり前」だと思っていることは、基本的人権があるからこそ実現しているのです。
中学公民の定期テストや高校入試では、基本的人権に関する重要キーワードがよく問われます。以下に頻出語句をまとめました。
用語 | 意味 | テストのポイント例 |
---|---|---|
自由権 | 自分の考えを自由に持ち、行動できる権利 | 表現の自由、信教の自由など |
平等権 | 差別されず、みんなが平等に扱われる権利 | 法の下の平等、性別・障がいによる差別禁止 |
社会権 | 人間らしい生活を送るための権利 | 生存権、教育を受ける権利、労働基本権 |
公共の福祉 | みんなの利益のために、権利が一部制限されることもある | 表現の自由と公共の福祉のバランスなど |
基本的人権の尊重 | 憲法がもっとも重視している原則 | 憲法の3大原則の1つとして問われることが多い |
永久の権利 | 将来もずっと変わらずに保障されるという意味 | 憲法第11条に関連づけて出題されやすい |
【テスト対策のポイント】
- 用語の意味と具体例をセットで覚えること
- 「自由権の中には何があるか?」など、分類問題にも注意
- 「公共の福祉で権利が制限される場合は?」といった記述問題も出やすい
参考:中学社会 定期テスト対策【現代社会】 公共の福祉とは?(ベネッセ教育情報)
公共の福祉(こうきょうのふくし)とは、社会全体の利益やみんなの幸せのことを意味します。
たとえば、自分の権利を自由に使ったとしても、それが他の人の迷惑になってしまってはいけません。そこで登場するのが「公共の福祉」です。
【覚えておこう】
● 基本的人権は大切でも、まったく無制限というわけではない
● 他人の権利や社会全体の利益とぶつかるときには、制限されることがある
たとえば、夜中に大音量で音楽を流す自由(表現の自由)も、周囲の人の迷惑になれば止められるのです。
表現の自由は、自分の考えや意見を自由に話したり発信したりできる権利です。憲法第21条で保障されています。
しかし、表現の自由にも限界があります。以下のような場合、公共の福祉によって制限されることがあります。
例 | なぜ制限される? |
---|---|
他人の悪口をSNSに投稿 | 相手の名誉やプライバシーを傷つけるから |
うそのうわさを流す | 社会に混乱を起こす可能性があるから |
差別的な発言やヘイトスピーチ | 特定の人々を傷つけ、平等の原則に反するから |
ポイント
● 自由な表現も「他人の権利」や「社会の秩序」を守るために制限されることがある
● これがまさに「公共の福祉による制限」
つまり、「自分の自由」と「他人の自由」のバランスが大切なのです。
中学の定期テストや高校入試では、「公共の福祉によって基本的人権が制限される事例」を問う問題がよく出ます。以下に、テストによく出る代表的な例を紹介します。
【まとめ:テストで問われやすいポイント】
- 「公共の福祉とは何か?」の定義を説明できるようにする
- 「どんなときに権利が制限されるか?」を具体的に答えられるようにする
- 「自由には責任がある」という視点も持つと、記述問題にも強くなる
基本的人権は大きく3つに分けられますが、それぞれの内容と順番を忘れてしまう人も多いです。そこで便利なのが語呂合わせ。
【語呂合わせで覚える!】
「じ どう しゃ けん」で覚えよう!
→ じ=自由権、どう=平等権、しゃ=社会権
権利名 | 内容のイメージ | 例 | 覚え方の一言メモ |
---|---|---|---|
自由権 | 国からの干渉を受けず自由に生きる | 表現の自由・信教の自由 | 「自由に生きさせて!」 |
平等権 | みんな平等に扱われる権利 | 男女平等・差別禁止 | 「差別はダメ!」 |
社会権 | 健康で文化的な生活を保障される | 教育を受ける権利・生存権 | 「人らしい生活を!」 |
以下は定期テストや入試で頻出の用語リストです。
分類 | 用語 | 意味 |
---|---|---|
自由権 | 思想・良心の自由 | 自分の考えを持つ自由 |
自由権 | 信教の自由 | 宗教を信じたり信じなかったりする自由 |
平等権 | 法の下の平等 | 法律の上ではすべての人が平等 |
社会権 | 生存権 | 健康で文化的な最低限度の生活を営む権利 |
社会権 | 教育を受ける権利 | 義務教育を受けることが保障されている |
全体共通 | 公共の福祉 | 他人の権利や社会全体の利益と調和を取ること |
参考:「ちばのやる気学習ガイド」社会3年生 – 千葉県教育委員会
記述問題では、基本的人権の意味を自分の言葉で説明させるパターンや、具体例を挙げて理由を答えさせる形式がよく出ます。
【記述問題の例】
Q:「表現の自由」にはどのような意味があるか、また制限される場合について具体例を挙げて説明しなさい。
A:表現の自由とは、自分の意見を自由に発表できる権利である。ただし、他人の名誉を傷つけるような発言などは、公共の福祉のために制限される。
記述のコツは、「権利の意味+制限の可能性+具体例」をセットで答えることです。
選択肢問題では、以下のキーワードの正しい意味や使われ方を問うパターンが頻出です。
【アドバイス】
「選択肢を消去法で見ていく」「『絶対』などの極端な表現をしている選択肢は誤りの可能性が高い」と覚えておくと得点力が上がります!
Q1. 次のうち、「自由権」にあたるものはどれ?
ア. 教育を受ける権利
イ. 表現の自由
ウ. 法の下の平等
エ. 生存権
→ 正解:イ
※教育・生存=社会権、平等=平等権
Q2. 「法の下の平等」とは何を意味する?
ア. 貧しい人を優先的に助けること
イ. 同じ結果になるように制度を整えること
ウ. すべての人が法律の上で平等に扱われること
エ. 自由に法律を作ることができること
→ 正解:ウ
※平等とは「扱い」の問題であって「結果を同じにする」ことではない。
Q3. 表現の自由が制限される理由として正しいのはどれ?
ア. 政府の批判を防ぐため
イ. 法律で表現が禁止されているから
ウ. 他人の名誉を守るため
エ. 表現の自由がそもそもないから
→ 正解:ウ
※「公共の福祉」による制限の代表例です。
Q4. 「生存権」に関する説明として最も適切なものは?
ア. 国から自由に生きることを求める権利
イ. 健康で文化的な最低限度の生活を営む権利
ウ. 国が教育を保障する義務
エ. 誰でも病院に無料で通える権利
→ 正解:イ
Q5. 公共の福祉により制限される例として正しいのはどれ?
ア. 本を読む自由が制限される
イ. 音楽を聴く自由が制限される
ウ. 他人の悪口をネットで拡散する行為が禁止される
エ. 自分の家で食べる自由がなくなる
→ 正解:ウ
※もっと練習問題を解きたい人向けに、以下の記事に人権の範囲の一問一答問題を多数掲載しています。
【中3公民の一問一答問題】人権と共生社会
Q1. 基本的人権って何ですか?分かりやすく教えてください。
A. 基本的人権とは、「人間らしく生きるために、すべての人が生まれながらに持っている大切な権利」のことです。日本国憲法では、だれもが平等にこの権利を守られるよう定められており、自由に生きること、差別を受けないこと、最低限の生活を送ることなどが含まれます。
Q2. 基本的人権は何種類あるの?それぞれの違いは?
A. 中学公民でよく出てくるのは主に3つです。
Q3. 「公共の福祉」って何?基本的人権が制限されることがあるの?
A. 公共の福祉とは、「社会全体の利益やみんなの幸せ」を意味します。たとえ基本的人権があっても、他人の権利や安全を侵害するような使い方はできません。たとえば、大音量で音楽を流す自由があっても、夜中に近所迷惑になる場合は制限されることがあります。
Q4. 定期テストや入試でよく出るポイントは?
A. よく出るのは、権利の種類の違いや、「公共の福祉」による制限、具体的な事例です。
また、記述問題で「なぜこの権利が大切なのか」を説明させる問題も頻出です。語呂合わせや用語リストで基本を押さえておくと、記憶に残りやすく得点しやすくなります。
Q5. 効率的な覚え方や暗記のコツはありますか?
A. 自由権・平等権・社会権を「ジ・ドウ・シャケン」と語呂でセットにして覚えるのが効果的です。また、各権利に対応する具体例(例:信教の自由=自由権、教育を受ける権利=社会権)とセットで覚えると、理解が深まり、応用問題にも対応できます。
基本的人権は、人間が生まれながらに持っている大切な権利で、自由権・平等権・社会権などに分類されることをしっかり覚えておきましょう。
また、どんな権利も「公共の福祉」によって制限されることがある、というポイントもテストでよく出ます。
この記事で紹介した語呂合わせやキーワード、練習問題を活用すれば、定期テストや高校入試の対策もバッチリです。
大切なのは「権利の意味」だけでなく、「具体例と背景」まで理解すること!確実に得点できるよう、繰り返し復習しておきましょう。
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