高校生向けに日本史の一問一答問題と解説を用意しました。今回は奈良時代(統治体制)です。
歴史総合や日本史探求の定期テスト対策、大学入試対策などにご活用ください!
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(1)奈良時代は中国にならって律令体制をとっていました。律令の律は現在でいう何の法律にあたりますか。
(2)奈良時代は中国にならって律令体制をとっていました。律令の令は現在でいう何の法律にあたりますか。
(3)701年に作成された大宝律令を編纂したのは、主に誰でしたか。2人答えてください。
(4)718年に作成された養老律令を編纂したのは、主に誰でしたか。
(5)奈良時代の朝廷は二官八省一台五衛府と呼ばれる官僚制でした。このうち二官を答えてください。
(6)奈良時代の朝廷は二官八省一台五衛府と呼ばれる官僚制でした。このうち八省を答えてください。
(7)奈良時代の朝廷は二官八省一台五衛府と呼ばれる官僚制でした。このうち一台を答えてください。
(8)奈良時代の朝廷は二官八省一台五衛府と呼ばれる官僚制でした。このうち五衛府を答えてください。
(9)太政官のトップは太政大臣でしたが、太政大臣は適任者がいるときだけ臨時に置かれる職でした。このことから太政大臣は何と呼ばれていましたか。
(10)各役所にはそれぞれ四等官が置かれました。4つとも名称を答えてください。
(11)身分を表す位階に応じて職務の内容や高さを表す役職が与えられていました。この制度を何といいますか。
(12)上級貴族の身分を安定させるため、五位以上の子や三位以上の孫は父祖の位階に応じて最初から高い位を与えられていました。この制度を何といいますか。
(13)畿内を五つの国に分けていたことから五畿と呼ばれていました。五畿を五つとも答えてください。
(14)全国につながる街道を7つに分けて、七道と呼ばれていました。七道をすべて答えてください。
(15)全国が国-郡-里に分けられていました。①国の統治者、②郡の統治者、③里の統治者をそれぞれ答えてください。
(16)九州の内政・外交・軍事を司るために置かれた役所を何といいますか。
(17)国家や天皇に対する罪など、重大な犯罪8種類をまとめて何と呼ばれていましたか。
(18)律令体制化では公地公民制がとられ、天皇が人民に土地を貸し出す方式でした。この方式を何といいますか。
(19)班田収授のために戸籍は何年ごとに作成されましたか。
(20)戸籍にもとづき、何歳以上の男女に土地が与えられていましたか。
(21)6歳以上の男女に与えられていた土地を何といいますか。
(22)良民男性に与えられた口分田の広さを答えてください。
(23)良民女性は良民男性より少ない口分田が与えられていました。①その割合と②広さを答えてください。
(24)班田収授をしやすくするため、土地を1町間隔で正方形に区分していました。この土地区画制度を何といいますか。
(25)当時の租税について、祖は収穫の約何%を納める税でしたか。
(26)当時の租税について、地方の特産物を納める税を何といいましたか。
(27)当時の租税について、都で10日間労役するか、代わりに布などを納める税を何といいましたか。
(28)当時の租税について、国司の命令で年間60日間以下の労役に従事する税を何といいましたか。
(29)稲の強制貸付をして利息を取り立てる税を何といいましたか。
(30)調・庸・雑徭は主に21~60歳の成人男性に課せられました。21~60歳の成人男性を何と呼びますか。
(31)正丁に対して17~20歳の成人男性を何と呼びますか。
(32)少丁は正丁の何分の1の税を負担していましたか。
(33)当時の人民は良民と賤民(せんみん)に身分を分けられていました。賤民はさらに5つのグループに分かれていました。この身分制度を何といいますか。
(34)賤民のうち、天皇に使えて公有地の管理などをしていた人々の種類を3つ答えてください。
(35)賤民のうち、豪族に使えていた人々の種類を2つ答えてください。
(36)陵戸・官戸・公奴婢が班給された口分田は良民のそれとくらべてどれくらいの広さでしたか。
(37)家人・私奴婢が班給された口分田は良民のそれとくらべてどれくらいの広さでしたか。
(38)祖を課せられる田を何といいますか。
(39)祖を課せられない田を何といいますか。
(40)正丁は何人に1人の割合で徴兵されていましたか。
(41)徴兵された正丁は警備任務が割り当てられました。そのうち宮中の警備を行う兵士を何といいますか。
(42)九州の防衛を行う兵士を何といいますか。
(43)諸国に配置された兵士を何といいますか。
筋肉食堂から宅食サービス開始!【筋肉食堂DELI】(1)刑法
(2)行政法・民法
(3)刑部親王・藤原不比等
(4)藤原不比等
(5)神祇官・太政官
(6)中務省(なかつかさしょう)・式部省・治部省(じぶしょう)・民部省・兵部省(ひょうぶしょう)・刑部省(ぎょうぶしょう)・大蔵省・宮内省
(7)弾正台
(8)衛門府・左衛門府・右衛門府・左兵衛府・右兵衛府
(9)則闕の官
(10)長官(かみ)・次官(すけ)・判官(じょう)・主典(さかん)
(11)官位相当の制
(12)蔭位の制
(13)大和国、山城国、摂津国、河内国、和泉国
(14)東海道、中山道、北陸道、山陽道、山陰道、南海道、西海道
(15)①国司、②郡司、③里長
(16)大宰府 ※太宰府ではないので要注意
(17)八虐
(18)班田収授
(19)6年ごと
(20)6歳以上
(21)口分田
(22)2段
(23)①3分の2、②1段120歩 ※1段=360歩
(24)条里制
(25)約3%
(26)調
(27)庸
(28)雑徭
(29)出挙(すいこ)
(30)正丁(せいてい)※中男ともいう
(31)少丁(しょうてい)
(32)4分の1
(33)五色の賤(ごしきのせん)
(34)陵戸(りょうこ)・官戸(かんこ)・公奴婢(くぬひ)
(35)家人(けにん)・私奴婢(しぬひ)
(36)良民と同じ
(37)良民の3分の1
(38)輸祖田
(39)不輸祖田
(40)3人に1人
(41)衛士(えじ)
(41)防人(さきもり)
(43)軍団
律令体制下では中央管制は二官八省一台五衛府と総称されていました。
各役所の名称と役割を以下の表にまとめています。
二官 | 神祇官 | 祭祀を担当 |
太政官 ↳太政大臣(則闕の官)、 左大臣・右大臣 | 行政の最高機関で、八章などの役所の管理を担当 | |
八省 | 中務省 | 天皇の詔勅起草 |
式部省 | 文官の人事 | |
治部省 | 陵墓の管理、外交 | |
民部省 | 戸籍の作成・管理、租税 | |
兵部省 | 武官の人事、軍事 | |
刑部省 | 裁判 | |
大蔵省 | 財政 | |
宮内省 | 宮中の事務全般 | |
一台 | 弾正台 | 警察、風紀粛清 |
五衛府 | 衛門府、 左・右衛士府、左・右兵衛府 | 宮城の警衛 |
律令体制下で、大和国と山城国を中心として畿内5か国と全国7つの街道が整備されました。
五畿と七道それぞれまとめています。
五畿 | 大和国 | 現在の奈良県 |
山城国 | 現在の京都府南部 | |
摂津国 | 現在の大阪府西部と兵庫県東部 | |
河内国 | 現在の大阪府西部・西南部をのぞいた地域 | |
和泉国 | 現在の大阪府の大和川以南 | |
七道 | 東海道、中山道、北陸道、山陽道、山陰道、南海道、西海道 |
五畿七道は地図にすると、以下のようになります。
奈良時代、国ごとに国司が置かれ、郡ごとに郡司が置かれました。両者には以下のような違いがあります。
国司が中央(朝廷)の意向に沿った政治を行い、その政治を実現させるために地元の有力者である郡司が協力するという位置づけです。
この違いから、任期なども異なります。以下にまとめています。
任期 | 任命方法 | 役所 | |
国司 | 6年 (のちに4年に変更) | 中央貴族が派遣される | 国衙 (こくが) |
郡司 | 終身・世襲制 | 国造(くにのみやつこ)・県主(あがたぬし)の子孫 | 郡衙 (ぐんが) |
奈良時代は天皇が土地と人民を所有するという公地公民が原則でした。この原則にもとづき、天皇が6歳以上の男女に土地を貸し出し、収穫物を一部天皇に納めるというシステムでした。
土地を貸し出す人民の把握のために戸籍が6年ごとに作成されていました。
誰に・どのくらいの広さの土地を貸し出すのかをまとめています。
人民の種類 | 口分田の広さ |
正丁(21~60歳の男性) | 2段(720歩) |
丁女(21~60歳の女性) | 1段120歩(480歩) ※良民男性の3分の2 |
少丁(17~20歳の男性) | 2段(720歩) |
少女(17~20歳の女性) | 1段120歩(480歩) ※良民男性の3分の2 |
老丁(61~65歳の男性) | 2段(720歩) |
老女(61~65歳の女性) | 1段120歩(480歩) ※良民男性の3分の2 |
陵戸・官戸・公奴婢 | ☆良民と同じ 男性:2段(720歩) 女性:1段120歩(480歩) ※良民男性の3分の2 |
家人・私奴婢 | ☆良民の3分の1 男性:240歩 女性:160歩 |
年齢によって区分がいろいろありますが、祖に関しては、6歳以上の男性は2段(720歩)で、6歳以上の女性は1段120歩(480歩)です。
以下の戸籍では、合計何段何歩の口分田が班給されていますか。
答え:11段120歩
解説:6歳以上の良民男性が3人、6歳以上の良民女性が4人なので、以下のように計算します。
2段×3人+1段120歩×4人
=6段+5段120歩
=11段120歩
租が課される田を輸祖田、祖が課されない田を不輸祖田といいます。
以下、輸祖田・不輸祖田の種類をまとめています。
田地の種類 | 意味 | |
輸祖田 | 口分田 | 天皇から人民に貸し出される土地 |
位田(いでん) | 親王や5位以上の貴族に与えられた田地 | |
賜田(しでん) | 功績のあった高位・高官にほうびとして与えられた田地 | |
功田(こうでん) | 特別な功績のあった人物に与えられる田地 | |
郡司の職田(しきでん) | 郡司の任務に就いた貴族に与えられる役職手当のような田地 | |
不輸祖田 | 寺田(じでん) | 寺院の所有地。律令体制下で班田収授の対象外とされた。 |
神田(しんでん) | 寺社の所有地で、神社の祭事や修繕費用に充てられる | |
郡司以外の職田(しきでん) | 位階に応じて与えられる田地 |
奈良時代の租税は8種類あります。以下にまとめています。
租税の種類 | 租税内容 | 財源 |
祖 | 収穫の約3% (田1段につき、稲2束2把) | 諸国 |
庸 | 10日の労役か布など | 中央 |
調 | 地方の特産物(絹・綿・布など) | 中央 |
雑徭 | 国司の命令下で年間60日以下の労役 | 諸国 |
防人 | 九州の防衛にあたる | 諸国 (主に関東地方) |
運脚 | 調・庸の都への運搬 | 中央 |
出挙(すいこ) | 稲などの強制貸付 | 諸国 |
仕丁(じちょう) | 50戸ごとに正丁2人が中央官吏の雑役を担当 | 中央 |
義倉(ぎそう) | 飢饉に備えて食料の備蓄 | 諸国 |
最後に日本史のおすすめ問題集を紹介します。
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いかがでしょうか。
高校生向けに日本史で奈良時代の統治体制(朝廷、地方、人民)の一問一答を紹介しました。
二官八省一台五衛府、五畿七道の地図、租庸調雑徭の内容、班田収授法の内容、国司と郡司の違いの説明、戸籍から口分田を計算する問題などを用意しています。
歴史総合や日本史探求のテストに出やすいので、しっかり覚えておきましょう!
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