「小学生のころは英語が好きだったのに、中学校で嫌いになった…」
「英文法は、最初のほうは簡単だったけど途中からむずかしくなった…」
「解説をみたらわかるけど、自力で問題を解けない…」
という、英語嫌いな中学生は本当に多いですね。
特に、中学校で英語が嫌いになった人は、
不定詞・助動詞・前置詞・動詞
の4つの文法を苦手にしていることが多いです。
中学校でも高校でも英語は必須科目です。
得意にできるものなら得意にしたいですよね。
そこで、
この4つの文法について1記事1文法ずつ、
教科書や一般的な参考書と少しちがう角度からシリーズ的に解説していきます。
最後におすすめの文法参考書・問題集を紹介します。
この記事は下記の方向けです。
※関連記事:中学英語の文法一覧
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【中学生向け】Z会タブレットコースの進め方:成績上位を取って難関校に合格する方法を解説
不定詞とは「to + 動詞の原形」です。英文法のなかでも、不定詞を苦手にしている人は多いです。
不定詞には用法が3つあります。
1つ1つ、使い方と意味を確認します。
※関連記事:【中学英語の問題】不定詞3用法の使い分け
「to + 動詞」で名詞のような役割を果たします。
文のなかで主語、目的語、補語として使われ、
「~すること」と訳します。
(例文)I like to read books. (私は本を読むことが好きだ。)
上記の例文では、to read(読むこと)がlike(好き)の目的語として使われています。
以下の記事で名詞的用法についてくわしく解説しています。
不定詞の名詞的用法とは:「~すること」の訳と主語・目的語・補語の3つの役割を解説
「to + 動詞」で直前の名詞や代名詞を修飾しています。言いかえると、形容詞のような役割を果たします。
「~するための、~すべき」と訳します。
(例文)I want something to drink. (私は飲むための何かが欲しい。→私は飲み物がほしい。)
上記の例文では、to drink(飲むための)がsomething(何か)という名詞を修飾しています。ただし、和訳するときには「飲むための何か」ではなく「飲み物」とするほうが自然です。
以下の記事で形容詞的用法についてくわしく解説しています。
不定詞の形容詞的用法:意味や使い方、不定詞のほかの用法との見分け方を例文つきで解説
「to + 動詞」で副詞のように動詞を修飾する役割を果たします。
文によって目的や原因・理由を表します。
目的を表すときは「~するために」、
原因・理由を表すときは「~して」と訳します。
(例文)I studied English hard to become an English teacher. (私は英語の教師になるために英語を一生懸命勉強した。)
上記の例文では、to become(なるために)がstudied(勉強した)を修飾しています。
以下の記事で副詞的用法の使い方についてくわしく解説しています。
不定詞の副詞的用法とは何か:「~するために」だけじゃない?3つの意味や使い方を例文付きで解説
不定詞の3つの用法は意味や使い方がバラバラです。3つの用法を1つの表にまとめると以下のようになります。
用法の種類 | 意味 | 用法 |
名詞的用法 | ~すること | 主語、補語 |
形容詞的用法 | ~するための、~すべき | 目的語 |
副詞的用法 | ~するために、~して | 目的、原因・理由 |
意味や用法がたくさんあって、覚えるのが大変です。
日本語に訳すのもどれがいいのか迷ってしまいます。
そこで、不定詞の簡単な見分け方・訳し方をお伝えします。
前述のように、不定詞は名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法の3つにわかれています。不定詞が苦手な人はこの3つの用法の見分け方で困っていることが多いです。
不定詞の見分け方は、大きく「和訳から見分ける方法」と「文の要素から見分ける方法」があります。それぞれ説明します。
不定詞が出てきたらまず和訳してみましょう。
「どんな日本語にすれば自然かな」と考えて和訳します。何パターンか試してみて、「一番しっくりくる訳」がたいてい正解です。
前述のように、不定詞は「~すること」「~するために」「~するための」などの訳し方をします。
例えば、下記の英文を3つの用法で訳し分けるとこうなります。
I went to the park to play tennis.
名詞的用法:私はテニスをすることを公園に行った。
形容詞的用法:私はテニスをするための公園に行った。
副詞的用法:私はテニスをするために公園に行った。
どれが1番自然でしょうか?「副詞的用法」が1番自然ですね。
「どの用法になるか?」と問題で聞かれたら、「副詞的用法」が正解です。 「自然な和訳になるもの」を探せば、おのずと正解にたどりつきます。
不定詞の役割は「文と文をつなぐこと」です。不定詞が出てきたら、どの文とどの文をつないでいるかを確認するようにしましょう。
例えば、下記の例文をご覧ください。
I went to the park to play tennis.
(私はテニスをするために、その公園に行った。)
この文を2つにわけると、こうなります。
この2つの文に間に「to」を入れて1つの文にくっつけているのです。
ちなみに、2つの文をくっつけるのは「and」も同じです。andを間に入れても同じ意味になります。
I went to the park and played tennis.
(私は公園に行って、テニスをした。)
いかがでしょうか。
不定詞はこのように2つの文をつなぐ役割を果たしています。
不定詞のtoが出てきたら、「どの文とどの文をつないでいるか」を確認すると文全体の意味を取りやすくなります。
文全体の意味がわかれば、前述のようにどの用法が使われているかも見分けやすくなります。
不定詞は2つの文をつないで1つの文にします。
もとは2つにわかれていた英文ですから、和訳するときに、どちらの文を先に訳すか迷うときがあります。
その場合、不定詞のtoがついているほうを先に訳しましょう。
前述の例文を使って説明します。
I went to the park to play tennis.
「went to the park(公園に行った)」
「play tennis(テニスをした)」
という2つの文があります。日本語にする順番が違うと意味が変わります。
「私は公園に行くためにテニスをした。」
「私はテニスをするために公園に行った。」
このとき、不定詞のtoがついているほうを先に日本語にします。
例文では、不定詞のtoは「play tennis」のほうについています。ですから、下記のような日本語訳になります。
「私はテニスをするために(play tennis)、公園にいった(went to the park)。」
不定詞が出てきたら、toがついているのはどっちかな?を見るようにしましょう。
つづいて、不定詞の用法を「文の要素から見分ける方法」を紹介します。
文の要素とは、「主語・目的語・補語・修飾語(形容詞/副詞)」(S・O・C・M)を指します。
不定詞が文の要素になっている場合は「名詞的用法」です。
例文A: I want to go to the park.(その公園に行きたいです。)
例文B: To play soccer is fun. (サッカーをすることは楽しい。)
例文C: My dream in the future is to be a teacher. (私の将来の夢は教師になることだ。)
例文Aでは、to goがwantの目的語になっています。
例文Bでは、to play soccerが主語になっています。
例文Cでは、to beが目的語になっています。
このように、to不定詞が文の要素になっている場合は名詞的用法、つまり「名詞として扱っている」ことになります。
不定詞が文の要素になっていない場合は「形容詞的用法」か「副詞的用法」です。
この2つはさらに、不定詞の前に「名詞があるかどうか」「その名詞を修飾しているかどうか」で区別します。
直前に名詞がある | 直前に名詞がない | ||
不定詞が修飾している | 修飾していない | ||
形容詞的用法 | 〇 | ||
副詞的用法 | 〇 | 〇 |
A: 直前に名詞があり、その名詞を修飾している→形容詞的用法
(例文) This is a good way to stay healthy. (健康を維持するのにこれは良い方法です。)
to不定詞の直前にa good wayという名詞があり、「健康を維持する」が「良い方法」を修飾しています。ですので、この不定詞は形容詞的用法、つまり「形容詞として扱われている」ことになります。
B: 直前に名詞があるが、その名詞を修飾していない→副詞的用法
(例文)I went to the park to play tennis.(私はテニスをするためにその公園に行った。)
to不定詞の直前にthe parkという名詞がありますが、to play tennisが修飾していません。ですので、この不定詞は副詞的用法、つまり「副詞として扱われている」ことになります。
C: 直前に名詞がない→副詞的用法
(例文)This is book is difficult to read.(この本を読むのはむずかしい。)
to不定詞の直前はdifficultという形容詞です。名詞ではありません。ですので、この不定詞は副詞的用法、つまり「副詞として扱われている」ことになります。
toには前置詞のtoと不定詞のtoの2種類あります。どちらも同じ形ですから、ややこしく感じるかもしれません。
不定詞のtoの後ろは必ず「動詞の原形」が来ます。前置詞のtoの後ろは動詞の原形は絶対にきません。
また同じ例文をみてみましょう。
I went to the park to play tennis.
この英文には、「to the park」と「to play」の2つのtoがあります。
toの後ろの単語に注目です。不定詞のtoの後ろは「必ず動詞の原形」になるはずです。
toの後ろの単語をみてみると一方はtheで、もう一方はplayです。playは動詞の原形ですから、形だけみて「to play」のtoは不定詞だとわかります。
このように、和訳するときにややこしくなったら「toの後ろの単語は動詞の原形かな」と確認してみましょう。
不定詞の3用法の見分け方、訳し方、形での見分け方をお伝えしました。
文法が苦手な人は文法用語をあまり使わない説明を聞けば、英文法を理解しやすくなります。
イラストやイメージで解説してくれている問題集を3種類紹介します。
最初に紹介するのは「ひとつひとつわかりやすく」シリーズです。
イラストをたくさんまじえて「基礎の基礎から分かりやすく解説してくれる」ことに定評があります。
英検対策、定期テスト対策、高校生による中学英語の学びなおしに人気です。
中1内容↓
中2内容↓
中3内容↓
中学英語全般↓(どちらかというと、中学英語の学びなおし用です)
出版社:学研
特徴:
シリーズ売上累計800万部突破の大人気参考書シリーズの『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』がこの度生まれ変わりました。新学習指導要領の中学1~3年の内容に対応。3年分の学習内容がこの1冊に凝縮されています。
学研出版サイトより引用
つづいては「わからないをわかるにかえるシリーズ」です。
「ひとつひとつわかりやすくシリーズ」と双璧をなす、「基礎からじっくり分かりやすく解説してくれる系」の問題集です。
どちらも同じくらい丁寧な解説をしていて、使っている人からすれば評価はどちらも高いです。どちらが良いかは個人の好みによりますが、強いて言うなら「わからないをわかるにかえる」のほうが説明している情報が多いです。
「わからない」にも階層があり、そのすべての階層を「わかる」に変えようとしているのが「わからないをわかるにかえる」シリーズの特徴です。
中1内容↓
中2内容↓
中3内容↓
中学英語全般↓(高校入試対策)
出版社:文理
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ニガテなところがどんどんわかる!
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1回分は見開き2ページ。左のページで文法を確認し,右ページの練習問題を解いて実力をつけます。まとまりごとに「まとめのテスト」で定着度を確認します。★音声CDで【わからない⇒わかる】!
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文理より引用
3冊目は「チャート式」です。
参考書編と問題集編に分かれており、参考書編は英文法のポイントを丁寧に解説して理解しやすくしています。
参考書編をみながら問題集編を解くと、「どこを参照すれば良いか」が分かりやすく勉強しやすいです。
中1:参考書編↓
中1:問題集編↓
中2:参考書編↓
中2:問題集編↓
中3:参考書編↓
中3:問題集編↓
出版社:数研出版
特徴:
本書は『チャート式シリーズ 中学英語 2年』の学習内容に準拠しており,豊富な演習量で学びを確実にステップアップさせる問題集です。本書のみでも学習可能ですが,チャート式参考書と合わせて使用することで,より学習効果を高めることができます。
[特長]
参考書で掲載している文法や知識を問う問題を扱っており,着実にステップアップできます。
チェック,トライ,チャレンジの3ステップ式になっており,くり返し問題を解くことで知識の定着ができます。
巻末のまとめテストで,学年の総まとめができます。
別冊解答には,チャート式参考書の対応ページが記載されており,わからないときやもっと詳しく知りたいときの調べ学習がしやすくなっています。 数研出版より引用
最後に紹介するのは東大出身者による中学英語の解説書です。
よくある参考書とは違い、対話形式で解説してくれています。
参考書を読んでもイマイチ頭に入ってこないという人におすすめです。
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過去進行形や助動詞、不定詞、接続詞、比較など中学2年生で習う英文法の基本的な並べ替え問題です。
問題は、主に中学2年生までの教科書にのっている単語を使って作られています。
定期テスト対策として文法の確認や、高校受験勉強の基礎として弱点発見などに適しています。
英語は基本問題を繰り返し練習することで文法の基礎力や単語力のアップにつながります。
【おすすめする理由】
定期テスト対策に便利です。
並び替え問題中心に対策すれば、
空所補充問題も解きやすくなります。
間違った問題がログに残りますから、
復習すべき問題も一目でわかります。
「英語が嫌い・苦手」という声はたくさん耳にします。
実際のところ、英語嫌いな中学生はどれくらいいるのでしょうか。
下記のグラフは学研教育総合研究所が行った大規模の調査の結果です。
中学生の嫌いな教科第1位は数学で24,2%、
英語は第3位で13.5%でした。
多くの集団指導塾では英語・数学の受講が必須ですが、
英語嫌いな中学生はそこまで多いわけではありません。
塾の小学生向けのコースでは国語・算数がメインで、
英語は「オプション扱い」が多いです。
なぜ、中学生対象のコースになると
英語がそこまで重視されるのでしょうか。
英語が嫌いになる時期や
嫌いになった原因に理由があります。
小学校5、6年生から英語は必須科目です。
ですが、小学生の間に英語が嫌いになる人はかなり少数派です。
下記のグラフは英語嫌いな高校生を対象に、
英語がいつ嫌いになったかを調査した結果です。
英語が嫌いになった時期で1番多かったのは
「中1の後半」(26.6%)でした。
中1のそれ以外のタイミングもあわせると、
実に6割の人が中学校1年生の間に英語が苦手になっているのです。
小学生の間は英語をそこまで嫌いにならないのに、
なぜ中学校1年生になって急に嫌いになるのでしょうか。
英語嫌いの中学生にその理由を聞いた調査では、
という理由が多かったようです。
言いかえると、英語が嫌いな中学生も、
「小学生の間は英語が理解できて、楽しかった」
ということになります。
なぜ、小学生のころは理解できて楽しかったのに、
中学に入ってすぐ理解できず、
楽しくなくなったのでしょうか。
その理由は、小学校と中学校の英語授業の進め方の違いにあります。
下記のグラフは、
中学1年の1学期の英語の授業と、
小学校5、6年生のころの英語の授業の違いを
中学1年生に調査した結果です。
8割以上の中学1年生が
小学校のころと違いを感じています。
この違いは、文部科学省の方針でも規定されています。
文部科学省「外国語活動・外国語編(平成29年7月)」によると、文部科学省は小学校高学年からの英語教育で音声でのやり取りを重視しています。
理由は、中学校でいきなり4技能すべてを伸ばすことが困難なためです。
小学校では音声(話す・聞く)をつうじて英語に親しみ、
中学校では書く・読むを本格的に導入して英語を使えるようにする方針です。
小学校:音声メイン
↓
中学校:読み書き追加
という変化が、
中学に入って早々に英語がわからなくなる原因になっていると言えるかもしれません。
教科書の説明でわかりにくいときは、
勉強の仕方を変えてみましょう。
※関連記事:【中学生】塾なしで成績アップできる定期テスト勉強方法とは?:家庭学習だけで400点以上を取る!
※関連記事:すぐできる英単語の暗記方法、文法の覚え方を説明します!
英語が得意になってきたら、ぜひ英検®を受けてみましょう。高校入試で優遇制度があり、級に応じて学力検査の点数に加点されるなど、かなりお得です。
英検®3級から高校入試で英語利用できます。中3の第1回目までに3級に合格しておくと、ほかの科目の勉強に時間を回せるので、英語だけでなく全科目の受験勉強を有利にもっていけます。
※関連記事:高校受験で使える英検®優遇制度
英検®3級は「中学卒業程度」とされており(日本英語検定協会より)、高校入試と同じレベルです。
ですが、試験対策は英検®のほうがかなりしやすいです。
英検®は出題傾向が一定で、答えがわからなくてもテクニックで点数を取れる問題もあります。
長文が3つ出題されますが、3題合わせて600語程度と非常に短いのも特徴です。長文が嫌いな中学生でも英検®の長文は読みやすいです。
※関連記事:英検®3級のレベルと一次試験の傾向と対策
※関連記事:英検®3級の二次試験対策(スピーキング)の仕方と当日の流れ
※関連記事:英検®5級・4級・3級対策のおすすめ問題集
※関連記事:【中学英語の問題】不定詞:it for to,it takes,enough to,tell人to
小学校で英語を好きだった子が、中学校に入ると途端に英語嫌いになることがよくあります。
その理由と対策のための勉強方法をお伝えしました。
イラストを使ってイメージで解説してくれる参考書を使えば、英文法が苦手な人もかなり勉強しやすくなります。
※関連記事:【中学英語】前置詞の一覧と覚え方:イメージから覚える勉強法
※関連記事:不定詞と動名詞の違いと使い分け方
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