ロック・ルソー・モンテスキューは、歴史や公民の定期テストや高校入試によく出る重要人物です。
「名前は聞いたことあるけど、何をした人かわからない…」「覚え方が難しい!」という中学生のために、このページでは3人の違いと覚え方をわかりやすく解説します。
自由・平等・三権分立など、現代社会にもつながるキーワードをマンガ的なイメージや語呂合わせでスッキリ理解!テスト対策用の練習問題や高校入試での出題傾向もまとめているので、この記事1本でばっちり復習できます!
「ロック」「ルソー」「モンテスキュー」は、18世紀ヨーロッパの有名な思想家(しそうか)で、「啓蒙思想(けいもうしそう)」とよばれる考え方を広めた人物たちです。
この3人の名前は、中学の歴史の定期テストや高校入試に必ずといっていいほど出る重要人物です。覚え方を工夫しながら、それぞれの考え方の違いや共通点をしっかり理解しておきましょう。
「啓蒙思想(けいもうしそう)」とは、人々が自由に考え、よりよい社会をつくっていこうとする考え方です。
この思想が生まれた背景には、王様が強すぎた絶対王政の時代があります。
特にフランスでは、ルイ14世のように、「王様の言うことがすべて!」という政治が行われていました。
でも、その結果、国民の自由や権利がまったく守られず、貧しい人が苦しむ社会になってしまいました。
そんな中で、「それっておかしくない?」「もっと自由で平等な社会があるべきじゃない?」と考える人たちが現れました。
それが、ロック・ルソー・モンテスキューなどの思想家たちです。
名前 | 出身国 | 主な考え | キーワード |
---|---|---|---|
ロック | イギリス | 人は生まれながらにして自由で平等 | 自然権・社会契約・抵抗権 |
ルソー | フランス | みんなで政治をする「人民主権」 | 社会契約・直接民主制 |
モンテスキュー | フランス | 権力を分けて国民の自由を守る | 三権分立 |
3人とも「自由で平等な社会をつくろう」と考えていましたが、考え方や方法にちがいがあるのがポイントです。
それぞれの人物について、もう少しくわしく見ていきましょう!
【ポイント】
ロックは「自由」と「権利」を守るために、政府は国民のためにあると考えた!
【ポイント】
ルソーは「みんなが政治に参加するべき」と考えた!→キーワードは「人民主権」と「直接民主制」
三権分立とは:
【ポイント】
モンテスキューは「権力をわければ、国民の自由を守れる」と考えた!
以上が、ロック・ルソー・モンテスキューの基本的な考え方です。
このあとに、それぞれの違いや覚え方、練習問題を使って、より理解を深めていきましょう!
ロック・ルソー・モンテスキューの3人は、みんな「国民の自由や権利を守るにはどうしたらいいか?」を考えた思想家です。
でも、それぞれの考え方にははっきりとした違いがあります。
この章では、それぞれの考えを比較しながら、違いをしっかり理解していきましょう。
ロックの考えの中心にあるのは、「人は生まれながらにして自由で平等」という考え方です。
つまり、国や王様に「自由を与えられる」のではなく、最初から自由や権利を持っていると考えたのです。
この考え方は「人権思想の出発点」ともいわれ、のちのアメリカ独立宣言やフランス人権宣言にも大きな影響をあたえました。
ロックは、こう考えました。
「みんなが自由と権利を守るために話し合って政府を作る(=契約する)」
この考え方を「社会契約説(しゃかいけいやくせつ)」といいます。
つまり、国(政府)は国民のためにあるという考え方です。
王様が勝手に国を動かしていいわけじゃない!というロックの考えは、当時の絶対王政に対してとても新しいものでした。
でも、もし政府が国民の自由や権利を守らなかったら…?
ロックは、
「そんな政府には抵抗(ていこう)してもいい!」
と考えました。これが「抵抗権(ていこうけん)」です。
簡単にいうと、国民には悪い政府に反対する権利があるということ。
【まとめポイント】
ルソーはロックと同じように「社会契約説」をとりながらも、少しちがう考え方をしました。
ルソーはこう考えます。
「人間はもともと自由だったのに、社会のルールができて不平等になってしまった」
そこでルソーは、「みんなが政治に参加する=人民主権(じんみんしゅけん)」が必要だと考えたのです。
ルソーの有名な本が『社会契約論(しゃかいけいやくろん)』です。
でもロックの社会契約説とは少しちがいます。
ルソーは、「すべての国民が話し合って政治をするのが理想」と考えました。
これを「直接民主制(ちょくせつみんしゅせい)」といいます。
いまの日本のように、代表を選ぶ「間接民主制」とはちがって、全員が政治に直接参加するという考え方です。
【まとめポイント】
モンテスキューは、ロックやルソーとはちがって、政治のやり方(しくみ)を工夫して自由を守ることを考えました。
それが「三権分立(さんけんぶんりつ)」という仕組みです。
モンテスキューは、こう考えました。
「ひとつの人(王様など)にすべての力を持たせたら、国民の自由は守れない!」
だから、国の権力を3つに分けて、おたがいをチェックするようにするべきだと言ったのです。
三権とは:
このように権力を分けることで、一部の人が勝手に政治をしないようにできるという考え方です。
【まとめポイント】
このように、3人とも自由や平等を重視していましたが、
というように、アプローチ(考え方の方法)がそれぞれちがうことが大きなポイントです。
歴史のテストでは、ロック・ルソー・モンテスキューの名前と考え方のセットを覚えていることがとても大切です。
でも名前がカタカナでややこしいし、内容も少し似ていて混ざりがち…。
そこで、ここでは3人の違いを語呂合わせ・イラスト・頻出ワードのセット暗記で簡単に覚えられるようにまとめました!
まずは語呂合わせでスッキリ暗記!
参考:ロック、モンテスキュー、ルソーの覚え方|語呂合わせと主張の解説 – Historian
「ロルモのじっけん(ロック・ルソー・モンテスキューの実験)」
このゴロは次のように分けて覚えられます。
ごろ:「ロックはロック解除、自由に!」
ロックは鍵(ロック)を解除して自由にするイメージ。
→ 自然権・社会契約説・抵抗権
ごろ:「ルールはみんなで決める、平等な政治」
ルールを決めるのはみんな!だから平等。
→ 人民主権・直接民主制・社会契約論
ごろ:「モグラたたきで権力バラバラ、三権分立」
1人に権力集中しないよう、バラバラに!
→ 立法・行政・司法の分立
まとめ表(語呂と内容)
名前 | キーワード | 語呂のイメージ |
---|---|---|
ロック | 自由・自然権 | ロック解除で自由 |
ルソー | 平等・人民主権 | ルールはみんなで作る |
モンテスキュー | 三権分立 | 権力を分けてバラバラに(モグラたたき) |
視覚的に理解すると、記憶に残りやすくなります!
イメージ例:
イラストで「行動」や「関係性」をイメージすることで、テスト中にもパッと思い出せるようになります!
テストでは、思想家の名前だけでなく、その人と関係する言葉がセットで問われます。
つまり、「この人=この考え・このキーワード」という形で覚えるのが超重要です!
覚えるべき「思想家 × テスト頻出ワード」セット:
思想家 | 頻出キーワード | ポイント |
---|---|---|
ロック | 自然権、社会契約説、抵抗権 | 自由はもともとある!悪い政府は変えていい! |
ルソー | 人民主権、社会契約論、直接民主制 | みんなで政治をするべき!不平等をなくす! |
モンテスキュー | 三権分立、立法権・行政権・司法権の分立 | 権力の集中は危険!3つに分けてチェックし合おう! |
セットで覚えれば、記述問題や語群選択でもバッチリ対応できます!
以上のように、「ロルモのじっけん」で語呂をおぼえ、イラストでイメージし、テストワードと結びつけることで、ロック・ルソー・モンテスキューの理解と暗記が一気に楽になります!
ロック・ルソー・モンテスキューは、公民(政治)や歴史の分野で定期テスト・高校入試ともに高頻度で出題される重要テーマです。
ここでは、一問一答形式から記述、応用問題まで段階的に実力をチェックできるようにまとめました。
※なお、練習問題をたくさん解きたい人向けに、以下の記事に一問一答問題を多数掲載しています。
【中学公民の一問一答問題】人権と憲法:ロック・ルソー・モンテスキューの違い、日本国憲法の発布・施行日
次の文が正しければ〇、間違っていれば✕を選び、間違っている場合は正しい内容に直してみましょう。
次の問いに最も適した人物を①〜③から選びましょう。
テストでは用語の意味を説明する記述もよく出ます。
問題例(大阪府公立高校入試・令和3年度)
大阪府公立高等学校入学者選抜より
「18世紀、『法の精神』を著して、権力の分立を主張したフランスの思想家はだれか。」
→ 解答:㋓モンテスキュー
【大阪府傾向のポイント】
ロックの考え方は、アメリカ独立宣言(1776年)に大きな影響を与えました。
ロックは「人間は生まれながらに自由や財産を持つ権利(自然権)を持っている」「政府はその権利を守るためにある」「守られなければ人々は抵抗してもよい(抵抗権)」と主張しました。
これらの考えがアメリカ独立宣言に取り入れられ、次のような文章が登場します。
「すべての人間は平等に造られ、創造主によって一定の権利を与えられている。それは、生命、自由、および幸福の追求である。」
このように、ロックの人権思想はアメリカの建国に直接影響を与えました。
ルソーの思想は、フランス革命(1789年)の大きな原動力となりました。
ルソーは「人民主権(国の力は国民にある)」や「直接民主制(国民自身が政治に関わる)」を主張し、著書『社会契約論』で次のように書いています。
「人々は、自分たちの自由を守るために、自分たちの間で契約を結び、国家を作る。」
この考え方は、国王に反対して自由と平等を求める革命の考え方と一致していました。
実際、フランス革命の際に出された「人権宣言」には、ルソーの考えに影響された言葉が多数含まれています。
モンテスキューの考えた「三権分立(立法・行政・司法の分立)」は、現在の日本の政治制度にも取り入れられています。
モンテスキューは、これらの権力を1つの機関に集中させると、国民の自由が守られなくなると考え、バランスよく分けるべきだと主張しました。
この考え方は、戦後に制定された日本国憲法(1946年)にも反映され、現在の日本の政治制度の土台となっています。
3人の考え方は、今の社会の「自由・平等・権力のバランス」に深く関わっています。テストや入試では、「思想の名前」「人物名」「現代社会へのつながり」の3つをセットで覚えるのがコツです。
名前 | 主な思想 | キーワード | 現代社会への影響例 |
---|---|---|---|
ロック | 自由・人権 | 自然権・抵抗権 | アメリカ独立宣言、人権思想の基礎 |
ルソー | 平等・人民主権 | 社会契約論・直接民主制 | フランス革命、人権宣言 |
モンテスキュー | 三権分立・権力分立 | 立法・行政・司法の分立 | 日本国憲法・現在の政治制度の基盤 |
ロック・ルソー・モンテスキュー以外にも、世界を変えた啓蒙思想家たちがいます。以下は、テストや入試で出題されることもあるので、合わせてチェックしておきましょう。
名前 | 主な内容 |
---|---|
ホッブズ | 社会契約説を初めて唱えた(強い政府が必要と主張) |
ヴォルテール | 表現の自由や宗教の自由を重視した思想家 |
アダム・スミス | 経済学の父とされ、「自由放任(レッセフェール)」を主張 |
以上を踏まえて、「思想×人物×制度」の関係性を意識しながら学ぶことで、記憶が定着しやすく、テストでの得点力もアップします!
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