日本の農業は、地域ごとに気候や地形が大きく異なるため、栽培される作物や工夫にもはっきりとした特色があります。
定期テストや高校入試では、「地域別の農業の違い」「都道府県ごとの代表作物」「農業の工夫」などが頻出テーマ。
そこでこの記事では、日本の農業の特色を地域ごとにわかりやすく整理し、覚えやすいポイントや一問一答・練習問題へのリンクも紹介します。
地理の得点アップに役立つまとめとして、復習や直前対策に活用してください。
中学地理の中でも「日本の農業」は、定期テスト・高校入試の両方で非常に出題頻度が高い単元です。
その理由は、農業が「地形・気候・産業・地域の特色」といった地理の重要分野すべてと関係しているからです。
文部科学省の学習指導要領でも、私たちが自然環境(気候や地形など)とどのようにかかわって生活をしているかを学ぶという視点が重視されています。
人間と自然環境との相互依存関係について考えることは,地域的特色を理解したり,地域の環境開発や環境保全を考えたりする際の重要な基礎となる。
文部科学省「中学校学習指導要領解説 社会編」より引用
日本の農業を理解すると、
などをまとめて理解できるようになります。
つまり「日本の農業」は、地理の総まとめともいえるテーマなのです。
「日本の農業」の出題傾向は、「特徴」「地域」「作物」の3つに分類できます。
どの中学でもこの3つのパターンを押さえることが、得点アップのカギになります。
テストで最もよく出るのが、
「日本の農業の特色や工夫を説明しなさい」や、
「地域による農業のちがいを比べなさい」
といった記述・比較型の問題です。
たとえば、次のような設問がよく見られます。
これらは「暗記」だけではなく、理由を考えて答える力が問われます。
そのため、
例:
北海道では広い土地をいかして大規模な畑作や酪農がさかん。
九州では温暖な気候をいかして促成栽培や果樹栽培がさかん。
このように、地域+気候+作物(または栽培方法)の関係を答えられるようにしておくと、ほとんどの問題に対応できます。
もう一つの定番は、作物と地域(都道府県)を組み合わせる問題です。
たとえば、次のようなパターンです。
| 作物名 | 主な産地 | ポイント |
|---|---|---|
| 米 | 新潟県・秋田県・北海道 | 水田地帯。稲作中心。 |
| りんご | 青森県 | 寒冷地の果樹栽培。 |
| みかん | 和歌山県・愛媛県 | 温暖な気候で日照時間が長い。 |
| きゅうり・トマト | 高知県・宮崎県 | 促成栽培で冬に出荷。 |
| 小麦・てんさい | 北海道 | 広い耕地を利用した畑作。 |
このような「作物+地域」の組み合わせは、
地図問題や選択肢問題、穴埋め問題として出やすいため、表で整理して暗記しておくのが効果的です。
特に入試では、
「次の作物が多く作られている地域として正しいものを選びなさい」
といった地図を使った出題形式も多いです。
地図帳やワークブックの資料地図と合わせて覚えると得点力が上がります。
この学習記事は、ただ知識を暗記するだけでなく、
「どうしてそうなるのか」「どう出題されるのか」を理解しながら覚えることを目的にしています。
中学の地理テストは「丸暗記」だけでは得点しにくいため、この記事の構成を活用して効率的に勉強しましょう。
各章の最後には、「用語チェックリスト」があります。
そこでは、
☑ チェックの仕方の例:
こうすることで、自分の弱点分野をすぐに見つけられます。
また、覚えるだけでなく「言葉の意味を説明できるか」を意識するのが大切です。
記述問題では「〇〇とは~である」と説明できる力が問われます。
記事の最後には、
「練習問題記事へのリンク」をつけています(例:一問一答、記述練習など)。
このリンクでは、
など、理解度を確認するための短い問題を解けます。
ポイントは、
読む → 解く → 間違いを直す
のサイクルをくり返すこと。
これにより、
日本の農業は、「土地が狭く、山が多く、人口が多い国」で行われる農業です。
この地理的な条件が、他の国とは違う日本の農業の特色を生み出しています。
つまり、
「どうして日本では大規模な農業ができないのか」
「なぜ農作物の値段が高いのか」
といった疑問の答えは、すべて日本の地形・気候・経済構造に関係しているのです。
日本は山地が多く、国土の約3分の2が山です。
そのため、平野の面積が限られており、農地として使える土地が少ないという特徴があります。
☑ 農地の割合:
その結果、アメリカやオーストラリアのような大規模な機械化農業(広い畑でトラクターを使うタイプ)は難しく、
狭い土地をできるだけ有効に使う「集約的農業」が発達しました。
例:
日本では、1戸あたりの農地面積がとても小さく、平均で約2ヘクタール前後。
一方、アメリカは約100ヘクタール以上です。
そのため、
また、1つの農家が持つ田んぼや畑があちこちに分かれている(分散型)ことも多く、
効率よく作業するのが難しいという課題もあります。
☑ このため、農地をまとめて管理する「農地の集約」や「農業法人化」などが近年進められています。
日本の地形と農地利用の関係も、入試・定期テストの頻出ポイントです。
このように、地形に応じて栽培方法が変化しているのが日本農業の大きな特徴です。
日本では、農業の担い手が減る一方で、作業の効率化を進めるために機械化が進んでいます。
現在では、田植え機・コンバイン・トラクターなどが広く使われています。
機械化によるメリット:
ただし、農地が狭く分かれているため、大型機械を導入できない地域もあります。
この点が、「機械化率が高いが大規模化は難しい」という日本特有の特徴です。
最近では、農業にもAI(人工知能)・ドローン・センサーなどを使う
「スマート農業(ICT農業)」が広がっています。
例:
これにより、高齢化や人手不足を補う新しい農業の形が広がっています。
また、若者や企業の参入も増えており、農業の未来に向けた希望の分野とされています。
日本の農産物は、輸入作物より値段が高いことが多いです。
その理由は、次のようなコスト構造にあります。
このため、同じ作物でも国内産より輸入品のほうが安くなる傾向があります。
☑ 例:日本産の小麦や牛肉よりも、アメリカ・オーストラリア産のほうが安い。
1990年代以降、世界的な貿易の自由化が進み、
FTA(自由貿易協定)やTPP(環太平洋パートナーシップ協定)によって、
外国からの安い農産物の輸入が増えました。
これにより、
といった影響が生じています。
一方で、日本政府は「国産ブランド」や「地産地消」などで
高品質路線・差別化戦略を進める動きも見られます。
日本の食料自給率(カロリーベース)は、約38%前後(2020年代)と先進国の中でも低い水準です。
品目別では、
このため、世界的な戦争や災害で輸入が止まると、日本の食料が不足するリスクがあります。
これが、近年「食料安全保障」という観点からも注目されている理由です。
日本の農業を支える人の平均年齢は約68歳。
高齢化が進み、若い世代の就農者が少ないことが大きな課題です。
原因:
この問題を解決するため、国や自治体では、
新規就農支援金・地域おこし協力隊などの制度を整え、若者の就農を応援しています。
農業だけでは生活が難しいため、
農業+他の仕事(会社員・自営業など)を行う兼業農家が多いのも日本の特徴です。
兼業農家の存在は、農村の人口維持に役立つ一方で、
本格的な農業経営の継続が難しくなるという課題もあります。
農業の衰退は、地方の人口減少(地方消滅問題)と深く関わっています。
農業が成り立たなくなると、
といった悪循環が起きます。
そこで近年では、
「地方創生」の一環として、
など、地域資源を活かした新しい農業が進められています。
日本の農業は、国土が狭く平地が少ないという制約の中で、さまざまな「工夫」を重ねて発展してきました。
ここでは、テストによく出る代表的な農業の工夫 ―「二期作・二毛作」「促成栽培・抑制栽培」「施設園芸」「干拓」など― をわかりやすく整理して学びましょう。
☑ 注意!
中学生のテストでは「二期作」と「二毛作」を混同して間違える問題がよく出ます。
→「同じ作物2回=二期作」「違う作物2回=二毛作」で区別!
☑ テスト対策ポイント
「西南日本」「温暖」「年間気温が高い地域」というキーワードとセットで覚えましょう。
| 比較項目 | 促成栽培 | 抑制栽培 |
|---|---|---|
| 意味 | 生育を早める | 生育を遅らせる |
| 出荷時期 | 早い | 遅い |
| 地域 | 暖かい南日本 | 涼しい北日本・高原地帯 |
| 代表例 | 高知県のナス | 長野県のレタス |
☑ 覚え方:
「促す(うながす)=早く育てる → 促成」
「抑える=遅らせる → 抑制」でセット暗記!
施設園芸農業とは、ビニールハウスや温室を使って作物を育てる農業のことです。
気温や湿度を調整できるため、天候に左右されにくく、一年中栽培が可能です。
☑ テスト頻出:「施設園芸農業」「ハウス栽培」「促成栽培」の違いを整理しておこう!
☑ テストポイント:
「干拓=海・湖の水を抜く」「埋立=海に土砂を入れる」で区別!
→ 八郎潟は干拓地、有明海も干拓地(ここは頻出)
【まとめポイント】
| 工夫の種類 | 内容 | 代表地域 |
|---|---|---|
| 二毛作 | 異なる作物を年2回 | 近畿~九州地方 |
| 二期作 | 同じ作物を年2回 | 沖縄・鹿児島 |
| 促成栽培 | 早めに育てる | 高知・宮崎 |
| 抑制栽培 | 遅らせて育てる | 長野・岩手 |
| 施設園芸 | ハウスで栽培 | 千葉・愛知・熊本 |
| 干拓 | 海・湖を陸に | 秋田・佐賀 |
日本の農業は、地域によって気候や地形が大きく異なるため、作られる作物や農業の方法にもはっきりとした違いがあります。
この章では、北海道から沖縄までの地域ごとの農業の特色をわかりやすく整理して紹介します。
※参考:帝国書院『社会科 中学生の地理 世界の姿と日本の国土』
| 分野 | 内容・代表地域 |
|---|---|
| 畑作 | 小麦・てんさい・じゃがいも(十勝平野) |
| 酪農 | 乳牛が多い(根釧台地) |
| 稲作 | 石狩平野での米づくりも見られる |
| 特徴 | 「大規模・機械化・冷涼気候」 |
☆テスト頻出ポイント:「北海道=畑作+酪農」「十勝平野=畑作」「根釧台地=酪農」
※なお、北海道の地理のテストによく出るポイントを以下の記事で詳しく解説しています。
【中学生向け】北海道の地理をわかりやすく解説!
代表地域:
☆ テストポイント:
「東北=米+果樹」「新潟=米」「青森=リンゴ」「山形=サクランボ」で確実に覚える!
※なお、東北地方の地理のテストによく出る一問一答問題や記述問題を以下の記事に多数掲載しています。解答・解説つきです。
中2地理 東北地方の一問一答問題&記述問題と解説【テスト対策】
代表例:
代表例:
☆ テスト対策ポイント:
「関東=近郊農業」「中部(長野・山梨)=高原野菜+果樹」セットで覚える!
※なお、関東地方や中部地方の地理のテストによく出る一問一答問題や記述問題を以下の記事に多数掲載しています。解答・解説つきです。
【中2地理】関東地方の一問一答問題と記述問題
【中2地理】中部地方の一問一答問題と記述問題
中学2年生向け|中部地方の平野・川・盆地 完全ガイド|テスト頻出ポイントを徹底解説
代表例:
九州地方は全体的に畜産業(豚・鶏)も盛ん。
宮崎県や鹿児島県は日本有数の畜産県。
☆ テスト頻出フレーズ:
「温暖・促成栽培・果樹・茶」で出たら、中国~九州地方!
※なお、中国四国地方・九州地方のテストによく出るポイントの解説や一問一答を以下の記事に掲載しています。
【中2地理】中国・四国地方の一問一答問題&記述問題
中2地理九州地方の一問一答問題と記述問題
中学地理対策:九州地方の地形と産業を徹底解説
☆ 特徴キーワード:
「亜熱帯・二期作・さとうきび・パイナップル」で確実に得点!
| 地域 | 主な農業形態 | 代表作物 | 理由(気候・地形) |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 畑作・酪農 | じゃがいも・乳製品 | 広大な平野・冷涼 |
| 東北 | 稲作・果樹 | 米・リンゴ | 夏の日照・水資源豊富 |
| 関東 | 近郊農業 | 野菜・花 | 大都市に近い |
| 中部 | 高原野菜・果樹 | レタス・ブドウ | 高冷地・盆地気候 |
| 近畿~九州 | 促成栽培・果樹 | ナス・みかん・茶 | 温暖・冬でも栽培可 |
| 沖縄 | 二期作・亜熱帯作物 | さとうきび・パイン | 高温多湿・亜熱帯 |
☆ テスト頻出ワードセットで覚える!
北海道=畑作・酪農
東北=米・リンゴ
関東=近郊農業
中部=レタス・果樹
九州=促成・茶・みかん
沖縄=二期作・さとうきび
☆ まとめ
地域別の農業は「気候」「地形」「交通条件(輸送)」の3つがカギです。
地図で場所と作物をセットで覚えると、記述問題にも強くなるので、ノートまとめや暗記カードを使って繰り返し確認しましょう。
米作は「水」と「気温」の条件がそろう地域で発達します。
日本の米作が盛んな理由を 3 つに整理すると覚えやすいです。
→ 東北・北陸・新潟・秋田・山形などが米どころ
まとめ(記述対策)
→「日本は降水量が多く、水が確保しやすい。夏は高温で稲の生育に適し、平野部に水田を広げやすい地形がそろっているため。」
語呂:『新・北・秋(しんほくあき)』=米どころの三兄弟
出やすい問題
「米の生産量1位の都道府県を答えよ」
→ 新潟県(近年は北海道と接戦)
| 用語 | 意味 | 栽培方法 | 出やすい特徴 |
|---|---|---|---|
| 水稲(すいとう) | 一般的な米 | 水田で育てる(常に水を張る) | 日本のほぼ全ての米 |
| 陸稲(りくとう) | 畑で作る米 | 畑で育つ(乾いた土地) | 生産量が少ない。テストで間違えやすい |
ポイント
「陸稲=乾いた場所で育つ」という名前通り。
日本の稲作=ほぼ水稲、と覚える。
高冷地(標高が高い地域)は夏でも涼しく、
「昼は暖かい → 光合成が進む」「夜は寒い → 呼吸が少ない」ため、甘みが強い野菜が育つ。
→「昼夜の気温差が大きく、品質のよい野菜が育つため」
テスト頻出
「促成栽培が盛んな県 → 宮崎・高知」
| 作物 | 主産地 | 覚え方 |
|---|---|---|
| じゃがいも | 北海道 | 涼しい気候・広い畑が必要 |
| さつまいも | 鹿児島・茨城 | 温暖で火山灰土壌が合う(鹿児島) |
| 大根 | 千葉・北海道 | 首都圏需要と広い畑の両方 |
温暖な地域では凍害が少なく果実が傷みにくい。
記述対策
「温暖で日照が多く、果実が生育しやすいため」
果樹栽培は以下の条件がそろう地域に集中する。
→ 病害虫が少ない
例:山梨(ぶどう)、岡山(もも)
→ 光合成が進み、甘みが強い果物になる
→ 斜面は水はけが良く、果樹に向く
例:和歌山の段々畑
| 地域 | 特徴 | 理由 |
|---|---|---|
| 北海道型 | 1戸あたりの牛の飼育数が多い(大規模)・放牧中心 | 土地が広い・涼しい気候で乳牛が疲れにくい |
| 本州型 | 家族経営・牛の数が少ない(少頭数) | 平地が少なく、都市が近いため飼料コストが高い |
日本の畜産は 「輸入飼料に大きく依存」 している。
→「日本の畜産が輸入飼料に依存している理由」
答え:広大な飼料畑が少なく国内で十分生産できないため。海外の方が大量生産できコストが低いため。
近年、定期テストや入試では「農業 × 環境問題」という組み合わせの出題が増えています。文部科学省の指導方針で、地域の課題の発見と探求を重視しているからです。
社会的事象の地理的な見方・考え方に根ざした追究の視点とそれを生かして解決すべき課題(問い)を設定する活動が不可欠である
文部科学省「中学校学習指導要領解説 社会編」より引用
ポイントは以下の3つ。
背景には、実際の農業が「気候・環境・生態系」の変化に影響を受けやすくなっていることがあります。
温暖化は「気温の上昇」「豪雨の増加」「干ばつの増加」を引き起こし、作物の生育に大きな影響を与えています。
※参考:農林水産省「地域の特色を生かした 持続的農業・林業・水産業」
稲が出穂(しゅっすい)する時期に気温が高くなると、
米が白く濁った「白未熟粒」になり、品質が低下します。
品質が落ちる → 等級が下がる → 価格が下がる
→ 農家の収入減少につながる
近年は、高温に強い品種の開発が進められています。
テストの新傾向
「温暖化に対する農業の工夫 → 品種改良、栽培時期の調整」
温暖化で「極端な気象」が増えており、地域ごとに被害の特徴が異なります。
記述対策
→「温暖化に伴い台風・豪雨・干ばつなど極端な気象が増え、地域ごとに農作物への影響が異なるため。」
近年は、環境にやさしい農業(環境負荷の少ない農業)が注目されている。
国(農林水産省)が定める基準を満たすと
「有機JASマーク」をつけて販売できる。
(参考:農林水産省「有機食品の検査認証制度」)
基準には
テストのねらい
→「有機農業の特徴」「有機JAS認証の意味」
SDGsでは、目標2「飢餓をゼロに」 に農業の持続性が含まれている。
記述対策例
「持続可能な農業とは、化学肥料や農薬の使用を減らし、自然環境を守りながら長く続けられる農業のこと。」
参考:日本教材出版『公立高校入試に見る SDGs(エスディジーズ)』
鳥獣(シカ・イノシシ・クマなど)の農作物被害は、全国的に急増している。
典型的な被害
代表的な対策は以下のとおり。
記述で出る理由
→「耕作放棄地の増加や人口減少で動物が農地へ近づきやすくなったため。」
地理分野では、「なぜその地域でその農業が発達したのか」=理由説明問題がよく出ます。
特に最近は、輸送技術や流通網の発達と農業の関係を問う問題が増えています。
都市の近くで野菜作りが発達するのは、次の理由からです。
★重要語句:
近年は、都市近くでなくても農産物を大都市へ大量に運べるようになりました。理由は次の通りです。
→ 都市から遠い地域でも、競争力のある農業が可能になった。
★テストの狙われ語句:
遠隔地農業=消費地から遠い場所でも、技術があれば出荷できる農業。
この背景には、コールドチェーン(低温でつなぐ輸送網)があります。
※参考:学校インターネット推進協会「物流網の問題 | それってムダじゃない?」
北海道は東京から遠いのに、東京のスーパーにじゃがいも・玉ねぎが普通に並んでいます。
理由は コールドチェーンの発達 です。
→ このため、北海道の玉ねぎ・じゃがいもなどは東京や関西へ大量に出荷される。
★キーワード:
高価で傷みやすい果物は、航空輸送が使われます。
例:
★テスト狙い語句:
「似ているけど意味が違う」用語を確実に区別できるようにするのがテスト対策のカギ。
特に地理では、用語と理由説明のセットが問われるので、表で整理して記憶すると点数が安定します。
| 用語 | どんな栽培? | 目的 | いつ出荷? | 代表例 |
|---|---|---|---|---|
| 促成栽培 | 温室などで温めて、植物の生長を「早める」 | 通常より早い時期に出荷して高く売る | 早い時期(冬〜春) | ピーマン、きゅうり、なす、いちご |
| 抑制栽培 | 植物の生長を「遅らせる」 | 通常より遅い時期に出荷し、市場価格の高い時期をねらう | 遅い時期(秋〜初冬) | ほうれんそう、レタス |
| 用語 | 生産場所 | 主な作物 | なぜその場所で行う? |
|---|---|---|---|
| 近郊農業 | 大都市の近く | 野菜・花き・牛乳 | 野菜や花は傷みやすく、輸送時間が短いほど鮮度が保てるから |
| 遠郊農業 | 大都市から遠い地域 | 米・麦・工芸作物 | 傷みにくい作物は長距離輸送が可能。土地が広く大量生産に向く |
3つの違いを理解しておくと、テスト勉強の際に役立ちます。
| 用語 | 意味 | どんな場所? | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 畑作 | 畑で行う農業の総称 | 畑で行う農業全般 | じゃがいも・麦・大豆 |
| 露地栽培 | 温室などを使わず、自然の状態で行う栽培 | 屋外(自然のまま) | 葉物野菜・根菜類 |
| 施設栽培(ハウス栽培) | ビニールハウスなど施設で行う栽培 | 屋内(温度調整できる) | きゅうり・トマト・いちご |
| 用語 | 意味 | どこで行われる? | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 二期作 | 同じ田に同じ作物を年に2回作る | 九州南部・四国南部など暖かい地域 | 米→米(早稲+晚稲) |
| 二毛作 | 同じ畑に違う作物を年に2回作る | 近畿・中国地方など | 麦→米、麦→大豆 |
| 年中栽培 | 施設で温度を管理して一年中作る | 温室・ハウス(全国) | トマト・きゅうり・いちご |
地理の農業分野では、単なる暗記よりも、
“図や数字を使って、どれだけ理由をつけて説明できるか” が得点差になります。
統計・地図・気候グラフは、
「用語 × 数字 × 位置 × 理由」
を結びつけて読むのがコツです。
統計問題は、パッと見て判断しないことが重要。
次の3ステップで確実に読み取れるようになります。
統計問題の80%は「縦軸・横軸を読み間違える」ことで落とします。
順位問題は、次の順で見ると間違えません。
このように、“量・面積・割合で順位が入れ替わる”のが統計問題の基本パターンです。
地理で最も混乱するのがこの3つの違い。
| 用語 | 意味 | テストでの注意点 | 例 |
|---|---|---|---|
| 生産量 | 実際に作られた量 | 台風などで被害が出ると減る | 米・野菜 |
| 出荷量 | 市場に出した量 | 自家消費が多い地域は生産量>出荷量 | みかん・牛乳 |
| 作付け面積 | 作物を植えた面積 | 面積が広くても収量が少ないことあり | 北海道の畑作 |
地理の農業問題では、地図記号・主産地の位置・気候とのつながりが定番。
※学校のワークや過去問でよく出るが、
主産地は「その作物が最も作られる都道府県」に置かれることが多い。
「気候・地形・市場との距離」とセットで覚えると、地図の記号問題が得点源になる。
気候グラフ問題では、以下の3点を読むと正解率が急上昇。
雨温図のグラフが「気温低い・雨少ない」→ 北海道の畑作地帯(小麦・てんさい)
雨温図グラフが「降水多い・夏暑い」→ 西日本の田植え・水稲地域
目的:見開きでパッと確認できる「地方ごとの代表作物」「出荷のピーク」「テストで聞かれやすい理由」をまとめています。
印刷して持ち歩き、暗記に使ってください。
次の表は「地方(広域)ごとの代表的な作物」と、テストで問われやすいキーワードをまとめたものです。右端の「覚え方」は中学生が記憶しやすい語呂やヒントです。
| 地方 | 代表作物(例) | テストで聞かれる理由(要点) | 覚え方・メモ |
|---|---|---|---|
| 北海道 | じゃがいも・てんさい(甜菜)・小麦・乳製品(酪農) | 広い平原・寒冷気候で畑作・酪農が向く | 「広い畑=北海道」 |
| 東北(北陸含) | 米(多い)、りんご(青森)、さくらんぼ(山形) | 冬の寒さと昼夜差→品質が良い | 「りんご=青森」 |
| 関東・中部 | 近郊野菜(千葉・埼玉)、果樹(山梨ぶどう) | 都市近接で近郊農業、盆地で高冷地野菜 | 「千葉=野菜」 |
| 近畿・中国 | みかん・もも・米(地域差) | 瀬戸内の温暖な気候→果樹が発達 | 「瀬戸内=果物」 |
| 四国・九州 | かんきつ(愛媛・和歌山も含む)、さとうきび(南九州)、温暖地の促成栽培 | 温暖→促成栽培・亜熱帯作物 | 「暖かい=柑橘」 |
| 沖縄 | さとうきび・パイナップル | 二期作や亜熱帯作物が可能 | 「亜熱帯=沖縄」 |
代表的な作物の出荷時期(目安)と主産地をまとめた早見表。テストで「いつ出るか」「なぜその時期か」を問われがちです。
| 作物 | 主な出荷時期 | 主産地(代表) | テストでの着眼点 |
|---|---|---|---|
| 米(収穫) | 9月〜10月 | 新潟・北海道・秋田 | 稲刈り時期=秋(天候で年に変動) |
| じゃがいも | 6〜7月、10〜11月(品種で分かれる) | 北海道 | 冷涼地での秋収穫が多い |
| さとうきび | 10月〜翌年5月(長期) | 鹿児島・沖縄 | 温暖地で長期間収穫 |
| みかん(かんきつ) | 10月〜翌年2月 | 愛媛・和歌山 | 温暖な瀬戸内で冬場出荷 |
| いちご(促成) | 12月〜5月(促成は早めの出荷) | 福岡・栃木・千葉 | ハウス促成で冬から春に掛けて出荷 |
| りんご | 9月〜11月 | 青森 | 寒冷地で秋に収穫、保存が利く |
| ほうれんそう(抑制) | 秋〜冬(抑制で遅出し) | 茨城・長野 | 抑制=出荷を遅らせる |
| マンゴー(高級) | 6〜8月(航空輸送で即日配送) | 宮崎 | 高値・短期輸送で鮮度維持 |
(注)季節は地域・品種・促成/抑制の有無で変わる。上は中学生が押さえるべき一般的目安。
ここではテストによく出る「数値系」データを最新の公的データから抜粋して提示しています。
※参考:農林水産省 – 作物統計
テストメモ:年度や作況で数値は変わるので「順位(県名)」を優先して覚える。正確なトン数を問われる場合は出題年の統計を確認。
中学2年の地理「農業」分野の総仕上げとして、確実に点が取れるレベル → 入試レベルまで作成しています。
中学生が苦手な「理由説明」は、以下のテンプレートを使うと高得点になります。
「①条件 → ②結果」 の順に書く
(例)「気温が高いので、〇〇がよく育つため。」
模範解答(満点)
→ 都市に近く、輸送時間やコストをおさえられ、毎日必要な野菜をすぐに届けられるため。
模範解答
→ 夏でも気温が低いため、冷涼な気候を好む野菜の生育に適しているから。
模範解答
→ 昼夜の気温差が大きく、りんごの甘さが増す条件に適しているため。
模範解答
→ 広い土地があり、えさとなる牧草を大量に育てられるから。
模範解答
→ ビニールハウスなどで温度を上げ、出荷時期を早めて高く売るため。
入試でよく出る、少しレベルの高い問題です。
(1)北海道の十勝地方 → 畑作(小麦・てんさい・いも)
(2)瀬戸内 → みかんなどのかんきつ類
(3)関東平野 → 近郊農業・施設園芸
→ 果樹農業(ブドウ・モモ)
A:青森 B:長野 C:山形(りんご)
→ A:青森
模範解答
→ 作付け面積は育てている土地の広さ、出荷量は実際に売った量のことである。
(例題は省略、ポイントを説明)
ポイント
中学生が一番伸びるのは、「比較」して覚える勉強法です。
作物は
例:
以下を使えばどんな問題でも解けます。
① 条件(気候・地形・市場)
② 結果(作物が育つ・運びやすい・コストが下がる)
例:
気温が低く昼夜の差が大きいため、果物の糖度が上がるから。
ハウスで温度を調整し、出荷時期をずらして高く売るため。
都市に近く、すぐに出荷でき輸送コストが安いから。
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