「英検3級のライティングの書き方が分からない」
「英作文をしたことがないから、コツを知りたい」
このような悩みを感じている小学生・中学生は多いのではないでしょうか。
3級に合格すれば中学受験の英語入試で有利になりますし、高校入試や大学入試での優遇措置を希望している人にとっても3級は登竜門です。
ですが、英検3級で初めて登場するライティングが合格に向けてひとつの壁になりがちです。
そこで、英検3級のライティングの答え方やコツを、過去問の解答例を使って説明します。
※関連記事:英検3級の問題集
英検3級のライティング対策を説明するにあたり、まず試験内容から確認します。
英検は級によって話題が異なります。
3級のライティングで出てくるテーマは身近な話題がほとんどです。
海外旅行に行きたいか、外食は好きか、スポーツは好きか、ショッピングは好きかなど、身近な話題ばかりです。
英検のライティング問題は、英語の質問に対して英語で回答します。
3級は身近な話題について、受検者自身の意見を書かせるものが多いです。
3級のライティングは25~35語で解答します。
小学生や中学生で英作文といえば10語前後で慣れている人が多いでしょうから、この語数を難しく感じるかもしれません。
ですが、後ほど説明するように、ライティングは「書き方」を身につければかなり解きやすい問題です。
3級から毎回出てくる問題ですし、得意にしておきたいですね。
なお、25~35語の語数内に書かないと大きく減点されます。
3級のライティングの問題数は1問です。
3級の一次試験は1650点満点です。そのうちライティングは550点です。0点か550点かではなく、単語や文法の間違いなどがあると減点されていきます。
リーディングやリスニングにくらべて1問あたりの配点が非常に大きいパートです。
日本英語検定協会が示しているライティングの採点基準を紹介します。
「課題で求められている内容が含まれているか」
英検3級では課題に対して、25~35語で解答します。
自分の意見とその理由を2つ明確に書きましょう。
なお、意見(~が好き、したい)とその理由は関連していないといけません。
「英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか」
「論理的である」とは「相手に伝わりやすい流れ」と言いかえられます。
伝えたい情報の流れや展開を、適切な接続詞や言い回しを使うと伝わりやすい書き方になります。
後述する3級の定型文をそのまま当てはめれば大丈夫です。
「課題に相応しい語彙を正しく使えているか」
英語では同じ語彙や表現の繰り返しを嫌います。
代名詞や同じ意味の別の表現を使って、自分の意見とその理由を十分伝えられるようにしましょう。
「文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか」
同じような形の文の繰り返しにならないように、「For these reasons」のように多様な表現パターンを適切に使用して、自分の意見とその理由をより効果的に伝えられるようにしましょう。
3級の一次試験は1650点満点で1103点以上が合格点です。67%が合格ラインです。
ライティングは配点が550点あるので、そのうち400点以上を取っておきたいです。
3級のライティングの配点や語数などについて把握したところで、合格点を取れるライティングの書き方を紹介していきます。
※関連記事:英検3級ライティングの練習問題
英検には定型文(テンプレート)があり、もちろん3級にもあります。
まず、定型文で書くようにしましょう。定型文だけで15語ほどあり、その流れに沿って内容を考えれば良いので書きやすいです。
これだけでかなりライティングで点を取りやすくなります。
結論→理由①→理由②
上記の順に書きます。
実際の出題を例に取って定型文を説明します。
「誕生日にどこに行きたい?」
という質問です。この質問への回答方法を例にして定型文の書き方を説明します。
この質問では「どこに行きたいか」を聞いています。
このように、3級では疑問詞を使う質問や「Yes/ No」を聞かれる質問が多いです。
Yes/ Noどちらでも採点には関わりません。
まず、結論から書きます。
I want to go to an Italian restaurant with my family on my birthday. (14語)
(誕生日には家族と一緒にイタリアンレストランに行きたいです。)
「Where?(どこ?)」と聞かれているので、「イタリアンレストラン」など「場所や地名」を入れて書きます。
Do you~?と聞かれたら、I ~と答えましょう。
I like~ | 私は~が好きです。 |
I want to~ | 私は~がしたいです。 |
My favorite ~ is …. | 私の好きな~は…です。 ※「What is your favorite ~?」と聞かれた場合の答え方 |
自身の結論を書いたら、つづいて1つ目の理由を書きます。
First, I like eating pizza and spaghetti. (7語)
(まず、私はピザやスパゲッティが好きです。)
FirstやFirstly、First of allのような表現を文頭に持ってきます。その後はI~のように書くと書きやすいです。
First, | 一つ目に、 |
Firstly, | |
First of all, | |
One reason is that | ひとつの理由は、 |
To begin with, | まずはじめに、 |
In the first place, |
つづいて、2つ目の理由を書きます。
Second, I want to order some special desserts there. (9語)
(第2に、そこで特別なデザートを注文したいです。)
2つ目の理由を書くときには、SecondやSecondlyで書きだすと便利です。
ここでもI want to~やI like~の書き方をすると書きやすいです。
Second, | 2つ目に、 |
Secondly, | |
In the second place, | |
Also, | また、 |
合計で25~35語以内に収まるように気をつけましょう。
もし合計で36語以上になりそうなら書き方を変えるか、内容を変えましょう。
解答が書けたら必ず見直しをしましょう。
以下の項目をチェックすると間違い(減点)を減らせます。
ライティング減点方式です。できるだけ簡単な単語や文法を使いましょう。
前述の模範解答でも中学1・2年生で習う英文法しか使っていません。関係代名詞や現在完了のような高度な英文法も、使わないほうが良いでしょう。
※関連記事:be動詞と一般動詞を使い分ける練習問題
解答は結論から書きますが、解答内容を考えるときには理由から考えましょう。
2つの理由を書くのに、単語がわからなかったり文法に自信がなかったりする場合もあります。
その場合は別の理由を考えるか、結論自体を変更して新たに書きやすい理由を考えましょう。そのほうが時間をかけずに減点されない解答を書けます。
ライティングでは「減点されない解答」を書くのが高得点のコツです。従って、受検者自身の本当の意見を書く必要はありません。
意見の良し悪しよりも、質問と解答にずれがないか、単語・文法の使い方に間違いがないかがポイントです。
書きやすいほうの意見・理由を書きましょう。
3級の一次試験は50分です。そのうちライティングは15分以内に解くのが望ましいです。
ライティングの回答までの時間配分は以下のように組み立てると良いでしょう。
全体の構成を考える | 3分 |
本文を書く | 10分 |
見直しをする | 2分 |
合計 | 15分 |
ライティングのコツを把握できたら、次はそのコツを活かしてライティングの仕方を身につけられるようにしましょう。
おすすめのライティング勉強法を紹介します。
まず、3級の過去問を解いて出題傾向や難易度を把握しましょう。
この時点では解けるかどうかよりも、レベルを感覚的に知るのが目的です。
つづいて、先に紹介した定型文(テンプレート)を意識して英作しましょう。
ライティング対策次第で3級の得点は大きく変わります。できれば毎日ライティングの練習をしましょう。
解答を書けたら誰かに添削してもらいましょう。
参考書を見て1人で添削することも不可能ではありませんが、自分より英語力上位者に添削してもらうほうがはるかに的確で効率が良いです。
ライティングに使える表現を覚えておけば文の接続を適切に行うことができ、減点を少なくできます。
以下の表に、3級のライティングで使える便利な表現をまとめています。
I like~./ I like~ing. | 私は~が好き。/ 私は~するのが好き。 |
I want~./ I want to~. | 私は~が欲しい。/ 私は~したい。 |
I enjoy~ing. | 私は~するのを楽しむ。 |
with my family/ my friends | 家族/友だちと一緒に |
before~ | ~の前 |
after~ | ~の後 |
everyday/ every week/ every month/ every year | 毎日/毎週/毎月/毎年 |
every spring/ summer/ fall/ winter | 毎年春/夏/秋/冬 |
It’s very interesting. | それはとても興味深いです。 |
It’s very fun. | それはとても面白いです。 |
It’s very beautiful. | それはとても美しいです。 |
It’s very popular. | それはとても人気です。 |
My favorite ~ is…. | 私の大好きな~は…です。 |
3級ライティングに使える表現を覚えたら、実際に英作文で使って慣れましょう。
過去問集をはじめ、ライティング対策に特化した問題集を使うと効果的に実力をアップさせられます。
英検3級は「理由2つ」を考える必要があります。
幼児や小学生には理由をすぐに考えるのは意外と大変です。
親子で理由を2つ言い合うゲームをすると、効率よく、そして楽しくライティング対策ができます。
これを親子で実践してみてください。早ければ数日つづけると理由を思いつくのが早くなります。
なお、このゲーム(ライティング対策)は「お題の決め方」がポイントです。
子どもの年齢に合わせて、子どもが理由を思いつきやすい身近なテーマからはじめるとやりやすいです。
好きなスポーツ、好きな科目、好きなアニメなど。
慣れてきたらライティング問題集や過去問題集を使って演習してみましょう。
それでは、英検3級のライティング対策にはどの問題集を使えば良いでしょうか。
おすすめのライティング問題集を紹介します。
いずれもAmazonのPRリンクをつけているので、気になるものがあればリンク先で詳細を確認できます。
英検3級の英作文に必要な構成力、アイデア力、語彙力を多量の演習で養えます。間違いやすい文法・語法も頻度順に掲載されており、ライティングの力をかなりアップさせられます。
利点:難易度が高く、英検3級の合格レベルを越える力が身につくので、本番がやさしく感じられます。
出版社:アスク出版
旺文社による分野別の英検3級対策問題集で、ライティングに特化しています。
大量の練習問題が掲載されており、ライティングのレベルアップに集中的に取り組めます。
利点:3級合格のカギとなるライティングを徹底的に練習できます
出版社:旺文社
英検3級に必要な単語や熟語を文で覚える方式の問題集です。
1語1語暗記するのではなく、長文を読みながら「意味」と「使い方」の両方を覚えられます。
アプリで音声も聞けるので、リスニング・スピーキングの練習もできます。
利点:単語・熟語の勉強だけでなく、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングすべてレベルアップできます。
ここまでお伝えしてきた英検級のライティング対策の仕方を実践すれば、独学でもかなり得意になれるはずです。
ただ、本番まで時間がない人や、もっと効果的に対策したい人には英検対策の塾やスクールもおすすめです。
そのメリットを紹介します。
※関連記事:英検対策の塾の選び方と効果的な英検対策のポイント
前述のように、英検3級ライティングは定型文があります。
独学だと「この書き方で良いのかな?」と迷うときもあります。
ですが、英検対策に慣れた塾やスクールなら定型文に沿って、正しい表現で指導してくれます。
ライティングが苦手になる理由は人それぞれです。
単語力が足りないのかもしれませんし、3級によく出る話題のネタをもっと仕入れるほうが良いのかもしれません。
英検対策に慣れた人に見てもらえば苦手の原因をすぐに突き止めて対策ができます。
英検3級は高度な対策が必要です。
合格までのカリキュラムを個別に組んでもらって対策すれば、時間効率の良い勉強ができます。
ライティングは添削が重要です。
問題集の模範解答例を照らしあわせて自身の回答が良いのかどうか判断に迷います。
塾なら専門の講師に添削してもらえるうえに、受講者の実力や性格、年齢に合わせて書きやすい回答パターンも一緒に考えてくれる場合もあります。
英検3級を受ける幼児・小学生・中学生の多くは学校の勉強や中学受験対策も同時並行しています。ライティング対策にばかりあまり時間を回せません。
独学でも英検は「いずれ」合格できるでしょう。ですが、問題は「間に合うかどうか」です。
ここまでお伝えしてきたように、塾を利用すると「時間効率の良い対策」を受けられます。
この記事では、幼児・小学生・中学生を対象にして英検3級のライティング対策の仕方を説明してきました。
幼児・小学生・中学生が英検対策をするのにおすすめのオンライン家庭教師を2つ紹介します。
いずれも各社のHPにつながるPRリンクをつけています。
資料請求や無料体験などで「自身に合うかどうか」を確認してみましょう。
最初に紹介するのは英語専門のオンライン塾、オンライン家庭教師です。講師は日本人が多いようです。
学校の定期テスト対策や受験対策もしていますが、特に強いのが英検対策です。
小学生でも英検準1級や2級などのハイレベル級に挑戦している生徒が多くいます。
英検1級まで指導可能な講師が多く在籍しているのも強みです。
日本人講師メインの英会話スクールです。
「質問したいけれど英語でどう聞いていいか分からない」
「英文法の解説を英語で聞いてもピンとこない」
英検3級くらいまではこうしたジレンマを抱えている人は多いです。
ワールドトークでは97%が日本人講師で、詰まったときには日本語で質問でき、日本語での解説を聞くこともできます。
外国人講師と英語で話すのにまだ抵抗感のある子におすすめです。
・お気軽コース 月額3,300円
・基本コース 月額5,500円
・イチ押しコース 月額6,600円
・集中コース 月額11,000円
・徹底コース 月額22,000円
※無料体験レッスンあり
ライティングは3級合格に非常に重要です。
では、英検3級合格にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
※関連記事:【中学受験の英語】幼児期・小学校低学年から家庭で始められる英語学習の仕方
まず、小学生にとっては中学受験の英語入試対策になります。
受験資格を得られる、入試得点に加点されるなど、いくつもの優遇制度を利用できます。難関中学でも英語入試で合格を取るのが当たり前になってきています。
また、英検対策をとおして中学入試の英語面接の対策にもなります。
※関連記事:中学入試で英検®が使える神奈川、埼玉、千葉の私立中学一覧
※関連記事:中学入試で英検®が使える東京の私立中学一覧
※関連記事:中学入試で英検®が使える関西の私立中学一覧
中学受験を予定していない小学生や中学生にとっては高校入試の優遇が非常に大きなメリットになります。
高校入試では2級に合格できれば大きな優遇を受けられます。首都圏や関西圏などでは、すでに難関高校合格者の多くが英検2級の取得者です。
※関連記事:高校受験の英検優遇制度
3級は2級に向けた登竜門です。
ここで実力をつけて合格できれば、2級受検に向けて弾みをつけられます。
中学校の英語の授業では、3年生で英検3級レベルまで習います。
中学2年生までに3級取得まで勉強を進められれば、学校の予習になります。
授業を理解しやすくなり、定期テストでも良い点数を取りやすくなります。
いかがでしょうか。
幼児・小学生・中学生向けに英検3級のライティング対策について、英作文の書き方やコツを説明しました。
3級では25~35語の英語で身近な話題について受検者自身の意見を理由とともに書きます。
定型文で書くのはもちろん、英作文で使える表現をいくつか覚えておくと便利です。記事内にある使える表現の一覧を覚え、問題集を使って練習しましょう!
This website uses cookies.