高校生向けに日本史の一問一答問題と解説を用意しました。今回は鎌倉幕府の滅亡です。
鎌倉時代末期の両統迭立、得宗専制政治などをまとめています。
日本史探求の定期テスト対策、大学入試対策などにご活用ください!
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(1)後嵯峨上皇は後深草天皇を無理やり譲位させ、弟の亀山天皇を皇位につけました。そのため、皇位をめぐって皇族間が分裂しました。そのうち、兄の後深草天皇の血統を何統と呼びますか。
(2)弟の亀山天皇の血統を何統と呼びますか。
(3)持明院統と大覚寺統の皇族が交互に皇位につくことになりました。この状態を何と呼びますか。
(4)元寇以降、鎌倉幕府では北条氏の惣領に権力がさらに集まるようになりました。北条氏の惣領を何と呼びますか。
(5)得宗による独裁政治体制を何と呼びますか。
(6)得宗政治では得宗の家臣にも権力が集まるようになりました。得宗の家臣を何と呼びますか。
(7)御内人の代表(トップ)を特に何と呼びますか。
(8)9代執権・北条貞時の時代、内管領の平頼綱が有力御家人の安達泰盛をほろぼすという騒動がおきました。この騒動を何と呼びますか。
(9)14代執権・北条高時の時代に内管領となって政治の実権をにぎった人物は誰ですか。
(10)得宗専制政治に対して幕府内の御家人の反発が強まり、幕府や荘園領主に対する抵抗も強まりました。こうした、幕府や荘園領主に対して抵抗する武士のことを何といいますか。
(11)後醍醐天皇は大覚寺統と持明院統のどちらですか。
(12)1324年、後醍醐天皇は腹心の部下とともに討幕計画を立てましたが露見して失敗しました。この事件を何と呼びますか。
(13)正中の変で佐渡に配流された後醍醐天皇の腹心の部下は誰ですか。
(14)1331年、後醍醐天皇は再び討幕計画を立て、全国的な内乱状態になりました。この騒動を何と呼びますか。
(15)元弘の変により、後醍醐天皇はどこに配流されましたか。
(16)後醍醐天皇が隠岐に配流されたのち、持明院統の誰が天皇に即位しましたか。
(17)後醍醐天皇が隠岐に配流された後も、後醍醐天皇の息子は楠木正成らと協力して幕府に抵抗しました。この息子は誰ですか。
(18)六波羅探題を攻め落とした人物は誰ですか。
(19)鎌倉を占領した人物は誰ですか。
(20)鎌倉幕府が滅亡したときの執権は誰ですか。
(1)持明院統
(2)大覚寺統
(3)両統迭立
(4)得宗
(5)得宗専制政治
(6)御内人
(7)内管領
(8)霜月騒動
(9)長崎高資(たかすけ)
(10)悪党
(11)大覚寺統
(12)正中の変
(13)日野資朝(すけとも)
(14)元弘の変
(15)隠岐
(16)光厳天皇
(17)護良親王(もりよし)
(18)足利高氏(のちの足利尊氏)
(19)新田義貞
(20)北条高時
1318年に即位した後醍醐天皇は2度にわたって鎌倉幕府討幕計画を立てました。
1度目が正中の変、2度目が元弘の変です。
正中の変は1324年に起こりました。後醍醐天皇が側近の日野資朝と共謀しましたが六波羅探題に見つかり、処罰されています。
後醍醐天皇は表立ってのおとがめなし、日野資朝は佐渡に配流されました。
元弘の変は1331年に起こりました。後醍醐天皇による2度目の討幕計画です。
側近の日野俊基と計画を立てましたが、六波羅探題に密告されます。
後醍醐天皇は挙兵しますが捕らえられて隠岐に流されます。共謀した日野俊基は処刑され、正中の変で佐渡に流されていた日野資朝も処刑されました。
ところが後醍醐天皇の息子の護良親王は楠木正成らとともに戦い続けます。後醍醐天皇も隠岐から脱出することに成功し、足利尊氏が六波羅探題を攻め落とし、新田義貞が鎌倉を攻め落として鎌倉幕府は滅亡しました。
鎌倉時代は出来事の順番と中心勢力の関係性を確認すると、勉強しやすいです。
鎌倉時代は1185年から1333年まで150年近くつづきました。
出来事や人物が多くて覚えにくいかもしれませんが、武家の動き、上皇・天皇の動きの両方を整理すると覚えやすくなります。
※関連記事:鎌倉幕府の将軍一覧:鎌倉幕府を開いた将軍から摂家将軍、皇族将軍まで9名の事績の紹介
まず、年表をみながら出来事の順番を把握しましょう。
元寇を境として鎌倉幕府への不満が内外から強まります。「永仁の徳政令」「悪党の出現」「得宗専制政治」といった出来事は、鎌倉幕府や執権・北条氏への不満を原因としています。
出来事の順番が分かると、出来事の関係性や鎌倉幕府滅亡までの流れを理解しやすくなります。
※関連記事:鎌倉時代の年表:鎌倉時代の戦いなどの出来事を順番にわかりやすく解説します
幕府と朝廷の関係性を重視しながら勉強しましょう。
天皇と幕府は持ちつ持たれつの関係で、形式上は天皇が鎌倉幕府に政治や対外戦を任せるというスタイルです。
幕府からすれば、「天皇に統治を任されている」という建て前があるからこそ、その権威にハクがつきます。同時に天皇(朝廷)には国内統治のための資金も軍勢もないため、幕府に統治してもらってはじめて自分たちも安定した生活を送れます。
源頼朝が全国の守護・地頭の任命権や年貢徴収権を得たのは1185年です。その後、1221年の承久の乱で朝廷と幕府の関係性は悪化し、朝廷監視のために六波羅探題が設置されます。
幕府優位な関係性ですが、元寇に対して幕府はその役割を果たし、日本国内も朝廷も平和が保たれます。
その後も天皇の息子(宗尊親王)を将軍として幕府に迎え入れるなど、互いを必要とする関係性はつづきます。
鎌倉時代末期に朝廷で異変が起こり、幕府は両統迭立によって混乱を収めようとします。ところが後醍醐天皇は自身の皇統(大覚寺統)に一本化するため討幕を決意します。
このように、幕府と朝廷の関係性を軸において鎌倉時代を勉強すると、出来事のつながりが分かりやすくなります。
執権の名前と出来事をセットで覚えましょう。
鎌倉幕府内では執権・北条氏が権力をにぎっていきます。どの執権のときに何があったのかが定期テストや共通テストでもよく問われます。
特に、初代時政・2代目義時・3代目泰時・5代目時頼・8代目時宗・9代目貞時・14代目高時は順番と一緒に覚えておくと役立ちます。
執権名と出来事をセットで覚えると、それらの問題に答えやすくなります。
最後に日本史のおすすめ問題集を紹介します。
※関連記事:日本史文化史の参考書と覚え方
1冊目は日本史参考書の定番、「金谷の日本史」です。古代~近現代まで3冊と文化史1冊の合計4冊に分けて解説してくれています。
内容はオーソドックスで、教科書をさらにくわしく解説してくれています。
すべてじっくり読むというより、問題集で問題を解きつつ因果関係が分かりにくいときに参考書として使う人も多いです。
特に、共通テストを受ける人は『文化史』だけでも読んでおくと役立ちます。
出版社:ナガセ
流れを理解できるようになったら、問題演習をして記憶に定着させる必要があります。
この問題集はそんなときに便利です。
「必修版」と「完全版」に分かれており、現在の学力や志望校のレベルに合わせて選べます。
出版社:ナガセ
学研が出版している「標準レベルまで」の参考書です。教科書よりも解説がくわしく、日本史探求に苦手意識を持っている人も理解しやすいです。
定期テスト対策用の問題ページもあり、定期テスト対策、中堅レベルまでに大学入試対策に便利です。
出版社:Gakken
いかがでしょうか。
高校生の日本史の勉強用に、鎌倉幕府滅亡の流れを一問一答にまとめました。
両統迭立(大覚寺統と持明院統)にはじまり、後醍醐天皇による2度の討幕計画(1324年の正中の変と1331年の元弘の変)、得宗専制政治への反発、六波羅探題と鎌倉を攻め落とした人物(足利尊氏、新田義貞)など。
定期テストや共通テスト対策にご活用ください。
また、以下の記事では鎌倉幕府の仕組みや鎌倉時代の出来事を一問一答にまとめています。
日本史の一問一答(鎌倉時代):初代執権北条時政から5代目北条時頼までの武士社会
日本史の一問一答:鎌倉幕府の仕組み(鎌倉幕府の成立過程、侍所別当、御恩と奉公など)
鎌倉時代の一問一答:8代執権・北条時宗の元寇や9代執権・北条貞時の得宗専制政治
鎌倉時代の文化史の一問一答
日本史の一問一答:南北朝時代(建武の新政、南北朝動乱、南北朝統一まで)
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