「指定校推薦に欠席日数って関係ある?何日まで大丈夫?」
「大学が設定している日数以上に欠席していると推薦はもらえない?」
大学進学を考えている高校生で、このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。指定校推薦は「高校の代表」としての推薦ですから、基準が高く、もらえる人も限られています。
大学側が決めている日数を越えて欠席していると、指定校推薦はもらえません。また、欠席日数の条件がなくても、校内選考で落とされたり、面接で欠席理由を聞かれたりします。
指定校推薦での欠席日数や、面接で聞かれた場合の対応方法について紹介します。
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指定校推薦の基準は学校によって異なりますが、欠席数が多い場合、推薦を受けられないことがあります。推薦は学力だけでなく出席率や学校生活での安定した姿勢も評価基準となるため、欠席が多いと「学校生活における継続性に問題がある」と判断され、推薦枠から外される可能性が高まります。
欠席数が許容範囲内であることが、指定校推薦を受けるための重要な条件の一つです。
欠席が一定数を超えると、学業成績が優秀であってもマイナス評価がつく場合があります。多くの学校では推薦条件として「欠席数○日以内」などの基準を設けており、これを超過すると推薦が難しくなります。
また、学校側が生徒の学習に対する意欲や責任感を欠席数から判断することもあり、欠席が評価の大きな要素となるケースも見られます。
欠席が多い場合、面接や小論文でその理由や背景を説明することでフォローできる場合もあります。たとえば病気や家庭の事情など、やむを得ない理由がある場合には、面接で正直に話すことが重要です。
小論文(志望理由書)では、欠席によって得られた気づきや反省を述べ、自己成長の意欲を示すことで、欠席数のハンディを補うことができる場合もあります。
大学進学を考えている人にとって「指定校推薦」は非常にメリットのある推薦入試です。その分、非常に狭き門でもあります。大学・学部ごとに各高校1~3枠程度しかありません。
なかでも「欠席日数」についてのハードルは高いです。そもそも指定校推薦で欠席日数を問う理由は何でしょうか。
大学側からすると、入学させてから本当に大学に通えるのかを確認したいのです。
大学入学後に大学に来なくなってしまう大学生は全国で数万人前後いると推計されているそうです(NPO法人ニュースタート事務局より)。出席できないと単位認定ができませんし、卒業させられません。
大学としては「きちんと通ってくれるかどうか」は大きな関心事の1つなのです。
入学させる生徒が自己管理をできる人間なのかどうかを見極めたいというのも、大学側の理由の1つです。やむを得ない事情もあるでしょうが、「欠席日数が多い≒自己管理ができていない」と捉えられる傾向にあります。
高校までと違って、大学は自己管理が求められる環境です。
上記のようなことは、高校までなら学校側が決めてくれたり保護者の方があれこれ世話を焼いてくれます。大学生になれば大学のサポートも受けながら、自分で考えて判断して行動する必要があります。
大学側だけでなく、高校側にとっても「欠席日数」は推薦のための大きな判断材料です。
指定校推薦は「高校の代表としての推薦」です。3年間ちゃんと通っていれば、高校も安心して「代表」として推薦できます。
そもそも指定校推薦は高校と大学の信頼関係によって成り立っている制度です。どちらかが一方的に求めているというより、どちらにとっても「欠席日数」は重要な判断材料であると考えておきましょう。
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では何日までの欠席なら指定校推薦に影響しないでしょうか。
絶対的な基準はありませんが、目安として「高1から高3出願まで10日以内」と思っておきましょう。10日を越える日数の欠席があると、「欠席が多すぎる」と捉えられる場合もあります。
10日ですから、高1で4日、高2で4日あるとすでに8日間になります。高3では皆勤するつもりで学校に通わないといけません。
ちなみに、公募推薦の場合はもう少し基準がゆるやかで、「年間10日以内(3年間で30日以内)」が目安です。指定校推薦は限られた生徒にしか与えられないので、それだけ基準が厳しくなっているのです。
大学側あるいは高校側が設けている基準日数以上に欠席している場合、原則として指定校推薦をもらえません。
先述のように指定校推薦は「高校の代表」であり、大学入学後の学習状況も追跡されています。状況次第で出身高校の推薦枠に影響がある場合もあります。
それくらい厳密な制度ですから、推薦基準を満たしていないと推薦をもらうことはできないのです。
ちなみに、年間欠席日数が30日以上の高校生は12万人以上(約4%)います(文部科学省)。学校を休む理由はさまざまでしょうが、わずか4%ですから、30日以上欠席すると悪い意味で目立ってしまうかもしれません。
遅刻や早退にも気をつけましょう。多くの高校では「遅刻や早退3回で欠席1回にカウントする」と決められています。
「授業1コマに出席したからもう大丈夫」と安心して早退してしまうと、積もり積もって欠席10日以上になってしまいかねません。気をつけましょう。
欠席日数の基準については、大学によってまちまちです。高1から出願までに10日以内としているところもあれば、40日以内としているところもあります。
大学によるので、指定校推薦を考えている人は高校の先生に確認しておきましょう。
高校によっても欠席日数の基準は異なります。
一般的に偏差値の高い高校ほど基準は高く、出願まで10日以内、15日以内などと条件を設けています。
こちらも、高校の先生に確認しておきましょう。
高校によっては「年間10日以内」というややゆるめの基準を設けているところもあります。ただし、最近は指定校推薦に対する基準が厳しくなってきています。特別な事情がない限り、「3年間で10日以内」を目標にしておくほうが良いです。
欠席日数が大学や高校が定めている基準より少なくても、校内選考で落とされる場合もあります。
例えば欠席日数が30日以内と定められていて推薦願を出した時点で25日だったとしても、他に同程度の評定平均の生徒が欠席日数5日程度だと、その生徒のほうに推薦が与えられたりします。
指定校推薦はライバル次第な面が強いため、評定平均と欠席日数の両方に気をつけるほうがいいでしょう。
欠席理由がやむを得ない場合は、医師の診断書や家庭の事情を証明する書類などを準備し、欠席の正当性を示すことが重要です。高校側が推薦を検討する際に欠席日数を免除または考慮してもらえる場合があります。
欠席理由をしっかり明確化することで、推薦への影響を最小限に抑えることができる可能性が高まります。
「欠席日数10日以内」のなかに、インフルエンザやコロナウイルスのような感染症による欠席日数は含まれません(文部科学省)。その場合は欠席ではなく「出席停止」扱いになります。学校に来てはダメという扱いです。
もしインフルエンザと診断されたら5日間自宅待機といった措置になるので、欠席にカウントされてしまうとかなりピンチです。診断書をもらうようにしましょう。診断書を学校に持っていけば出席停止となり、欠席日数にカウントされなくなります。
欠席数が多い場合でも、面接で積極的にアピールすることでカバーできることがあります。面接官に対して欠席の背景や、勉強への意欲をしっかり伝えることが大切です。
欠席理由を正直に話しつつ、今後の学習目標や努力を強調することで、欠席数が多くても、ポジティブな印象を与えられる可能性があります。
欠席が多かったとしても、最終学年では出席日数を改善する努力が重要です。休まず登校する姿勢を示すことで、推薦先の学校や担当者に「欠席を減らそうとする意識がある」との印象を与えられます。出席改善の姿勢は、推薦基準を満たすために効果的なアピールとなるでしょう。
もし病気やケガで学校に通えない時期があっても完治しているのであれば、病院から診断書をもらっておきましょう。面接で完治の診断書を見せれば何よりの証明になります。
病院から診断書をもらうには、診察時などに医師に「診断書をください」と伝えれば大丈夫です。診察後の受付での支払いのときに診断書をもらえます。
欠席日数が少なくても遅刻や早退の回数が多いと、その理由を聞かれることがあります。
など、理由はいろいろあると思います。こちらも正直に「〇〇の理由です」と答えましょう。
ただし、「電車の遅延」を連発するのはやめておきましょう。面接官は電車利用に慣れている社会人です。1年間に何度も電車遅延が理由で遅刻するわけがないと見破られます。
また、本当に電車の遅延が原因で年に数回遅刻していたとしても、「それほど頻繁に遅延すると分かっているなら早く家を出発すればいいのに」と思われます。
欠席理由がやむを得ない場合は、医師の診断書や家庭の事情を証明する書類などを準備し、欠席の正当性を示すことが重要です。高校側が推薦を検討する際に欠席日数を免除または考慮してもらえる場合があります。
欠席理由をしっかり明確化することで、推薦への影響を最小限に抑えることができる可能性が高まります。
欠席数が多い場合でも、面接で積極的にアピールすることでカバーできることがあります。面接官に対して欠席の背景や、勉強への意欲をしっかり伝えることが大切です。
欠席理由を正直に話しつつ、今後の学習目標や努力を強調することで、欠席数が多くても、ポジティブな印象を与えられる可能性があります。
欠席が多かったとしても、最終学年では出席日数を改善する努力が重要です。休まず登校する姿勢を示すことで、推薦先の学校や担当者に「欠席を減らそうとする意識がある」との印象を与えられます。
例えば高1や高2で欠席日数が多くても、高3になってから欠席や遅刻をしていなければ「改善の努力をしている」と評価されます。
出席改善の姿勢は、推薦基準を満たすために効果的なアピールとなるでしょう。
欠席日数を基準日数よりやや多めでも、評定平均を上げることである程度カバーできます。
特に副教科や古典、地歴公民は短期間でも定期テストの点数を上げやすい科目です。テスト勉強を計画的に行って、少しでも評定平均を上げておきましょう。
高校の定期テストで90点を取る方法をこちらの記事で紹介しています。
【高校生】定期テストで90点以上を取れる勉強方法(英語、数学、国語、理科、社会の勉強方法)
指定校推薦で大学進学を考えているなら、欠席日数以外にも気をつけておくほうがいい行動がいくつかあります。
まず、定期テストで高得点を取れるようにしっかり勉強をしておきましょう。
指定校推薦をもらえるかどうかは、評定平均が大きく影響します。評定平均は高1から高3の夏前までの成績で決まります。最低でも評定平均4.0以上、指定校推薦狙いの生徒が多い高校なら4.3以上は取るようにしましょう。
※関連記事:評定の出し方・上げ方
高1の最初の定期テストから入りますので、高校に入学して最初からしっかりと勉強をしておく必要があります。
※関連記事:【高校生】定期テストで90点以上を取れる勉強方法
推薦をもらうには、普段の授業態度も重要です。
こうした行動があれば、マイナス評価になります。授業中は顔をあげて先生の説明を聞き、大きめにうなずくようにしましょう。「説明を聞いていますよ。理解していますよ」という、先生へのアピールになります。
推薦をもらった後は、志望理由書の提出や小論文を課せられることが多いです。
指定校推薦の場合、「家から近いから」「その大学なら指定校推薦をもらえそうだから」「有名大学だから」という理由で推薦願を出す人が多いです。
さすがにその理由だと高校の先生から書き直しを命じられます。
「家から近いから」を理由にするなら、「家から近い大学を選んだ理由」も書く必要があります。学業に時間をかけるため、ゼミの実験で遅くまで実験室に残れるようにするためなど、大学の面接官が読んで納得できる理由を書き添えるようにしましょう。
また、小論文では課題文を読んで800字以内で記述解答する問題や、テーマが1つ与えられて解答する問題がよく出されます。小論文は書き方が決まっており、その書き方をしていないと大きく減点されます。
きちんと書き方を練習して身につけておきましょう。
※関連記事:【高校生】小論文の書き方とコツ
大学に行って面接を受けますが、面接で大失敗をしてしまうと合格をもらえない場合もあります。大学での面接にそなえて、数回以上は面接練習をしておきましょう。
大抵、高校の先生が2-3回面接練習をしてくれます。ほかにも、塾に通っている人は塾の先生に、また可能なら保護者の方にも面接官になって練習させてもらいましょう。
面接は「自分のことを相手に伝える場」です。本番の面接官がどのような人なのかは分かりません。3人くらいに面接官役になってもらえば、相手にきちんと伝わるかどうかを確認できます。
面接の「模範回答」はありますが、そのとおり回答する必要はありません。自分の思ったとおりに回答するか、答えやすい内容にしましょう。
難しい、言い慣れていない言葉を使おうとすると余計に言いにくくなります。普段使っている言葉を「御校」「私」「父」「母」「高校の担任の先生」などのように、もう少し丁寧な言い方をすれば大丈夫です。
面接では志望理由なども聞かれます。志望理由書を書いて提出していると、面接官は志望理由書を読んだうえで志望理由を確認します。志望理由書の内容と面接での受け答えの内容が食い違わないように、志望理由書はコピーを取っておき、手元に置いて面接練習しましょう。
指定校推薦を考えている人向けに、欠席日数が何日まで大丈夫なのかを説明しました。
大学や高校によって基準が異なりますが、高3の1学期までで「10日以内」を目安にしておきましょう。それより欠席が多くても大丈夫な大学もたくさんありますが、高校の校内選考で推薦をもらえない可能性が高くなります。
また、欠席や遅刻・早退について面接で聞かれたら正直に答えつつ、むしろアピールできるような材料をつくっておけると良いですね。
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