「英検準2級のライティングが難しくて書けない」
「何を書けば良いか内容が思い浮かばない」
このような悩みを感じている小学生・中学生・高校生は多いのではないでしょうか。
準2級に合格すれば中学受験の英語入試で大きく有利になり、高校入試や大学入試でも優遇措置を受けられるようになります。
準2級の試験でライティングはきっちり得点を取っておきたいパートです。
ですが、英検準2級は共通テスト対策にも通じるほどのレベルになるため、ライティングでも高いレベルを求められます。
そこで、英検準2級のライティングで合格点を取れるコツや書く内容が思いつかないときの対策を紹介します。
※関連記事:英検準2級の問題集
英検準2級のライティング対策を説明するにあたり、まず試験内容から確認します。
英検は級によって話題が異なります。
準2級のライティングで出てくるテーマは「日常生活での活用」です。
環境、健康、教育、インターネット、交通など日常生活に関わりの深い話題がよく出てきます。
英検のライティング問題は、英語の質問に対して英語で回答します。
準2級は日常生活に関わる話題について、受検者自身の意見を書かせるものが多いです。
準2級のライティングは50~60語です。3級にくらべて単語数が2倍になるため、むずかしく感じる人も多いかもしれません。
この語数内に書かないと大きく減点されます。
準2級のライティングの問題数は2023年度まで1問で、2024年度からは2問です。
準2級の一次試験は1800点満点です。そのうちライティングは600点です。0点か600点かではなく、単語や文法の間違いなどがあると減点されていきます。
リーディングやリスニングにくらべて1問あたりの配点が非常に大きいパートです。
日本英語検定協会が示しているライティングの採点基準を紹介します。
「課題で求められている内容が含まれているか」
英検準2級では課題が与えられ、50~60語での回答を求められます。
自分の意見とその理由を2つ明確に書きましょう。2つの理由には、さらにその根拠や具体例を書き、より説得力のあるものになるようにしましょう。
例えば、「便利」という理由を書いたら、「どのように便利なのか」を書くと良いでしょう。
「英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか」
「論理的である」とは「相手に伝わりやすい流れ」と言いかえられます。
伝えたい情報の流れや展開を、適切な接続詞や言い回しを使うと伝わりやすい書き方になります。
後述する準2級の定型文をそのまま当てはめれば大丈夫です。
「課題に相応しい語彙を正しく使えているか」
英語では同じ語彙や表現の繰り返しを嫌います。
代名詞や同じ意味の別の表現を使って、自分の意見とその理由を十分伝えられるようにしましょう。
「文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか」
同じような形の文の繰り返しにならないように、「For these reasons」のように多様な表現パターンを適切に使用して、自分の意見とその理由をより効果的に伝えられるようにしましょう。
準2級の一次試験は1800点満点で1322点以上が合格点です。67%が合格ラインです。
ライティングは配点が600点あるので、そのうち400点以上は最低でも取っておきたいです。
準2級のライティングについて把握したところで、合格点を取れるライティングのコツを紹介していきます。
※関連記事:英検準2級ライティングの練習問題(予想問題)と解答例
英検には定型文(テンプレート)があり、もちろん準2級にもあります。
まず、定型文で書くようにしましょう。定型文だけで20語ほどあり、その流れに沿って内容を考えれば良いので書きやすいです。
定型文に沿って書くだけでかなりライティングで点を取りやすくなります。
結論→理由①→具体例①→理由②→具体例②→再度結論(締め)
上記の順に書きます。
実際の出題を例に取って定型文を説明します。
「ボランティアのために他の国に行くのは良いことだと思いますか?」
という質問です。この質問への回答方法を例にして定型文の書き方を説明します。
この質問では「良い考えだと思うかどうか」を聞いています。
このように、準2級では「Yes/ No」や「賛成/反対」を聞かれる質問が多いです。
まず、結論から書きます。Yes/ No、賛成/反対のどちらの意見でも採点には関わりません。
Yes, I think that it is a good idea for people to go to other countries for volunteer work. (19語)
(はい、ボランティアのために他の国に行くのは良いことだと思います。)
赤字部分がテンプレです。また、that以下は質問文からコピペしましょう。
ほかにも使えるテンプレがあります。どれを使っても採点の有利不利はありません。使いやすいものを選びましょう。
I (don’t) think that~ | ~だと考えます |
I believe that~ | |
People should~ | ~すべきです |
I agree (disagree) with the opinion that~ | ~の意見に賛成(反対)です |
自身の結論を書いたら、つづいて1つ目の理由を書きます。
First, it is good to help each other when disaster occurs. (11語)
(まず、災害が発生したら助け合うのは良いことです。)
FirstやFirstly、First of allのような表現を文頭に持ってきます。その後はit is ~のように書くと書きやすくなります。
First, | 一つ目に、 |
Firstly, | |
First of all, | |
One reason is that | ひとつの理由は、 |
To begin with, | まずはじめに、 |
In the first place, |
理由を書いたら、その理由の根拠(具体例)を書きます。
With lots of help, lots of lives can be saved. (10語)
(たくさんの助けがあれば、たくさんの命が救われます。)
WithやFor exampleを文頭に書きます。
具体例や根拠は「理由」を説明するのにふさわしい内容にしましょう。
上記の例では外国でのボランティア活動を良いと考える理由を「良いことだから」としました。どう良いのかの根拠(具体例)として「災害発生時にたくさんの命を救える」という内容を書いています。
このように、根拠は理由の説得力を増すような内容にします。
For example, | 例えば、 | 文頭で使う |
For instance, | ||
With~, | ~を使えば、 | |
such as~ | ~のように | 文の途中で使う |
like~ |
つづいて、最初の述べた「結論」の2つ目の「理由」を書きます。
Second, we can grow through volunteering. (6語)
(第2に、人々がお互いを理解しあえます。)
2つ目の理由を書くときには、SecondやSecondlyで書きだすと便利です。
Second, | 2つ目に、 |
Secondly, | |
In the second place, | |
Also, | また、 |
2つ目の理由を書けたら、つづいてその理由の根拠(具体例)を書きます。
For example, last year I learned how hard it is when an earthquake occurs. (14語)
(例えば、昨年私は地震が起こるとどれほど大変か学びました。)
このように、根拠(具体例)の書き出しはFor exampleやFor instanceを使います。
ただし、同じ表現を繰り返すと減点対象になりかねません。
1つ目の理由の根拠説明で「For example」を使っていれば、2つ目の理由の根拠説明では「For instance」を使うなどして、使い分けましょう。
For example, | 例えば、 | 文頭で使う |
For instance, | 例えば、 | |
such as~ | ~のように | 文の途中で使う |
like | ~のように |
最後に再度結論を書きます。
For these two reasons, I think that it is a good idea for people to go to other countries for volunteer work. (22語)
(これら2つの理由により、ボランティアのために他の国に行くのは良いことだと思います。)
ご覧のように、最初に書いた結論と同じ内容をもう一度書きます。文頭にFor these reasonsなどをつけるのが定型です。
合計で50~60語以内に収まるように気をつけましょう。
もし合計で60語を越えそうなら最後の「再度結論」は省略可能です。
I (don’t) think that~ | ~だと考えます |
I believe that~ | |
I’m sure that~ | |
I’m convinced that~ | |
So, | だから、 |
Therefore, | それゆえ、 |
For these reasons, | これらの理由により、 |
In summary, | 要するに(つまり)、 |
Thus, | よって |
As a result, | 結果として、 |
In conclusion, | 結論として、 |
回答が書けたら必ず見直しをしましょう。
以下の項目をチェックすると間違い(減点)を減らせます。
ライティング減点方式です。できるだけ簡単な単語や文法を使いましょう。
前述の問題の模範解答でも回答には中学英文法しか使っていません。関係代名詞のような高度な英文法も、質問文をコピペするとき以外は使わないほうが良いでしょう。
回答は結論から書きますが、回答内容を考えるときには理由から考えましょう。
2つの理由とそれぞれの具体例を書くのに、単語がわからなかったり文法に自信がなかったりする場合もあります。
その場合は別の理由を考えるか、結論自体を変更して新たに書きやすい理由を考えましょう。時間をかけずに減点されない回答を書けます。
ライティングでは「減点されない回答」を書くのが高得点のコツです。従って、受検者自身の本当の意見を書く必要はありません。
意見の良し悪しよりも、質問と回答にずれがないか、単語・文法の使い方に間違いがないかがポイントです。
書きやすいほうの意見・理由を書きましょう。
準2級の一次試験は75分です。そのうちライティングは20分以内に解くのが望ましいです。
ライティングの回答までの時間配分は以下のように組み立てると良いでしょう。
全体の構成を考える | 5分 |
本文を書く | 10~12分 |
見直しをする | 3分 |
合計 | 18~20分 |
ライティングのコツを把握できたら、次はそのコツを活かしてライティングの仕方を身につけられるようにしましょう。
おすすめのライティング勉強法を紹介します。
まず、準2級の過去問を解いて出題傾向や難易度を把握しましょう。
この時点では解けるかどうかよりも、レベルを感覚的に知るのが目的です。
つづいて、先に紹介した定型文(テンプレート)を意識して英作しましょう。
ライティング対策次第で準2級の得点は大きく変わります。できれば毎日ライティングの練習をしましょう。
回答を書けたら誰かに添削してもらいましょう。
参考書を見て1人で添削することも不可能ではありませんが、自分より英語力上位者に添削してもらうほうがはるかに的確で効率が良いです。
ライティングに使える表現を覚えておけば文の接続を適切に行うことができ、減点を少なくできます。
以下の表に、準2級のライティングで使える便利な表現をまとめています。
A has a positive/ negative impact on B | AはBにポジティブな/ネガティブな影響がある |
A leads to B | AはBを引き起こす |
A comes from B | AはBによって起こる |
A can be good for B | AはBに良いかもしれない |
A keep B from ~ing | AはBが~するのを防ぐ |
As a result | その結果/結果として |
As well as | 同様に |
Frequently | 頻繁に |
However | しかし |
It is good/bad/ easy/ difficult for A to B | AにとってBするのは良い/良くない/簡単/むずかしい |
In general | 一般的に |
In other words | 言いかえると |
Moreover | さらに |
Not only A but also B | AだけでなくBも |
On the other hand | 一方で |
play an important role in ~ | ~において重要な役割を果たす |
Thus | よって、従って |
This is because~ | これは~が原因/理由である |
To put it another way | 言いかえると |
準2級ライティングに使える表現を覚えたら、実際に英作で使って慣れましょう。
過去問集をはじめ、ライティング対策に特化した問題集を使うと効果的に実力をアップさせられます。
英検準2級は理由2つに加えて、理由の根拠(具体例)も2つ考える必要があります。
小学生には「理由+根拠」を考えるのは意外と大変です。
親子で理由を2つ言い合うゲームをすると、効率よく、そして楽しくライティング対策ができます。
これを親子で実践してみてください。早ければ数日つづけると理由を思いつくのが早くなります。
なお、このゲーム(ライティング対策)は「お題の決め方」がポイントです。
子どもの年齢に合わせて、子どもが理由を思いつきやすい身近なテーマからはじめるとやりやすいです。
好きなスポーツ、好きな科目、好きなアニメなど。
慣れてきたらライティング問題集や過去問題集を使って演習してみましょう。
英検準2級は意見の理由とその根拠を書きます。
話題は比較的身近ですが、それでもペットボトルの利用についてなど、普段から意識していないと意見が思い浮かばないものも少なくありません。
そんなときにすぐ思いつくコツを紹介します。
パッと内容が浮かばないときは、以下に挙げる6つの視点で考えてみましょう。
前述の出題例(海外にボランティア活動に行くのは良いと思う?)にこの6つの視点を当てはめてみると下記の表のようになります。
賛成 | 反対 | |
環境 | – | – |
平和 | 相互理解が深まる | 災害後は治安が悪化していて危険 |
お金 | 将来のビジネスにつなげられる | 渡航費や滞在費がかかる |
健康 | – | 現地の病気をもらうかもしれない |
教育 | 苦しい状況にいる人の気持ちが分かるようになる | – |
時間(効率) | – | いつ帰国できるか分からない |
6つの視点すべてで内容を考える必要はありません。1つずつ考えてみて、間違わずに書けそうな内容を思いつけばこの作業は終了です。
これなら「内容が思い浮かばない」ということは起こらず、試験中に焦ることもなくなります。
それでは、英検準2級のライティング対策にはどの問題集を使えば良いでしょうか。
おすすめのライティング問題集を紹介します。
いずれもAmazonのリンクをつけているので、気になるものがあればリンク先で詳細を確認できます。
英検準2級の英作文に必要な構成力、アイデア力、語彙力を多量の演習で養えます。間違いやすい文法・語法も頻度順に掲載されており、ライティングの力をかなりアップさせられます。
利点:英検準2級を越える力が身につくので、本番がやさしく感じられます。
出版社:アスク出版
旺文社による分野別の英検準2級対策問題集です。リーディング、リスニング、ライティングの3つに分かれています。
それぞれ大量の練習問題が掲載されており(リスニング120問、長文38題など)、苦手分野の克服に集中的に取り組めます。
利点:基礎レベルからステップバイステップで取り組み、最後は10回分の模擬試験も受けられます。
出版社:旺文社
準2級のライティングを徹底的に対策する問題集です。
答案作成にそのまま使えるパーツが175個用意されており、覚えて使って、使って覚えられます。
ネイティブによる音声と、12回分の模擬練習も載っています。
利点:英作文に使えるパーツを多量に覚えられるので短期間にライティングを得意にできます。
出版社:ジャパンタイムズ
ここまでお伝えしてきた英検準2級のライティング対策の仕方を実践すれば、独学でもかなり得意になれるはずです。
ただ、本番まで時間がない人や、もっと効果的に対策したい人には英検対策の塾やスクールもおすすめです。
そのメリットを紹介します。
前述のように、英検準2級ライティングは定型文があります。
独学だと「この書き方で良いのかな?」と迷うときもあります。
ですが、英検対策に慣れた塾やスクールなら定型文に沿って、正しい表現で指導してくれます。
ライティングが苦手になる理由は人それぞれです。
単語力が足りないのかもしれませんし、準2級によく出る日常生活の話題に関するネタをもっと仕入れるほうが良いのかもしれません。
英検対策に慣れた人に見てもらえば苦手の原因をすぐに突き止めて対策ができます。
英検準2級は高度な対策が必要です。
合格までのカリキュラムを個別に組んでもらって対策すれば、時間効率の良い勉強ができます。
ライティングは添削が重要です。
問題集の模範解答例を照らしあわせて自身の回答が良いのかどうか判断に迷います。
塾なら専門の講師に添削してもらえるうえに、受講者の実力や性格、年齢に合わせて書きやすい回答パターンも一緒に考えてくれる場合もあります。
英検準2級を受ける小学生・中学生・高校生の多くは学校のテスト勉強や中学受験対策も同時並行しています。ライティング対策にばかりあまり時間を回せません。
独学でも「いずれは」合格できるでしょう。ですが、問題は「間に合うかどうか」です。
ここまでお伝えしてきたように、塾を利用すると「時間効率の良い対策」を受けられます。
ここまで、小学生・中学生・高校生を対象にして英検準2級のライティング対策の仕方を説明しています。
小学生・中学生・高校生が英検対策を受けるのにおすすめのオンライン家庭教師を2つ紹介します。
いずれも各社のHPにつながるリンクをつけています。
資料請求や無料体験などで「自身に合うかどうか」を確認してみてください。
最初に紹介するのは英語専門のオンライン塾、オンライン家庭教師です。講師は日本人が多いようです。
学校の定期テスト対策や受験対策もしていますが、特に強いのが英検対策です。
小学生でも英検準1級や2級などのハイレベル級に挑戦している生徒が多くいます。
英検1級まで指導可能な講師が多く在籍しているのも強みです。
『Next Stage』『Power Stage』『Bright Stage』など、大学入試の英語対策でおなじみの桐原書店が運営している、TOEIC・英検に特化したオンライン英会話です。
桐原書店のノウハウを詰め込んだカリキュラムで部活との両立を目指す高校生を強力にサポートしてくれます。
英検準2級のライティングは準2級合格に非常に重要です。
では、英検準2級合格にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
まず、小学生にとっては中学受験の英語入試対策になります。
受験資格を得られる、入試得点に加点されるなど、いくつもの優遇制度を利用できます。難関中学でも英語入試で合格を取るのが当たり前になってきています。
また、英検対策をとおして中学入試の英語面接の対策にもなります。
※関連記事:中学入試で英検®が使える神奈川、埼玉、千葉の私立中学一覧
※関連記事:中学入試で英検®が使える東京の私立中学一覧
※関連記事:中学入試で英検®が使える関西の私立中学一覧
中学受験を予定していない小学生や中学生にとっては高校入試の優遇が非常に大きなメリットになります。
高校入試では2級に合格できれば大きな優遇を受けられます。首都圏や関西圏などでは、すでに難関高校合格者の多くが英検2級の取得者です。
※関連記事:高校受験の英検優遇制度
準2級は2級に向けた登竜門です。
ここで実力をつけて合格できれば、2級受検に向けて弾みをつけられます。
英検準2級からは大学入試でも優遇されます。
加点されるほか、中央大の総合型選抜や関西大学・商学部の公募推薦など、推薦入試で出願資格として英検の取得を義務付けられるところもあります。
全国で半数以上の大学で英語資格を利用しており、そのうち9割以上の大学では英検を利用できます。
※関連記事:大学受験の英検利用:英検取得のタイミングや対策法、注意点を紹介
大学入試だけでなく大学入学後も優遇制度を設けている大学が多数あります(日本英語検定協会より)。
単位取得や留学にも使えます。
※関連記事:大学受験で英検準2級が利用できる大学の一覧
就職活動や大学卒業後にも英検資格は便利です。
一生使える資格で、履歴書に書いてアピールすることもできます。
もちろん資格としてだけでなく、英語力そのものが伸びるので海外旅行や仕事でも英語でコミュニケーションを取れるようになります。
いかがでしょうか。
小学生・中学生・高校生向けに英検準2級のライティング対策について、合格点を越えるコツや勉強の仕方を説明しました。
準2級では50~60語の英語で日常生活の話題について受検者自身の意見を書かないといけません。
定型文で書くのはもちろん、英作文で使える表現をいくつか覚えておくと便利です。
また、書く内容が思いつかないときは記事内で紹介しているコツも参考にしてみてください。
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