分数の割り算は、少し難しく感じるかもしれませんが、基本的なルールを理解すれば簡単にできるようになります。
分数同士の割り算では、割る分数を「ひっくり返してかけけ算にする」という手法を使います。
この記事では、分数の割り算の基本的な考え方や、よくある間違いを防ぐためのポイントを紹介します。大切なポイントをしっかり理解して練習問題を解けば、分数の割り算をスムーズに解けるようになります。
また、小数の計算方法については以下の記事でくわしく解説しています。
【4年生算数の問題】小数のたし算とひき算の計算問題と文章問題(ハイレベル含む)
分数のわり算の仕方は大きく3つの手順に分けられます。
分数の割り算では、まず割る数(後ろにくる分数)を「ひっくり返す」ことがポイントです。この「ひっくり返す」操作をすると、割り算が掛け算に変えられて計算しやすくなります。
たとえば、「2/3 ÷ 1/4」を考えてみましょう。
この問題では、「1/4」を「ひっくり返して」逆数の「4/1」に変えます。すると、問題は「2/3 × 4/1」になります。
このように、割り算をかけ算に変えてから次のステップに進みます。
割り算がかけ算に変わったら、次は簡単なかけ算のステップです。分数のかけ算では、分子(上の数)どうしと分母(下の数)どうしをかけ合わせます。
さっきの「2/3 × 4/1」を例に考えましょう。
このようにして、計算結果は「8/3」になります。これで分数のかけ算が完了しました。
かけ算が終わって出た答えが「8/3」なら、必要に応じて分かりやすい形に直してみましょう。この場合、8を3で割ると「2あまり2」となるので、帯分数「2と2/3」に直すことができます。
帯分数に直すと、小数のようにわかりやすくなることも多いので、問題によって分数の形を変えられると便利です。
分数の割り算にはいくつかのパターンがあり、それぞれに合った解き方を知っておくと便利です。
ここでは、「分数同士の割り算」「分数と整数の割り算」「帯分数の割り算」の3つのパターンについて解説します。
分数同士を割る場合、計算の仕方はとてもシンプルです。
割る数(後ろの分数)を「ひっくり返して」かけ算に変えるだけです。この操作をすると計算がぐっと簡単になります。
【例】
割る数を「ひっくり返して」、逆数に変えます。
掛け算に変えた式を書きます。
分子どうし、分母どうしをかけます。
最後に、約分をしてできるだけ小さい数字にします。
分数を整数で割るときは、整数を分数の形に直し、割り算を掛け算に変えます。この方法で、分数同士の掛け算と同じように計算できます。
例
整数の2を分数になおします。
割る数を「ひっくり返して」、かけ算に変えます。
分子どうし、分母どうしをかけます。
帯分数(「2と3分の1」のように整数と分数が一緒になった形)を割り算するときは、まず帯分数を仮分数に変えます。その後は分数同士の割り算と同じ方法で計算します。
例
まず、帯分数を仮分数にします。
次に、割り算をかけ算に変えます。割り算の分数は「ひっくり返して」計算します。
かけ算をして、分子と分母をそれぞれ掛けます。
最後に、結果を帯分数に戻します。15/8は1 余り 7 なので、帯分数で表すと以下のようになります。
このように、帯分数の割り算はまず仮分数に変えてから、割り算をかけ算に変えて計算します。
分数の割り算では、割る数を「ひっくり返して」掛け算に変える理由があります。分数を使った割り算が苦手でも、この「ひっくり返す」考え方がわかると、計算がとてもシンプルになります。小学生向けに、なぜ「ひっくり返す」とよいのか、わかりやすく説明します!
まず、割り算のときに「ひっくり返す」とは、分数の上下を入れ替えることです。
たとえば、1/4の分母と分子をひっくり返すと4/1になります。
この「ひっくり返す」という操作をすると、割り算が掛け算に変わり、計算しやすくなります。
「ひっくり返す」ことで、割り算の意味が掛け算の意味とつながるからです。たとえば、2個のリンゴを半分ずつ(1/2ずつ)にわけたら、何個できるでしょう?この計算は、以下のように表せます。
このとき、1/2を「ひっくり返して」2/1にし、かけ算に変えます。すると、次のようになります。
このように、「ひっくり返して」かけ算にすると割り算が計算しやすくなり、正しい答えが得られます。
図を使うと、「ひっくり返す」考え方がもっとわかりやすくなります。
たとえば、1つのホールケーキを4分の1に分けている図があったとします。これをさらに2人で分けたときに、1人あたり最初のケーキの何分の1をもらうのかを考えるのに使えます。
下の図の青くぬった部分が1人あたりのケーキです。
以下のような計算式になります。
この「ひっくり返す」操作を覚えておくと、分数の割り算がスムーズに解けるようになります!
分数のわり算では、いくつか「間違いやすいポイント」があります。そのポイントを紹介し、防ぎ方を説明します。
分数の割り算では、割り算をそのままで計算してしまうことがよくあります。しかし、分数を割るときには「分母と分子をひっくり返してかけ算にする」というルールがあります。例えば、以下のように計算します。
↓
分数のわり算をそのまま計算するのではなく、上記のように2番目の分数(「÷」の右にある分数)を上下ひっくり返してかけ算に変える必要があります。
もう一つよくあるミスは、分数の掛け算で分母と分子を逆に掛けてしまうことです。
かけ算の場合、分子同士をかけて、分母同士をかけるのが正しい方法です。例えば、以下のような計算です。
まず分子の2と5をかけて、次に分母の3と4をかけます。つまり、以下のような計算式です。
となります。
分数の計算でよくあるミスの一つに、約分を忘れてしまうというものがあります。
例えば、先ほどの計算の結果として出てきた分数(10/12)をそのままにしてしまうことです。しかし、実際には分子と分母に共通の数字があるので、約分して簡単な形にすることができます。
最後に、計算後に結果を帯分数に戻さないこともよくあるミスです。
たとえば、10/3という答えをそのままにしてしまうと、帯分数ではなく仮分数のままになってしまいます。仮分数のままでも計算は合っていますが、帯分数に戻すことで、より理解しやすい形になります。以下のように、帯分数にできます。
約分する理由は、分数をより簡単で理解しやすい形にするためです。また、約分を忘れると計算結果が正しいのに見た目が少し不自然だったり、他の計算をするときに間違った答えを導く原因になったりします。
分数の計算では、最後に必ず約分を忘れずに行うようにしましょう!
分数の割り算でよくある間違いは、割り算をそのままにしてしまうこと、分母と分子を逆にかけてしまうこと、そして帯分数に戻さないことです。
これらの間違いを防ぐためには、割り算をかけ算に変えること、かけ算の順番に気をつけること、約分ができないかチェックすること、そして最後に結果を帯分数に戻すことが大切です。
それでは、ここまで説明した内容をふまえて、分数のわり算の問題を解いて練習しましょう!
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(1)答え:2
割り算の分数では、割られる数をそのままにして、割る数(右側の分数)をひっくり返して掛け算をします。
(2)
(3)
整数で割るときは、整数を分数に直して計算します。
(4)
(5)
(6)
答え:2
(7)
(8)
(9)
(10)
分数の割り算では、割られる数はそのままで、割る数(分数)をひっくり返して掛け算に変えることが重要です。
整数の場合は、整数を分数に変えて計算します。割り算を掛け算に変えて、約分も忘れずに行いましょう。
分数の割り算をする際には、「ひっくり返す」ことが大切なポイントです。分数同士の割り算では、割る分数を逆数にしてかけ算をすることで、計算を簡単にします。
また、整数を使う場合でも、整数を分数に直して計算することを忘れないようにしましょう。約分も重要な作業で、計算後に必ず約分をすることで、答えが最も簡単な形になります。
練習を重ねて、分数の割り算をマスターしましょう!
また、4年生や5年生の算数におすすめの問題集を以下の記事で紹介しています。
小学4年生におすすめの算数問題集
小学5年生におすすめの算数問題集
ドリルで毎日少しずつ取り組む場合には以下のドリルがおすすめです。
This website uses cookies.