高校の国語は「現代文・古文・漢文」がバラバラに感じられ、何から勉強すればいいのか迷う高校生がとても多い教科です。
さらに、授業を受けているだけでは点数が伸びにくく、「勉強しているのに国語だけ上がらない……」という悩みもよく聞きます。
そこでこの記事では、国語が苦手な高校生でも偏差値を確実に上げる方法と、すでに国語が得意な人がもう一段レベルアップするための方法を、大学入試対策として体系的に解説します。
現代文・古文・漢文の勉強法を、偏差値別にロードマップで整理していますので、「今日から何をすればいいか」がすぐに分かります。
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国語は「教科書・授業→点数」という単純な因果が成り立ちにくい科目です。理由は次の通りです:
──つまり「何を」「どの順で」「どのくらいの時間で」やるか(=勉強法)がスコアに直結します。授業だけ・暗記だけでは伸びません。
短期対策(やってみる):今日から1週間、評論を1題「スキミング→設問解答→要約(50〜80字)」の順で解く。要約に時間をかけて、本文の主張を自分の言葉で書けるか確認する。
学校の授業には役割がありますが、それだけでは入試得点に結びつかない具体的なギャップを説明します。
対策案:模試・過去問を最低月1回、本番を想定して時間を測る。解いたあとは必ず「なぜその選択肢を選んだか/間違えたか」を3行で自己分析する。学校の授業は導入、復習と演習は自習で埋める。
ミニ練習:授業ノート1ページを見返し、そこから「作者の主張を一文でまとめる(〜30字)」を3つ作る練習をしてみる。
国語が伸びない生徒に観察される典型パターンと、それぞれの改善ポイントを示します。
共通チェックリスト(週1で自己診断):語彙(小テスト)/段落メモの有無/記述の添削(誰かに見てもらう or 模範解答と比較)をチェック。
「勉強時間は確保しているのに成績が伸びない」場合、ほとんどが方法かフィードバックの問題です。代表的なパターンと改善法を示します。
短期アクション(今週からできる):過去問を1回、本番と同じ時間で解き、その日のうちに必ず誤答分析を「病因ベース」でノートに3行以内で書く。
大学入試での「国語」は通常、現代文(近代以降の文章=評論・小説など)+古文(古典)+漢文という3分野で構成されます。
近年は「実用的な文章(資料・図表の読み取り)」が明確に加わるなど出題の幅が広がっており、単に“文章を読む”だけでなく情報処理・要約・言語活動的な力が求められる傾向です。
(参考:河合塾 – 共通テスト対策 | 受験対策・勉強法)
2025年以降の共通テストでは国語は200点満点・試験時間90分が基本で、現代文(近代以降の文章)の合計配点は110点(大問1〜3の合計で現代文系が増強)で、資料読解の設問(実用的文章)も含まれます。
設問はマーク式が中心です。
評論(論理文)・小説(文学)・実用文(資料や図表を含む)が混在。複数の文章を組み合わせて比較させる問題や、要約・情報統合を問う出題が増加しています。
つまり「一文一文を追うだけ」でなく、段落ごとの役割把握・論理構造の把握・設問で求められる情報の抽出が重要です。
共通テストでは古文は45点で出題され、古文・漢文合わせた古典分野の合計は90点に配分されています。
古文は単語と文法の基礎固め→短文→長文へが鉄則。語彙・活用・助動詞を“意味のまとまり”で覚えると読解速度が上がる。和歌対策や複合テキストへの慣れも必要。
共通テストでは漢文も45点の大問として出題され、通常は古文と同等の割合で配点されます(古文+漢文=古典分野の合計)。
漢文は句形のパターン暗記(返り点読み)+重要語句の意味整理が効率的。短期間でも点が伸びやすい分野だが、句読点感覚と和訳練習が必須。
上の説明は2025年度の共通テスト新課程を踏まえた一般傾向に基づいています(参考:文部科学省「令和7年度大学入学共通テストにおける新教育課程対応について」)。各大学の配点・出題形式は年度や学部で変わることがあるため、志望校の最新の募集要項・過去問(公式)と大学入試センターの公表資料で必ず最終確認してください。
偏差値帯ごとに「やるべき優先順位」が変わります。下はどの偏差値帯でも再現できる実践的な指針と、科目(現代文・古文・漢文)別の具体的な練習メニュー・進め方です。
各項目に「短期で効果が出やすい練習」と「週次ルーティン」を付けていますので、まずは1週間続けてみてください。
目標(短期):基礎知識の欠落を埋めて「解ける問題」を増やす。
原則:①量より“基礎の正確さ”、②復習の徹底、③フィードバックを受ける。
何をするか
何をするか
何をするか
目標(中期):基礎を点数に結びつけ、模試で安定して偏差値55〜60を取る。
原則:①解法の型化、②設問パターンの体得、③反復演習+添削。
何をするか
何をするか
目標(長期):論理的読解力・記述力を磨き、二次試験や私大特殊問題で差を付ける。
原則:①深い論理把握、②自分の言葉で書く訓練、③志望校傾向に合わせた特化。
何をするか
何をするか
何をするか
現代文は「文章量が多い」「語彙や論理が難しい」ため“読めているつもり”でも得点にならないことが多いです。
解決策は「読む力そのもの(抽象力)を鍛える」より先に、まずは「読解手順(型)を体に覚えさせること」。型を身につければ時間内に正確に選べるようになります。
※なお、現代文の読み方や勉強法について、以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け|現代文の勉強法の完全ガイド【偏差値別・読解手順・おすすめ参考書】
現代文は大きく「評論(論理文)」と「小説(文学)」で読み方が変わります。混同すると根本でつまずくので、違いを理解して読み分けましょう。
記述は「書き方の型」を知り、本文の根拠を正確に引用して字数内に収める練習が必要です。
古文は「単語 → 文法 → 読解(和訳)」の順で力がつきます。
特に大学入試では「正確に意味を取る力」と「本文の根拠を引用できる力」が求められるため、勢いで丸暗記するのではなく、語の意味を文脈で理解し、文法を使って構造を切り出し、和訳して確認するというプロセスを身につけることが重要です。
※なお、古文の勉強法について、以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け古文の勉強法|偏差値40→70を狙うための最短ルートを徹底解説【単語・文法・敬語・読解】
※以下の記事で、覚えておくべき古文単語の現代語訳を一覧にしています。
古文単語の一覧:大学受験で頻出の重要古文単語の一覧と覚え方を紹介(高校生向け)
助動詞は古文のキーピース。接続(直前の語の活用により決まる)と意味(完了・打消・推量など)をセットで覚えること。
和歌(短歌)は短いが解釈の幅が広く、入試で「要旨」「心情」「技巧(掛詞・序詞)」を問われやすい分野です。
週1(基礎):
週2(定着):
週3(応用):
週4(総仕上げ):
漢文は「ルール(句形・返り点)」を覚えてしまえば、短期間で得点が伸びる科目です。特に大学入試(共通テスト)では、句形と語彙の習熟度がそのまま得点に直結します。
優先順位は「句形暗記 → 返り点の読み方 → 重要語句(熟語)の意味把握 → 和訳演習」です。
※なお、漢文の勉強法について、以下の記事で詳しく解説しています。
高校生向け漢文の勉強法|最短で点を取る句形・返り点・読解術を完全解説【共通テスト・入試対応】
漢文は語順が日本語と大きく違うため、句形(文の組み立て)が分かれば、語を並べ替えずとも意味の関係(主語・述語・目的語、比較、原因・結果など)が瞬時に分かるからです。句形はパターン化されており、暗記→反復で即戦力になります。
以下は最短で覚えるべき「典型句形」――原文の形 → 日本語訳のキー(訳し方メモ):
(※上は代表例。まずは「10〜15の句形」を確実に暗記するのが最短効率です。)
返り点は「中国語の語順を日本語語順に直すための目印」です。返り点の付け方(判断方法)を身につければ、語順を正しく入れ替えて読み下すことができ、和訳の正確性が飛躍的に上がります。
原文:学而時習之,不亦説乎。
手順:主要語 = 学・習・説。返り点で「之(これ)」が学ぶ対象 → 日本語順に並べ替え → 学びて時にこれを習う、亦楽しからずや。
(返り点の記号自体を覚えるより「どの語がどこに返るか」を読む習慣をつけることが重要。)
目的:語彙・文法・句形・読解手順を定着させ、長期的インプットを積む。
目的:基礎を点数に結びつける。共通テストなら安定得点、二次重視なら記述力強化へシフト。
目的:減点を最小化し、実戦で得点するための最終チェックと精神・体調管理。
| 日付 | 問題名 | 誤答箇所 | 原因分類 | 再発防止策 | 次回見直し |
|---|---|---|---|---|---|
| 12/ | 語彙/読み落とし/設問理解不足/ケアレス | □ |
| 曜日 | 学習内容 | 時間 | メモ |
|---|---|---|---|
| 月 | 現or古or漢 | 30分 | |
| 火 | 〃 | 30分 | |
| 水 | 〃 | 30分 | |
| 木 | 〃 | 30分 | |
| 金 | 〃 | 30分 | |
| 土 | 長文+復習 | 60分 | |
| 日 | 復習+模試分析 | 60分 |
週の目標:______
改善点:______
| 語彙 | 意味言える | 例文言える |
|---|---|---|
| 抽象 | □ | □ |
| 本質 | □ | □ |
| 根拠 | □ | □ |
| 批判 | □ | □ |
| 逆説 | □ | □ |
| 語 | 意味OK | 例文OK |
|---|---|---|
| あはれ | □ | □ |
| いと | □ | □ |
| あさまし | □ | □ |
| はしたなし | □ | □ |
| 語 | 意味OK | 熟語OK |
|---|---|---|
| 故 | □ | □ |
| 則 | □ | □ |
| 以 | □ | □ |
| 聊 | □ | □ |
| タイミング | やること | 完了 |
|---|---|---|
| 当日 | 自己採点 | □ |
| 当日 | 弱点メモ | □ |
| 翌日 | 誤答ノート記入 | □ |
| 翌日 | 原因分類 | □ |
| 翌日 | 再発防止策 | □ |
| 翌々日 | 添削依頼(学校/塾) | □ |
| 翌々日 | 根拠の取り方確認 | □ |
| 1週間後 | 同じ問題で再演習 | □ |
Q. 「共通テストと二次、どちらを優先すべき?」
A. 志望校の選抜方式を最優先。共通テスト利用で合否が決まるなら共通テスト安定化を、二次が決め手なら記述強化を優先。
Q. 「1日何時間勉強すればいい?」
A. 量ではなく質。高3なら国語だけで平日1〜2時間、休日3〜5時間の集中演習が目安(他科目との兼ね合いで増減)。
Q. 「模試の成績が安定しない」
A. 模試は現状把握ツール。誤答の“病因”を分析し、1点ずつ病因を潰す学習(語彙・型・時間配分)をする。
国語で伸びない生徒に共通するミスは「やっている感」はあるのに成果につながらない学習を繰り返している点です。
以下で代表的な間違いを挙げ、「なぜダメか」「具体的な改善策」「今日からできる短時間アクション」をセットで解説します。
ただ問題を大量に解くだけだと「演習の質」が伴わない限り、同じタイプのミスを繰り返すだけになります。
問題演習は「インプット(語彙・文法・論理の理解)」+「アウトプット(解く)」+「フィードバック(誤答分析)」のサイクルで効果を出すもの。復習を省くと、間違いの原因が胸に残らず、解答技術が定着しません。
「国語はセンスだから仕方ない」と諦めると、可逆的なスキル(読む手順・語彙・論理把握・記述技術)を練習しなくなります。
国語は確かに直感も関係しますが、入試で点に結びつく部分の多くは再現可能なテクニックです。これを「センス任せ」にすると成績の伸びが不安定になります。
古文は単語が分からないと文全体が読めません。単語は断片的に覚えると忘れやすく、文脈で意味を取れないため誤訳や読み飛ばしの原因になります。入試では「単語→文法→構造把握→要旨」の順で力が付くため、単語を後回しにすると読解全体が遅れる。
国語は「短時間での頻度」+「的を絞った質の高い演習」で効率よく伸びます。
ここでは(A)毎日30分のミニ学習法テンプレ、(B)長文対策の頻度と理由、(C)伸び悩んだときにすぐできる改善ポイント、を実際に活用しやすいように解説します。
目的:習慣化して基礎力を確実に伸ばす。科目(現代文・古文・漢文)をバランス良く回す。
伸び悩みは原因特定が8割。以下のチェックリストで原因を特定して対策を当てる。
短い結論:国語は正しい方法を継続すれば短期間で高い伸びが出やすい科目です。特に基礎(語彙・文法・句形)を固め、手順化(設問先読み・段落要旨)を習慣化すれば、偏差値+10は十分に現実的です。
以下で「なぜそれが可能か」と「具体的に何を優先するか」をまとめます。
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