「中学生は一日何時間勉強するほうが良いんだろうか?」
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
何時間勉強すれば大丈夫!というわけではないものの、やはり「目安の勉強時間」は知っておきたいですよね。
そこで、大規模に行われたいくつかの調査結果を紹介しつつ、中学生に必要な勉強時間をお伝えします。難関高校を志望している人向けの必要勉強時間も紹介しているので、志望校の難易度に合わせてぜひご参考ください。
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そもそも中学生は毎日何時間くらい勉強しているのでしょうか。いくつかの調査結果を紹介します。
少し古いデータですが、OECDが2003年に行った学習到達度調査(PISA)によると、日本の中学生は1週間で6.48時間の勉強時間だったそうです。1日あたり55分です。
当時のOECD加盟国の平均が8.8時間なのでそれより1週間あたり2時間以上少なかったことになります。
特に、イタリアや韓国の12時間越えとくらべると半分程度しかありません。
OECDの調査から10年ほど経た2014年に行われたベネッセ「小中学生の学びに関する実態調査」によると、中学2年生で平均1時間25分でした。2003年のOECDの調査より勉強時間は伸びています。
ベネッセによるほかの調査でも小中高校生の勉強時間は2000年代に伸びているので、調査期間は異なりますが「中学生の勉強時間は長くなった」と言えそうです。
また、2014年のときの調査では、成績上位層・中位層・下位層に分けた結果も出ています。
それによると、成績上位層は最も長い1時間35分だったそうです(中位層1時間25分、下位層1時間13分)。
2024年に行われた塾選の調査によると、中1~中3までの勉強時間は1日あたり1時間27分だったそうです。これは「学校の授業」や「塾の授業」をのぞいた家庭学習時間です。
さらに学年別だと以下のような結果だったとのことです。
学年が上がると勉強時間は伸びていきます。特に中1→中2での時間の伸びが大きいです。
中学生になって1-2回定期テストを受け、「今の勉強時間では足りない!」と感じた子が多いのだろうと思われます。
先述のように、日本の中学生は平均1時間半勉強しています。この勉強時間は十分なのでしょうか。
2022年に中学生・高校生を対象に行われたNHKの調査では中学生の6割以上が自身の成績について悩んでいると回答しています。平均すると1日1時間半勉強しても、多くの中学生は満足できる成績を取れていない様子が分かります。
中学生に必要な勉強時間を学年別に、平日と休日に分けて紹介します。
中1・中2に必要な勉強時間は以下のとおりです。
まず、平日は1日1時間以上勉強しましょう。これは、学校の提出課題と自主学習を合わせた時間です。
また、平日1時間以上勉強をつづけ、定期テスト前に1日3時間以上勉強しておくとテスト範囲を2~3周くらいできます。
日曜日・祝日は平均して1日3時間以上は勉強しましょう。
休日なので、終日遊びに行く予定が入るときもあると思います。そんな日はあまり勉強が進まないでしょうから、ほかの休日にその分の勉強を取り返しましょう。
遊びに行く日は1時間だけ、遊びに行かない日は5時間以上勉強すれば平均して3時間以上取れます。
中3(受験生)になると、もう少し勉強時間が必要になります。「学校の定期テストの勉強」と「受験対策」の両方が必要だからです。
平日は学校の授業の復習に加え、1日30分~1時間は中1からの復習に時間を割きましょう。
中1用の応用レベルの問題集を使って実践演習を増やすなど、毎日重点科目・重点内容を決めて効率よく進めましょう。
長時間学習できる休日は、科目ごとに時間を割り振り、計画的に学習します。休けいをはさみながら集中力を維持しましょう。
いきなり長い時間勉強するのは大変ですから、「午前」「夕方」「夜」の3つの時間帯に分けて1-2時間ずつ勉強すると集中力を維持しやすいです。
「平日1時間+休日3時間」だと、1日平均2時間弱になります。すでにほかの中学生は平均1時間半勉強しているので、決して長い勉強時間ではありません。
中学に入って最初のころや、「そろそろ勉強をはじめようかな」というときには、これくらいの短さからスタートするほうが良いと考えています。
いきなり全力を出すと途中で息切れしたり、余裕がなくなってしまいます。勉強したからと言ってすぐに満足できる成績を取れるとは限りません。
「やるぞ!」と気合を入れて全力で走り切ってヘトヘトになると、テストが上手くいかなかったときに「がんばったけどムダだった」と諦めてしまいがちです。最初は長くない程度の勉強時間におさえておいて、成績がイマイチなら勉強時間を増やすなどの対策を考えましょう。
勉強は継続してナンボです。「やり切った感」がないほうが継続的に勉強しやすいです。また、「どうすれば良いかな?勉強時間を増やそうかな、やり方を変えようかな」と考える余裕があるほうが勉強の質も高められます。
中学生には、平日1時間と休日3時間の勉強時間がおすすめです。ですが、県内1~2番手の難関高校を志望している中学生の場合には、さすがにこの勉強時間では足りないでしょう。
難関高校志望者は、平日2時間以上は勉強しましょう。
学校の宿題や苦手克服はもちろん、定期テストにほとんど出てこないようなハイレベルな問題もたくさん解いておくほうが良いです。
休日には6時間以上勉強しましょう。1週間の自学習内容を復習し、特に応用問題や記述問題を解きなれておく必要があります。
難関高校志望者の多くは模試を受けています。塾で受けている子もいれば、業者模試を受けている子もいます。
模試を受けたら、サッと解答・解説に目をとおして模試を解きなおしましょう。5教科あるので、解きなおすだけで丸一日かかるはずです。
ですが、模試は最良の教材ですから、その問題を解けるように勉強するのが一番効率の良い勉強方法です。
しかも、模試では必死に頭を使って問題を解こうとしています。仮に解きかたが分からなかったり、人名や用語を思い出せなかったりした問題でも、いつもの勉強以上に学習効果が発生しています。その効果がつづいている間に「正解できる状態」にまで学力を高めておきましょう。
なお、模試の活用法を以下の記事でくわしく解説しています。
※関連記事:模試の活用法【中学生向け】:模試の対策法や模試を受けた後の勉強の仕方などを紹介
部活動と勉強の両立は時間管理がポイントです。具体的な方法を以下に示します。
平日は部活で帰宅が遅くなるため、勉強時間は限られます。そのため、以下のようにメリハリをつけた学習を心がけましょう。
休日は部活の有無や時間帯に応じて、柔軟に勉強時間を確保しましょう。
部活と勉強を両立するには、計画的にスケジュールを組む必要があります。以下に、スケジュールの立て方を順に紹介します。
運動部や吹奏楽部に所属している人ほど、すき間時間の活用は大切です。
チームでの練習がはじまるまでの10分でも勉強に回せます。以下のようなミニサイズの英単語帳や単語カードなどを持っていけば、練習がはじまるのを待つわずかな時間でもサッと勉強できます。
部活と勉強の両立をするには、以下のようなことを意識しておきましょう。
中学生に必要な勉強時間を紹介しました。では平日1時間や2時間勉強するとして、何を勉強すれば良いでしょうか。
一般的な中学生の場合、勉強の優先順位は以下の内容がおすすめです。
まず、学校の授業で習った内容の復習からはじめましょう。学校で習ってすぐだと記憶に新しいです。このタイミングで復習すると、新しい内容も早く覚えられます。
火曜日に英語と数学の授業があったなら、火曜か水曜には英語・数学の授業範囲の問題をワークなどで解いてみましょう。
授業で習った範囲をひととおり解いたら、暗記と苦手克服の勉強をしましょう。
まず、以下の内容をもれなく暗記しておく必要があります。
上記の内容は「覚えれば正解できるもの」ばかりです。これだけでテスト40-50点分くらいはあります。
学校のワークを解きながら覚えるようにすると、早く覚えられます。
また、理科の元素記号や化学反応、歴史の流れを苦手にしている人向けに、以下の記事でくわしく解説しています。
【理科】
中学生が覚えておくべき元素記号の一覧:覚えやすい語呂合わせと練習問題付き
【中3化学】塩酸の電気分解:塩酸に電気を流したときの化学反応の解説と練習問題
中2理科の酸化銅、塩化銅、硫化銅の化学式の一覧と実験内容
化学反応式の作り方:元素記号や分子の書き方、原子の数の合わせ方の解説と練習問題
【社会】
歴史の流れをわかりやすく解説
日本史の年表:縄文時代から昭和までの重要な出来事を年代順に一覧で紹介
暗記や苦手克服にあまり時間を取られなくなってきたり、定期テストで70点を越えるようになってきたら応用問題の演習に勉強時間を回すようにしましょう。
テストで安定して80点以上取るには、応用問題の正答率を上げる必要があります。基本問題にくらべて難しく感じるでしょうが、それでも解き方に一定のパターンがあります。
特に数学は応用問題を解きなれると、基本問題でもミスが減ります。
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いかがでしょうか。中学生の必要な勉強時間について紹介しました。
平日は毎日1時間以上、休日は3時間以上勉強しましょう。難関高校を志望している中学生は平日2時間以上、休日は5時間以上の勉強が必要です。
ときどき解きなおしをして「本当に解けるようになっているか?」を確認しながら進めてみましょう。
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