神奈川にある公立中高一貫校の適性検査対策をお伝えします。
神奈川では私立中学だけでなく公立中高一貫校も人気があり、難易度も非常に高いです。
そこで、この記事では県立相模原中等教育学校の試験情報を紹介し、適性検査の傾向と対策を説明します。
6年間の教育環境だけでなくその後の進路にも大きな影響を与える受験ですから、しっかり情報収集して対策したいですね。
※関連記事:公立中高一貫校の魅力とは:学校の種類や入試制度について解説
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※関連記事:Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法
神奈川には5校の公立中高一貫校があります。
県立相模原中等教育学校の入試対策について、概要から紹介します。
県立相模原中等教育学校の偏差値は男子68、女子68です(首都圏模試センターより)。
ただし、公立中高一貫校の偏差値は参考程度にとどめておきましょう。当日の問題によって大きく得点が変わります。
±10くらいの幅で捉えるほうが良いでしょう。
県立相模原中等教育学校の進学実績は下記のとおりです。
国公私立大学(一部) | 現浪 | 現役 |
北海道 | 2 | 1 |
東北 | 2 | 2 |
東京 | 3 | 3 |
一橋 | 2 | 2 |
東京工業 | 8 | 8 |
東京医科歯科 | 1 | 1 |
横浜国立 | 9 | 9 |
京都 | 4 | 3 |
早慶上理 | 107 | 98 |
※最新の状況はHPなどでご確認ください。
県立相模原中等教育学校の選抜方法を確認します。
県立相模原中等教育学校の選抜方法は以下の表のとおりです。
志願資格 | 神奈川県民の小学6年生 |
募集定員 | 160名 |
調査書 | 6年生4-12月までの9教科の成績 ※国語・社会・算数・理科・音楽・図画工作・家庭・体育・外国語 |
適性検査 | 適性検査Ⅰ、適性検査Ⅱ |
調査書と適性検査の比率 | 調査書:適性検査=1:6 |
※最新の状況はHPなどでご確認ください。
概要が分かったところで、県立相模原中等教育学校の適性検査対策を問題ごとに見てみましょう。
県立相模原中等教育学校の適性検査の出題方針は主に以下のとおりです。
主に科学・論理的思考力及び社会生活実践力の基礎的な力をみること
神奈川県立中等教育学校入学者決定検査問題 出題のねらいより
つづいて、県立相模原中等教育学校適性検査の対策方法を見ていきましょう。
まず適性検査Ⅰから紹介します。適性検査Ⅰは算数・国語を中心としており、対話文や資料を読んで問題に答えます。
日常生活に関係のある内容が題材として選ばれます。例えば、以下のような資料が提示されます。
児童2人が「相模野基線の成り立ちや長さの測り方」について調べ学習をし、その結果をまとめた表を提示して説明をしている場面設定です。
スタート地点からゴール地点まで、ものさしを何度も動かしてその距離を測る仕組みです。
この仕組みを使って装置を125回動かしたときの距離が何mになるのかを問う問題が出ています。
また、以下のような図形の問題も出題されます。
箱の積み上げ方についてルールが提示され、そのルールに従って積み上げます。
そのうえで、下記の問題に答えます。
適性検査Ⅰではさらに、以下のような問題も出ています。
オリジナルのゲームが提示され、そのルールが資料や会話で説明されます。
そのルールどおりゲームをして勝つにはどうすればいいか、対策方法が問われます。
適性検査Ⅰには受検生自身の意見を記述する問題も出ます。
例えば、6人の児童が全校児童集会で他学年の児童と交流するというイベントを相談している会話を読みます。
その会話内容をもとに、「あなたなら他学年の児童と楽しく交流するためにどのような活動を提案するか?」を問われ、70~80字以内で記述します。
制限時間(45分)に比べて問題文が長いです。
設定されたルールを理解し、解答を出すまで試行錯誤をする必要があります。
計算に手間取ってしまうとその時間が足りなくなる恐れがあります。
日ごろから速く・正確に計算する練習をしておきましょう。
算数で苦手単元が1つもないようにしておきましょう。
適性検査は問題数が少なく、1問あたりの配点が高いです。速さ・割合・図形などで苦手分野が1つでもあると、その問題が影響して得点が大きく下がります。
さらに適性検査Ⅱでは、「条件を論理的に整理して解く力」が問われます。
前述の問題のように、数名の児童の発言内容とオリジナルのゲームルールから状況を整理します。
『5分で論理的思考力ドリル』(Amazonのリンクつき)などで練習すると条件を整理する力がつきやすいです。
また、数字ロジックやロジックパズルを使うと楽しく論理性や集中力を養えます。
※関連記事:子ども向けロジックパズル
小学校では地元の地理や歴史も習います。校外学習やグループ学習(相談、発表)など、児童が自分たちで調べ、考える学習スタイルが取られることが多いです。
この授業に積極的に参加しましょう。
前述の出題例では相模野基線が扱われています。
地域学習で学んだ内容が入試に出るとは限りませんが、地域学習で発表をがんばると「考察の仕方」を学べます。
問題集を解くだけでは得られない生の体験ですから、小学校の授業に前向きに取り組むようにしましょう。
相模原中等教育学校の適性検査では80字以内の作文が課されます。
作文として文字数が少ないので、書き方をマスターしておかないと少ない字数内で必要な内容を書ききれません。
相模原の80字の作文で書く内容は以下の2点です。
最初に「自身の意見」を明確に述べ、つづいて「その意見の理由」を説明します。
簡潔に書かないと80字を簡単にオーバーするので、過去問などを使って何度も練習しておきましょう。
適性検査Ⅱは算数・国語を中心としており、対話文や資料を読んで問題に答えます。
適性検査Ⅱでも80-90字以内程度の作文が出ています。
ローマ字表記や漢字の成り立ちなど、身近なテーマについて説明している「3つの資料」を読み、以下の2つの問題に答えます。
(1)本文内容に合致する選択肢を選ぶ問題
(2)本文内容について60-90字ほどで説明を書く記述問題
記述問題につづいて、算数や理科・社会を組み合わせて論理的に解答を導く問題が出てきます。
例えば以下のような資料が提示されます。
畑で育てる野菜について話し合っている場面です。
野菜は育てる時期や必要な畑の広さがそれぞれ異なっています。
それらを比較したうえで、いつ・どれくらいの広さの畑が必要になるかを求める問題です。
さらに日常の題材を取り上げた問題がつづきます。
論理的・科学的思考力を問う問題として、例えば以下のような資料が提示されます。
学年でサッカー大会を開催するにあたり、リーグ方式とトーナメント方式で試合数がどう異なるか、勝ち抜き方にどう違いが出るかを対話形式で説明してくれています。
大会が行われ、どのクラスがどのような結果だったかを話すのを読み(下記など)、何組が何位だったかを推測する問題です。
「5組と2組が試合をしたのはトーナメント戦だけだった」
「6組はトーナメント戦の1回戦第1試合に出場した」
まず必要なのは基礎学力です。
論理的思考力を問う問題は「考える」「読み解く」に時間とエネルギーを使います。
計算や漢字といった「作業」に時間とエネルギーを使うと、「考える」「読み解く」に回すスペックが小さくなります。
毎日計算、漢字の練習を10分でもいいので続けましょう。
問題を解く前には問題で設定されている状況や条件を箇条書きして、ポイントを整理しましょう。
相模原の問題文は長く、1問ごとに3-4つの資料と2-3ページの対話文を読みます。
情報量が多くなるため、「結局何を問われているのか?」が分からなくなってしまいます。
ですが、適性検査の問題は長い割に解答ポイントはシンプルです。設定場面の状況説明や、問題を解くのに必要なヒントの提示で資料が多くなっているだけです。
下記のように捉えて、状況や問題を解くための条件を箇条書きして分かりやすくしておきましょう。
前述のように適性検査は対話文と資料のデパートです。長い対話文と10種類にもおよぶ資料をみます。
小学校の授業でも、表・グラフが出てきたら下記の点に注意してみておきましょう。
適性検査の対策に便利な問題集を紹介します。
前述のように適性検査では思考力・分析力・表現力が求められており、それらの力をどう活かせばいいかを、問題演習をとおして身につけます。
Amazonのリンクをつけているので、リンク先でお得に購入いただけます。
算数的分野↓
理科的分野↓
社会的分野↓
出版社:朝日学生新聞社
特徴:
公立中高一貫校の教育方針に、将来、国際社会で活躍できるリーダーを育てることが
Amazonより引用
あります。リーダーには、身の回りの事象を数理的に分析・考察し、課題を解決する力、
課題を総合的に解決する力などが求められます。
算数分野の適性検査では、ものごとを数理的に分析・考察し、課題を解決する能力の
基礎が問われます。問題を解くためには、次のような力が必要となります。
●問題文を正確に読む力
●条件を整理し分析する力
●問題の本質や着眼点を見つける力
●解き方を工夫する力
●なぜ、そのような考え方、解き方で答えを求められるのか、理論的に説明する力
この本では、全国の適性検査から厳選した過去問をもとに、分野ごとに系統立てて、頻出問題の傾向と対策を伝授します。
中には難しい問題もありますが、これらの問題を解くことによって、一つひとつ求められる力を養ってください。
資料問題編↓
数と図形編↓
生活と科学編↓
出版社:東京学参
特徴:
【 公立中高一貫校適性検査対策問題集 資料問題編 】解答解説付き
●全国の中高一貫校の適性検査の問題から、資料をもとにした問題(理科・社会分野)を選び出し、10パターンに分類。
●地図やグラフ・表の読み取りなど資料を用いた問題対策に。着眼点、考え方・解き方をていねいに示した例題と的確なヒントが参考になる練習問題です。
●各単元ごとに集中的に取り組み、問題のパターンを掴めるようになりましょう。苦手単元の克服にもおすすめです。自分の力で公立中高一貫校適性検査を攻略するための一冊
Amazonより引用
・公立中高一貫校適性検査必須の出題形式「資料を使って解く問題」を完全攻略
・実際の出題から良問を精選
・資料をもとにした問題を選び、10パターンに分類
・例題で考え方・解法を身につけ、豊富な練習問題で実戦力を養う
・複合問題にも対応できる力を養う
問題のボリュームが多く、6年生がさまざまなパターンをしっかり演習するのに適しています。
東京では公立中高一貫校の難易度が非常にたかいです。
塾に行って対策するほうが良いのかなと気になるご家庭も多いと思います。
家庭だけで取り組むことも可能ですが、ラスト1-2年は塾に行くほうが便利でしょう。
子どもが4年生くらいまでなら、まずご家庭で対策しておきましょう。
具体的には下記の3点です。
塾に行く場合でもこれら3点は実施しておくほうが良いです。
算数の先取り学習や国語の長文読解の勉強には市販の問題集も便利です。
解説が丁寧で分かりやすく、繰り返し練習できます。
また、記述問題の解答にはルールがあるので、問題集でしっかり覚えて慣れておくと良いでしょう。
※関連記事:中学受験国語の記述問題を解くコツと自宅でできる勉強方法
※関連記事:中学受験国語の記述対策問題集
家庭学習に取り組まれていても、やはり5-6年生くらいになると塾で対策するほうが安心です。
必要な対策を網羅できますし、受検まで間に合うカリキュラムで勉強に取りくめます。
子どもによって得意・不得意は発生しますから、不得意内容については家庭で特訓するなどすると効果的に合格する力を養えます。
※関連記事:公立中高一貫校に向いている子・向いていない子の特徴:合格できる子になるための対策方法とは?
もし塾には行かず家庭学習のみで受検されるなら、Z会が便利です。
5年生から受けられる公立中高一貫校対策専用コースがありますし、4年生までに受けられる講座でも論理性や課題解決力、作文力を養う内容が豊富です。
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いかがでしょうか。
神奈川県立相模原中等教育学校に合格するにはどうすればいいか、過去問を使って紹介しました。
資料問題や記述問題、論理性を問う問題がたくさん出てきます。高い論理力とポイントをシンプルに整理する科学的思考力が問われる問題です。
小学校の地域学習や基礎学力の向上に積極的に取り組みましょう。初見のグラフをみて内容を的確に読み取れる力も必要です。
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