近年、首都圏を中心に英語を入試科目として導入する中学校が急増しています。従来の国・算・理・社に加えて「英語」が受験科目に加わることで、対策の仕方もこれまでとは大きく異なってきました。
本記事では、2025年最新の出題傾向をふまえつつ、志望校別の対策方法や学年別の学習スケジュール、英語専門塾や教材の選び方まで徹底解説します。
リスニング・文法・読解など、どの力をどう伸ばせばいいのかがわかる構成となっているので、「何から始めればいいかわからない…」という方にも最適です。
中学受験の英語対策で差をつけたいご家庭は必見です。
※なお、英語入試の問題のレベルについては、以下の記事でくわしく解説しています。
【中学受験】英語入試の問題のレベル
2025年度以降、中学受験で英語を導入する学校が全国的に増えており、英語が入試科目として本格的に定着しつつあります。
英検対策だけでは対応しきれない学校も多く、出題傾向に合わせた計画的な学習が必要です。
特に、リスニング・長文読解・英文法の3本柱を中心にバランスよく勉強を進めることが合格への近道です。
参考:中学受験で増加しつつある英語入試!傾向や出題レベル、対策の方法(京進)
英語入試といっても、そのレベルは学校ごとに異なります。一般的には以下のようなレベル感が求められます:
特に難関校では、英検準2級〜2級レベルの出題も見られ、英語を本格的に学んでいない小学生にとっては高い壁になることもあります。そのため、早い段階から計画的に英語に慣れ、段階的にレベルアップすることが大切です。
英語入試で頻出の出題形式は以下の3つです。それぞれに適した勉強法を取り入れることで、苦手意識を克服できます。
小学生にとってリスニングは難関のひとつですが、日々の習慣で大きく伸ばせる分野でもあります。
おすすめのリスニング対策:
効果的な音声教材:
長文読解では、速く・正確に読み取り、設問に答える力が問われます。日本語訳をしながら読む癖をつけると逆に遅くなるので、英語を英語のまま理解する練習が重要です。
おすすめの対策法:
おすすめ教材:
文法はつまづきやすい分野ですが、ルールを理解することよりも、使いながら覚えることが重要です。文法だけを丸暗記するのではなく、短文で何度も使って定着させる学習法を心がけましょう。
効果的な学習法:
おすすめ教材:
中学受験の英語入試では、バランスの良い総合力と、学校ごとの出題傾向に合わせた対策が鍵です。特にリスニング・長文・文法は、それぞれ適した勉強法で毎日少しずつ積み上げることが合格への最短ルートとなります。
焦らずコツコツと、保護者の方がペースメーカーになってサポートしてあげましょう。
中学受験における英語は、まだ多くの小学生にとって「学校では十分に習わない未知の科目」です。そのため、つまずきやすいポイントが共通しており、早めに苦手分野を見つけて克服しておくことが非常に重要です。
特に多くの受験生が苦戦するのが以下の3つです:
これらの課題にはそれぞれ適したアプローチがあり、家庭でのサポート次第で大きく改善することが可能です。
①毎日“聞く習慣”をつける(英語のシャワー)
英語を聞く時間が短すぎると、耳が慣れず苦手意識が高まります。英語のアニメ・音声アプリ・CD教材などで、1日5〜10分でも「英語の音に触れる」時間を継続することが効果的です。
②シャドーイングで発音を体で覚える
聞こえた英語をそのままマネする練習(シャドーイング)を行うと、音の変化やスピードに自然と対応できる耳が育ちます。
③意味を気にしすぎない“ざっくり聞き取り”も大切
最初から全訳しようとせず、「誰が何をしたのか」など要点を聞き取る練習から始めましょう。
※なお、英検リスニングのコツを級別に以下の記事でくわしく解説しています。
英検5級リスニングのコツ
英検4級リスニングのコツ
英検3級リスニングのコツ
ステップ1:身近な文で文法の型を覚える(丸暗記でOK)
例:「I like apples.」や「She plays tennis.」などの短くて意味のある例文を、繰り返し音読→暗唱。意味をイメージできると覚えやすくなります。
ステップ2:自分で英作文してみる(書いて理解)
覚えた文法パターンを使って、「I like dogs.」「My sister plays the piano.」のように自分のことを書く練習をします。
ステップ3:簡単なミニテストで反復(確認&定着)
5問ずつのミニテストなどで、理解度を確認。親子でクイズ形式にすると楽しんで復習できます。
※なお、小学生向けに英検4級・5級の勉強法を以下の記事でくわしく解説しています。
【最新】英検4級の効果的な勉強法|小学生・中学生向けに合格のコツを徹底解説!
【小学生必見】英検5級の効果的な勉強法|合格へのステップとポイントを徹底解説(便利なフレーズ集付き)
①「型」を覚える→応用する
最初から自由に書かせるのではなく、「I like 〜.」「My favorite 〜 is 〜.」のように文のひな形(テンプレート)を教えましょう。これを元にいろんな語句で文章を作る練習が効果的です。
②日記形式で“毎日1文”書く練習
「Today is sunny.」「I played soccer.」など、簡単な一文を日記のように毎日書くと、文章を組み立てる力が自然と身につきます。
③書いた文章を読み返して音読する
自分の書いた英文を声に出すことで、文の構造と使い方をセットで覚えることができます。間違いも発見しやすくなります。
※なお、英検3級ライティングの練習問題を以下の記事に多数掲載しています。
英検3級ライティングの練習問題:英作文の問題25問とEメールの問題5問でライティングを得意にしよう!
小学生の英語学習では、「苦手」を放置せず、原因に合わせた具体的な克服法を実践することで大きな成果が得られます。家庭でできる工夫や、保護者の声かけが何よりの支えになります。
「苦手」は誰にでもありますが、それを乗り越える方法も必ずあります。焦らず一歩ずつ、楽しく続けることが成功のカギです。
英語を受験科目として導入する中学校が増える中、小学生が効率よく英語力を伸ばす方法が注目されています。中学受験英語の勉強では、以下の5つの学習法が特に効果的です:
以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
小学生の英語学習では、「目で読む」よりも耳と口を使って慣れることが先です。音読やシャドーイングは、正しい発音・リズム・語順を体で覚えるのに最適な方法です。
英検はリスニング・リーディング・ライティングの3技能をバランスよく測れる試験で、中学受験英語の基礎力づくりに最適です。特に英検4級〜3級レベルは、多くの私立中の出題範囲と重なっています。
たくさん読んで聞くことで、英語の語順・語感が自然に身につきます。いわゆるインプット量の確保が英語力向上には不可欠です。
文法や語彙は一度学んでも忘れやすく、毎日少しずつ反復することが定着のコツです。特に小学生は集中力が続かないため、短時間・少量の積み重ねが有効です。
英作文が苦手な小学生は、「自由に書いて」と言われても何から書いていいか分かりません。最初は文の型(テンプレート)を覚えることが上達への近道です。
中学受験の英語対策では、「苦手をなくす」よりも、楽しく・無理なく英語に慣れる習慣づけが成功のカギです。今回紹介した5つの勉強法は、どれも家庭学習で実践可能で、相互に補完し合うものです。
英語は“短期集中型”ではなく“積み重ね型”の教科。ぜひ日常生活の中に英語を自然に取り入れて、お子さんの英語力をじっくり育てていきましょう。
中学受験で英語が導入されている学校は年々増加していますが、「英語の試験」と一口に言っても、出題形式・難易度・求める力は学校ごとにバラバラです。
ここでは出題傾向を大きく3つに分け、それぞれの対策法と代表的な学校を紹介します。
リスニングを中心に出題する学校では、聞き取り能力と反応の速さが問われます。英語を「理解する」というより、「聞いてすぐ行動・判断できるか」がポイントです。
これらの学校では、リスニングが試験の中心で、特に実生活で使う英語表現や指示の理解が問われます。
このタイプの学校では、中学校の教科書レベル以上の文法知識と読解力が求められます。英語を論理的に理解し、ルールを使って正しく解く力がカギです。
これらの学校は、教科としての英語力(読む・書く・聞く・文法の理解)をバランスよく出題します。
英検準拠型の学校では、英検の形式・難易度を模した問題が中心です。そのため、英検対策がそのまま受験対策に直結します。
これらの学校は、英検3級〜準2級相当の出題レベルで、問題形式や内容も非常に類似しています。
中学受験英語は、志望校の出題傾向にあわせた学習が合格のカギです。ただ漠然と英語を勉強するのではなく、
「この学校はリスニングが重要」
「この学校は文法問題が毎年出る」
というように、目的と対策を明確にすることで、学習効果は格段に上がります。
また、英検との併用で効率アップも期待できます。お子さんの興味や得意分野も考慮して、学習プランを立てていきましょう。
英語は中学入試で非常に大きな武器になります。
公立中高一貫校でも英語入試が導入されており、文部科学省も英語教育の充実化を大きなテーマとしています(文部科学省「今後の英語教育の改善・充実方策について」)。
そこで、幼児期から家庭でできる英語入試対策の始め方を簡単に紹介します。
※以下の記事で、幼児期の英語学習法についてくわしく解説しています。
幼児期からできる英語勉強法|中学受験につなげるために今やるべきこと
英語入試の対策をはじめるには、まず英語に触れるところからです。
英語学習は幼児期から始めるほうが発音の覚えも早く、有利とされています(ベネッセ教育情報)。
子どもが小さいうちから、できれば幼児期から英語に触れる機会を日常的につくりましょう。
日常的に英語に触れるのにおすすめなのは英語アプリです。
幼児期はまだ「勉強」に慣れていないため、いきなりドリルを使う勉強には向いていません。
アプリを使えば、家庭のリビングで楽しみながら英語に親しむことができません。
無料のものも多く、有料でも月数百円程度でハイクオリティなものがたくさんあります。
※関連記事:おすすめの英語アプリ
しばらく英語に触れていると、”train(電車)””baseball(野球)”など、日常会話で使う英単語をいくつか覚えてきます。
この頃くらいから英検ジュニアの受検を考えてみましょう。
その名のとおり英検の子ども版で、英単語のつづりを書く必要がなく、音声を聞いて当てはまるイラストを選ぶ試験です。
数年後に英語入試を受けるわけですから、「試験の合格を目指して勉強する」という経験を少しずつ積んでおきます。
小学校では3年生から英語教育がはじまりますが、英語入試は小学校で習う範囲を越えて出題されることが多いです。
1-2年生くらいからは英語の勉強を本格的に始めましょう。
おすすめの問題集もこの記事内で紹介しています。
英単語を覚えてきたら、次は英文法の勉強に移ります。
小学生で英語の勉強をしている子のなかには、英語を耳学習中心にしている子も少なくありません。
最初はそのやり方で早く英語を使えるようになりますが、英検4級あたりから伸び悩む子も多いです。
be動詞/一般動詞など英文法をしっかり勉強し、「理解して」英語を使えるようにするほうが後で大きく伸びていきます。
※be動詞と一般動詞の違いについて、以下の記事でくわしく解説しています。
be動詞・一般動詞の違いと使い分け方
英単語を覚えてきて、be動詞・一般動詞も理解できてきたら、英語の文章を読んでみましょう。
おすすめは外国の絵本です。イラストが多めで1文1文が短く、英語学習初学者の子どもにも読みやすいです。
子どもに読ませる本ですから、内容も気になります。その点、個人的におすすめなのはElephant and Piggie Bookのシリーズで、特に「Should I Share My Ice Cream?」などは非常に良いです。
ゾウとブタの仲良し二人が主人公の絵本で、このタイトルは大好きなアイスクリームを友だちにもあげるほうが良いかな?と悩みつつ、最終的に二人で仲良くアイスを食べるお話です。
安心して子どもに読ませられるストーリーですし、英文が短くて読み聞かせもしやすいです。
中学受験における英語入試は年々注目度が高まり、出題形式やレベルも多様化しています。リスニング・文法・長文読解など、求められる力は幅広く、小学生にとっては新たなチャレンジとなります。
しかし、正しい学習法を選び、段階的に力をつけていけば、英語は得点源にもなり得ます。今回ご紹介したように、
などを取り入れることで、効率的に実力を伸ばすことができます。
特に重要なのは、「いつから、どのように始めるか」という計画と、それを無理なく続ける学習環境づくりです。ご家庭でのサポートと、必要に応じた教材・塾・アプリの活用を上手に組み合わせて、お子さまの力を最大限に引き出しましょう。
2025年度入試に向けて、今からの準備が未来の合格につながります。正しい情報と戦略で、英語入試を自信に変えていきましょう。
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