高校生向けに日本史の一問一答問題と解説を用意しました。今回は鎌倉時代の武家社会の動きについて、初代執権・北条時政から5代目の北条時頼までの時代をまとめています。
承久の乱、御成敗式目、土地支配の様子などです。
日本史探求の定期テスト対策、大学入試対策などにご活用ください!
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(1)源頼朝の死後、源氏将軍の力を弱めるため、1203年に2代将軍源頼家の外戚である重要御家人が暗殺されました。暗殺されたこの御家人は誰ですか。
(2)比企能員が暗殺された後、政所別当に就任して「執権」と呼ばれ出した人物は誰ですか。
(3)北条時政の子で2代目の執権は誰ですか。
(4)1213年、北条義時は有力御家人である侍所別当をほろぼしました。このとき滅ぼされた御家人は誰ですか。
(5)源氏の3代目の将軍は誰ですか。
(6)1219年、3代将軍源実朝は暗殺されました。暗殺の実行犯は誰ですか。
(7)源氏の血統が途絶えたため、鎌倉幕府は京都の摂関家から人を迎えて将軍にすえました。このとき将軍になった人物は誰ですか。
(8)後鳥羽上皇は院の警護のために新たな役職を組織しました。何という役職ですか。
(9)1221年、後鳥羽上皇は鎌倉幕府をほろぼすために兵を起こしました。この戦乱を何といいますか。
(10)承久の乱のときの執権は誰ですか。
(11)承久の乱が幕府方の勝利に終わり、皇族は配流されました。そのうち、後鳥羽上皇はどこに配流されましたか。
(12)承久の乱後に配流された上皇のうち、土御門上皇はどこに配流されましたか。
(13)承久の乱後に配流された上皇のうち、順徳上皇はどこに配流されましたか。
(14)承久の乱後に朝廷を監視するために設置された機関は何ですか。
(15)承久の乱後に接収された朝廷の荘園の地頭に任命された者を何といいますか。
(16)新補地頭の取り分を定めた法定比率を何といいますか。
(17)新補率法の内容について、①11町につき何町の年貢が免除されましたか。また、②年貢とは別に地頭の取り分としていいのは、1段につき何升の加徴米でしょうか。
(18)1225年、執権の補佐役として何という役職が新たにつくられましたか。
(19)初代の連署は誰ですか。
(20)連署を設置した執権は誰ですか。
(21)1225年、3代執権・北条泰時は執権や連署の下に重要政務の決定機関として御家人11人からなる合議制の意思決定機関をつくりました。何という機関ですか。
(22)1232年、3代執権・北条泰時が制定した御家人の権利義務や所領の相続に関する規定を何といいますか。
(23)貞永式目は①源頼朝が将軍在任中だったころの判例と、②武家社会の慣習をまとめたものです。①②をそれぞれ何といいますか。
(24)5代執権・北条時頼は北条氏による独裁政治を目指しました。1247年、有力御家人である三浦泰村一族を合戦で滅ぼしました。この合戦を何といいますか。
(25)鎌倉幕府の権威が高まるにつれて御家人の領土問題にかんする裁判が増えました。1249年、5代執権・北条時頼はそうした裁判を専門に扱う機関を設置しました。何という機関ですか。
(26)鎌倉幕府はさらに権威を高めるため、京都の皇族を将軍として迎え入れることにしました。こうして迎えられた、後嵯峨上皇の子は誰ですか。
(27)鎌倉時代の御家人は一族のなかで宗家の首長が強力な統制権を持っていました。宗家の首長のことを何といいますか。
(28)惣領の下にいる一族のほかの男子を何といいますか。
(29)御家人は惣領が亡くなると、次の惣領だけでなく庶子もふくめて分けて相続していました。この相続方式を何といいますか。
(30)分割相続は女性も可能でしたか。
(31)武士の館付近にはその武士の直営の畑がありました。こうした、税を免除された武士の畑を何といいますか。
(32)鎌倉時代の武士の武芸訓練法である騎射三物を3つとも答えてください。
(33)武士が力をつけるに従って、地頭(=武士)は荘園を侵略しはじめます。地頭からの侵略をコントロールするための方法として、地頭に荘園管理を一任して、地頭から荘園領主に年貢を納入させる方法を何といいますか。
(34)地頭からの荘園侵略をコントロールするための方法として、領主と地頭で領地を分割して互いの領域での支配権を認める方法を何といいますか。
(35)地頭や荘園領主の両方から税を取り立てられるなどしたため、農民は集団で逃亡する手段に出ることもありました。この手段を何といいますか。
(36)農民からの抵抗を示す資料として、紀伊国阿氐河荘百姓等言上状(きいのくに あてがわひゃくしょうら ごんじょうじょう)があります。紀伊国は現在の何県ですか。
(1)比企能員
(2)北条時政
(3)北条義時
(4)和田義盛
(5)源実朝
(6)公暁(くぎょう)
(7)藤原頼経
(8)西面の武士
(9)承久の乱
(10)北条義時
(11)隠岐
(12)土佐
(13)佐渡
(14)六波羅探題
(15)新補地頭
(16)新補率法
(17)①1町、②5升
(18)連署
(19)北条時房
(20)北条泰時
(21)評定衆
(22)御成敗式目(貞永式目)
(23)①先例、②道理
(24)宝治合戦
(25)引付衆
(26)宗尊親王
(27)惣領
(28)庶子
(29)分割相続
(30)可能だった ※鎌倉時代後期には相続しなくなっていった
(31)佃・門田 ※佃と門田のどちらでも大丈夫です。あまり違いはありません。
(32)犬追物、笠懸、流鏑馬
(33)地頭請(じとううけ)
(34)下地中分(したじちゅうぶん)
(35)逃散(ちょうさん)
(36)和歌山県
鎌倉時代は朝廷と武家による二元支配になった分岐点的な時代です。人物名や役職名がたくさん出てくるため、苦手に感じる人も多いです。
そこで、鎌倉時代の勉強法を紹介します。
オンライン絵画教室のアタムアカデミー【ATAM ACADEMY】鎌倉時代では「執権・北条氏」を中心に勉強しましょう。
比企能員の変、承久の乱、宝治合戦、貞永式目の制定、元寇など、大きな出来事が出てくるたびに「このときの執権は誰か」も一緒に覚えます。
執権は全員「北条氏」なので、名前をバラバラに覚えようとすると途中からややこしくなります。
執権のなかでも、初代時政・2代目義時・3代目泰時・5代目時頼・8代目時宗・9代目貞時・14代目高時は順番と一緒に覚えておくと役立ちます。
鎌倉幕府は侍所、政所、問注所などさまざまな役職や機関を設置しました。
それぞれの「役割」と「初代長官(別当/執事)」を覚えておきましょう。北条氏による他氏排斥の標的になった人たちも多数いるので、テストで頻出ポイントです。
幕府と朝廷の関係性も勉強しておきましょう。
古代(平安時代まで)は奈良や京都の天皇・豪族/貴族を中心とした時代でした。鎌倉時代は朝廷と幕府の二元支配体制になります。
承久の乱で幕府が圧勝していますが、幕府と朝廷は持ちつ持たれつの関係性でした。
当初、朝廷と幕府は良好な関係でしたが藤原頼経の下向をきっかけに悪化し、承久の乱に至ります(皇族の下向を望んだ幕府の意向を後鳥羽上皇が拒否)。
ただし、幕府は乱に勝利した後も、全国を支配するのに朝廷の権威を借りるほうが何かと好都合でした。そのため、摂関家や皇族から人を派遣してもらって将軍にすえていました。
ただし、こうした将軍には実権がなく、幕府の政策についての決定権はありませんでした。あくまで「立派なお飾り」としてのみ存在意義を持たされていました。
上記のような構図がそのまま江戸時代までつづくことになります。
鎌倉幕府の役職名とその役割、また初代長官を以下の表にまとめています。
役職(機関) | 役割 | 初代長官 |
執権 | 将軍を補佐して政務を統括する | 北条時政 |
連署 | 執権を補佐して政務を統括する | 北条時房 |
侍所 | 御家人を統率する | 初代別当:和田義盛 |
政所(公文所) | 公文書を管理する | 初代別当:大江広元 |
問注所 | 御家人どうしの争いごとの裁判をする | 初代執事:三善康信 |
評定衆 | 幕府の最高決定機関 | – |
引付衆 | 御家人の土地問題の裁判をする | – |
六波羅探題 | 朝廷の監視 | – |
鎮西奉行 | 九州の統轄 | 天野遠景 |
守護 | 軍事・警察 | – |
地頭 | 荘園からの税の徴収 | – |
最後に日本史のおすすめ問題集を紹介します。
※関連記事:日本史文化史の参考書と覚え方
1冊目は日本史参考書の定番、「金谷の日本史」です。古代~近現代まで3冊と文化史1冊の合計4冊に分けて解説してくれています。
内容はオーソドックスで、教科書をさらにくわしく解説してくれています。
すべてじっくり読むというより、問題集で問題を解きつつ因果関係が分かりにくいときに参考書として使う人も多いです。
特に、共通テストを受ける人は『文化史』だけでも読んでおくと役立ちます。
出版社:ナガセ
流れを理解できるようになったら、問題演習をして記憶に定着させる必要があります。
この問題集はそんなときに便利です。
「必修版」と「完全版」に分かれており、現在の学力や志望校のレベルに合わせて選べます。
出版社:ナガセ
学研が出版している「標準レベルまで」の参考書です。教科書よりも解説がくわしく、日本史探求に苦手意識を持っている人も理解しやすいです。
定期テスト対策用の問題ページもあり、定期テスト対策、中堅レベルまでに大学入試対策に便利です。
出版社:Gakken
いかがでしょうか。
高校生の日本史の勉強用に、鎌倉時代の出来事について初代執権・北条時政から5代執権・北条時頼までを一問一答にまとめました。
和田合戦、三浦合戦、宝治合戦などの北条氏による他氏排斥、源氏将軍の衰退と摂家将軍・藤原頼経や皇族将軍・宗尊親王の迎え入れなど。
定期テストや大学入試に出やすいポイントをしっかり覚えておきましょう!
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