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「数学の文章題が嫌い。特に2ケタの整数の問題は解き方が分からない。」
このような声を中学生からよく聞きます。問題文が抽象的で、何を問われているのかを理解しづらい問題です。
ですが、中学数学は問題のタイプがある程度限定されており、解き方のコツさえつかんでしまえば得点源にしやすいです。
そこで、中学生向けに定期テストや高校入試対策用に「2ケタの整数(2ケタの自然数)」の解き方を解説します。よく出る応用問題を例題にして解説しており、練習問題としてもお使いいただけます。
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中学数学のテスト(定期テスト・高校入試)では「2ケタの整数」の文章問題がよく出てきます。特に、十の位と一の位を入れ替える応用問題が出てくることが多いです。
解き方を確認しましょう。
2ケタの整数とは「ケタが2つある整数」のことです。30や57などです。
なお、整数と小数は異なっており、例えば15.3のような小数を含む数字にはなりません。
2ケタの整数は「10x+y」という式にしましょう。
「10x」が10の位で、「y」が1の位です。
xやy以外の数字でも可能ですが、教科書でそう書かれていることが多いので、定期テストでもxやyを使って書きましょう。
問題によっては「3ケタの整数」が出てくる場合もあります。3ケタの整数は「100x+10y+z」の式で表します。
「100x」が100の位で、「10y」が10の位で、「z」が1の位です。
2ケタの整数を「10x+y」と表す以外に、各位の数をx、yでも表します。
2ケタの整数を、xとyを使って表せたら、あとは問題で示されている条件に合うように式をつくります。
このタイプの問題では10の位と1の位を入れ替えるという問題がよく出てきます。
もともとは「10x+y」ですが、入れ替えると、「10y+x」になります。
x、yという2種類の文字が出てくる文章問題です。連立方程式で解きましょう。
なお、「2ケタの整数」ではなく「2ケタの自然数」あるいは「2ケタの正の整数」と問題文に書かれていることもよくあります。
このときも前述の表し方とまったく同じです。
自然数=正の整数です。5や7などの整数のことで、-3のようにマイナスがつく数字や小数は違います。
問題によって、「2ケタの自然数」と書いている場合もあります。「正の整数」と「自然数」はどう違うのか迷うかもしれませんが、「同じ意味」です。
どちらも、3や7のような普通の整数のことです。
※関連記事:ある数xを2倍する問題、ある数xを2乗する問題の解き方と練習問題
※関連記事:3つの連続する整数の問題の解き方と練習問題
それでは、「2ケタの整数(自然数)」のよく出る問題を練習してみましょう。
それぞれ解答・解説ものせています。
2桁の自然数がある。十の位を3倍にした数は一の位の数より9大きく、十の位と一の位を入れかえた数は、もとの数より27大きくなる。もとの数を求めなさい。
答え:30
10の位をx、1の位をyとする。
10の位を3倍した数→3x
1の位の数より9大きい→y+9
→ 3x=y+9
→ y=3x-9…①
10の位と1の位を入れかえた数→10y+x
もとの数より27大きい→10x+y+27
→ 10y+x=10x+y+27
→ y=x+3…②
①②の連立方程式を解く。
x=3、y=0
もとの数は10x+yなので、10x+yにx=3、y=0を代入する。
2桁の整数がある。各位の数の和は7で、十の位の数と一の位の数を入れかえた数は、もとの数より27小さくなる。もとの整数を求めなさい。
答え:52
10の位をx、1の位をyとする。
各位の数の和は7→x+y=7…①
※「和」は「足し算の答え」のこと
10の位の数と1の位の数を入れかえた数→10y+x
もとの数→10x+y
もとの数より27小さい→10y+x=10x+y-27
→ -x+y=-3…②
※もとの数のほうが27大きいので、27小さくしてあげると「入れ替えた数=もとの数」になる
①②の連立方程式を解く。
x=5、y=2
もとの数は10x+yなので、10x+yにx=5、y=2を代入する。
2桁の整数があり、1の位の数と10の位の数を入れ替えた2桁の数は元の数よりも72大きくなる。元の数はいくつか。
答え:19
十の位と一の位を入れ替えると72も大きくなる2ケタの整数。方程式ではなく、小学校の算数で考えてみます。
2ケタの整数は11~99までです。十の位と一の位を入れ替えて72も大きくなる数がどのような整数でしょうか。
例えば14を入れ替えると41で、もとの数より27大きくなります。82を入れ替えると28で、もとの数より54小さくなります。
一の位をうんと小さくして十の位をうんと大きくすれば、入れ替えたときにもとの数より大きくなります。そういう数字をいくつか挙げてみましょう。
というわけで、元の数は19だと分かりました。
このように、中学数学を使わない方法で解ける問題も多数あります。
百の位の数が一の位の数の 2 倍で、各位の数の和が 16 になる 3 けたの整数がある。この整数から 297 をひくと、各位の数の順序が逆になる。この整数を求めなさい。
答え:673
10の位の数をx、1の位の数をyとする。
100の位の数は1の位の数の2倍→2y
各位の数の和が 16→2y+x+y=16
→ 3y+x=16…①
「もとの整数から 297 をひく」は以下のように立式
もとの整数→2y×100+10x+y
297をひく→(2y×100+10x+y)-297
各位の数の順序が逆になる→100y+10x+2y
もとの整数から297をひくと各位の数の順序が逆になる
→ (2y×100+10x+y)-297=100y+10x+2y
→ y=3…②
②を①に代入する。
x=7、y=3
もとの数は2y×100+10x+yなので、2y×100+10x+yにx=7、y=3を代入する。
2桁の整数がある。十の位と一の位を入れかえた数は、もとの整数よりも45大きい。また、もとの整数と入れかえた数との和は121である。もとの整数を求めなさい。
答え:38
10の位をx、1の位をyとする。
もとの整数→10x+y
10の位と1の位を入れかえた整数→10y+x
入れ替えた整数はもとの整数より45大きい→10y+x=10x+y+45
→ -x+y=5…①
※もとの整数のほうが45小さいので、45足してあげれば「同じ大きさ」になる
もとの整数と入れ替えた整数の和は121→(10x+y)+(10y+x)=121
→ x+y=11…②
※「和」というのは「足し算の答え」のこと
※121は11の2乗。覚えておくと便利です。
①②の連立方程式を解く。
x=3、y=8
もとの数は10x+yなので、10x+yにx=3、y=8を代入する。
2けたの自然数xがある。10の位の数と1の位の数を入れ替えるともとの自然数xより63小さい数になる。もとの自然数xが奇数であるとき、xはいくらになるか求めなさい。
答え:81
10の位をx、1の位をyとする。
もとの整数→10x+y
10の位と1の位を入れかえた整数→10y+x
入れ替えた数はもとの数より63小さい→10y+x=(10x+y)-63
→ -x+y=-7…①
※もとの数のほうが63小さいので、63足してあげれば「同じ大きさ」になる
もとの数が奇数→yは1、3、5、7、9のいずれか…②
①の式にy=1、3、5、7、9を代入して、もとの数10x+yがいくつになるか計算する。
①にy=1を代入→もとの数は81
①にy=3を代入→もとの数は103
①にy=5を代入→もとの数は125
①にy=7を代入→もとの数は147
①にy=9を代入→もとの数は169
もとの数は「2けたの自然数」なので、もとの数は81だと分かる。
2けたの正の整数がある。各位の数の和の4倍より3小さく、また、十の位と一の位の数を入れかえた整数は、もとの整数より36大きい。もとの整数を求めなさい。
答え:37
10の位をx、1の位をyとする。
各位の数の和→x+y
各位の数の和の4倍より3小さい→4(x+y)-3
2けたの正の整数は各位の数の和の4倍より3小さい
→ 10x+y=4(x+y)-3
→ 2x-y=-1…①
10の位と1の位の数を入れかえた整数→10y+x
もとの整数より36大きい→10y+x=(10x+y)+36
→ -x+y=4…②
①②の連立方程式を解く。
x=3、y=7
もとの数は10x+yなので、10x+yにx=3、y=7を代入する。
なお、「正の整数」は「自然数」と同じ意味。
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高校入試数学のよく出る問題(計算、関数、確率、図形):数学の受験対策やおすすめの数学問題集も紹介
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