大学入試で小論文が必要になる高校生向けに、小論文の対策法を幅広く解説します。
細かな内容は以下の記事で紹介していますので、合わせてお読みください。
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大学入試では小論文を入試に活用するケースが多くなっています。
総合型選抜や学校推薦型選抜、さらには国公立大学一般入試の後期試験でもよく出題されます。
そうした入試制度を調べ、いつ頃小論文が必要になるのかを知っておきましょう。
※関連記事:学校推薦型選抜(公募推薦・指定校推薦)と総合型選抜の違い
大学入試は大学によって出題傾向が異なります。特に私立大学では同じ大学でも学部によって出題傾向が多様化しています。
自身の志望大学・学部の過去問や募集要項をみて、出題傾向を早めに把握しましょう。
小論文はいくつかのタイプに分かれています。
小論文には大きく4種類あります。
それぞれの特徴と出題されやすい学部・学科をまとめています。
タイプ | 特徴 | 出題頻度の高い学部・学科 |
テーマ型 | 数行程度の問題文に対して解答する。 | ・旧帝大などの難関大学 ・教育学部 ・スポーツ学科、音楽などの芸術系の学科 |
課題文読み取り型 | 1000-2000字程度の文章を読み、その内容について解答する。 | 経済学部、法学部、社会学部、国際学部、医療系学部など、ほぼすべての大学・学部・学科で頻出 |
資料読み取り型 | 文部科学省や総務省などが公表しているデータが提示され、それについて解答する。 | ・情報系学部はほぼ必出 ・医学部医学科 ※課題文読み取り型と一緒に出題されることも多い |
教科型 | 英・数・物・化・生の学力を問われる。課題文読み取り型で文章が英文というケースも多い。 | ・国際系学部はほぼ必出 ・医学部医学科 ・教育学部英語科 ・理工系学部 |
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志望大学・学部の小論文入試について調べたら、一度過去問を使って小論文を書いていましょう。
書けたら解答例と照らし合わせてみます。
このとき、解答の良し悪しを自分だけで判断するのではなく、第三者に添削してもらうほうが良いです。
小論文は他者に読んで納得してもらうための文章です。誰かに読んでもらい、意見が伝わりやすいか、納得できる書き方や意見か、もっとほかの書き方はないかなどのアドバイスをもらいます。
そのアドバイスをもとにまた書いてみます。
この繰り返しで小論文は上達します。
小論文対策をするにあたって、社会の動きにアンテナを張っておきましょう。
小論文の対策自体は3か月ほどあれば間に合います。ですが、小論文に書く情報(ネタ)を多量に持っていないと何を書けば良いか分かりません。
日ごろからニュースを見る、本を読むなどして社会の動きを把握するよう努めましょう。
社会全般の動きだけでなく、専門分野に関する情報収集も必要です。
小論文の問題にはほぼ必ずその専攻分野に関するものが出てきます。
「小学校の教師になったらどのようにクラス運営をしようと考えているか」
「医療現場にAIを導入したときの課題に医療従事者としてどのように向き合うか」
「地域の高齢化にどのように対応するかアイデアを書きなさい」
上記のような「専攻分野における具体的な課題への自分の考え」を問う問題が多いです。
最近話題になっていることがらがよく出題されるので、どのような課題が現在議論されているかを把握しておきましょう。
専攻分野の情報収集以外にも、語彙力の向上にも取り組んでおきましょう。
小論文入試は600字や800字といった長い文章を書きます。日本語は同じ言葉の繰り返しを回避する傾向があるため、同じ意味の言葉や内容を複数の言い方で表現する必要があります。
語彙を増やしておくと文章を書きやすくなります。
現代文の読解問題もたくさん解いておくと良いでしょう。
小論文は「書くだけ」ではありません。前述の「課題文読み取り型」の小論文では、通常の現代文の長文と変わらない長さや難易度の文章を読みます。
短時間で文章を読み、その内容を読み取り、さらに自身の意見につなげていく必要があります。
読解力を高いレベルで備えている受験生が有利になります。
また、小論文で使われる題材は現代文の論説文とよく似たジャンルのものが多いです。長文読解を多量にしておくと語彙や背景知識をたくさん獲得でき、小論文の解答にも役立ちます。
小論文入試に関係する情報収集は早めにはじめておきましょう。
小論文の書き方に慣れるのはそれほど時間がかかりませんが、専攻分野の情報収集や現代文の読解力アップには時間がかかります。
志望大学・学部の過去問をみて、どのような知識を得ておくと小論文を書きやすいか、小論文のタイプはどれなのかなどを早めに把握し、必要な対策を取る必要があります。
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小論文には適切な構成があります。模範の構成に沿って書くと「読み手が納得しやすい小論文=点を取れる小論文」になりやすいです。
小論文は序論・本論・結論の3部構成です。
序論では設問に対する自身の意見を明確に書きます。「賛成/反対」「どうすべきと考えるか」といった内容です。
本論では自身の意見の根拠を書きます。「なぜ賛成/反対なのか」「なぜそのようにすべきと考えるのか」などです。600字以上の小論文では根拠を2つ書きます。
結論では、再度「自身の意見」を書きます。
「私は~と考える⇒なぜなら…だから⇒従って~と考える」
上記のような順で論を展開させます。
※関連記事:800字の小論文の書き方
前述のように、小論文は序論・本論・結論の3部構成です。
なかでも序論は「自分の意見(=結論)」を述べる大切なパートです。何を書くか決まっても、書き出し方で意外と悩んでしまいます。
そこで、書き出し方のコツをお伝えします。
※関連記事:小論文の結論の書き方
まず、序論は結論を伝えるパートです。自分の意見や立場を明確にします。
ここで曖昧な解答を書いてしまうと全体の得点にも大きく響きます。
例えば、「オンライン診療の課題と解決策について論じなさい」と問われているのに「オンライン診療にはいくつもの課題がある」と書いてしまうと、内容不足です。
「課題」と「解決策」を聞かれているので、「オンライン診療には〇〇という課題がある。その解決には△△が必要と考える。」のように、きっちり提示します。
序論は「結論から」書きましょう。
日本語は「理由⇒結論」の順にするのが普通なので、丁寧に書こうとすると「~なので、…と考える」のように、理由から先に書いてしまいがちです。
「…と考える。なぜなら~だからである。」と、まず結論を書き、それから理由を書くようにしましょう。
書き出し方の例を、問題パターンに合わせて紹介します。
「高齢者がスポーツをする意義についてどのように考えるか」といった問題です。最もよくある出題パターンです。
こうした問題には下記のように答えましょう。
「私は~と考える。その理由は…だ(である)。」
「どう考えるか。」と問われているので、「~と考える」と結論を書きます。つづいて、その理由を序論で簡潔に述べます。
つづいて資料をみて解答するパターンです。
「学級崩壊についてのアンケートで、1998年と2019年の結果を見て気づくことは何か。またそうなった理由を考えて書きなさい。」といった問題が出ています。
こうした問題には下記のように答えましょう。
「資料からは~という傾向が読み取れる。このようになった理由は…と考えられる。」
結果を比較して気づくことは何かと聞かれているので、「~(という傾向)が読み取れる」とまず書きます。つづいて、そうなっている理由を解答します。
3つ目のパターンは、賛成/反対の立場を明確にして、その立場の理由(根拠)を説明させる問題です。
「課題を先送りするリスクについて、賛成・反対の立場を明確にして意見を書きなさい」などの問題が出題されています。
こうした問題には下記のように答えましょう。
「私は課題を先送りすることに賛成/反対である。なぜなら~だからである。」
賛成/反対の立場を明確にすることが最初で、つづいてその理由を簡潔に書きます。
小論文は大学・学部によって導入しているかどうかが分かれます。
志望校が完全に決まるのは高3になってからという高校生が多く、いつから対策をはじめれば良いか迷うでしょう。
小論文の書き方(構成、書き出し、メモ作成など)を本格的に練習するには入試3か月からでも大丈夫です。それより前から、例えば高2の冬や高3の春からはじめている受験生も少なからずいます。
もちろん、長期間の対策をするほうが間違いなく良いですが、高3の6月くらいから集中的に時間を使って対策しても間に合います。
小論文の書き方に慣れるのはそれほど時間がかかりませんが、専攻分野に関する話題を把握するのにはかなり時間が必要です。
特に医療系学部や教育学部、国公立大学の経済学部の小論文は専攻分野について「当事者としての具体的な意見」を書かせるものが多く、一朝一夕では書けません。
最低でも6か月以上前からニュースをチェックしたり、ネタ本を読んで知識を仕入れておきましょう。
小論文をどれくらいの期間で書けるようになるかには個人差があります。志望大学・学部の小論文の難易度によってもかなり異なります。
志望大学・学部が絞れてきたら、一度過去問をチェックしましょう。小論文が課されていたら過去問をみてひとまず自分で書いてみることをおすすめします。
一度書いてみれば、対策に時間がかかりそうかを想像しやすくなります。
最後に、小論文のおすすめ参考書を紹介します。いずれもAmazonのPRリンクをつけているので、リンク先でお得に購入いただけます。
最初に紹介するのは総合型選抜・学校推薦型選抜の解説からしてくれている小論文問題集です。
小論文をはじめて書く人、推薦入試で必要になり何をどうすれば良いか知りたい人向けです。
総合型選抜とは何か、学校推薦型選抜とは何か。小論文はどう書けば良いかが書かれています。
出版社:KADOKAWA
こちらは小論文の書き方をイチから解説してくれている参考書です。
小論文と作文の違いなど、小論文を書くにあたって知っておくべき内容にはじまり、「資料型小論文」では資料のどこを見れば小論文を書けるかといった「入試で役立つコツ」をたくさん紹介しています。
練習問題は少ないので、最初に読んだら別問題集で練習をし、ときどき「これってどうだったかな?」と気になったときに戻るようにしましょう。
出版社:KADOKAWA
こちらの問題集は全国の小論文過去問を集めており、「大量に」小論文の練習ができます。全国の一般入試小論文を中心に5年分掲載されています。
10回~15回ほど書けばかなり慣れてきてコツがつかめてきます。
出版社:旺文社
最後に紹介するのは小論文を書くときに欠かせない「背景知識」を手に入れるための参考書です。
小論文入試では、専攻学部・学科の専門内容を題材にした問題がよく出ます。
教育学部なら学校のクラス運営について問われますし、医療系なら「あなたが医療人ならこの場合どうしますか?」なども問われます。
専門知識はそれほど必要ありませんが、「受験生自身の興味・関心」「その専門分野についての受験生の意見」を聞かれます。過去数年間で報道されていた内容を知らないと書けないようなものが中心です。
ところが、入試直前にネットニュースや新聞を数年分読み返すわけにもいきません。
そんなときに活躍するのがこの「完全ネタ本」シリーズです。ここ数年分の「重要トピック」と「そのトピックの概要」を分かりやすく解説してくれています。
小論文入試を受ける人には必須と言える参考書です。
専門分野ごとにシリーズが分かれているので、受験する学部に合うものを読んでおきましょう。
人文・教育系↓(文学部・教育学部全般)
社会科学系↓(社会学部、法学部、経済・経営、情報、国際)
医歯薬系↓
自然科学系↓(工学部、理学部、農学部、文理融合)
いかがでしょうか。
高校生向けに、大学入試小論文の対策法を紹介しました。
入試まで3か月あれば小論文の書き方に慣れられます。ただし、志望大学・学部によって小論文の種類や字数、難易度が異なります。早めに過去問を一度解いて、どれくらい時間がかかりそうか確認しておきましょう。
また、専攻分野の最近の話題を把握するには時間がかかるため、入試6か月以上前から手を付けておきましょう。
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