「知らない言葉が出てきたとき、自分で調べられる力を育てたい」――そんな願いを持つ保護者の方へ。
今、多くの小学生が利用しているのが、スマホやタブレットで使える無料の国語辞典アプリです。
この記事では、教育の専門家の視点で、小学生に本当におすすめできる2025年最新版の無料国語辞典アプリ7選を厳選してご紹介します。
紙の辞書との違いやアプリならではのメリット、家庭学習への活かし方、さらには安全性への配慮まで、親子で安心して選べる辞書アプリの情報をまとめました。
お子さまの語彙力・国語力アップに、ぜひ役立ててください!
※なお、紙の辞書でおすすめのものを以下の記事でくわしく解説しています。
小学生におすすめの紙の国語辞典
紙の国語辞典は内容が充実している一方で、重さやサイズの問題があります。特に小学生にとっては、学校や塾、家など、持ち歩くには負担が大きくなりがちです。
アプリならスマートフォンやタブレット1つに入れておけば、いつでもどこでも辞書が使えるので、調べたい時にすぐ使える利便性が魅力です。通学中や図書館、自習室などでもすぐにアクセスできるのがポイントです。
紙の辞書では「五十音順に調べる」という作業がありますが、小学生にはこの作業が難しかったり、面倒に感じたりすることがあります。一方、アプリなら調べたい言葉を入力するだけで一瞬で検索結果が表示されるため、調べ学習のテンポが崩れません。
結果として、調べることが楽しくなり、「知ること」に対するモチベーションが自然と上がります。これは国語力の向上に大きくつながります。
アプリの中には、言葉の意味だけでなく、読み上げ音声やイラスト・写真が付いているものもあります。特に低学年の児童にとって、漢字にふりがながふってあったり、音声で読み方を確認できたりすることはとても助かります。
さらに、抽象的な言葉や難しい概念も、視覚や聴覚からアプローチできることで、より深く理解できるのがアプリの大きなメリットです。
特に、中学受験をお考えの方は、「語彙力アップ」が欠かせません。日常生活で補えないきれないほどの語彙力が求められます。
以下の記事で、中学受験を予定している子ども向けに語彙力アップの方法をくわしく解説しています。
中学受験をする子どもの語彙力を伸ばす方法
アプリは手軽に使えるため、子どもが「自分から調べよう」と思いやすくなります。たとえば、宿題の中でわからない言葉が出てきた時、紙の辞書だと親に頼るケースが多いですが、アプリなら自分の手で調べることができます。
「言葉を調べて理解する」という習慣は、将来の学習全体の基礎になります。アプリによってこの習慣が自然に身につくのは、家庭学習において非常に大きなメリットです。
スマホやタブレットを使うことで、親子で一緒に画面を見ながら学習ができます。
たとえば、夕食後に「今日学校で聞いたこの言葉、どういう意味かな?」と話題にし、アプリで一緒に調べることで、学びがコミュニケーションにもつながります。
また、保護者側も解説文を一緒に確認することで、子どもがどこでつまずいているのかが見えやすくなり、学習サポートもしやすくなります。
小学生の語彙力を伸ばすには、「わからない言葉をそのままにしない」ことが大切です。ここでは、教育現場でも活用されている信頼性の高い無料・一部無料の国語辞典アプリを厳選してご紹介します。
専門家の視点で、小学生でも使いやすい・学びやすいポイントを中心に解説しています。
特徴:オフラインでも使える・豊富な辞書を一括検索
スマート辞書は、シンプルで見やすい画面設計が魅力の国語辞典アプリです。無料版でも「大辞泉」などの辞書情報にアクセスでき、通信環境が不安定な場面でもオフライン対応で使用できます。
検索履歴やブックマーク機能もあり、反復学習にぴったり。学習の記録を残したいお子さんに特におすすめです。
特徴:無料&登録不要!辞書の定番サイトがアプリに
Weblioは、ネット辞書として高い評価を受けてきたサービスのアプリ版です。国語だけでなく四字熟語やことわざなどの知識も豊富に掲載されており、小学生の調べ学習にも最適です。
アプリ内の広告表示が気になる場合は、保護者と一緒に使うと安心です。音声読み上げ機能があるため、漢字が苦手な低学年にもやさしい設計です。
特徴:ひらがな検索に対応!低学年向けに特化
じしょ君は、小学生低学年でも扱いやすいインターフェースが特徴のアプリです。ひらがなでの検索が可能で、漢字がまだ読めない子どもでも自分で言葉を調べることができます。
一部の機能は有料ですが、無料版でも十分活用可能。子どもの「知りたい気持ち」を育てるきっかけとして最適です。
特徴:すべての漢字にふりがな!小学生でも安心
「明鏡国語辞典 第三版 総ふりがな版」は、教育現場でも採用される信頼のある辞典です。全ての漢字にふりがなが付いているため、どの学年の児童でもスムーズに理解できます。
使いやすい解説文で、難しい言葉も日常の言い回しで説明。読書や作文の語彙力強化にも向いています。アプリ内課金あり。
特徴:複数の辞書をまとめて検索できるオールインワン辞典
コトバンクは、複数の出版社の辞典をまとめて調べられる便利なアプリで、新聞社や出版社が共同運営している点でも信頼性があります。
一つの言葉に対して複数の辞書の解説が表示されるため、意味の違いを比較しながら学ぶことができます。中学年〜高学年に特におすすめです。
特徴:厳選された語彙と簡潔な説明が魅力
長年愛され続けてきた「三国(さんこく)」の最新版。短くてわかりやすい定義が多いため、小学生にもなじみやすい内容となっています。
使用頻度の高い語が中心に掲載されており、作文・読書感想文などにも強い味方。無料版では一部機能に制限がありますが、十分実用可能です。
特徴:意味だけでなく「使い方」がわかる辞典
「新明解」は、その独特な語釈と具体的な用例で有名な辞典です。意味を理解するだけでなく、「実際にどう使うか」まで学べるため、言葉の使い分けが苦手な小学生にぴったり。
無料版でも多数の語を検索可能で、語彙を深く学びたい中学年以降におすすめです。
アプリ名/辞典名 | 対応OS | 対象学年 | 主な特徴 | ふりがな対応 | 音声読み上げ |
---|---|---|---|---|---|
スマート辞書 | iOS / Android | 中〜高学年 | オフライン対応/検索履歴やブックマークで学習効率アップ | 一部あり | なし(※) |
Weblio国語辞典 | iOS / Android / Web | 全学年 | 無料・登録不要/四字熟語・ことわざも豊富/Weblioブランドの信頼性 | 一部あり | あり |
じしょ君 | iOS | 低〜中学年 | ひらがな検索可能/低学年の辞書入門に最適/シンプルなUI設計 | あり(読みがな重視) | なし |
明鏡国語辞典 第三版 総ふりがな版 | iOS / Android | 全学年 | 全漢字にふりがな/簡潔な説明/教育現場でも採用実績多数 | 完全対応 | なし(※) |
コトバンク | iOS / Android / Web | 中〜高学年 | 複数辞典を横断検索/出版社・新聞社の共同運営で信頼性が高い | 一部あり | 一部あり(Webのみ) |
三省堂国語辞典 第八版 | iOS / Android | 中〜高学年 | 語彙が厳選/簡潔な定義/読書感想文・作文にも活用しやすい | 一部あり | なし(※) |
新明解国語辞典 第八版 | iOS / Android | 中〜高学年 | 用例が豊富/語の使い方が具体的にわかる/意味の理解が深まる | 一部あり | なし(※) |
国語辞典アプリはいろいろありますが、特徴はさまざまです。
おすすめの選び方、選ぶ際の注意点をまとめました。
国語辞典には「知らない言葉の意味を調べる」という用途がありますが、用途をさらに絞るほうが良いでしょう。
言葉の意味を知って作文や国語の問題に活かしたいなら、実例や例文が分かりやすいものを選ぶ。
英語の勉強にも活用したいなら、ネイティブの発音入りのものにする。
外出先でも使いたいならオフラインでも利用できるものにする、など。
国語辞典アプリの利点の1つに、検索機能があります。
紙の辞典が索引や分類を見て辞書を引くのに対して、アプリなので「検索」ができます。
検索もさまざまな機能があり、音声入力、文字入力以外に手書き入力、カメラで検索できる機能をそなえたものもあります。
子どもが使うものですから、音声入力のほうが便利だったり、スクショ画像で検索できるほうが便利な場合もあります。
国語辞典アプリをインストールするときには、「検索履歴が残るかどうか」もチェックしておきましょう。
一度検索しても、しばらく時間が経ってからまた調べたくなるときもあります。
特に小学生なら、ドリルや教科書に出てきた言葉をその後の学習に応じてもう一度調べる必要が出てくるときがあります。
そんなときに検索履歴から探せれば便利です。
紙の国語辞典は普通縦書きです。国語の教科書や問題集も縦書きです。
ですが、アプリは横書きの場合があります。
基本的に縦書きのものを選ぶほうが良いです。
縦書きの教材で勉強していて、検索アプリが横書きだと感覚がずれてしまうからです。
まだまだ学習途上の小学生ですから、縦書きの教材には縦書きの辞典がおすすめです。
言葉の意味を調べる機能以外の学習機能にも注目しましょう。
国語辞典アプリのなかには百科事典や日本の伝統行事の特集など、さまざまな学習内容を提供しているものもあります。
「プラスアルファの知識」も一緒に得られる国語辞典だと子どもの知的好奇心を刺激できます。
出版元やデベロッパ(開発者)もチェックしておくと良いです。
気に入って使っていたら版権の問題などで急に使用停止になることも考えられます。
同じデベロッパが過去に作成・公開した学習アプリをみてみると、信頼性が確認しやすいです。
アプリには無料、有料さまざまあります。
ゲームの課金のように料金が知らない間にふくれあがっているようなことは考えにくいですが、それでも子どもが利用するものです。
事前に約束ごとを決める、広告表示のないものにするなど、使い方を想定して利用プランを決めましょう。
アプリを利用できるまでにはいくつかの作業が必要です。
手順をまとめました。
まず、Google PlayやApp Storeを開きます。
スマホのホーム画面などからアプリを起動します。
気になるアプリの名前を検索ボックスに入れて検索ボタン(虫メガネのマーク)を押します。
インストールボタンや「入手」ボタンを押します。
しばらくするとスマホなどのデバイスにインストールが完了します。
ホーム画面に戻ると、今インストールしたアプリが表示されているはずです。
アプリには推奨されるOSのバージョンがあります。
Android OSやiOSです。
デバイスのOSをしばらく更新していないと表示がちゃんとされないなどの現象が起こる可能性があります。
インストールする前にデバイスのバージョンをチェックしておきましょう。
さまざまな学習アプリが利用されています。
小学生で国語辞典アプリを使うと語彙力を高められます。
では、小学生でなぜ語彙力を高める必要があるのか、その理由をまとめました。
小学生が教科書や問題集の問題を解けない場合、書かれている言葉を理解できていない可能性が少なからずあります。
例えば算数の教科書や問題集には以下のような文言が普通に使われています。
「原価を求めなさい」
「辺の長さが等しい図形」
「原価」「等しい」といった、大人にとっては何でもない言葉も、語彙力が乏しいとピンとこない小学生は少なくありません。
言葉の意味が分かるだけで理解が進み、問題を解きやすくなる可能性があります。
語彙力が伸びると表現力も高まります。
作文や記述問題、スピーチなど、小学生が表現力を求められる場面は数多くあります。
普段から「やばい」「うれしい」という言葉ばかりの子がほかの言葉を知れば、表現力が豊かになり相手に伝わりやすい言い方ができるようになり、正しい解答を書きやすくなります。
語彙力が伸びると、創造力も伸びやすくなります。
創造力の源泉は論理的な思考力や想像力です。人間は何かを考えるときに言葉を使います。
使える語彙が豊富な子は論理的に考える土台ができているため、創造力を伸ばしやすいです。
語彙が豊富になると、やはり国語力が伸びやすいです。特に漢字と文章読解でその変化が顕著にみられます。
小学校6年生の標準的な語彙数は約2万語で、中学校3年生では約35,000語必要になります(日本人の語彙量 (理解語彙、使用語彙)調査を行うにあたっての基礎的研究より)。
一方、日常生活で登場する語彙数は8000~10000語で、オンライン上で使われている語彙数は8,000語程度に過ぎないことが情報処理学会の研究報告で分かっています(情報処理学会研究報告より)。
SNSでのコミュニケーションが日常となっている子どもだと、獲得できている語彙数は一般的な小学生よりずいぶん少ないかもしれません。
よく知らない言葉がたくさん並んでいる文章を読むのは相当困難です。
語彙をたくさん獲得するだけで国語の文章をかなり読みやすくなります。
※関連記事:中学受験国語の長文読解勉強法
※関連記事:6年生の漢字一覧(音読み・訓読み・画数)と漢字の練習問題
多くの無料国語辞典アプリは、App StoreやGoogle Playといった公式ストアで配信されており、基本的には安全に使用できます。
ただし、アプリによっては第三者広告が表示される場合があるため、使用前に以下の点を確認することが大切です。
また、保護者が初回起動時に一緒にチェックすることで、より安心して利用できます。
無料アプリの多くは広告収入によって運営されています。広告表示が不安な場合は以下の対策をおすすめします:
特に小学生が単独で使用する場合、保護者のサポートが安心材料になります。
どちらにもそれぞれのメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えません。
目的に応じて使い分けるのが理想的です。
比較項目 | 辞書アプリ | 紙の辞書 |
---|---|---|
検索速度 | ◎(すぐ出る) | △(時間がかかる) |
持ち運び | ◎(スマホだけでOK) | △(重たい) |
記憶定着 | △(検索後すぐ閉じがち) | ◎(手で探すことで記憶に残りやすい) |
総合的な語彙力強化 | ◯(検索語中心) | ◎(ページ全体を見る中で新語にも触れられる) |
したがって、日常的な調べ学習や短時間での確認にはアプリ、
じっくり言葉を探求したいときや語彙を増やす学習には紙の辞書が向いています。
※なお、紙の辞書とアプリ/電子辞書との違いを以下の記事で紹介しています。
電子辞書と紙の辞書どっちがいいか:紙の辞書のメリットと電子辞書のメリットを比較
国語辞典アプリは、便利で手軽に使える反面、「使うこと自体が目的」になってしまわないよう注意が必要です。
子どもがわからない言葉を「自分で調べて理解しようとする姿勢」を育むために、アプリはサポート役として位置づけましょう。
保護者や先生が「この言葉、調べてみようか?」と声をかけることで、学びのきっかけが増えます。
アプリの使い方を工夫すれば、以下のように国語力全体の底上げにつながります:
つまり、ただの「辞典アプリ」ではなく、未来の国語力を育てるツールとして活用できるのです。
※なお、子どもの立体思考や論理思考、知的好奇心を養うのにおすすめのパズルブロックや図鑑を以下の記事で紹介しています。
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