中2で習う不定詞の名詞的用法。ほかの副詞的用法や形容詞的用法とどう違うのかややこしく感じるかもしれません。
名詞的用法の意味は「~ということ」という1種類だけですが、主語・目的語・補語という3つの働きがあります。
それぞれの役割の違いを例文つきで解説し、副詞的用法や形容詞的用法と見分ける方法を紹介します。
最後に問題も用意しているので、ぜひ練習のために解いてみてください!
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不定詞とは
まず、不定詞についておさらいします。
「to」を動詞につけて準動詞にする
不定詞とは、動詞に「to」をつけて準動詞にしたものを指します。
I want to play soccer.
(私はサッカーがしたい。)
上記の例文では、「to play」が不定詞です。動詞(例文では「play」)の直前に「to」をつけます。
動詞は原形になる
to不定詞をつけると、動詞は原形になります。
He wants to play soccer.
(彼はサッカーがしたい。)
上記の例文では、主語が「he」なので動詞に三人称単数の「s」をつける必要があります。そのため、「want」は「wants」となっています。
ところが同じく動詞の「play」には「plays」になっていません。「to」をつけて不定詞にすると動詞が「原形」になるからです。
なお、be動詞の場合も、「to」をつけると原形になります。
My dream is to be a pianist.
(私の夢はピアニストになることです。)
上記の例文では、「to be」が不定詞です。主語が「my dream(私の夢)」なので、be動詞は「is」になるはずです。ですが、「to」をつけるとbe動詞も原形である「be」に形が変わります。
3つの用法がある
不定詞には用法が3つあります。名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法です。
それぞれ、以下のような働きをします。
以下に、3つの用法のうち名詞的用法の訳や使い方を解説します。
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不定詞の名詞的用法とは
不定詞の名詞的用法とは、動詞に「to」を名詞のように扱えるようにする働きです。
名詞とは、人やものの名前を指しています。「tennis(テニス)」「music(音楽)」「dogs(犬)」「Hokkaido(北海道)」「Japanese(日本人)」「のように、物、動物、スポーツ、芸術、地名、人などはすべて名詞です。
「~すること」と訳す
不定詞の名詞的用法は「~すること」と訳します。
上記のように、動詞の原形に「to」をつけて「~すること」の意味になります。
目的語の働きをする
不定詞の名詞的用法は「目的語」の働きをします。
目的語とは、「何がほしいのか」「何が好きなのか」といった、動作の目的や対象のことです。
She likes to play tennis.
(彼女はテニスをすることが好き。)
上記の例文では「She likes(彼女は~が好き)」ときたので、つづいて「何が好きなのか」を説明する必要があります。「to play」が不定詞で、「テニスをすること」が「好き」なんだと説明しています。
また、主語は「she」なので動詞に「s」をつける必要がありますが、不定詞は動詞が原形になるため、「plays」ではなく「play」です。
主語の働きをする
to不定詞を文頭に置くと、主語として扱えます。「~することは…だ」という意味になります。
To play soccer is fun.
(サッカーをすることは楽しい。)
上記の例文では「to play」が不定詞であり、文全体の主語になっています。
なお、主語は「人だけ」と思っている中学生も少なくないのですが、主語は「もの」でもOKです。英語なら「it」も可能です。
「It for to」との書きかえ方
「~することは…だ」という意味になるとき、「it for to」も使えます。
「It is 形容詞 (+ for~) + to …(動詞)」
=「(~にとって、)…することは(形容詞)だ」
上記のように「it for to」は使えます。これをto不定詞を主語にしても同じ意味です。
To play soccer is fun.
= It is fun for me to play soccer.
上記はどちらも「サッカーをすることは(私にとって)楽しい」という意味です。「it」を主語にするのか、不定詞を主語にするのかという用法の違いだけです。
補語の働きをする
不定詞の名詞的用法の3つ目の働きは、「補語」です。補語とは「主語と動詞の関係性を補う単語」です。ざっくり言うと、文の意味が「主語=補語」になります。
The purpose of my trip was to meet him.
(私の旅の目的は彼に会うことだった。)
上記の例文では、「the purpose」が主語で、「to meet」が補語の働きをする不定詞です。
「主語=補語」なので、
「the purpose(旅の目的)=to meet(会うこと)」という文の意味になります。
このように、不定詞には補語の働きもあります。
名詞的用法の不定詞の見分け方
不定詞にはほかに副詞的用法や形容詞的用法もあります。名詞的用法で使われているかどうかは、以下の2点で見分けられます。
文頭で使う不定詞は名詞的用法
前述のように、不定詞の名詞的用法には「主語」の働きがあります。文頭で使い、主語の働きを持つ不定詞はすべて名詞的用法です。
To read the book was difficult for me.
(その本を読むのは私にはむずかしかった。)
上記の例文では、文頭の「to read」が不定詞です。「読むことは」という主語の働きを持っており、名詞的用法で使われています。
動詞の後ろで使われていたら名詞的用法
「to~」の不定詞が動詞の後ろに来ていたら、名詞的用法で使われています。
I like to play tennis.
(テニスをすることが好き。)
この例文では「to play」が不定詞です。「(テニスを)すること」という訳になります。
「like(好き)」という動詞の直後に来ており、名詞的用法だと分かります。
名詞的用法と一緒に使われやすい動詞一覧
名詞的用法の不定詞と一緒に使うことが多い動詞を一覧で紹介します。
意味 | 例文 | |
want to | ~したい | I want to play the piano. (ピアノを弾きたい。) |
would like to | I would like to drink coffee. (コーヒーをいただきたいです。) | |
hope to | I hope to study abroad. (留学に行きたい。) | |
wish to | I wish to win the next game. (次の試合に勝ちたい。) | |
need to | ~する必要がある | I need to finish homework. (宿題を終わらせる必要がある。) |
start to | ~し始める | I started to study English. (英語を勉強しはじめた。) |
try to | ~してみる | I tried to ask her to stay home . (家にいるよう彼女に頼んでみた。) |
plan to | ~することを計画する | I plan to go to India next month. (来月インドに行くことを計画している。) |
refuse to | ~することを拒否する | I refused to help him. (彼の手伝いをすることを断った。) |
agree to | ~することに賛成する | I agree to see the movie. (その映画をみることに賛成した。) |
pretend to | ~するふりをする | I pretended to be a student. (学生のふりをした。) |
promise to | ~する約束をする | I promised to go with him. (彼と一緒に行く約束をした。) |
不定詞の名詞的用法を区別する練習問題
次の文の中で、不定詞の使い方が名詞的用法のものをすべて選んでください。
(1)I want to go to the park.
(2)She has a book to read tonight.
(3)To learn English is important.
(4)He bought a cake to share with his friends.
(5)They decided to visit their grandparents.
(6)It’s time to leave for school.
(7)My plan is to travel around the world.
(8)He was happy to receive the award.
(9)She found a place to sit in the library.
(10)To swim in the ocean is fun.
解答・解説
(1)(3)(5)(7)(10)が名詞的用法です。
以下、問題ごとの解説です。
(1)名詞的用法
(I want to go to the park. / 私は公園に行きたいです。)
解説: 「to go」は「want」の目的語で、「何をしたいのか」を表しているので、名詞的用法です。
(2)×:形容詞的用法
(She has a book to read tonight. / 彼女は今夜読む本を持っています。)
解説: 「to read」は「book」を修飾しているので、形容詞的用法です。
(3)名詞的用法
(To learn English is important. / 英語を学ぶことは重要です。)
解説: 「to learn」は文の主語になっているので、名詞的用法です。
(4)×:副詞的用法
(He bought a cake to share with his friends. / 彼は友達と分け合うためにケーキを買いました。)
解説: 「to share」は「bought」にかかっていて、「何のために買ったのか」を表しているので、副詞的用法です。
(5)名詞的用法
(They decided to visit their grandparents. / 彼らは祖父母を訪れることに決めました。)
解説: 「to visit」は「decided」の目的語で、「何を決めたのか」を表しているので、名詞的用法です。
(6)×:形容詞的用法
(It’s time to leave for school. / 学校に行く時間です。)
解説: 「to leave」は「time」を修飾しているので、形容詞的用法です。
(7)名詞的用法
(My plan is to travel around the world. / 私の計画は世界中を旅することです。)
解説: 「to travel」は「plan」を補完する補語なので、名詞的用法です。
(8)×:副詞的用法
(He was happy to receive the award. / 彼は賞を受け取って嬉しかったです。)
解説: 「to receive」は「happy」にかかっていて、「なぜ嬉しいのか」を表しているので、副詞的用法です。
(9)×:形容詞的用法
(She found a place to sit in the library. / 彼女は図書館で座る場所を見つけました。)
解説: 「to sit」は「place」を修飾しているので、形容詞的用法です。
(10)名詞的用法
(To swim in the ocean is fun. / 海で泳ぐことは楽しいです。)
解説: 「to swim」は文の主語になっているので、名詞的用法です。
まとめ
いかがでしょうか。不定詞の名詞的用法の意味や用法を解説しました。
「~すること」と訳し、主語・目的語・補語の3つの働きをします。主語になる場合は文頭にきて、it for toと書きかえることもできます。
また、不定詞には副詞的用法や形容詞的用法もありますが、文頭にあるか動詞の直後に来ていたら「名詞的用法」だと見分けられます。
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