中学受験をするときに、塾は第1志望校合格に向けて大きな武器になります。ひと昔前なら中学受験は集団塾が当たり前でした。今はその状況がかなり変わりつつあります。
個別指導塾と集団塾の併用や、個別指導塾のみで受験対策をしている家庭もかなり多くなっています。
個別指導塾には集団塾のようなカリキュラムがありません。中学受験対策を任せて本当に大丈夫なのでしょうか。
結論を言うと、個別指導塾だけで中学受験対策は問題ありません。
むしろ、子どもの自主性を育てながら受験勉強をしたいご家庭には個別指導塾のほうが合っています。
今回の記事では、個別指導塾の特徴と中学受験に向けてどのように活用すればいいのかを説明いたします。
この記事は下記の方向けです。
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そもそも、個別指導塾のみで中学受験対策をして、合格できるのでしょうか。
結論から申し上げると、合格可能です。
理由は、合格に必要な勉強にしぼった対策を受けられるからです。
ただし、塾に行って授業を受けて終わり、家に帰って宿題をして終わり、にならないように注意が必要です。
個別指導塾だけで中学受験する人は少なからずいます。
個別指導塾だけで合格を勝ち取るにはどうすればいいか、その方法をまとめました。
集団塾であれば入試までのカリキュラムがあり、そのカリキュラムをこなせば合格できるとされています。
同様に、個別塾だけで受験対策をする場合も「最初に合格戦略を立てましょう」。
などです。学習方針を最初に決めておけば、その後の学習計画もこれに沿って決めれば良いだけになります。
受験する中学校の入試までの学習計画を作成しましょう。
計画は週ごとや月ごと、あるいは教材ベースでも大丈夫です。あまり細かくし過ぎると「計画をこなすための勉強」になってしまいかねません。
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個別指導なので、学習ペースや内容を子どもにある程度合わせられます。
など、子どもの性格やご家庭の要望を伝えておきましょう。
定期的に模擬試験を受けて、試験の形式や時間配分に慣れることが重要です。
模擬試験の結果を分析して弱点を洗い出し、それに対する対策を練りましょう。
個別塾の授業時間は集団塾にくらべて短いのが一般的です。その分、家庭学習に多くの時間を回せます。
など、塾側と相談して家庭学習と塾の授業内容をセットで組み立てましょう。
学習した内容を定期的に復習し、定着させることが大切です。
個別指導のメリットを生かして、理解度の確認や追加の説明を受けながら復習を進めましょう。
学習計画に最初から復習の予定を入れておくと便利です。
適切な休息や運動、栄養を心掛け、生活のバランスを保つことも受験勉強で重要です。
健康な体とリラックスした心が学習にプラスの影響を与えます。
定期的に家族で出かけるなど、リフレッシュするタイミングを設けるようにしましょう。
各家庭で、塾代に回せる予算があると思います。その額を大まかに塾に伝えておきましょう。
個別塾は月謝も講習会費用も家庭によって異なります(授業回数によって変わります)。そのため、予算を事前に伝えておけば、良心的な責任者なら予算内で学習効果を最大化する方法を模索します。
最後に、学習計画も授業内容もリフレッシュする頻度なども、家庭あるいは塾が一方的に決めるのではなく、相談しながら進めるほうが良いです。
月2回くらいは電話で家での様子を塾に伝え、塾での様子を聞き、責任者と定期的にコミュニケーションをとりましょう。
塾に通って受験対策する場合、
個別指導塾を利用している人はどれくらいいるのでしょうか。
以前であれば、集団塾・個別指導塾の位置づけは下記のとおりでした。
そのため、中学受験対策をするなら「当然、集団塾」と考える人が大半でした。
ところが、この状況はかなり変わってきています。
下記のグラフは小学生全般を対象に、通塾している子向けに集団塾と個別指導塾のどちらに通っているかを調査した結果です。
個別指導塾に通っている子は45.2%、
集団塾に通っている子は49.2%とほとんど同じです。
塾といえば今や2人に1人は個別指導塾なのです。
この変化は中学受験生の塾通いにも表れています。
中学受験を予定している子を対象に、塾の授業形態(集団・個別など)を調査した下記の結果をご覧ください。
集団学習を受けている子が全体の62.7%と1番多いですが、
個別指導塾に通っている子も25.9%います。
4人に1人は個別指導塾で中学受験をする時代なのです。
それでは、中学受験生が個別指導塾で受験対策をするメリットは何でしょうか。
個別指導であれば、生徒一人ひとりの学習スタイルや進度に合わせて授業内容や進捗を調整することが可能です。
子どもが苦手にしている範囲に重点的に取り組み、効果的に補強できます。
分かりにくい単元や解説が出てきても、個別指導なら子どもが理解できるまで質問できます。
特に、「分からない」と感じたその場で質問できるため疑問をすぐに解決でき、子ども自身、解けるようになっていくのを実感できます。
個別塾では生徒の進捗や家庭の都合に合わせて授業回数を調整できます。
週5日ペースで受講することも可能ですし、もう少し余裕を持った通塾スタイルにしたい場合は週2日も可能です。
子どもは自分の進度や理解度に合わせて学べるため、学習意欲が向上しやすくなります。
理解を深める過程で自信がつき、モチベーションを維持しやすくなります。
集団塾にはよく「〇〇中学対策コース」があります。〇〇中学を中心に、いくつかの中学校の入試対策を実施しています。
個別塾では、生徒の志望校「だけ」に合わせた対策が可能です。
志望校の出題傾向に沿った問題を扱い、過去問も志望校のものだけ。完全に志望校に特化した対策を受けられます。
中学受験では志望校が変化することはよくあります。
子どもの学習進度
志望校の新たな情報
親の希望の変化
など、さまざまな理由で入試直前まで志望校は変化しえます。
志望校が変わっても個別指導ですから即座に授業内容を変更できます。
中学受験で集団塾を選ぶのにもいくつかのメリットがあります。
中学受験の集団塾では、志望校に合格するための道筋であるカリキュラムを作成しています。
毎年の受験対策でつちかわれたノウハウであり、そのカリキュラムをしっかりこなせれば合格の可能性は高いと言えます。
クラスメイトと一緒に学ぶことで、お互いに刺激を受け競い合うことができます。
週テストや模試での競い合いや、塾終わりに一緒に帰る時間の共有などを通じてモチベーションの向上が期待できます。
集団塾は通常、複数の生徒を同時に指導するため、授業料が相対的に低く抑えられています。
同じ合格を勝ち取るのに費用を抑えられるなら、費用対効果が高いと言えます。
集団塾では、模擬試験が定期的に行われています。
模試によって目的も異なっており、直近2ヵ月の学習内容の定着を見るものやもっと広い範囲で実力がついているかを見るものもあります。
緊張感のある雰囲気で、えんぴつの音がカリカリと聞こえる環境での試験を繰り返し受けると、試験慣れにもつながります。受験本番に向けての準備が進みます。
指導者の経験とノウハウの充実
集団塾には受験指導経験豊富な指導者が多く在籍しており、多くの生徒を指導してきた経験からくるノウハウが生かされます。
中学受験において押さえておかないといけないポイントを生徒に指導できます。
中学受験では集団塾、個別塾それぞれにメリットがあり、絶対にどちらが良いかは言いきれません。
ではどのようなときに個別塾を選択すべきか、以下にまとめました。
生徒が個別の学習ニーズや課題を抱えている場合、そのニーズに合わせた指導を受けるため個別塾を選ぶ場合があります。
個別塾では、生徒が志望する中学校や受験科目に合わせて対策を進めることができます。
そのため、志望校ごとの適切な対策を重点的に進めたい場合に個別塾を選ぶこともよくあります。
バレエや野球、サッカーなど、それまで何年も続けてきた習い事を5-6年生で辞めたくない。
こういうケースはよくあります。
集団塾では習い事と塾の授業日程が重なってしまう場合もよくありますし、宿題の量が多くて習い事を続けられない場合もあります。
塾から習い事をやめてほしいと直接要請されるケースもあります。
そんなときに個別塾に切り替えて習い事と受験勉強の両立を図るご家庭も多いです。
集団の中で自己主張するのが難しい子や、理解できなくても質問に行けない子にとって、集団授業はメリットが小さいかもしれません。
中には、授業内容を理解できていないのにまじめな表情で聞いているので「この子は理解できている」と塾の先生に見過ごされていた子もいました。
個別授業なら、自己主張が苦手な子も、自分から質問しなくても先生から質問されます。また、理解できているかどうか問題を解いて確認され、間違っていれば解説・演習を繰り返されます。
中学受験で個別塾を選ぶ際の注意点をまとめました。
個別塾の指導者の質や経験は非常に重要です。
個別塾の指導者はたいてい大学生です。大学生はまだまだ指導経験が浅く、小学生の受験指導の注意点をよく知らないことがあります。
入塾を検討される際には「小学生の指導歴があるか」を確認しておきましょう。
先生1人で同時に教える生徒の数は個別塾のなかでもバラバラです。1回の授業時間と生徒何名までなのかを確認しておきましょう。
例えば授業が1回90分で生徒が2名までとすると(1対2の授業)、生徒1人あたり45分間の個別指導を受けられる計算です。
ですが、授業が1回60分で生徒が4名までだとすると(1対4の授業)、生徒1人あたりたった15分間の個別指導しか受けられません。
中学受験は問題の難易度が高く、解説の頻度がたくさん必要で、1問の解説にも時間がかかります。
先生1人で教える生徒数が多くなるとそれだけ学習効率が下がります。
指導内容やカリキュラムが、生徒の学力や志望校に合ったものであるか確認しましょう。
毎回の授業範囲を決めている必要はありませんが、「いつまでに」「どこまで」学習を進めるかという大まかなスケジュールを立てるのは必須です。
その塾がどれだけ受験対策に力を入れているかを確認しましょう。
など、受験に必要な様々な対策が充実しているかどうかを考慮します。
個別塾の学習環境が子どもに適しているかどうかも確認しましょう。
教室の雰囲気や自習室の静かさや座席数の充実、教材の提供など。
他の生徒が来る時間帯になると騒がしくて勉強に集中できない、自習席が足りないとなると勉強がはかどりにくくなります
個別塾は集団塾と違い、講習会の授業回数は生徒によって異なります。
月謝だけならたえられる負担であっても、講習会を入れると厳しくなるケースもあります。
オプションの契約内容や費用については十分に理解し、途中での解約や変更の際のルールを確認しましょう。
最後に、個別指導塾に入って中学受験対策をはじめる前にやっておくと良いことを紹介します。
※関連記事:中学受験準備:いつから始める?どういう子が中学受験で有利になる?
まず、志望校の入試問題(過去問)に目をとおしておきましょう。どういう問題が出るのか、どれくらいむずかしそうなのかをみておきます。
中学受験経験のある保護者の方であれば、問題をみたときに「難しそうかどうか」「どこで点を取りたいか」が何となくイメージできる場合がよくあります。
塾に入れても自宅での勉強時間もかなり必要です。授業と自習で毎日塾に通ったとしても、塾の空いていない曜日もあります。そういうときはご家庭で勉強をみてあげる必要があります。
入試問題のイメージを塾の先生だけでなく保護者の方も持っておくと、自宅学習の際に子どもに「この問題、入試に出てきたのと似てるね!」といった話をしてあげられます。
塾を決める前に算数の先取り学習だけでもはじめておきましょう。
中学受験の算数は勉強に時間がかかります。小学校5-6年生の算数全範囲をベースにして、受験レベルの算数の勉強も必要です。
小学校の算数を学習し終えていると受験レベルの算数の勉強をはじめやすいです。塾に入ってもしばらくは算数は小学校の先取りになります。
1日でも早くはじめるほうがいいので、塾に入る前からはじめておきましょう。
なお、学校の授業で習っていない範囲を勉強するわけですから、理解できる箇所やむずかしく感じる箇所が人によってかなり分かれます。RISUやZ会などのタブレットを使うとAIが要復習単元(問題)を選んでくれますから、効率良く学習を進められます。
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中学受験生の4人に1人は個別指導塾だけで受験対策をしています。
個別指導塾での受験対策は、授業・宿題以外の自由時間が比較的長くとれるという特徴があります。
子どもの自主性を育てながら受験勉強に励むスタイルを取りたい方はぜひ検討してみてください。
また、個別指導は対面だけでなくオンライン個別指導もあります。
オンラインだと、保護者の方が仕事で忙しくても塾への送迎や準備をする必要がありません。共働き家庭にとって非常に便利な授業形態です。
しかもリビングで授業中の様子をみられます。
※関連記事:【中学受験】オンライン家庭教師だけでできる受験対策の仕方:メリットと始め方
また、オンライン授業のようにリビング学習で中学受験に向かうなら、通信教育もおすすめです。
中学受験の専門コースも開設され、多くの小学生が難関中学にも合格を勝ち取っています。
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