中学受験で国語の読解が「あと一歩届かない」と感じていませんか?
文章を読んでも内容がつかめない、記述問題で何を書けばいいかわからない――そんな悩みを抱えるご家庭は少なくありません。
実は、読解力はセンスではなく、正しい方法とトレーニングで確実に伸ばせる力です。
そこでこの記事では、プロ講師が現場で実践している最新の読解指導メソッドから、家庭でできる効果的な学習法、さらにおすすめ問題集までを徹底解説。
読解力に不安があるご家庭でも、着実に得点力を上げるための道筋がわかります。
読解力に伸び悩むお子さまを持つ保護者の方、これから本気で国語対策を始めたい方は必見の保存版です。
※なお、国語が苦手でどう勉強していいか分からないというお子さま向けに、以下の記事でくわしく解説しています。
【中学受験】国語が苦手な子どもがグングン伸びる!原因・克服法・おすすめ問題集まで完全ガイド
中学受験における国語読解の重要性とは?
中学受験において、国語の読解力はすべての教科の基礎力といっても過言ではありません。なぜなら、算数の文章題や理科・社会の記述問題も、すべては「問題文を正しく読み取る力」がなければ正解にたどり着けないからです。
文部科学省の指針でも、小学生における国語力が他教科にも影響を与えるため、「中核的な教科」と位置付けられています。
国語の教育を学校教育の中核に据えて,全教育課程を編成することが重要であると考えられる。その際には,国語科で行うべきことと他教科で行うべきこととを相互の関連を踏まえて整理していくこと…
文部科学省 学校における国語教育より
国語の知識を確実に身に付けさせ,あらゆる知的活動の基盤となる国語力の基礎をしっかりと築くことが何よりも大切である。
また、難関校ほど文章量が多く、設問も複雑になっており、読解力の差が点数に大きく影響します。国語で点が取れるようになると、受験全体の得点力が一気に安定しやすくなるのです。
読解力が合否を左右する理由
読解力が合否に直結する主な理由は、以下の3点です。
他教科にも影響する「共通スキル」だから
たとえば算数の応用問題では、長い文章題を正しく読み取らなければ、どんなに計算が得意でも正答できません。理科や社会の設問でも、「なぜそうなるか」「どう説明するか」を答えさせる問題が増えています。
つまり、読解力=全教科の土台なのです。
難関校ほど「深い読解」が求められるから
上位校では、文章を読んだ「表面的な理解」では太刀打ちできません。「筆者の意図は?」「登場人物の心情の変化は?」「なぜこの表現を使っているのか?」といった深い読解・論理的な思考力が求められます。
参考:中学受験情報局
得点に差がつきやすい科目だから
国語の記述問題は「部分点」があるため、勉強した子とそうでない子の差がつきやすく、努力が結果に反映されやすい科目でもあります。合格者の多くが、「国語を得点源にしている」という傾向があります。
成績上位者の共通点は「読解力の土台」
中学受験で上位層に位置する子どもたちの多くに共通しているのは、「語彙力・要約力・論理的思考力」といった読解力の土台がしっかりしていることです。
語彙力の豊富さ
知らない言葉が多いと、文章の意味を正しく理解できません。語彙が豊富な子は文章をすばやく正確に読めるので、時間にも余裕が生まれます。
参考:日本速読解力協会
要点をつかむ力
読解問題では「段落ごとの要点を押さえる力」が問われます。成績上位の子どもたちは、文章を構造的にとらえる練習を日々積んでおり、筆者の主張や理由を的確にとらえることができます。
論理的思考と表現力
難関校の記述問題では、論理的に考えて、わかりやすく答える力が必要です。成績上位の子は「何が問われていて、どう答えるべきか」を読み取り、型に沿って表現する力も備えています。
保護者が見落としがちな国語の難しさ
国語は「日本語だから勉強しなくてもある程度できる」と思われがちですが、それは大きな誤解です。
「感覚で解ける」は通用しない
小学校のテストでは、国語の読解は「なんとなくの感覚」でも正解できることがあります。しかし中学受験の問題は違います。論理的に考え、根拠を持って答える力が求められるため、「感覚的な読み方」では点が取れません。
対策しにくいから後回しにされがち
国語は「正解が一つに絞りにくい」「勉強の成果が見えにくい」といった理由で、後回しにされやすい教科です。しかし、コツコツと積み重ねることで確実に伸ばせる科目です。読解力を軽視せず、早めから取り組むことが重要です。
家庭でのサポートがカギ
読解力を育てるには、家庭での読書習慣や語り合いが大きな役割を果たします。保護者の声かけひとつで、子どもの国語に対するモチベーションが変わることも少なくありません。
プロ講師が教える!中学受験国語・読解テクニック
中学受験の国語では、単に文章を読むだけでは点数につながりません。設問のタイプごとの対策や、段落の読み方、記述の解答法など、知っておくべき「読解の技術」が存在します。
ここでは、塾や家庭教師が実際に指導しているテクニックをもとに、受験に直結する実践的な読解力の身につけ方を紹介します。

設問のタイプを見極める「問題の分解力」
読解問題には大きく分けて、記述・選択・抜き出しの3つの形式があります。それぞれ求められる力が異なるため、まず設問のタイプを見極める力(=問題の分解力)が重要です。
記述・選択・抜き出し問題の対策法
- 記述問題:問われているのは「なぜ?」「どうして?」という理由や心情の変化など。文中の根拠と自分の言葉を組み合わせて答える。
- 選択問題:キーワードに注目して「合っているもの」「間違っているもの」を見分ける力が必要。言い換え表現に注意。
- 抜き出し問題:文中の該当部分を正確に探し出す作業。設問の言葉と同じ・似た語句を文中から探すことがコツ。
解答時間配分のコツと実践例
プロ講師がよく伝えるのは、「最初に設問を読んでから本文を読む」という戦略。これにより、読むべきポイントに集中でき、時間のロスを防げます。
例えば以下のような配分が目安になります(40分試験の場合):
- 問題全体の設問を読む:5分
- 本文読解:15分
- 解答作業:20分(うち記述10分、選択・抜き出し10分)
文章を読み解く「段落ごとの要約術」
長文読解では、段落ごとの要点をとらえることが非常に重要です。特に説明文や論説文では、段落がそれぞれ意味を持ってつながっているため、「流れ」を理解する力が試されます。
段落に主語・述語をあてる練習
段落の中で「何について(主語)」「何を言っているのか(述語)」を明確にすることで、その段落の要点をつかみやすくなります。
例:
「日本では昔から自然を大切にする文化が根づいている。」
→ 主語:日本では
→ 述語:自然を大切にする文化が根づいている
こうした練習を積み重ねることで、段落の主張がクリアになります。
「因果」「対比」など論理構造を意識する方法
文章には「理由」「原因」「逆説」「対比」「例示」などの論理構造が組み込まれています。以下のような接続語に注目する練習がおすすめです:
- 因果:「なぜなら」「そのため」「だから」
- 対比:「しかし」「一方で」「ところが」
- 例示:「たとえば」「具体的には」
これらの言葉が出てきたら、「筆者がどう説明しているのか、何を強調しているのか」を意識する癖をつけましょう。
選択肢に強くなる「消去法」トレーニング
選択問題では、「正解を選ぶ」よりも「不正解を消す」ほうが確実性が高いです。消去法を使うことで、迷ったときにも冷静に対応できます。
消去法のコツ
- 設問文と選択肢を一語一句照らし合わせる
- 「一部は正しいが、全体として誤っている」選択肢を除外
- 極端な言い方(すべて~、必ず~)は不正解の可能性が高い
このような観点から「正解以外を消す練習」を積むことで、選択肢への対応力が格段に上がります。
記述問題が得意になる「テンプレ型解答法」
記述問題は、書き方に慣れていないと「何を書けばよいかわからない」状態に陥りがちです。そこで役立つのが「テンプレート化」です。型を身につければ、どんな問題にも応用できます。
採点者が見るポイントとは?
採点の際に見られるのは、以下の3点です:
- 文中に根拠があるか
- 設問に正しく答えているか
- 文法的に正しい日本語で書かれているか
この3点を満たすことで、部分点ではなく満点を狙える記述解答が可能になります。
構文フレーズのストックを作る方法
記述の型としてよく使われるのが、以下のような構文です:
- 「〇〇だから、△△だと考えられる」
- 「〇〇という出来事から、△△という気持ちになった」
- 「〇〇の理由は、△△である」
これらをストックしておき、使い分けられるように練習することで、「書ける自信」がつき、記述問題への苦手意識がなくなります。
まとめ:
中学受験の国語読解は、「勘」や「感覚」で戦う科目ではなく、論理的な読み方とテクニックで得点できる科目です。この記事で紹介した読解テクニックは、すべて実際の指導現場で効果を発揮している方法ばかりです。保護者とお子さんが一緒に理解を深め、日々の学習に取り入れることで、確かな読解力と合格への自信が身につくでしょう。
塾や家庭教師の現場で教えている最新読解メソッド
近年の中学受験では、単に文章を読むだけでは通用しません。論理的に文章構造をとらえる力、設問に対応する力が求められています。
そのため、塾や家庭教師の現場では、以下のような戦略的な読解メソッドが使われています。
中学受験専門塾で使われている指導法
中学受験専門塾では、次のような体系化された読解指導法が導入されています:
- 段落ごとの要約練習:各段落の要点を10~15字程度でまとめる訓練
- 接続語チェック:逆説・因果などの接続語をマークして、筆者の意図を読み取る練習
- 記述の型訓練:「~だから、~と考えられる」など、書き方のテンプレートを反復
さらに近年では、「設問→本文→解答」の順で読み進める「設問先読み法」が主流。これは、時間短縮と的確な情報取得に大きく効果があります。
難関校合格者に共通する「読み方」習慣
難関校の合格者に共通する読解習慣は以下の3つです:
- 文章全体の構造をつかむ訓練:序論・本論・結論の3段構成を意識して読む
- 設問文を先に読むクセ:何が問われているかを意識することで読みがシャープに
- 自分の言葉で要約する練習:読みっぱなしではなく、アウトプット(口述やメモ)を重視
こうした習慣が、「読み飛ばさず、必要な情報を正確にとらえる力」につながっています。
家庭教師が実践する個別最適化学習の例
家庭教師は、子どもの理解度・性格・学習スピードに応じた個別対応が可能です。以下はその一例です:
- 語彙が弱い子 → 1問1答形式で語句トレーニング+イメージイラスト活用
- 文の構造がつかめない子 → 主語・述語に線を引く練習からスタート
- 集中力が続かない子 → 音読+録音で、目と耳から理解を促進
このように、「その子に合った読み方の練習」を設計することで、短期間でも着実な伸びが見られます。
読解力を伸ばすための家庭学習法と習慣づくり
塾や家庭教師の力だけでは、読解力は定着しません。家庭でも毎日少しずつ、「読む力」の土台を育てていくことが必要です。
毎日の音読習慣が読解の土台をつくる
小学生は「黙読」よりも、「音読+意味の確認」が読解力の基礎になります。以下のポイントを押さえて音読を取り入れましょう:
- 親が聞いてあげる:子どもが意味を理解せずに読み飛ばしていないか確認
- 1日5~10分の習慣化:毎日続けることで、「言葉の感覚」が養われる
- 意味がわからない語をすぐ辞書で引く:語彙力アップにも直結
親子でできる「読書メモ」「感想ノート」の活用
読書感想文ではなく、簡単なメモ形式でOKです。以下のような「読書メモ」を親子でやるのがおすすめです:
- 本のタイトル/読んだ日/面白かったところ
- 「なぜ面白いと思ったか」を1~2文で書く
- わからない言葉を1つメモし、調べて意味を書く
例)
タイトル:『モモ』
日付:5月25日
印象に残ったところ:「モモが時間どろぼうと戦う場面」
理由:「1人で勇気を出したのがかっこいい」
知らなかった言葉:「灰色の男」=悪い大人の象徴らしい
このように感情+理由+語彙をセットにすると、読解力と表現力が同時に伸びます。
文章読解に必要な語彙力の伸ばし方
読解のつまずきの多くは「語彙不足」に原因があります。特に抽象語(例:誠実・対立・価値観など)は、普段の会話に出てこないため、意識的に増やす必要があります。
語彙ノートの作り方
- ノートの左に「わからなかった言葉」、右に「意味+例文」
- 週に1回、親と一緒にチェックして、復習する
- 絵や色を使って「見て覚える」工夫も◎
例:
言葉 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
誠実 | うそがなく、まじめなこと | 誠実な人は信頼される |
国語辞典・類語辞典の使い方講座
- 国語辞典:意味の確認+使い方例の確認。毎日1語引く「辞書引き学習」がおすすめ
- 類語辞典:記述問題対策に効果大。表現を言い換える練習に使う(例:「うれしい」→「喜ばしい」「幸せな気持ち」など)
語彙力をつけることで、読解力だけでなく記述力・作文力も自然に伸びていきます。
※なお、中学受験をする小学生におすすめの国語辞典を以下の記事でくわしく解説しています。
中学受験をする小学生におすすめの国語辞典
※小学生向けの国語辞典アプリ(無料版)を以下の記事でくわしく解説しています。
小学生におすすめの無料国語辞典アプリ7選:普段使いから中学受験の語彙力アップまで
まとめ
塾や家庭教師が実践する読解メソッドは、すでに「できる子」が実践している方法です。だからこそ、家庭でも同じ習慣を取り入れることで、成績の土台となる読解力を確実に伸ばすことができます。
- 塾のプロ指導=論理的に読み解く訓練
- 家庭教師=性格や弱点に合わせた個別化
- 家庭学習=語彙・音読・読書感想でコツコツ基礎固め
ご家庭でのサポートが、お子さんの自信と成績アップにつながります。
中学受験対策におすすめの国語読解問題集5選【2025年最新版】
中学受験において、国語の読解力は最も差がつく科目です。特に難関校では、記述問題や抽象的な文章の理解力が問われるため、問題集選びが合否に直結します。
プロ講師が選ぶ信頼の問題集
ここでは、中学受験専門のプロ講師が現場で活用している問題集を厳選し、紹介します。
レベル別(基礎〜応用)に紹介
レベル | 問題集名 | 特徴 |
---|---|---|
基礎 | 『毎日のドリル』シリーズ(学研) | やさしい語彙と短めの文章で、読解の基本を練習できる |
標準 | 『読解力をつける国語 小学5・6年』(Z会) | 問題形式が入試レベルに近く、丁寧な解説つき |
応用 | 『中学受験国語 文章読解の鉄則』(TELL books) | 本格的な入試問題に取り組み、実戦力を鍛える |
記述力強化に特化した問題集
- 『分野別集中レッスン 国語記述力』(シグマベスト)
記述の書き方を「型」から学べる良書。書くのが苦手な子に最適。 - 『中学受験国語 記述問題の徹底攻略』(YELL books)
記述を論理的に組み立てる力が身につき、難関校対策にも対応。
※なお、国語記述対策用の問題集を以下の記事でくわしく解説しています。
中学受験国語の記述問題を練習できる問題集:作文や記述の書き方の基礎レベルからハイレベルまで
問題集の効果的な使い方とスケジュール例
問題集を「解くだけ」では力はつきません。以下のポイントを意識した使い方とスケジュール管理がカギです。
① 間違いノートを作る
解説を写すのではなく、「なぜ間違えたのか」「どう直せるか」を自分の言葉で書く。
② 1週間に1回の復習日を設ける
間違えた問題を、1週間後に再チャレンジ。「定着率UP」×「苦手の見える化」に効果的。
③ 記述問題は口頭で答えてもOK
初めから書けなくても、まずは「話す練習」からスタートし、自信をつけてから記述に。
【例:1週間スケジュール例(平日30分・週末60分)】
曜日 | 内容 |
---|---|
月 | 問題集1ページ(読解・選択) |
火 | 記述問題を口頭で練習+語彙ノート |
水 | 過去の間違い問題を復習 |
木 | 問題集1ページ(記述含む) |
金 | 音読+まとめ |
土 | 模擬テスト形式で1セット実施 |
日 | 親子で解き直し+感想シェア |
読解が苦手な子への保護者サポート法
読解に苦手意識を持つ子どもにとって、親の関わり方が成績を左右することもあります。ここでは、モチベーションを保ち、苦手を克服するための実践的な声かけや環境づくりを紹介します。
「やる気が出ない」「続かない」への具体的対策
成功体験を意図的につくる
「これ全部正解!すごい!」と、短文や易しい問題から正解体験を積ませる。
タイマー活用で時間管理
長時間やらせない。「10分だけ!」という短時間集中の積み重ねで習慣化。
好きなジャンルの読解から始める
興味のある物語や分野(スポーツ、動物など)から選ぶと、読み進めやすくなる。
伸び悩み期にこそ必要な「声かけ」と「環境づくり」
◎ 声かけの工夫
- ✕「ちゃんと読んで!」→ ○「この部分、どう思った?」(考えを引き出す質問)
- ✕「なんで間違えたの?」→ ○「この答えにした理由は?」(過程を認める)
◎ 環境づくりの工夫
- リビング学習や、親が一緒に読むことで「安心して学べる雰囲気」をつくる
- 教科書・新聞・図鑑など身近な読み物を生活に置く(潜在的な語彙力UP)
専門家に相談すべきケースとは?
次のような場合は、塾講師・家庭教師・教育相談員などプロの支援を検討しましょう:
- 同じミスを繰り返し、1人で修正できない
- 親が教えるとケンカになる(家庭が学習ストレスの場になる)
- 学校のレベルと志望校の難易度にギャップがある
プロの視点で「どこが弱点か」を分析し、正しいルートでトレーニングすることが最短合格への近道です。
まとめ|読解力は家庭×プロのサポートで必ず伸びる
中学受験の国語は、短期間での劇的な点数アップが難しい科目ですが、地道な積み重ねと正しい方向性での学習により、確実に成果が出ます。
今すぐできる3つのステップ
- 家庭で「読む・話す・書く」の3点セットを習慣化
- 相性のよい問題集を1冊選び、繰り返す
- わからないときは迷わずプロに相談する
読解力は一朝一夕ではなく、積み重ねがすべて
- 読解力は「筋トレ」と同じ。毎日の小さな練習が、大きな力を生みます。
- 重要なのは、「継続できる方法を選ぶこと」。
- 正しい教材と、家庭+プロのWサポートで、読解が苦手な子でも必ず伸びます。
※Z会の中学受験コースのメリットや活用法を下記の記事で紹介しています。
Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法
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