漢文は「難しそう」「時間がかかりそう」と思われがちですが、実は国語の中で最も短時間で得点力を伸ばせる分野です。
そこで本記事では、漢文が苦手な高校生でも再現できるように、句形・返り点・設問処理に絞った最短ルートの勉強法を解説します。
共通テストから私大・国公立二次試験まで対応できるよう、偏差値別の勉強法と具体的なスケジュールも紹介します。
※なお、大学入試の国語全般の勉強の仕方について、以下の記事で詳しく解説しています。
高校 国語 勉強法|現代文・古文・漢文の入試対策を偏差値別に解説【苦手克服〜難関大】
大学入試の国語(現代文・古文・漢文)の中で、最も少ない労力で点数を伸ばしやすい分野が漢文です。
「難しそう」「白文が読めない」というイメージから後回しにされがちですが、実は正しい勉強順と対策を知っているかどうかで、得点差が最もつきやすい分野でもあります。
共通テスト・国公立二次・私大入試のいずれでも、漢文は
という特徴があります。
つまり、やった分だけ確実に点になる「時間効率の高い科目」なのです。
※なお、古文の勉強法について、以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け古文の勉強法|偏差値40→70を狙うための最短ルートを徹底解説【単語・文法・敬語・読解】
漢文が「コスパ最強」と言われる最大の理由は、覚えるべき内容の範囲が圧倒的に狭い点にあります。
つまり漢文は、
「知らないと解けないが、知っていればほぼ解ける」
という非常にシンプルな構造になっています。
特に共通テストでは、漢文の設問は知識+基本的な読解力で完結するため、現代文のような感覚的な読解に左右されにくいのも特徴です。
漢文は、勉強の順番さえ間違えなければ短期間で得点が安定します。
入試漢文では、ほぼ必ず次の要素が問われます。
これらは毎年ほぼ同じ形式で出題されるため、過去問や典型問題で十分に対応可能です。
漢文は、全文を完璧に理解しなくても、
だけで正解できる問題が多くあります。
つまり、読解力よりも「型の知識」が点数を左右します。
句形を10個覚える → 問題が解ける
返り点を理解する → 書き下しができる
といったように、成果がすぐに実感できるため、モチベーションも維持しやすいのが漢文の強みです。
漢文が伸びない高校生には、いくつか共通する「勘違い」があります。
書き下し文を覚えるだけでは、初見の文章に対応できません。
大切なのは、
という構造理解です。
漢文は、
全文を完璧に訳す必要はありません。
入試で必要なのは、
を押さえることだけです。
細かい修飾語にこだわりすぎると、時間と点数を失います。
漢文にセンスは不要です。
必要なのは、
むしろ、暗記とルール処理が得意な人ほど有利な分野です。
大学入試の漢文は、見た目こそ難しそうですが、出題範囲は驚くほど限定的です。
実際、共通テスト・国公立二次・私大入試で問われる漢文の力は、次の3つにほぼ集約されます。
この3点を体系的に押さえれば、初見の漢文でも安定して得点することが可能になります。
漢文の問題は「読解問題」に見えますが、実態は知識問題+ルール処理問題です。
入試で評価されているのは、次の3つの力だけです。
※このセクションは東京書籍の教科書内容をもとに作成しています。
新編言語文化 | 令和7年度用高等学校教科書・シラバス | 東京書籍
漢文攻略の最重要ポイントが句形です。
句形とは、「この形が出たら意味がほぼ決まる」という定型表現のことです。
入試では、
といった形で、直接的・間接的に必ず出題されます。
逆に言えば、句形を知らなければ、
「単語の意味が分かっても文の意味が取れない」
という状態に陥ります。
漢文の勉強は、句形を覚えることから始めるのが絶対条件です。
返り点は、「漢文を日本語の語順に直すための記号」です。
ここが曖昧だと、どんなに句形を知っていても点数は伸びません。
特に共通テストでは、
といった処理力そのものが問われます。
重要なのは、
返り点は「暗記」ではなく「作業」
だということです。
一定のルールに従って戻るだけなので、練習量=得点力に直結します。
漢文は中国古典が出典となるため、
意味が決まっている重要語句が頻繁に登場します。
これらは、現代日本語の意味とはズレがある場合も多く、
漢文特有の意味として覚える必要があります。
また、背景知識として、
を知っていると、内容説明・理由説明問題が一気に解きやすくなります。
とはいえ、専門的な中国史知識は不要です。
入試レベルでは、定番テーマを押さえておくだけで十分です。
漢文が「コスパ最強」と言われる最大の理由は、
全文を細かく理解しなくても正解できる問題が多い点にあります。
入試問題は、
といった形で、問われる範囲が限定されています。
該当部分の句形・語順・語句が分かれば、全文を読めなくても解答可能です。
現代文と違い、漢文の選択肢は
になっていることが多く、消去法が非常に有効です。
漢文は、
といった論理構造が単純な文章が多く、
流れを大きくつかむだけで設問に対応できます。
漢文は、やみくもに問題を解いても伸びません。
「覚える → 処理する → 解く」という順番を守ることで、最短距離で得点力が完成します。
結論から言うと、漢文の勉強は次の3ステップだけで十分です。
この順番を崩さないことが、安定得点への最大のポイントです。
特に句形や返り点の知識は欠かせません。文部科学省の学習指導要領でも漢文読解に必要な知識として位置づけられています。
(参考:文部科学省が定める高等学校国語の学習指導要領)
古典を読むために必要な語句とは,古文,漢文の作品や文章を読むのに必要な語,慣用句,成句などをいう。古典の内容を的確に読み取るためには,これらの語句の意味や用法を理解し,量を増すことが大切である。
文部科学省「高等学校学習指導要領(国語編)」より引用
漢文対策の8割は、句形暗記で決まると言っても過言ではありません。
ただし、やり方を間違えると「覚えたのに解けない」状態になります。
多くの高校生がやってしまう失敗が、
「この形が出たら、こう書き下す」と形だけで覚えることです。
重要なのは、
この句形が出たら「何を言っているのか」
を瞬時に判断できることです。
書き下し文は“結果”であって、目的は意味理解です。
意味のラベルを貼るように覚えると、初見問題でも対応できます。
参考書には40〜50個の句形が載っていますが、
入試で安定して出るのは20〜30個程度です。
その理由は、
だからです。
まずは、
といった超頻出句形を完璧にし、
余裕が出てから追加するのが効率的です。
句形の中でも、特に失点に直結しやすいのが以下の3つです。
これらは、
という特徴があります。
最初にここを固めるだけで、漢文の正答率は一気に上がります。
句形を覚えても、返り点が読めなければ意味は崩れます。
ただし、返り点は最も努力が点に直結する分野です。
返り点は種類ごとに役割が決まっています。
これ以上、難しいことはありません。
返り点はルール処理なので、理解したらあとは練習あるのみです。
よくある失点例は次の3つです。
特に多いのが、
「意味を考えながら返り点を読む」
ことです。
返り点処理は意味を考えず、機械的に行うのが正解です。
返り点は、次の手順で練習すると定着します。
「理解しよう」とするより、
手が勝手に動く状態を作ることが目標です。
漢文が伸びない最大の原因は、
すべてを日本語訳しようとすることです。
入試漢文では、訳す力より設問を処理する力が問われています。
内容説明・理由説明は、
のどれを聞いているかを先に確認します。
そのうえで、
に注目すれば、全文を訳さなくても正解にたどり着けます。
傍線部問題は、次の順で処理します。
全文を読む必要はありません。
選択肢は、
ものから切っていきます。
漢文は、
正しいものを探すより、間違いを切る科目
です。
句形を軸にすれば、消去法が非常に強力になります。
※なお、漢文の受験対策におすすめの参考書を以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け漢文のおすすめ参考書|句形・返り点・演習を最短で仕上げる選び方【共通テスト・入試対応】
| 入試区分 | 重視される力 | 問題形式 | 対策ポイント |
|---|---|---|---|
| 共通テスト | 句形の即時判断力 設問処理スピード | 選択式中心 内容一致・理由説明 | 設問先読みを徹底 句形→設問対応を素早く |
| 私大 | 句形・返り点の正確さ 処理の速さ | 選択式+部分訳 短時間処理 | 頻出句形の瞬間判別 返り点ミスをなくす |
| 国公立二次 | 文脈理解力 説明・記述力 | 記述式中心 理由説明・部分訳 | 部分訳で確実に得点 減点されにくい表現を使う |
漢文対策は「一括り」にすると失敗します。
なぜなら、共通テスト・私大・国公立では、評価される力が明確に違うからです。
それぞれに合わせた対策をすることで、無駄な勉強時間を削減できます。
共通テストの漢文は、「漢文が読めるか」よりも
限られた時間で正確に処理できるかが問われます。
つまり、すべてを丁寧に読むと時間が足りなくなる設計です。
※共通テストの出題傾向は大学入試センター掲載の過去問を参考にしています。
共通テストでは、設問を先に読む戦略が非常に有効です。
理由は以下の通りです。
特に、
が多いため、問われている箇所だけを重点的に読むことで、正確性とスピードが両立します。
共通テストで出やすい漢文テーマは、ほぼ決まっています。
これらは、
という特徴があるため、テーマを知っているだけで理解が速くなります。
私大漢文は、知識の正確さと処理スピードが最重要です。
そのため、
考える前に「見た瞬間に意味が分かる」
状態を作ることが合格への近道です。
※早い段階で自分の志望校の過去問を確認しておきましょう。
過去の入試問題 – 早稲田大学 入学センター・過去の入学試験問題の公開について(明治大学)など
私大では、1問で悩むこと自体が失点につながります。
国公立二次試験の漢文は、
「どれだけ正確に説明できるか」が評価されます。
ここでは、句形暗記だけでは不十分です。
※早い段階で自身の志望大学の入試問題を確認しておきましょう。
これまでの試験問題及び解答等の公表(東京大学)・一般選抜の試験問題等(京都大学)など
国公立漢文の記述では、
満点を狙うより「減点されにくい答案」を意識することが重要です。
多少不自然でも、意味が通じる日本語を書けば部分点がもらえます。
全文を訳せなくても、国公立では部分点が取れます。
そのためには、
ことが重要です。
特に、
否定・仮定・反語を外さない
これだけで、致命的な減点は防げます。
漢文は「全員が同じ勉強」をする科目ではありません。
偏差値帯によって、点数が伸びるポイントがはっきり異なります。
ここでは、
を偏差値別に整理します。
この層で最も多い失敗は、
いきなり読解や背景知識に手を出すことです。
この段階では、
「正しく読める」
ことだけを目標にしてください。
偏差値40〜50の最大の課題は、
語順がぐちゃぐちゃになることです。
対策はシンプルで、
ことだけを徹底します。
意味が多少分からなくても構いません。
書き下し文が安定すれば、正答率は自然に上がります。
長文を読む必要はありません。
を使って、
この反復だけでOKです。
「長文が読めない」のは、
基礎処理ができていないだけです。
このレベルになると、
という状態になりがちです。
ここからは、
「読む力」より「解く力」を伸ばします。
偏差値50〜60で差がつくのが、
理由説明・内容一致問題です。
対策ポイントは、
全文を読まず、
「なぜ」「どうして」を聞かれている文
だけを正確に押さえます。
この層で追加すべき語句は、
です。
単語帳を増やすのではなく、
出題文の中で意味を確認する形が最も効率的です。
このレベルでは、
知識量そのものが差になります。
句形・返り点はすでにできている前提で、
「背景を知っているかどうか」が得点差になります。
難関大で頻出のテーマは、ほぼ固定です。
これらは、
というメリットがあります。
背景知識があると、
という効果があります。
特に国公立・難関私大では、
背景を知らない=時間切れ・失点
につながりやすくなります。
「漢文を勉強しているのに点が上がらない」場合、
原因は努力不足ではなく、やり方のミスであることがほとんどです。
ここでは、特に多いNG勉強法を4つ取り上げ、
なぜダメなのか/どう修正すべきかを明確にします。
最も多く、そして最も危険なNGがこれです。
入試漢文は、
「訳せるか」ではなく「問われたことに答えられるか」
が評価基準です。
全文訳は“勉強用”であって“入試用”ではない
という意識が重要です。
「句形は覚えているのに解けない」人に多いパターンです。
「A=この形」「B=この形」と記号のように暗記すると、
初見の漢文で機能しません。
句形は、単語帳ではなく“意味ラベル”として覚えましょう。
返り点を「雰囲気」で読んでいる人は、
必ずどこかで失点します。
返り点は、感覚ではなくルールです。
返り点処理は、
「読解」ではなく「作業」として練習するのが正解です。
「最後にまとめてやればいい」と思われがちな漢文ですが、
実は後回しにすると最も失敗しやすい科目です。
漢文は、
一夜漬けが効かないが、少量でも継続すれば確実に伸びる
科目です。
早く完成させて、維持する
これが漢文対策の最適解です。
漢文は、長時間まとめて勉強する必要はありません。
むしろ、短時間を繰り返す方が定着し、得点も安定します。
ここでは、
でも無理なく続けられるスケジュール例を紹介します。
漢文は、「毎日少し」やるだけで十分です。
ポイントは、「考えすぎない」「迷わない」ことです。
平日は、インプット+軽いアウトプットに絞ります。
ここでは、
「見て分かる」「処理できる」状態を維持するのが目的です。
週末は、実戦形式で確認します。
解く際は、
解き終わったら、
間違えた理由が「句形・返り点・処理」のどれか
を必ず確認します。
共通テスト・私大・国公立直前期は、
「新しいことをやらない」が鉄則です。
直前期は、
できることを確実にするフェーズです。
漢文は、才能やセンスよりも、
「正しい順番で覚えたかどうか」で結果が決まります。
入試漢文で必要なのは、この3点だけです。
これができれば、
どんな漢文でも安定して点が取れる状態になります。
漢文は、
という特徴があります。
だからこそ、
「短時間 × 早め完成」
が最強の戦略です。
今日から1日10分、
句形を確認するだけでも構いません。
覚えた人から、確実に差がつく科目が漢文です。
A.正しい勉強法なら、1日10〜15分を2〜3週間で安定して得点できるようになります。
漢文は現代文や古文と比べて範囲が非常に狭く、頻出の句形・返り点・設問パターンを押さえるだけで点につながります。特に共通テスト・私大レベルであれば、長時間の演習は必要ありません。
A.いいえ。全文を訳せなくても問題ありません。
入試漢文は「句形が分かっているか」「設問に関係する部分を正しく読めているか」が評価されます。むしろ全文を訳そうとすると時間が足りず、失点につながるケースが多いです。
A.句形+返り点+設問処理の3点セットが必要です。
句形だけでは語順ミスや設問処理で失点します。本記事で解説したように、返り点の処理と設問の読み方をセットで身につけることで、初めて安定得点が可能になります。
A.直前期でも間に合いますが、「完全放置」は危険です。
漢文は短期間で伸びる反面、未対策だと0点近くになるリスクがあります。英語・数学の合間に、1日10分でもよいので早めに着手するのが理想です。
A.基本は同じですが、重点が異なります。
共通テストは設問先読みと処理スピード、私大は句形の即断力、国公立は説明記述への対応が重要です。基礎は共通なので、まずは句形と返り点を固めましょう。
A.基礎句形ができていれば、最低限の対策で十分です。
漢詩は頻出テーマ(友情・別れ・自然・人生観)と基本表現を押さえれば対応できます。背景知識があると、偏差値60以上では差がつきます。
A.「句形が整理されているもの」「演習量が多すぎないもの」を選びましょう。
1冊を完璧に仕上げる方が、複数冊を中途半端にやるより効果的です。学校配布教材+市販の定番1冊で十分です。
This website uses cookies.