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【小学生向け】読書感想文の書き方を例文付きで解説:角川の推薦図書や原稿用紙の使い方など

夏休みの小学生と親を悩ませる宿題は、自由研究と読書感想文ですよね。

算数や国語とちがって、学校では読書感想文の書き方指導はほとんどありません。
文章を書くには特別なトレーニングが必要です。どう書いていいか・何を書いていいか本当に困ります。

※関連記事:小学生の文章力をアップさせるおすすめのトレーニング方法を紹介!(例文付き)

そこで、小学生の読書感想文の書き方をくわしく説明します。本の選び方から清書までお伝えしますので、ぜひ参考になさってください。

この記事は下記の方向けです。

  • はじめて読書感想文の宿題に取り組む方
  • 毎年読書感想文の宿題に悪戦苦闘している方

小学生の読書感想文におすすめの本

読書感想文におすすめの本を紹介します。

『それで、いい!』


それで、いい! (本はともだち♪ 26)

対象学年:1、2年生

あらすじ:

絵を描くのが大好きな、きつね。上手下手なんて考えもせず、夢中で絵を描いていました。あるとき、先生がきつねに展覧会に絵を出品するように勧めました。きつねは「みんながおどろくような、すごい絵を描く!」と意気込みます。だけど、なにを描いてもすごい絵なのかどうかわからず不安ばかりが募ります。あんなに絵を描くのが楽しかったのに、いまはちっとも楽しくないのです。とうとうきつねは絵を描けなくなって……。

人に認められることは、自信を持つことにつながります。だけれど、認められることばかりに気を取られてしまうと、人の目を気にして、自分自身の気持ちや考えをどこかに置き忘れてしまうこともあるものです。
きつねも、そうでした。ただただ、描きたいものを描きたいように描くことが大好きだったのに、みんなに「すごい絵」と、思わせたいという気持ちが強くなると、描いても描いても満足できず、描いても描いてもこれではいけないような気持になっていました。
そして、だんだん、描くことが苦しくなってしまうのです。

この物語は、子どもたちに、あなたはあなたのままでいい、と語りかけます。
人の目を気にしないで、やりたいことと、やりたいようにしていいのだ、と。
そのままのあなたが、すばらしいのだ、と。

Amazonより引用

『よるのあいだに…:みんなをささえる はたらく人たち』


よるのあいだに…

対象学年:1~3年生

あらすじ:

わたしがパジャマにきがえるころ、ママは、でかける。たいせつな仕事にいくんだ。
町のあんぜんをまもる警察官や、たいせつなニュースをつたえるレポーター。
わたしがねているよるも、たくさんの人たちがはたらいて、みんなのくらしをささえてくれている。

私たちが生活する中で、なかなか直接目にすることのない、夜間にはたらく人たちの仕事を、子ども目線のやさしい表現で追いかける絵本です。

Amazonより引用

『ライスボールとみそ蔵と』


ライスボールとみそ蔵と

対象学年:3、4年生

あらすじ:

古い蔵で手作りみそを作る家に生まれたジュンは、
お父さんから「もっとみそに興味を持って」と言われるのがいやでたまりません。
そんな時、ロンドンからの転校生、ユキちゃんに「蔵を見せてほしい」とたのまれます。
これがきっかけで、ジュンの心はだんだんと変化して…。
ジュンがみそ蔵で思いついたアイデアとは?

Amazonより引用

『魔女だったかもしれないわたし』


魔女だったかもしれないわたし (わたしたちの本棚)

対象学年:5、6年生

あらすじ:

スコットランドの小さな村で、二人の姉と両親と共に暮らす自閉の少女・アディ。昔、「人とちがう」というだけで魔女の烙印を押され命を奪われた人々がいることを知ったアディは、その過ちの歴史を忘れぬよう村の委員会に慰霊碑を作ることを提案するのだが……。
「わたしも魔女にされていたかもしれない――」魔女として迫害されていた人たちのなかには、自分のような人が含まれていたのではないだろうか……?
先生や友だちからの偏見、自閉的な姉からの理解と、定型発達の姉との距離、人とのちがいを肯定的に捉える転校生との出会い……。「魔女狩り」という史実に絡めて多様性の大切さを訴えつつ、ニューロダイバーシティの見地から自閉の少女の葛藤と成長を描いた感動作。

Amazonより引用

読書感想文の書き方

読書感想文を書く手順とコツを5つお伝えします。

  1. 本を選ぶ
  2. 本を読む
  3. 構成を決める
  4. 下書きをする
  5. 清書する

それぞれ説明します。

本を選ぶ

本の選び方は2パターンあります。「親が勧める」「子どもが自分で選ぶ」です。

どちらが良いというのはなく、それぞれにメリットがあります。

  • 親が勧める → 子どもの読書や世界観の幅を広げられる
  • 子どもが選ぶ → すでに知っているテーマだから深く考えやすいし、書きやすい

子どもに選ばせようとして、なかなか選べなさそうなら親が勧めてあげてもいいですね。

小学生が読書感想文を書きやすい本を選ぶ

親が本を勧めてあげるとき、考えれば考えるほど、調べれば調べるほど「教育的な本」「知識がたくさん身に付く本」を選んでしまいますよね。

そういう本は子どもがなかなか興味を示さないことが多く、読書感想文を書きにくくなります。

下記のような本を選ぶと、子どもが読書感想文を書きやすくなります。

  • 仲間と一緒に力を合わせて冒険するストーリー
  • 苦難を乗り越えて主人公が成長するストーリー
  • 現実世界とはビジュアルが大きく違っている(キラキラしている)世界を描いた本
  • 実際にあった話をもとにしたストーリー
  • 登場人物が同世代
  • 著者が子ども向けシリーズをたくさん書いている

本を読む

読書感想文は「本を読む」「感想文を書く」という2段階の作業なので、時間がかかるイメージがあります。

ですが、むしろすぐに終わらせている子が多いです。

ベネッセの調査によると、7割以上の子は読書感想文を3日以内に終わらせています

ベネッセ教育情報サイト「読書感想文 7割以上が3日以内で仕上げ まずは早めの課題図書選定を」をもとに作成

本を決めたらすぐ読んでしまって、ササっと書き上げようとしている子が多いのでしょう。

本は2回以上読むほうがいいです。
1回だとあらすじがわかる程度で、書くべき感想もあまり出てきません。

本のあらすじをながながと書いている読書感想文がよくありますが、急いで終わらせようとした結果です。
急いでも2-3日はかかるわけです。2-3日かけて本のあらすじを書いて終わりだと、ちょっともったいないですよね。

2回目以降の読書はストーリーがわかった状態なので時間がかかりませんし、内容やセリフで気になる箇所がたくさんみつかります。

気になった箇所に付箋を貼りましょう。ついでに、「なぜ気になったのか」を書いておくと、感想文を書く段階で非常に便利です。

構成を決める

読書感想文は3つの段からなります。それぞれ文例つきで説明します。

  • はじめの段
  • 真ん中の段
  • 終わりの段

はじめの段

「どのような本を読んだか」「なぜその本を読んだか」を書きます。

【文例】
母が子どものころに読んで面白かったという本を読みました。『~』という本で、ネズミの兄弟が旅に出て助け合いながらさまざまな経験をするというストーリーです。

真ん中の段

読んでみて気になった内容・心に残ったセリフなどを紹介し、なぜそれが気になったのか、自分がどう感じたのかを書きます。

【文例】

ネズミの兄弟が大きな川を渡らないといけなくなり、おくびょうな兄ネズミは川の水におびえて動けなくなったシーンがありました。弟ネズミはこわがっている兄ネズミをはげましてこう言います。

「こわくても前に踏み出さないといけないときがあるんだ!」

そう言われて兄ネズミは「よし!」とがんばって川に飛び込みます。

このシーンを読んだとき、僕が感動しました。僕はドッジボールが苦手です。ボールが近くに転がってきても、ほかの子にボールを預けてしまいます。弟ネズミにはげまされて、がんばった兄ネズミを見習おうと思いました。

終わりの段

本を読んでみてどう感じたかを改めて書きます。読書後にした行動があれば、それも書いておきましょう。

【文例】

身体の小さいネズミの兄弟がお互い助け合いながら大きな世界を旅して成長していく姿をみて、とても感動しました。こわいから、苦手だからとあきらめずに、僕もいろいろなことにチャレンジしてみようと思いました。明日にでも友だちとドッジボールをすることにしました。

上記の文例ではちゃんとした文を書きましたが、
実際にはまだメモ書き程度で十分です。

下記のような感じです。

・兄弟が川を渡るシーン。兄おびえる。弟はげます。兄渡る。こわいのに飛び込むのすごい。ドッジボール。

これをノートにずらずらとメモ書きしていくか、本に貼った付箋にメモしておきます。

下書きをする

いきなり原稿用紙に書いていくのではなく、下書きをつくります。
この段階は保護者の方のかかわりが大きくなると思います。

1回読んだところで子どもに声かけをして、考えるきっかけを作ってあげましょう。

  • 「どうしてこの本を選んだの?」
  • 「どういう内容だった?」
  • 「兄ネズミと弟ネズミはどういう性格?」
  • 「読んでみてあなた(子ども)はどう感じた?」

2回目はこうした点を念頭に置いて読むので、本を読みながら読書感想文の内容を考えられます。

ここで感じたことなどをノートや付箋に書いていきましょう。

清書する

清書するときは、原稿用紙の使い方を意識して書きます。

原稿用紙の使い方は下記のとおりです。下記のZ会の画像に合わせて説明します。

 ①右端の行にタイトルを書く、2~3文字空けて書きだす
 ②2行目に自分の名前を書く、姓と名の間に1文字空ける、1番下の1文字を空ける
 ③3行目から本文を書く、書き出しは1文字空ける
 ④小さい「つ」「や」「ゆ」「よ」は1つのマス目の右上に書く
 ⑤各行の1番下のマス目に句読点がくるときは、最後のマス目と一緒に書く
 ⑥「」の書き方は新しい行に書く、終わりの句点は「」のなかに書く

Z会「原稿用紙の使い方」より

読書感想文は何のためにあるのか

毎年夏になるとやってくる読書感想文。
そもそもなんのためにあるのでしょう。

まず読書感想文の目的から確認していきます。

親子をなやませる読書感想文

読書感想文の嫌いな小学生は多いです。

夏休みに最後まで読書感想文が残る子は半分近く(47.7%)もいます。「楽しみを最後まで取っている」という可能性もありますが、なかなか手を付ける気にならないのでしょう。

イオレ「小学生の親1300人に聞いた、夏休みの宿題アンケート」をもとに作成

同じ調査で、親が手伝うことになる宿題も聞いています。

自由研究(49.3%)や工作(34.3%)も上位にありますが、
そのなかで読書感想文(39.2%)もしっかり第2位にランクインしています。

自由研究や工作は親もやりたいからというケースも少なくありませんが、
読書感想文にはそういう声はあまり聞こえてきません。

親が乗り出さないと進まないというのが本音でしょう。

イオレ「小学生の親1300人に聞いた、夏休みの宿題アンケート」をもとに作成

読解力・表現力を養う

あまり人気のない読書感想文ですが、何のために毎年宿題にでるのでしょうか。

目的は2つあります。

  1. 読解力をつける
  2. 表現力をつける

本をじっくり読み、じっくり考え、その考えを相手にわかりやすく伝える力を養うのが目的です。

物語文を読んで情緒力を養い、
自分が感じたことを文字にして表現することで論理性の訓練にもなります。

小学校では「1・2年生」「3・4年生」「5・6年生」の3つの段階にわけて、表現力を段階的に伸ばしていく指導をしています。

この目的を意識しながら読書感想文に取り組むと、学習効果をあげるきっかけにできるかもしれませんね。

※関連記事:国語の長文読解を短期間で伸ばす勉強法

中学受験・高校受験で記述や作文が必須

近年の中学受験・高校受験では記述問題や作文の出題が増えてきています。

※関連記事:【中学受験】国語の勉強法と入試出題傾向を解説
※関連記事:人気急上昇中の公立中高一貫校の魅力とは?私立中との入試制度の違いや対策方法

「思考力・判断力・表現力の育成」が文部科学省の指導方針なので、それに沿って「文章を書く力」がすべての小・中・高校生に求められているからです。

Z会の通信教育でも小学校1年生から作文を書く課題を定期的に出しています。

Z会の通信教育 小学生コース

※関連記事:小学生向けオススメの通信教育5社を比較:通信教育のメリットや学習習慣をつける方法

読書感想文を「読解力・記述力をあげるための機会」として捉えると、実はかなり便利な宿題になります。

まとめ

いかがでしょうか。読書感想文の書き方をお伝えしました。

本を読んでから3日以内に読書感想文を書き終えている子が7割います。急いで書くと本のあらすじを書いているだけになりがちです。

1回読み終わった後に保護者の方から声かけをして、本文の構成をあたまのなかに作る準備をしてあげます。
この準備ができてから、付箋を貼ったりメモをしたりしながらもう1度読むようにしましょう。

このひと手間で読書感想文をかなり書きやすくなります。

文部科学省は小学生の「書く力」を非常に重視しています。文章を書く練習をしておきたい方は、おすすめの市販教材をこちらの記事で紹介しています。

※関連記事:文章力・記述力をトレーニングするおすすめのドリル・問題集

また、感想が「すごいと思いました」ばかりになっていたら、語彙力がピンチです。

語彙力が乏しいと長文の読み取りもむずかしくなります。国語辞典をつかって語彙力と読解力を上手にたかめましょう。

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satoru

福地 暁です。 個別指導の塾を経営しています。 これまで3000組以上のご家庭を担当させていただきました。 中学受験、高校受験、大学受験、英検・TOEIC対策、中学生・高校生の定期テスト対策など、さまざまな学習支援をしています。 みなさまの学びにプラスになる情報をお伝えしていきます! よろしくお願いします。 1男1女の父。 どうやら娘には「甘いパパ」と思われているようで、 アイスやジュースをねだるときは必ずパパのところにきます。

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