「共通テストを受けるけど、地理の範囲が広すぎてどう対策していいかわからない」
「英語や数学に時間がかかるから、地理は出題傾向にあわせて効率よく対策したい」
こういった希望や不安を抱えている高校生は多いのではないでしょうか。
共通テストの地理は合格者の多くが得点源にしてきた科目です。第一志望校合格を目指す人にとって、必ず得意にしたいところです。
そこで、
をお伝えします。
【関連記事】
共通テスト日本史の勉強方法と問題集
入試によく出る日本史の一問一答
共通テスト世界史の勉強方法と問題集
入試によく出る世界史の一問一答
共通テスト地理の勉強方法と問題集
入試によく出る現代社会(公共)の一問一答
入試によく出る倫理・政経の一問一答
【大学受験対策】塾・予備校はいつから通えばいいか
【大学受験】塾・予備校の費用はいくらかかるか
共通テスト対策のおすすめ参考書・問題集を7冊紹介します。
すべてする必要はなく、目標点に応じて活用してください。
出版社:KADOKAWA
特徴:
共通テスト「地理」は、瀬川聡の黄色本で完全攻略
45万人以上の受験生および高校教員から絶大なる支持を受けている、瀬川聡の共通テスト地理ド定番対策書の改訂版。
KADOKAWAより引用
大学入学共通テストの「地理B」は、膨大な知識量だけを問うものではなく、「地理的概念・知識・理論の正確な理解」と、「地図やデータの精密な読解力」が必要となる。
「では、どうやって対策を立てればよいのだろうか?」
こんな受験生の不安を解消するために書かれたのが本書である。
共通テスト「地理B」の攻略に必要な「地理的知識・理論」が網羅され、受験生の「地理的思考力・判断力」に磨きがかかる補足や情報が満載!
No success without it!
【おすすめ理由】
系統の地理を講義形式で解説している参考書です。
話し言葉で書いているので読みやすく、頭に入りやすいです。
出版社:KADOKAWA
特徴:
共通テスト「地理B」に必要な知識を、効率よくインプット!
本書は、共通テスト「地理B」で高得点をとるために必要な知識を習得するための「一問一答」型問題集です。
KADOKAWAより引用
設問は、センター試験や共通テスト試行調査(プレテスト)で実際に出題された問題をもとに、選択問題・空所補充問題・正誤問題の3つの形式で構成されています。
テーマごとに必要な知識を効率よくインプットしましょう。
【おすすめ理由】
掲載されている知識量がかなり豊富なので、勉強の最初や最終チェックのときに使えます。
この問題集で知識を詰め込んでから次に紹介する問題集を使えば、頭のなかの知識を整理できます。
出版社:KADOKAWA
特徴:
共通テスト地理、9割への最短コース
———————————–
最小の努力で最大の効果!
最も効率的な「共通テスト地理」対策の決定版!センター試験から共通テストへと入試が変わり、
さらに深い【思考力】が問われるようになりました。「暗記」に頼るのはもうやめましょう。
「理論」と「考え方」で答えを導くのです。もちろん最低限の暗記は必要ですが、
思考力で解く問題も多く、本番では
“どれだけ応用が利くか”が得点を左右します。
地理はパターン化された科目なので、
同じ内容が形を変えて何度も出題されています。
「定番」問題を集中的に学習すれば、
直前からの対策でも9割が狙えます!本書では、過去問を扱いながら、
KADOKAWAより引用
応用できる知識を実戦的に身につけられます。
この頻出45テーマなら、短時間で効率的に
得点力をジャンプアップさせられます!
【おすすめ理由】
テーマ別に演習を繰り返すための問題集です。
いきなり取り組むとわかりづらいですが、先ほど紹介した『一問一答』を終わらせたあとに取り組むと、バラバラだった知識が頭のなかでまとまってくれます。
1か月で終えられるようになっています。2-3周するようにしましょう。
出版社:旺文社
特徴:
本書は,「考えて解く」タイプの地図・統計問題を,系統地理・地誌・地域調査の順に,71題にまとめて編纂した問題集です。
旺文社より引用
・本冊には,様々なタイプの資料問題が掲載されています。「資料を読み取ったうえで考える力」が求められる問題を中心に収録していますので,共通テストに必要な読解力・考察力が身につきます。
・別冊には,解答・解説に加えて,資料の着目ポイントや知識を整理するコーナーも掲載されているので,
この1冊で共通テストの資料問題にしっかり対応できる内容となっています。
【おすすめ理由】
共通テスト地理特有の資料問題を解くための推測力や分析力を伸ばすための問題集です。
解説が丁寧にわかりやすいので、『一問一答』で知識をインプットした後に取り組むと知識を整理しやすくなります。
『一問一答』が終わるのが高3の8月中なら先ほど紹介した『直前30日』と一緒に進めても力がつきます。高3の9月以降になりそうなら、『直前30日』とどちらか1冊にしておきましょう。
出版社:河合出版
【おすすめ理由】
過去問が10年15回分も掲載されており、たっぷりと演習できます。解説も丁寧なので、解説を読んで知らなかった知識を補充できます。
出版社:駿台文庫
特徴:
共通テストで問われるすべてをここに凝縮!
Amazonより引用
- 駿台オリジナル問題5回分に加え、2021・2022・2023年度の共通テスト本試験過去問題を3回掲載
- 駿台講師陣が総力をあげて作成したオリジナル問題で共通テストを完全攻略
- マークシート解答用紙付で本番さながらの実戦的な演習が可能です
- 詳細な解答・解説は別冊挿し込み
- 重要事項をコンパクトにまとめた「直前チェック総整理」で弱点を補強
【おすすめ理由】
駿台が作成した共通テスト対策問題集です。共通テストよりもやや難易度が高く、過去問演習で実力をたくわえてから、この問題集でさらにレベルアップできます。
8割前後を確実に取りたい人はこの問題集で力をつけるようにしましょう。
出版社:旺文社
特徴:
●受験生の50%以下しか解けない「差がつく」問題に挑戦!
掲載問題は、大学入学共通テストとセンター試験で、50%以下の受験生しか解けなかった問題と、その類似問題です。これらの「難問」に挑戦し、その解き方を身につけて、他の受験生に差をつけましょう!●受験生が苦手な「難問」には、共通点がある!
正答率50%以下の「難問」には、いくつかの共通点、傾向があります。本書は、その共通点に基づいて、問題のタイプで分類して、各章を構成しました。似たタイプの問題を集中的に学習できるので、そのタイプへの理解が深くなり、対処できるようになります。●考え方やミス傾向がわかる解説で、より高得点を狙える!
旺文社より引用
本書でいちばん読んでほしい部分は「解説」です。「難問」には、多くの受験生が間違えてしまう理由があります。本書の解説では、問題の考え方・解き方に加えて、受験生のミス傾向や、問題文にあるヒントの見抜き方、似たような問題で間違えないようにするための考え方などを示しています。
【おすすめ理由】
9割以上を取りたい人向けです。9割以上を取る人なら正解できる問題を載せています。
過去問で8割近くまで取れるようになったら、この問題集で仕上げをしましょう。
それらを問題・解説ともにしっかり覚えておけば、8割からさらに1割の得点上乗せができます。
参考書や問題集は活用する順番がとても大切です。
以下に、活用する目的と参考書・問題集を書いています。この順番に活用してみてください。
共通テストの地理は満点が100点です。出題傾向や配点は毎年同じです。
共通テスト地理の大問数は5問で、出題分野は
の5つです。
各分野大問1つずつ出題されており、満遍なく幅広い出題傾向です。
大問ごとの配点を下記の表にまとめています。なお、2020年度(センター試験)は大問が6つありました。
大問 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 |
第1問 | 20点 | 20点 | 20点 | 20点 | 17点 |
第2問 | 20点 | 20点 | 20点 | 20点 | 17点 |
第3問 | 20点 | 20点 | 20点 | 20点 | 17点 |
第4問 | 20点 | 20点 | 20点 | 20点 | 17点 |
第5問 | 20点 | 20点 | 20点 | 20点 | 14点 |
第6問 | – | – | – | – | 18点 |
満点 | 100点 | 100点 | 100点 | 100点 | 100点 |
配点は各大問20点とまったく同じで、偏りがありません。今後も同じ配点状況がつづくと思われます。
共通テスト地理の特徴として、「図表の読み取り問題の多さ」が挙げられます。
例えば下記の画像をご覧ください。地図と表が1つの問題で同時に出ています。
ヨーロッパの地図が示され、川の特徴を図から読み取り「セーヌ川」と「ポー川」を答える問題です。
2つの河川の特徴を知っておくことはもちろん、それらがどこに位置するかを地図で把握しておく必要があります。
地図か図表をみて解く問題は共通テスト地理でとても多く、ほぼすべての小問に地図か図表が載っています。
定期テストとは違い、共通テスト地理には「会話文」も出てきます。
下記の画像をご覧ください。再生可能エネルギーについての複数人の会話を読み、その内容の正誤を問う問題です。
この問題にも図表があり、図表をみながらこの会話文を読み解きます。
地理の知識をベースにしつつ、「図表を読む力」と「文章の読解力」の両方が必要となります。
地理に出てくる図表のなかには、はじめてみる統計データもあります。
下記の画像をご覧ください。ラテンアメリカ各国の1人当たりGNIと所得上位10%の所得割合のデータから、どのデータがどの国なのかを推測する問題です。
南アメリカ大陸の知識が必要ですが新しいデータが使われますから、この内容を暗記している受験生はほとんどいないはずです。教科書に出てくる知識を使って、「最近の傾向としてはこうに違いない」と推測して解きます。
これはセンター試験のころからの特徴で、これがあるために「地理は満点を取りにくい」と言われます。
普通に勉強してカバーできるものではないため、初見の統計データをみて傾向をつかみ、「なぜこうした結果(傾向)になるのか」を的確に分析する必要があります。
考えて解くのは時間がある程度必要ですから、暗記で解ける問題はササっと解いて、思考力の必要な問題に時間を割けるようにしておきましょう。
共通テストは毎年難易度が変わります。10点前後は変わるのが普通ですが、地理についてはおおむね6割前後で安定しています。
下記の表は2019年以降の平均点です。
2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 | |
地理B平均点 | 61.32点 | 65.74点 | 58.97点 | 60.06点 | 66.35点 | 62.03点 |
2022年度に60点を切りましたが、それでも約59点です。安定して6割前後をキープしています。
最終的に必要な得点は志望校によって異なります。河合塾の資料で「偏差値60前後の大学なら共通テストで7割必要」と考えておきましょう。
そこを基準に偏差値が5変われば共通テストの必要得点が1割変わります。
あくまで目安なので、志望校の最新の情報をみるようにしてください。
ここまでお伝えした共通テスト地理の出題傾向を踏まえて、対策方法をお伝えします。
※関連記事:【大学受験】塾・予備校の費用はいくらかかるか
前述のとおり、共通テスト地理は「地域ごとの特徴」と「その場所」を重視しています。
「太平洋の大部分を形成している海洋プレートを何というか?」
→ 「太平洋プレート」
というような、単純な一問一答問題は出ません。
「太平洋プレートが動くことで影響がある国や地域」のように、太平洋プレートの位置やその境目にある国や地域を世界地図でイメージしながら解く問題が出ます。
まずは地図をみて地域ごとの大まかな特徴を言えるようにしてから、地域ごとの気候や産業などを細かく把握するようにしましょう。
地理の勉強をするときには、必ず地図をみながらしましょう。
前述のとおり、地理では「問題で問われている地域がどこにあるのか」を地図から選択する問題がたくさん出ます。
地域名を覚えるだけでなく、地図をみてその場所を指し示せるようになっておく必要があります。
また、資料が出てきたときには、読み取ってほしい内容が必ずあります。
下記の画像をご覧ください。ブラジルにおける農産物の輸出総額と輸出額に占める農産物の割合を示す図表が出ています。
1971年のデータではコーヒー豆が農産物輸出品のなかで50%以上を占めており、「ブラジルといえばコーヒー豆」というイメージにつながります。
2000年代に入って農産物の輸出総額が5倍にふくれあがっていますが、大豆やとうもろこしの輸出額増大がその理由だとグラフから読み取れます。この背景には、コーヒー豆以外の主要な輸出品を生み出した政策があるのかなと推測できます。
このように、グラフをみて
を推測する練習をします。
共通テストの地理は満点が取りづらいと言われていますが、こうした推測力を地図や図表の問題をとおして養えば、高得点を取りやすくなります。
世界の大まかな特徴や地図上の場所を覚えたら、最後に共通テストや予想問題を繰り返し解きましょう。
共通テストの問題は特殊です。出題傾向に慣れていないと、知っている知識をうまく活用しきれません。
最低でも10回分は解くようにしましょう。
過去問なら本試験・追試験の両方を使い、予想問題集も使うようにしましょう。特に資料問題は共通テストで出ていますから、過去問や予想問題で慣れるようにしましょう。
足りなくなった人はラスト10年分のセンター試験過去問も活用してみましょう。センター試験と共通テストの傾向はよく似ていますので、演習に活用して問題ありません。
9割以上を取りたい・満点を取りたいという人は、GDPとGNIを暗記するほうが早いでしょう。
何度かお伝えしたように、共通テストの地理は「推測力」を求めています。図表をみてその傾向や変化を分析し、「なぜそうなったのか?」を的確に推測する問題がいくつか出てきます。
9割以上を取るのに壁となるのがそうした「推測を必要とする問題」です。
推測なので外れることもあります。ですが、最初から暗記していれば間違えません。「推測問題」ではなく、単なる「暗記問題」にできます。
推測を必要とする問題で出されるデータは大抵、GDPかGNIです。
「なぜこのGDP/GNIになったのか?」を推測させます。
大陸ごとに上位5-10番くらいまでの国のGDPとGNIを大まかに覚えるようにしておきましょう。
ときどき、総務省統計局-世界の統計のデータをみるようにして、1-2番目に大きなケタ数の数字を覚えるようにしておくと、共通テストではじめてみるデータが出てきてもかなり対応できます。
共通テストで9割を取るためにはどのようなスケジュールで勉強すればいいかお伝えします。
地理の受験勉強は高3になってからで大丈夫です。ただし高1、高2の間は学校の授業に合わせて暗記をしっかりがんばりましょう。
定期テスト直前にパパっと覚えるだけの勉強は避けてください。急いで覚えたものはすぐに忘れてしまいます。
忘れてしまうと、せっかく覚えた地名や用語、GDPなどもほとんどすべて覚えなおしになってしまいます。大学受験の勉強は忙しいですから、無駄になってしまう勉強に時間を費やすのはもったいないです。
学校の授業で習ったときに、少しずつ覚えるようにしておきましょう。特に、
は覚えておくようにしましょう。
本格的な受験勉強は高3になってからはじめます。
高1、高2である程度の流れや知識を頭に入れておけば、高3になってからは「思い出す程度」の勉強で済みます。
後ほどくわしく説明しますが、教科書や問題集を使って最初から勉強しなおしましょう。
高1、高2の勉強を一夜漬けで済ませていた人は、まず教科書をしっかり読み込むことから始めましょう。
「入試まで時間がない」と思うと焦りますから、とにかく暗記をしていきたくなります。ですが、いきなり丸覚えしてもなかなか頭に効率よく入ってくれません。
地理は各地域の気候と産業を結び付けたり、周辺地域や外交・貿易関係のある国とのつながりも知っておくほうが高得点を取りやすくなります。
広く浅く勉強するほうが遠回りのように思えて、結果的に早く・効果的に受験勉強が進みます。
※関連記事:【大学受験】塾・予備校の費用はいくらかかるか
共通テストで9割以上を取るには、高3の8月末までには基礎的な勉強を終わらせておきましょう。
「どの地域・どの単元もある程度わかる」という状態にしておきます。明らかに不得意が地域があると、その後の勉強スケジュールで思わぬ足止めを食ってしまいます。
全体的に共通テストで6-7割くらいを取れる程度の知識をインプットしておきます。
高3の9月以降に細かい知識をインプットしなおしていきますが、この作業は10月までしかできなくなります。
ほとんどの受験生は共通テストの前に推薦入試を受けます。推薦入試は11月いっぱいか、12月初めまでありますから、この期間中は推薦入試対策で手一杯になります。
地理は推薦入試でほぼ出てこないので、約1か月間は地理の対策はゼロになるか、最低限忘れない程度しかできなくなります。
9-10月の間にしっかり覚えなおしておきましょう。
※関連記事:高校の評定の出し方と上げ方:大学受験に評定が重要な理由
こうなったらすぐに受験勉強をはじめるほうがいいです。
過去の受験生が共通テスト対策をはじめた時期は下記のようでした。
でした。
共通テスト対策は時間がかかりますので、思い立ったらすぐはじめるようにしましょう。
※関連記事:【大学受験対策】塾はいつから通えばいいか
高校生向けに共通テスト地理の対策におすすめの参考書や問題集を紹介しました。共通テストで7~9割をねらえるものを中心に、難易度順に並べています。
受験勉強は「ライバルより1点でも多く取ること」がゴールです。
そのためには得意科目で点数をかせぎ、苦手科目をカバーするのが鉄則です。当然のことながら、「得意科目」が多い人が断然有利です。
地理は勉強する順番ややり方を間違えなければ「誰でも得意科目」にできます。東大(理Ⅲ)と京大(医)の志望者以外は貯金をつくれます。
地理を得点源にして、第一志望校合格をがっちりとつかみとりましょう!
※関連記事:【共通テスト日本史】9割以上を取る勉強方法と問題集
※関連記事:【共通テスト世界史】9割以上を取る勉強方法と問題集
※関連記事:【共通テスト現代社会】9割以上を取る勉強方法と問題集
※関連記事:【共通テスト倫理・政経】9割以上を取る勉強方法と問題集
※関連記事:【高校生向け】Z会だけで難関大学に合格する方法
This website uses cookies.