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中学生作文の書き方:テーマ設定の仕方や書きやすくなるコツの紹介と作文の添削例を用意

作文に苦手意識を持つ中学生は多いかもしれません。たしかに、作文を書くのは難しそうに思えるかもしれません。ですが、基本のルールやコツをつかむと、スムーズに書けるようになります。

そこでこの記事では、作文の基本的な書き方から、上手に書くためのコツ、そしてチェックリストまでをくわしく解説します。

さらに、実際の添削例も紹介することで、自分の作文をより良くするための具体的なアドバイスも得られるはずです。ぜひ参考にしてみてください!

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作文の基本的な構成

作文を書くときは、文章を3つの部分に分けると良いです。それぞれの役割を理解して、バランスよく書くことが大切です。

導入(序論)

作文のはじめに、テーマや自分の考えを簡潔に紹介します。導入では、これから書く内容の概要を説明し、読者に「この作文が何について書かれているのか」を理解させます。

短くても良いので、興味を引く書き出しを心がけましょう。

本論

作文の中で一番長い部分が本論です。自分の意見や考え、具体的なエピソードを入れて、導入で紹介したテーマを深掘りします。

ここでは「なぜそう思うのか」や「どのような経験をしたのか」をくわしく説明することが大切です。具体的な例を使うと、読み手に説得力が伝わりやすくなります。

結論

最後に、作文全体をまとめます。結論では、導入や本論で述べた意見をもう一度振り返り、自分の考えを強調します。

短くても良いので、「こういうことが言いたかったんだ」と締めくくることがポイントです。

作文のテーマ設定のコツ

作文を書くときに、テーマを決めることはとても重要です。良いテーマを選ぶと、書きやすくなるだけでなく、内容も充実したものになります。

ここでは、テーマを選ぶコツを紹介します。

自分の経験や興味に基づくテーマにする

例えば、学校であったことや、自分の趣味、家族との出来事など、自分がよく知っているテーマを選ぶと書きやすいです。自分が経験したことは、具体的に書けるので、説得力のある作文になります。

広げすぎず、絞り込む

漠然としたテーマだと書くことがたくさんあって困ってしまうことがあります。例えば、「学校生活」ではなく「学校の文化祭での経験」など、テーマを少し狭めると書きやすくなります。

社会的な問題にもチャレンジ

環境問題やインターネットの使い方など、社会で話題になっていることをテーマに選ぶのも良い方法です。ニュースなどで見たことを参考に、自分の考えを書いてみましょう。

作文を書きやすくなるためのコツ

作文を書くのが苦手な人でも、少しの工夫で書きやすくなるコツがあります。以下に紹介する方法を使うと、スムーズに文章を組み立てられます。

短い文でシンプルに書く

長くて複雑な文章を書くと、読み手が何を言いたいのかわかりにくくなります。まずは短くシンプルに書いて、後で必要に応じて詳しく説明を追加していきましょう。

具体的には、1つの文に1つの内容だけ書くようにすると書きやすいです。

【例】
長い文:
私が中学生活でがんばったことはテニス部の活動で、2年生まではテニスの上手な先輩の真似をして上手くなろうとし、3年生になると後輩の指導にも力を入れた。

簡潔な文:
私が中学生活でがんばったことはテニス部の活動だ。2年生まではテニスの上手な先輩の真似をして上手くなろうとした。3年生になると後輩の指導にも力を入れた。

上記の例では、「長い文」を3つの文に分けています。単に文を分けただけですが、読みやすくなっています。

具体的なエピソードを入れる

自分の意見を述べるだけでなく、それを裏付けるための具体的なエピソードを入れると良いです。すると作文が生き生きとしたものになり、読み手にも自分の感情や伝えたい内容が伝わりやすくなります。

例えば、「友だちとの仲直り」をテーマにするなら、その友だちとの関係性、どのような出来事があったのか、どう解決したのか、解決できてどのような感情を抱いたかを書きます。

接続詞を上手に使う

「だから」「しかし」「例えば」などの接続詞を使うと文章のつながりが自然になり、読みやすい作文になります。接続詞を使うことで、文章が流れるように続き、読者が内容を理解しやすくなります。

時間配分と下書きの重要性

作文を書くときには、原稿用紙に書きはじめる前に下書きをすることが大切です。

いきなり清書をするほうが早く書けるように感じるかもしれませんが、途中で書く内容につまってしまうことがよくあります。

まずは自由に考えを書き出して、アイデアを整理しましょう。

以下に、そのやり方を紹介します。

時間配分を考える

最初に全体の時間をどう使うかを決めておきましょう。

例えば、10分はテーマを決める、20分は下書きを書く、最後の10分で見直しをする、というように時間を区切って計画を立てましょう。

下書きは自由に書く

最初から完璧な文章を書こうとせずに、まずは自分の思ったことを自由に書き出します。下書きでは文法や表現にこだわらず、思い浮かんだアイデアをどんどん書いていくことが大事です。

推敲(すいこう)して、清書する

下書きができたら、次は見直しです。

以下の内容をチェックしてみましょう。

  • テーマと結論が合っているか?
  • 具体例と結論が合っているか?
  • 文の流れは自然か?
  • 内容はわかりやすいか?

大丈夫そうなら、その後、清書して仕上げましょう。

中学生の作文例と添削例

中学生の作文例を1つ紹介します。テーマは「中学校生活で心に残ったこと」です。

作文例

「私が中学生活で心に残ったことは、バスケ部での試合の経験です。私はバスケ部に所属しており、毎日仲間と一緒に練習していました。

試合が近かったある日、レギュラーの友人が練習中にケガをしてしまいました。その瞬間、みんな驚いて不安になりました。その友人は重要なレギュラーなので、試合に出られないと勝てないかもしれないと心配になりました。ケガをした本人もとても落ち込んでいました。しかし、部活動の先輩がその子をはげましました。「試合はみんなで戦うものだから、君も一緒に応援してくれ」と言いました。先輩のその姿を見て、私たちもやる気を出しました。試合当日、私たちは勝つことだけを考えてがんばりました。結果、私たちは試合に勝ちました。とてもうれしかったです。

この経験を通じて、仲間の大切さや支え合うことの大切さを学びました。バスケ部でのこの出来事は、私の中学生活の中で忘れられない思い出になりました。」(392字)

添削ポイント

先ほどの作文をさらに良くするには、以下のような点を修正すると良いでしょう。

感情表現を具体的にする

感情の描写をもっと具体的にすると、読み手にとって共感しやすくなります。たとえば、友人がケガをした瞬間や試合に臨むときの緊張感など、具体的な感情を描写すると良いでしょう。

具体的なエピソードを追加する

試合前の練習や、励まされた具体的なセリフなど、より詳細なエピソードを入れることで、物語に厚みが増します。

ただし、字数制限を越えないように気をつけましょう。

構成を見直す

導入部分をもう少し具体的にし、試合の緊張感が高まるように構成を見なおすと良いです。特に、試合の結果を述べる前にチーム全体の雰囲気や意気込みを強調すると、結末の喜びが引き立ちます。

言葉の選び方を工夫する

「うれしかった」という表現をもう少し豊かにするために、感情のニュアンスを変えてみるといいでしょう。たとえば、「心の底から喜びを感じた」など、より強い表現を使います。

添削後の作文例

以下は、上記のポイントを踏まえた一部修正例です。

「中学生活で心に残ったことは、部活動です。私はバスケ部に所属していました。

ある日、試合前日にレギュラーの友人が、練習中にケガをしてしまいました。その瞬間、チーム全体が不安に包まれました。「試合に負けるかも…」という思いが頭をよぎりました。ケガをした友人も落ち込んでいました。私たちは不安になり、心が重くなりました。しかし、先輩が「心配するな、みんなで一緒に戦おう」と励ましました。先輩のその言葉が、私たちの心を明るく照らしてくれました。私たちは気持ちを一つにして試合に臨みました。ケガをした友人も観客席から応援してくれました。試合の結果、私たちは勝つことができました。喜びが心の底からあふれ出し、飛び上がるような気持ちになりました。

この経験を通じて、仲間の大切さや支え合うことの大切さを学びました。バスケ部でのこの出来事は、私の中学生活の中で忘れられない思い出になりました。」(386字)

このように感情やエピソードを具体化し、文章の構成を見直すことで、作文に深みが増し、より良いものになります。全体の流れや表現が自然になるよう心がけてみてください。

中学生に合う作文の練習方法

中学生の皆さんが作文を書く力を伸ばすためには、さまざまな練習方法があります。ここでは、特に効果的な3つの練習方法を紹介します。

1つのテーマで2種類の解答を書く

同じテーマについて、異なる視点やスタイルで2つの作文を書くことで、表現力を鍛えられます。

たとえば、「私の好きな食べ物」について、1つは具体的なエピソードを交えて書き、もう1つはその食べ物の栄養面や文化的背景について書くと良いでしょう。こうすることで、異なる角度から物事を考える力が養われ、柔軟な表現力が身につきます。

誰かに添削してもらう

自分の書いた作文を誰かに読んでもらい、意見をもらうことは非常に大切です。友だちや先生、家族にお願いしてみましょう。

添削を受けることで、客観的な視点から自分の文章の良い点や改善点を知ることができます。また、他人の意見を取り入れることで、自分では気づかなかった表現方法や構成の改善点が見つかります。

夏休みの宿題で出る『税の作文』や『人権作文』で練習してみる

夏休みの宿題として出される『税の作文』や『人権作文』は、作文の練習にもってこいです。

国税庁法務省のHPに模範作文ともいえる入賞作品が多数載っており、参考にできるからです。

しかも「税」「人権」という中学生にとってあまりなじみのないテーマなので、これらのテーマに取り組むことで、自分の考えを深め論理的に文章を書く力を磨くことができます。

まずは、テーマについて調べ、重要なポイントを整理した上で、自分の意見を明確にすることが重要です。具体的な事例やデータを使うと、より説得力のある文章が書けるでしょう。

※関連記事:【中学生向け】人権の作文の書き方:作文の構成や書き方のコツを800字の例文つきで解説
※関連記事:【中学生向け】税の作文の書き方:作文の構成、メモの作成のコツを解説(800字の例文つき)

中学生作文の書き方 FAQ

Q1: どうやってテーマを選ぶの?

A1: テーマは自分の経験や興味を基に選ぶと良いです。身近な出来事や好きなことについて考え、その中から具体的なテーマを絞り込むと書きやすくなります。

例えば部活に所属している人は部活ネタが鉄板です。部活に入っていない人や、部活ネタが浮かばない人は家族や友人とのこれまでのやり取りを思い出してみましょう。楽しい思い出をテーマにすると作文を書きやすくなります。

Q2: ですますはダメ?

A2: 「ですます調」で大丈夫です。ただし、小論文の場合は「だ・である調」でないといけません。

Q3: 字数はどれくらい書かないといけない?

A3: 一般的には指定字数の8割以上書けば大丈夫ですが、9割以上書くように心がけましょう。

8割でも字数条件はクリアできますが、どうしても内容がうすくなります。

Q4: 字数が足りないときはどうすればいい?

A4: 内容をくわしくするために、具体的なエピソードや感情を書き加えましょう。また、他の視点からの意見を取り入れることで、深みを持たせることもできます。

逆に、字数稼ぎはやめておきましょう。テーマとずれている内容を書いてしまう結果になり、減点になることが多いです。

中学生作文の書き方チェックリスト

作文には正解不正解はありませんが、「守るべきルール」はあります。そのルールをリスト化しました。作文を書いたら一度チェックしてみましょう。

  • 一番伝えたい内容を最初に書いてる?
  • 「序論」「本論」「結論」の3部構成になっている?
  • 主張や意見が明確に述べられている?
  • 体験談や具体例を書いている?
  • 誤字脱字はない?
  • 同じ単語を繰り返し使ってない?
  • 主語・述語がつながっていない文はない?
  • 指定文字数の8割以上で書けている?
  • 行のはじめに句読点(、。)、小さい「やゆよ」はきていない?

まとめ

いかがでしょうか。

作文を書くコツは、テーマ設定や構成の工夫、そして文章表現にあります。また、チェックリストを使って書いた後の見直しを徹底することが、上達への近道です。

作文は繰り返し練習することで確実に上達します。この記事を参考に、自信を持って作文に取り組んでみてください。

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福地 暁です。 個別指導の塾を経営しています。 これまで3000組以上のご家庭を担当させていただきました。 中学受験、高校受験、大学受験、英検・TOEIC対策、中学生・高校生の定期テスト対策など、さまざまな学習支援をしています。 みなさまの学びにプラスになる情報をお伝えしていきます! よろしくお願いします。 1男1女の父。 どうやら娘には「甘いパパ」と思われているようで、 アイスやジュースをねだるときは必ずパパのところにきます。

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