2027年度の中学受験を控えた小学5年生にとって、算数は基礎力から応用力までバランスよく伸ばすことが合格へのカギとなります。
しかし、どの問題集を選べば良いのか、使い方や親のサポート方法がわからず悩むご家庭も多いはずです。
そこで本記事では、2025年最新版のおすすめ算数問題集7選を目的別に詳しく紹介。さらに、効果的な活用法や親ができるサポート法までわかりやすく解説します。
5年生の今こそ正しい教材選びと学習習慣で、志望校合格に向けて一歩リードしましょう!
中学受験に向けた5年生の算数勉強が重要な理由
中学受験において、5年生は最も学習内容が濃く、算数の基礎力と応用力を伸ばす「勝負の年」です。
この時期に正しい勉強法と問題集を使った反復練習を積むことで、6年生での過去問演習や応用問題への対応力が大きく変わってきます。
参考:重要単元が続出! 5年生をどう乗り切ればいい? – 中学受験ナビ
5年生は中学受験の“本格スタート”期
中学受験では、5年生から学習難易度が一気に上がります。4年生までの算数は、計算力や基本的な図形感覚など“土台作り”が中心ですが、5年生では割合・速さ・図形の応用・場合の数といった入試頻出分野が本格的に登場します。
特に進学塾では、5年生の1年間で受験算数の8割以上を学ぶカリキュラムが組まれていることが多く、この時期の定着が合否を左右すると言っても過言ではありません。
5年生の算数でつまずくと、6年生で挽回が難しい
6年生になると、各塾で過去問演習や総合問題演習が中心となり、新しい単元の学習に多くの時間は割けません。そのため、5年生の段階で理解があいまいな単元があると、6年生で復習しながら応用演習をこなすのが非常に難しくなります。
さらに、算数は積み重ねの教科です。一つの単元の理解不足が他単元の理解を妨げるため、「速さがわからない→ダイヤグラムもできない→旅人算でつまずく」といった“負の連鎖”が起こることもあります。
市販問題集の活用が成績アップのカギになる理由
塾に通っていても、市販の問題集を効果的に活用できるかどうかで学力の伸び方に差が出ます。市販問題集の魅力は以下の通りです:
- 苦手単元をピンポイントで反復練習できる
- 基礎~応用まで、自分のレベルに合った教材を選べる
- 塾の授業進度に縛られず、自宅で自分のペースで学習できる
特に、塾の宿題だけでは演習量が足りないと感じる場合や、復習の定着が不十分な場合は、市販問題集を併用することで「理解→定着→応用」までのサイクルを確実に回すことができます。
また、親子で進捗を確認しながら取り組める点も市販教材の強み。使い方さえ工夫すれば、市販問題集は塾に依存しすぎずに実力をつける強力な武器になります。
中学受験5年生におすすめの算数問題集【目的別】
小学5年生の中学受験算数では、「基礎力を固める」「応用力を伸ばす」「苦手分野を克服する」など、子どもの状況に合わせて問題集を選ぶことが成績アップの近道です。
ここでは目的別におすすめの市販問題集を紹介します。
基礎力をしっかり固めたい子向け
5年生の算数は入試問題の土台を作る大切な時期です。基礎的な計算力や文章題の理解力をじっくり身につけたい子に適した問題集を紹介します。
予習シリーズ 演習問題集 算数5年上・下(四谷大塚)
- 特徴:四谷大塚の代表的教材で、5年生で学ぶ全範囲をカバー。基礎から標準レベルの問題が中心で、塾教材としても高い評価を得ています。
- 向いている子ども:基礎を固めつつ、塾の進度に合わせて学習したい子。
- 活用法:授業の予習・復習に使うほか、解き方の基本を理解するために繰り返し解くのがおすすめ。
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中学入試 算数のつまずきを基礎からしっかり文章題 新装版(学研プラス)
- 特徴:文章題の基礎理解に特化。つまずきやすいポイントを丁寧に解説しており、苦手意識がある子どもに好評。
- 向いている子ども:文章題での理解不足や計算ミスを減らしたい子。
- 活用法:わからない箇所を重点的に取り組み、親子で問題の解き方を確認しながら進めると効果的。
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応用力・思考力を伸ばしたい子向け
基礎を固めた上で、さらに発展問題や思考力を問う問題に挑戦したい子どもにおすすめの問題集です。
トップクラス問題集 算数(文理)
- 特徴:難関校レベルの応用問題が豊富に収録されており、思考力や発想力を鍛えるのに最適。解説も詳しく、論理的思考を育てる設計。
- 向いている子ども:基礎力はついているが、応用問題になると正答率が下がる子。
- 活用法:自力でじっくり考える時間を確保し、わからない場合は解説を読み込む。4年生の教材を復習用で使う。
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ステップアップ演習シリーズ(日能研ブックス)
- 特徴:標準~やや難レベルの演習問題が多彩に収録。解説が豊富。体系的に学べるので、段階的にステップアップが可能。
- 向いている子ども:基礎から応用までバランス良く学びたい子。
- 活用法:単元ごとに問題をこなし、苦手な問題は繰り返し演習。塾の復習にも最適。
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苦手分野克服・単元別に学びたい子向け
算数の中でも特に苦手な単元がある場合は、単元別に特化した問題集で徹底的に対策しましょう。
中学入試 算数 塾技100 新装版(文英堂)
- 特徴:塾のテクニックや裏技的な解法を100題厳選。苦手分野を攻略するための具体的な解き方を身につけられます。
- 向いている子ども:難しい問題の解き方を知りたい子や、苦手分野の突破口を探している子。
- 活用法:苦手単元を集中的に復習し、テクニックを使って解決策を増やすことに活用。
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公文の小学ドリル 計算にぐーんと強くなる(くもん出版)
- 特徴:計算力強化に特化したドリル。基礎計算を反復し、スピードと正確さをアップ。
- 向いている子ども:計算ミスが多い、スピードが遅い子。
- 活用法:日々の計算練習として毎日少しずつ取り組むのがおすすめ。苦手克服の基礎固めに最適。
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以上のように、「5年生の中学受験算数問題集」は子どものレベルや目的に応じて選ぶことが重要です。基礎が弱いならまずは「予習シリーズ」や「文章題の基礎固め」から始め、応用力が欲しい場合は「トップクラス問題集」や「塾技100」を、苦手単元があるなら「ステップアップ演習シリーズ」や「公文ドリル」を活用しましょう。
効果的な問題集選びと併用で、5年生の算数力を大きく伸ばせます。
問題集の効果的な使い方|成績を上げるための学習法
問題集はただ解くだけでなく、正しい使い方をすることで成績アップにつながります。特に5年生は学習量も増えるため、効率的かつ理解を深める工夫が大切です。
1日○ページではなく「理解度ベース」で進めよう
「1日○ページ」という量の目標を設定しがちですが、重要なのは“量”ではなく内容の“理解度”です。無理にページ数をこなしても、理解が浅いままでは効果が薄いからです。
- 分からない問題は繰り返し解く
- 解説をよく読み、納得するまで時間をかける
- 「できた!」という実感が次の学習意欲を高める
このように、理解度に応じて進めるペース配分を心がけることで、知識が定着しやすくなります。
解けなかった問題を「宝物ノート」にまとめる習慣
解けなかった問題や間違えた問題をそのままにせず、ノートに書き出す習慣をつけましょう。
- 問題の内容や間違えた理由を記録
- 正しい解き方を丁寧に書き込む
- 定期的に見返して復習する
こうしたノート作りは、自分の弱点を客観的に把握でき、復習効果も高まるため、成績向上に直結します。
親がやるべき3つのサポート
親のサポートは子どもの学習効果を大きく左右します。ただし介入の仕方にはコツがあります。
やる気を引き出す声かけ
- 「がんばっているね」「ここまでできたのはすごいよ」など、努力や過程を認める言葉をかける
- 結果だけでなく、挑戦したこと自体を褒めることでモチベーションが続く
間違えた問題を一緒に分析する
- なぜ間違えたのかを子どもと話し合う
- 解き方のポイントや考え方のコツを一緒に確認
- 解決策を考えることで理解が深まる
過度な介入は逆効果、でも放任もNG
- 親が全て解答を教えたり、過度に手を出しすぎると子どもの自主性や考える力が育ちません。
- 一方で放任するとサボりやすくなるので、適度な見守りとサポートのバランスが大切です。
塾と市販問題集の併用はこうすればうまくいく!
中学受験の算数学習では、塾の教材だけに頼るのではなく、市販の問題集を効果的に併用することで学力の底上げが期待できます。ただし、両者の特性を理解し、計画的に使い分けることが重要です。
※なお、中学受験のスケジュール管理について、以下の記事でくわしく解説しています。
中学受験のスケジュール管理完全ガイド|年間・週別・家庭でできる計画法
塾で出る問題と市販問題集の違いとは?
- 塾教材の特徴
- カリキュラムに沿って体系的に構成されている
- 入試傾向に即した実践的な問題が多い
- 塾の授業進度や模試に連動しているため、タイムリーな復習が可能
- 市販問題集の特徴
- 単元別やレベル別に問題が分かれているものが多く、苦手克服に適している
- 基礎問題から応用問題まで幅広く選べる
- 塾の進度に縛られず、自分のペースで進められる
塾の教材は「授業内容の理解」と「入試対策」にフォーカスし、市販問題集は「弱点補強」や「反復演習」に向いているため、役割を分けて使うのが効果的です。
家庭学習のベストな時間割例(平日・週末)
学習時間の確保とバランスが大切です。無理なく続けられる計画を立てましょう。
- 平日
- 塾の宿題・復習中心:30分~1時間
- 市販問題集で苦手単元の基礎固めや計算練習:15~30分
- 無理のない範囲で毎日継続がポイント
- 週末
- 塾の模試やテスト対策問題の復習:1~1.5時間
- 市販問題集で応用問題や演習問題に挑戦:1時間程度
- 集中的な復習と新たな問題へのチャレンジを組み合わせる
塾の復習+市販問題集の反復で定着率UP
塾で習った内容を理解した後、市販問題集で同じ単元の類題を繰り返し解くことで記憶が定着します。
- 塾で新しい単元を学習
- 授業後すぐに塾の復習問題に取り組む
- 市販問題集の類題を繰り返し解き、理解を深める
- 間違えた問題はノートにまとめて再確認
このサイクルを回すことで「わかる」→「できる」→「自信がつく」につながり、模試や入試本番で力を発揮しやすくなります。
【中学受験5年生向け】算数学習の具体的な時間割例テンプレート
平日(学校+塾+家庭学習あり)
時間帯 | 学習内容 | ポイント・備考 |
---|
学校授業後 16:30~17:00 | 休憩・軽食 | 疲れを取りリフレッシュ |
17:00~17:45 | 塾の宿題・復習 | 授業の復習を中心に、わからない問題は親に相談 |
17:45~18:00 | 計算ドリル(市販問題集) | 基礎計算力の定着を目指す |
18:00~18:30 | 自由時間・夕食準備など | メンタル面のリフレッシュ |
19:00~19:30 | 苦手単元の問題集(市販問題集) | 苦手克服に重点を置く |
19:30~20:00 | 間違いノートの整理・復習 | 間違えた問題を見直し、理解を深める |
20:00~21:00 | 自由時間・就寝準備 | しっかり休んで翌日に備える |
週末(土・日)
時間帯 | 学習内容 | ポイント・備考 |
---|
9:00~9:30 | 朝の計算ドリル(市販問題集) | 毎日継続の習慣づけ |
9:30~10:30 | 塾の模試・テスト対策問題演習 | テストでの実践力アップを目指す |
10:30~10:45 | 休憩 | こまめな休憩で集中力を維持 |
10:45~12:00 | 市販問題集の応用問題や類題演習 | 思考力アップのためじっくり取り組む |
12:00~13:00 | 昼食・休憩 | しっかりリフレッシュ |
13:00~14:00 | 苦手分野の復習 | 間違いノートを活用して集中的に対策 |
14:00~15:00 | 親子で問題の振り返り・質問対応 | 学習の進み具合をチェックし疑問を解消 |
15:00~自由時間 | 自由時間・リフレッシュ | メンタル面のケアも大切 |
★ポイント
- 30分〜1時間の学習を基本にし、集中力が続く範囲で計画を組む。
- 毎日短時間でも継続することで基礎力が安定。
- 週末はまとまった時間を確保し、応用力や苦手克服に取り組む。
- 親子で学習内容を振り返る時間を設けることで、子どもの理解度やモチベーションを把握。
やってはいけない!問題集選び・使い方の失敗例
間違った問題集選びや使い方は、かえって学習効率を落とし、算数嫌いの原因にもなります。失敗例を知り、避けることが重要です。
難しすぎる問題集で“算数嫌い”に
- レベルが高すぎる問題集を使うと、解けない問題が続き子どもの自信を失わせる
- 「できない→嫌いになる→やらなくなる」の悪循環に陥る
- まずは基礎固めができる問題集から始め、段階的にレベルアップを図るのが効果的
解けた問題だけで安心してしまう落とし穴
- 解けた問題ばかりを繰り返して満足すると、実力の伸びが停滞する
- 苦手分野や間違えた問題を放置すると、入試本番で大きな痛手になる
- 必ず間違いノートや宝物ノートを作り、苦手克服に取り組む習慣をつけるべき
※なお、中学受験算数で苦手になりやすい割合や速さについて、以下の記事でくわしく解説しています。
中学受験の割合の問題と勉強法
【中学受験】速さの問題の解き方
「買っただけ」「やりっぱなし」で終わるケース
- 問題集を購入して満足し、使わなかったり途中で投げ出してしまうことも多い
- 市販問題集は使い方次第で効果が大きく変わるため、計画的に継続することが必須
- 親子で目標設定や進捗管理をしながら、最後までやり切るサポートが求められる
以上を意識して問題集を選び、塾と併用しながら計画的に学習すれば、5年生の算数力を効率よく伸ばせます。保護者の適切な関わりが子どものやる気と成果につながるので、ぜひ積極的に関わってください。
プロが教える!問題集選びのチェックリスト
中学受験算数の問題集は、ただ人気だから・有名だからという理由だけで選ぶとミスマッチが起こりやすく、効果的な学習ができません。
プロの教育者・塾講師が推奨する「問題集選びのチェックポイント」を紹介します。
レベル(基礎〜応用)
- 基礎固め重視か応用力強化か
子どもの現状に合った難易度を選ぶことが最重要。基礎が不十分なら基礎問題集をじっくりやりこみ、基礎が安定している場合は応用問題集で力を伸ばす。 - 段階的にレベルアップできる教材が望ましい
一冊で全てをカバーしようとせず、基礎→標準→応用と段階を踏むことで無理なく成長できる。 - 過度に難しい問題は逆効果
挫折や算数嫌いを防ぐため、子どもの実力に見合う範囲から始めること。
子どもの性格・学習スタイル
- 好奇心旺盛で自分で考えるタイプか、コツコツ反復型か
思考力を刺激する問題集が向く子もいれば、基礎練習中心の問題集が合う子もいる。 - 集中力や継続力
分量が多すぎる問題集は負担になるため、適度なボリュームやページ数もチェック。 - 解説のわかりやすさ
子どもが一人で取り組む時間が多い場合は、図解や解説が丁寧な教材を選ぶと自習が進みやすい。
家庭での学習時間・保護者のサポート状況
- 学習時間の確保具合
毎日30分しか確保できないのか、まとまった時間が取れるのかで使う問題集の量やタイプは変わる。 - 保護者の関わり方
親がサポート・チェックできるか否かで、難しい問題集でも対応できるかが決まる。 - 自己管理力がまだ弱い場合は親が進捗管理できる教材選びを
例えば、ステップごとに進める進捗管理表や、間違い直し用のノートが付いているものなどが便利。
まとめ|5年生のうちに正しい問題集選びと活用を!
5年生は中学受験の算数を本格的に学ぶ大事な時期。効果的に力を伸ばすには、問題集選びとその活用が不可欠です。
目的に合った問題集選びが第一歩
- ただ難しい問題を選ぶのではなく、基礎固め・応用力強化・苦手克服など目的に合った問題集を選ぶことが成績アップの土台になる。
- 子どもの理解度や性格に合った問題集を選ぶことで、学習の効率とモチベーションが格段に向上する。
親子で協力して「学ぶ力」を育てよう
- 親は単に勉強を監督するのではなく、子どもの学習習慣を作り、進捗管理や声かけでサポートするパートナーになることが大切。
- 子どもは問題集を通じて「考える力」「解決力」「自信」を育み、将来につながる学ぶ力を身につける。
- 5年生のうちに正しい問題集選びと継続的な学習習慣を築くことで、6年生以降の飛躍的な成長が期待できる。