高校生向けに日本史の一問一答問題と解説を用意しました。今回は奈良時代(政治・外交・土地の私有制)です。
歴史総合や日本史探求の定期テスト対策、大学入試対策などにご活用ください!
※関連記事:日本史年号一覧:覚えやすい語呂合わせと入試によく出る重要な出来事
(1)遣唐使の派遣は630年にはじまりました。最初に派遣されたのは誰ですか。
(2)遣唐使の派遣は894年にある人物の建議をきっかけに中止されました。誰による建議ですか。
(3)遣唐使の航路は当初、以下の図のように朝鮮半島を経由する「北路」でした。その後、朝鮮半島を経由しない「南路」に変わりましたが、これはある国との関係悪化が原因でした。どの国ですか。
(4)聖武天皇の治世に唐から帰国して政権の中枢に起用された人物を2名答えてください。
(5)唐の玄宗皇帝に仕官して重用され、そのまま帰国できず唐で亡くなった人物は誰ですか。
(6)710年に藤原京から平城京に遷都した天皇は誰ですか。
(7)平城京は唐の長安をまねて、碁盤の目状に道路を東西南北に走らせて区画分けされました。こうした設計方法を何といいますか。
(8)都の中央を南北に走る大きな道路を何といいますか。
(9)律令制下で発効された貨幣を総称して何と呼びますか。
(10)皇朝十二銭の最初と最後の貨幣の名称を答えてください。
(11)貨幣の流通が進まなかったため、貨幣を一定額貯めて政府に納めると位階を授けるという法令が出されました。何という法令ですか。
(12)以下の地図は蝦夷征討のために設置された防御柵や城です。①②は孝徳天皇の時代につくられた柵、③は元明天皇の時代につくられた柵、④は聖武天皇の時代につくられた城です。①~④の防御施設の名称を答えてください。
(13)九州の異民族を何と呼んでいましたか。
(14)隼人を制圧した後に設置された国は薩摩国と何ですか。
(15)祖税から逃れるため、口分田を捨てて他国へ逃げる人が多く出ました。このような行動を何といいますか。
(16)租税が逃れるため、労役現場から逃げて地方豪族などのもとに身を寄せる人が多く出ました。このような行動を何といいますか。
(17)戸籍を偽って登録して税負担を軽くする行動を何といいますか。
(18)大和朝廷の収入減少を食い止めるため、722年新たな土地を耕す計画が立てられました。この計画を何といいますか。
(19)百万町歩開墾計画が机上の空論に終わり、723年政権は期限付きでの土地領有を認める法令を制定しました。何という法令ですか。
(20)三世一身の法の効果が小さかったため、743年に新たな開墾地の永久私有を認める法令が出されました。何という法令ですか。
(21)729年、藤原四兄弟の策謀で長屋王が自害に追い込まれました。この事件を何といいますか。
(22)長屋王の変後、藤原家と結びつきの強い女性が聖武天皇の皇后になりました。この女性は誰ですか。
(23)藤原四兄弟が天然痘で亡くなった後、右大臣に就任して政権の中枢で力を得た貴族は誰ですか。
(24)740年、橘諸兄を排斥するために反乱を起こした藤原一族の人物を答えてください。
(25)長屋王の変や藤原広嗣の乱の後、聖武天皇はたびたび遷都するようになりました。その順番を答えてください。
平城京→(①)→(②)→(③)→平城京
(26)聖武天皇の死後、光明皇后はいとこの藤原仲麻呂を重用します。757年、藤原仲麻呂の排斥する計画が立てられましたが露見し、未遂に終わりました。この事件を何といいますか。
(27)758年、藤原仲麻呂は「乱を防ぎ、よい政治を行っている」という功績をたたえる意味で、淳仁天皇より何という名を賜りましたか。
(28)称徳天皇は自身の病を治した僧を重用します。この僧の名を何といいますか。
(29)道鏡は称徳天皇より仏教界の最高位に任命されます。この位を何といいますか。
(30)769年、道鏡は「道鏡を天皇位に就けるべし」という神託を受けたと偽り、天皇位に就こうとして左遷されます。この事件を何といいますか。
(31)宇佐八幡宮から「道鏡を排除すべし」という神託を持ち帰って道鏡の天皇位簒奪を阻止した人物は誰ですか。
(1)犬上御田鍬(いぬかみのみたすき)
(2)菅原道真
(3)新羅
(4)吉備真備・僧玄昉
(5)阿部仲麻呂
(6)元明天皇
(7)条坊制
(8)朱雀大路
(9)皇朝十二銭
(10)最初:和同開珎、最後:乾元大宝
(11)蓄銭叙位令
(12)①淳足柵(ぬたりのさく)、②磐舟柵(いわふねのさく)、③出羽柵、④多賀城
(13)隼人
(14)大隅国
(15)浮浪
(16)逃亡
(17)偽籍
(18)百万町歩開墾計画
(19)三世一身の法
(20)墾田永年私財法
(21)長屋王の変
(22)光明氏(光明皇后)
(23)橘諸兄
(24)藤原広嗣
(25)①恭仁京、②難波宮、③紫香楽宮
(26)橘奈良麻呂の変
(27)恵美押勝
(28)道鏡
(29)法王
(30)宇佐八幡神託事件
(31)和気清麻呂
奈良時代の前半、藤原四兄弟が隆盛をきわめました。四兄弟はそれぞれ南家、北家、京家、式家を立てました。しかし、遣唐使が持ち帰った天然痘で4人とも亡くなっています。
誰がどの家なのかを以下の表にまとめています。
藤原武智麻呂 | 南家 |
藤原房前(ふささき) | 北家 |
藤原宇合(うまかい) | 式家 |
藤原麻呂 | 京家 |
特に、北家と式家は平安時代に繁栄するので覚えておきましょう。
奈良時代は天皇と一部の有力貴族が協力して政治を担いました。どの天皇が誰と協力関係にあり、その人にどのような変や乱があったのかをまとめています。
天皇 | 藤原氏 | その他 | |
元明 | 藤原不比等 | ||
元正 | 長屋王 ↓ 長屋王の変 | ||
聖武 | |||
藤原四兄弟 ↓ 天然痘で死去 | |||
橘諸兄(吉備真備、玄昉) ↓ 引退 | |||
孝謙 | 藤原仲麻呂(恵美押勝) ↓ 藤原仲麻呂の乱 | ||
淳仁 | 道鏡 ↓ 宇佐八幡神託事件で左遷 | ||
称徳 | |||
藤原百川(式家) | |||
光仁 |
藤原四兄弟、藤原仲麻呂はどちらも前の政権担当者(長屋王、橘諸兄)を排斥あるいは引退に追い込んでいます。
最後に日本史のおすすめ問題集を紹介します。
※関連記事:日本史文化史の参考書と覚え方
1冊目は日本史参考書の定番、「金谷の日本史」です。古代~近現代まで3冊と文化史1冊の合計4冊に分けて解説してくれています。
内容はオーソドックスで、教科書をさらにくわしく解説してくれています。
すべてじっくり読むというより、問題集で問題を解きつつ因果関係が分かりにくいときに参考書として使う人も多いです。
特に、共通テストを受ける人は『文化史』だけでも読んでおくと役立ちます。
出版社:ナガセ
流れを理解できるようになったら、問題演習をして記憶に定着させる必要があります。
この問題集はそんなときに便利です。
「必修版」と「完全版」に分かれており、現在の学力や志望校のレベルに合わせて選べます。
出版社:ナガセ
学研が出版している「標準レベルまで」の参考書です。教科書よりも解説がくわしく、日本史探求に苦手意識を持っている人も理解しやすいです。
定期テスト対策用の問題ページもあり、定期テスト対策、中堅レベルまでに大学入試対策に便利です。
出版社:Gakken
いかがでしょうか。
高校生向けに日本史で奈良時代の政権運営の流れ(藤原仲麻呂の乱、橘奈良麻呂の変など)や土地支配の変化(墾田永年私財法など)の一問一答を用意し、ポイントをまとめました。
藤原四兄弟がそれぞれどの家をたてたのか、天皇ごとにその時代の政権担当者やその担当者が排斥される事件(変、乱)などは歴史総合や日本史探求のテストに出やすいポイントです。しっかり覚えておきましょう。
奈良時代の政治体制(二官八省一台五衛府や班田収授など)は以下の記事にまとめています。
※関連記事:日本史の一問一答:奈良時代の統治体制の問題や解説(班田収授、租庸調、二官八省一台五衛府など)
関連記事:日本史の一問一答(奈良時代の文化の問題や解説):天平文化、古事記・日本書紀・風土記、塑像・乾漆像など
※関連記事:奈良時代の天皇:各天皇の事績とその時代の出来事や中心人物を解説します
This website uses cookies.