英検4級合格を目指す小学生・中学生は多いです。
英検全体の受検者の1割以上を小学生が占めており(日本英語検定協会より)、英検対策に熱心な小学生がいかに多いかが分かります。
中学受験の英語や高校入試の英検利用など、英検を取っておけば将来の入試で大きく有利になります。
ですが、算数・数学や国語と違って英検対策は学校では習いません。塾や独学で対策する必要があります。
そこで、この記事では幼児・小学生や中学生向けに英検4級の勉強法を紹介します。
英検4級合格に必要な勉強法、幼児・小学生が一発合格するためのポイント、試験までの学習期間別の対策法をまとめてお伝えします。
実践して、英検4級合格をたぐりよせましょう!
※関連記事:英検4級の問題集
英検4級とは?試験の基本情報と出題形式を解説
英検4級の試験構成|リーディング・リスニングの2技能
英検4級は、日本英語検定協会が実施する英語検定試験の中で、下から2番目のレベルにあたります。
中学初級レベル(中学2年生の1学期程度)の英語力が求められます。
試験は以下の2つの技能で構成されています。
試験区分 | 内容 | 時間 |
---|---|---|
リーディング | 英文読解・語彙・文法の問題(35問) | 35分 |
リスニング | 英文の聞き取り問題 (30問) | 約30分 |
※2024年度から、4級では「話す力(スピーキング)」を測るスピーキングテスト(任意受験・無料)も導入されています(自宅受験型・オンライン形式)。
また、問題数は以下のとおりです。
問題の種類 | 問題数 | |
リーディング | 短文の語句空所補充 | 15問 |
会話文の文空所補充 | 5問 | |
日本文付き短文の語句整序 | 5問 | |
長文の内容一致選択 | 10問 | |
リスニング | 会話の応答文選択 | 10問 |
会話の内容一致選択 | 10問 | |
文の内容一致選択 | 10問 |
英検3級との違いと4級の難易度
英検4級は「読む」「聞く」の2技能に特化しており、ライティングや面接試験はありません。
一方で、英検3級からはライティング(英作文)とスピーキング(面接試験)が導入され、実用性が一気に上がります。
比較項目 | 英検4級 | 英検3級 |
---|---|---|
試験内容 | リーディング・リスニング | リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング |
難易度 | 中学初級レベル | 中学卒業レベル |
面接の有無 | 無し | 有り |
語彙数 | 約600〜1,300語 | 約2,100語以上 |
したがって、英検4級は「英語をこれから本格的に始めたい人」や「初めての英語試験」として非常に適しています。
英検4級で問われる語彙レベルと必要単語数
英検4級では、およそ600~1,300語程度の語彙力が求められるとされています。
これは、中学1〜2年生で習う基本単語が中心です。
よく出る語彙のテーマ例:
- 数字・曜日・月・天気
- 家族・学校・教科・趣味
- 食べ物・動物・スポーツ
- 動詞の基本(like, go, play など)
特に重要なのは、「日常会話に頻出する基本単語」をしっかり覚えること。
例えば「I want to play soccer.」「Do you have a pen?」といった簡単な文の中で使われる語彙です。
英検4級の合格基準と合格率
英検4級の合否は、「CSEスコア(英検独自のスコア)」で判定されます。
技能 | 合格基準スコア(満点) |
---|---|
リーディング+リスニング | 622点(850点満点) |
合格率は公式には発表されていませんが、概ね70〜80%前後といわれており(受験回によって異なります)、しっかり対策すれば十分に合格が狙える試験です。
なお、小学生・中学生それぞれの合格率は以下のとおりです。
小学生の合格率 | 62.1% |
中学生の合格率 | 77.5% |
学生全体の合格率 | 72.9% |
また、スピーキングテストは任意受験ですが、合格証明書に記載されるため、受験するのがおすすめです。
英検4級の勉強はいつから始める?最適なスケジュールとは
試験日から逆算した勉強開始の目安
英検4級に合格するためには、一般的に1日30分〜1時間程度の学習を3ヶ月〜4ヶ月間続けるのが目安です。
目標試験日 | 勉強開始時期(目安) |
---|---|
6月本会場 | 2月〜3月頃に開始 |
10月本会場 | 6月〜7月頃に開始 |
1月本会場 | 9月〜10月頃に開始 |
ただし、小学生や英語初心者は余裕を持って5〜6ヶ月前から始めるのがおすすめです。
※なお、通常の英検は受験回数が年3回に限定されていますが、パソコンを使う英検SCBTはほぼ毎週末受験機会があります。英検SCBTについては、以下の記事でくわしく解説しています。
英検scbtと従来型英検との違い(申込・実施日程など)
短期集中と長期準備のメリット・デメリット
勉強スタイル | メリット | デメリット |
---|---|---|
短期集中(1〜2ヶ月) | モチベーションを保ちやすい/記憶が新鮮 | スケジュールに余裕がなく、理解が浅くなる可能性 |
長期準備(3〜6ヶ月) | 基礎からじっくり定着/忙しい日でも対応しやすい | モチベーションの維持が難しい/だらけやすい |
おすすめは「中期型(3〜4ヶ月)」の計画です。
無理のないペースで進めつつ、後半は過去問や模試で実践力を高めるスケジュールを組むと効果的です。
英検4級の勉強法【全体像】
英検4級はリーディング、リスニングの試験を受けます。スピーキングテストもありますが合否には影響せず、3級受検に向けた練習という位置づけです。
5級にサラっと合格した子も4級からは苦労しだします。
そこで、4級に合格するための勉強の仕方を分野別に紹介します。
リーディング対策
まず、リーディングの勉強法から紹介します。
頻出の単語・熟語を覚える
英検4級は単語・熟語の知識を問う問題が多いです。
大問1の対策
4級の大問1は短文の語句空所補充問題です。下記のように、文のなかの空欄に入る単語を4つの選択肢から選ぶ問題です。

「悲しい映画を見ると多くの人は( )する。」という文に当てはまる語を選びます。上記の問題では「④cry(泣く)」が正解です。
大問1は15問あります。下記の表は出題内容の内訳です。
単語の問題 | 7問程度 |
熟語の問題 | 5問程度 |
文法の問題 | 3問程度 |
単語・熟語だけで15問中12問を占めます。単語・熟語を完ぺきに覚えると、大問1は8割正解できることになります。
もちろん、単語・熟語が完ぺきでなくても4級は合格できます。
大問2の対策
大問2は会話文の文空所補充問題です。下記のように、2人の会話文を読んで空欄になっている箇所に入る文を4つの選択肢から選びます。

大問2は5問あります。会話の流れを捉える力と、単語・熟語の知識が必要です。
上記では、「Girl 1」が「In Nagano.(長野で。)」と答えているので、「場所を聞いている」と分かります。
そこで、正解は「②Where did you buy it?(どこで買ったの?)」だと分かります。
このように、大問2も単語・熟語を知っていれば解ける問題が多数あります。
大問3の対策
大問3は日本文付き短文の語句整序問題です。下記のように、語句を並び替えて2番目と4番目に入る語を選びます。

大問3では英文法の実力が問われます。
空欄は必ず5つなので、消去法で選択肢を選ぶと解きやすくなります。
まず、英文は「主語+動詞」の順に並びます。上記の問題では主語の「I(私は)」につづいて、動詞の「③leave(出発する)」が1番目の空欄に入るのが分かります。
つづいてのポイントは5番目に入る単語です。どの単語が入れば「自然か(それっぽいか)」を考えます。
上記の問題では5番目の空欄の後が「seven o’clock」となっているので、「at」を入れて「at seven o’clock」とすれば良いことが分かります。
これにより、①③は2番目と4番目に入らないことが分かります。
ここで、①③が入っている選択肢を省きます。
すると、「3 ⑤-②」しかありません。正解は3番の「⑤-②」だと分かります。
このように、主語+動詞で1番目に入る単語を選び、5番目に入りそうな(それっぽい)単語を選んで選択肢から消すと、正解の選択肢をかなり選びやすくなります。
大問4の対策
英検4級の長文は3題あります。掲示・案内(チラシ)、Eメール、説明文です。
それぞれの問題数は以下の表のとおりです。
掲示・案内 | 2問 |
Eメール | 3問 |
説明文 | 5問 |
合計 | 10問 |
大問4A:掲示・案内は「日付」「場所」「条件」を把握する
掲示の長文は下記画像のようなものが出ます。

掲示については、本文中の「日付」「場所」「(参加・応募)条件」に線を引いておきましょう。
上記の問題では「When」「Where」や「40% off」「20% off」、「9:00 a.m. to 7:30 p.m.」が重要です。
大問4B:Eメールはヘッダーを先に確認する
大問4の2つ目の長文はEメールです。

本文だけ読むと、前後の文脈が分からず、やり取りをしている人たちの名前も混乱してきます。
そこで、Eメールの問題では内容を把握しやすくするために以下のヘッダーを先に確認します。
From | 送信者 |
To | 受信者 |
Date | 日付 |
Subject | 件名 |
誰から誰に送っているメールなのか、いつ送ったメールなのか、何についてのメールなのか。
この3点を把握してからメール本文を読むと、いつ・誰が・何をするのかが分かりやすくなります。
大問4C:説明文はタイトルから内容を想像しておく
大問4の3つ目の長文は説明文です。
4級の説明文は観光地の案内や人物を紹介する文が多いです。何の話題なのかを把握してから読むと、読みやすくなります。

例えば上記の長文は「カイルは中学生です。」から始まり、カイルとアーニャがランチを食べ、学校から一緒に帰っていきます。
本文だけ読むと唐突な印象があり、想像力を働かせないと内容が分かりづらいです。
タイトルを見ると「新入生」とあります。
ここから、新入生であるカイルがクラスメートのアーニャと仲良しになっていくことが容易に想像できるようになります。
このように、タイトルを見て「何についての文章なのか」を把握してから本文を読むと、読解しやすくなります。
長文は速読しよう
読解には「精読」と「速読」があります。英検で求められる長文読解は「速読」です。
細かな内容まで読み取る必要はありません。
問題文をみて「何を読み取ればいいか」を先につかんでおき、その内容を長文の中から早く見つけられるように練習しましょう。
リスニング対策
リーディングが終わるとリスニングがはじまります。リスニングは以下のように大問3つで構成されています。
会話の応答文選択 | 10問 |
会話の内容一致選択 | 10問 |
文の内容一致選択 | 10問 |
全部で30問あり、30分で解きます。
音声は2回流れ、音声が終わるとすぐに次の問題がはじまります。
リスニングの勉強法を紹介します。
※関連記事:英検4級リスニングのコツ
問題を先読みする
ライティングで2-3分時間を余らせておき、リスニングの放送がはじまる前に問題を先に読んでおきましょう。
何を聞き取れば良いかが分かっている状態にしておきます。
日付・場所などを聞き取る
リスニング問題で問われるのは日付や場所など、具体的なものが多いです。
3級では音声が2回放送されるので、1回目で聞き逃してもあわてず、2回目で集中して聞き取りましょう。
答えに迷っても10秒以内に解答を選ぶ
英検のリスニングは問題数が多いです。答えに迷っているうちに次の問題がはじまります。
迷ってもすぐに解答を選びましょう。
シャドーイングする
リスニング対策として、シャドーイングがおすすめです。
英語の音声の後につづいてマネしながら発声する勉強法です。
一字一句聞き取るのではなく、「内容」を聞き取り、その内容を表現する力を養えます。
ネイティブスピーカーの発音にも慣れます。
リスニング大問1の対策
英検4級リスニングの大問1の対策法を説明します。まず、下記のやり取りをご覧ください。
男性:もしもし。
日本英語検定協会 | 4級の過去問より
女性:もしもし、こちらサリーです。アンディーはいますか?
男性:いいえ、いません。
女性(下記の3つから1つ選択):
①そうです。彼は私の友だちです。
②はい、それは私の新しい電話です。
③分かりました。後でかけなおします。
この問題では正解は③です。会話の流れが分かれば容易に正解を選べます。
会話の流れを上手く聞き取れなくても、電話での英語のやり取りに使われる単語を覚えていると「call back later(後で電話をかけなおす)」を選びやすくなります。
また、英検のリスニング問題では「②私の新しい電話です」のように、間違いやすい選択肢を入れていることが多いです。
電話でのやり取りだから「phone(電話)」という単語が入っている選択肢を選びたくなります。
こういう選択肢は大抵、不正解です。
リスニング大問2の対策
英検4級リスニング大問2の対策法を説明します。まず、下記のやり取りをご覧ください。
女性:パパ、雨が降ってるわ。
日本英語検定協会 | 4級の過去問より
男性:傘をどうぞ、リン。
女性:ありがとう。でも私のはピンクなの。赤はママのよ。
男性:わかったよ。
問題:どの傘がリンのものですか?
選択肢:①青、②黒、③ピンク、④赤
英検4級は2回音声が流れます。
1回目の放送で「ピンク」「赤」の2種類の色が出ています。この時点で選択肢を③④の2つに絞り、2回目の放送で「リンの傘の色」が「ピンクなのか赤なのか」に絞って聞き取るようにします。
すると、正解は「③ピンク」だと分かります。
このように、1回目→2回目で選択肢をしぼっていきましょう。
リスニング大問3の対策
英検4級リスニングの大問3の対策法を説明します。まず、下記の原稿をご覧ください。
昨日は私の誕生日だった。パパはウサギをくれた。とてもかわいいウサギだ。白い色をしているのでバニラという名前にした。
日本英語検定協会 | 4級の過去問より
問題:この女の子は何について話していますか?
選択肢:①父親、②ケーキ、③ウサギ、④パーティ
大問1、大問2は男性と女性の会話ですが、大問3は一人のスピーカーによるナレーションです。
こちらも放送は2回なので、1回目→2回目で選択肢を絞ります。
1回目の放送を聞くと、登場するのは「①父親」と「③ウサギ」です。
そこで2回目の放送では「父親について話しているのか、ウサギについて話しているのか」を聞くことに集中します。
小学生におすすめの英検4級勉強法【保護者向けガイド付き】
英検4級は、中学初級レベルの英語力が求められるため、小学生には少し高めのハードルに見えるかもしれません。
しかし、正しい学習法と保護者のサポートがあれば、十分に合格が可能です。
ここでは、小学生でも無理なく取り組める勉強法と、家庭でできる工夫を紹介します。
小学生でも無理なく続けられる家庭学習法
小学生の英検学習で大切なのは、「毎日少しずつ」「無理をしない」ことです。
以下のようなポイントを押さえて、家庭での学習習慣を築きましょう。
おすすめの勉強スケジュール(1日20〜30分)
- 月・水・金:リスニング中心(CDやアプリを使って英語を聞く)
- 火・木:単語とフレーズの復習(フラッシュカードや書き取り)
- 土:簡単な模擬問題にチャレンジ
- 日:英語の絵本や動画でリラックスしながら学習
ポイント
- 「机に向かう英語」より、「日常の中の英語」に慣れさせる
- 短い時間で集中して取り組める環境づくりがカギ
ゲーム感覚で楽しく学べる教材・アプリ
小学生は「楽しさ」が続けるための最大のモチベーションになります。
ゲーム感覚で英語を学べる教材やアプリを取り入れると、勉強が遊びの延長になります。
おすすめ教材・アプリ
- 英検4級 でた単(旺文社):カード形式で語彙が学べて、音声付き
- 英語物語(アプリ):RPG風で英検対策問題を楽しく解ける
- Duolingo(デュオリンゴ):ゲーム要素が満載の英語学習アプリ(無料)
- 『あいうえおフォニックス』英語発音(YouTubeの英語チャンネル):英語の歌で発音やリズムが身につく
選び方のポイント
- 見た目がポップで使いやすいもの
- 短時間でも達成感が得られる構成(1回5〜10分が理想)
保護者ができるサポートのポイント
保護者の関わり方次第で、英検の勉強が「苦行」にも「楽しい挑戦」にもなります。
子どもが安心して取り組めるように、次のようなサポートを心がけましょう。
習慣化のコツとモチベーション維持法
1.「〇日連続チャレンジ表」で見える化 → 1日学習するたびにシールを貼るなど、目に見える達成感を与えると意欲が続きます。
2. ごほうび制度の導入 → 10日連続達成で「好きなアニメ1話見る」など、ご褒美を使って楽しく習慣化。
3. 一緒に英語に触れる時間を作る → 一緒に動画を見たり、単語クイズを出し合ったりするだけでも、親子の会話が英語学習につながることも。
4.「できたこと」を認めてあげる → 間違いを責めず、成功体験を積ませることが自信とやる気を育てます。
4級で覚えておくべきフレーズ集
覚えておくべきフレーズを一部、表にしました。
a lot of~ | たくさんの~ |
again and again | 何度も何度も |
all day | 一日中 |
all year around | 一年中 |
arrive at~ | ~に到着する |
ask ~ for help | ~に助けを求める |
at last | ついに、とうとう |
at the same time | 同時に |
be interested in~ | ~に興味がある |
be glad to~ | ~してうれしい |
be good at~ | ~するのが得意だ |
be kind to~ | ~に親切だ |
be late for~ | ~に遅刻する |
be ready for~ | ~の準備ができている |
become friends | 仲良くなる |
by the way | ところで |
catch a cold=have a cold | 風邪をひく |
come back | 戻ってくる |
enjoy ~ing | ~することを楽しむ |
finish ~ing | ~し終える |
get up | 起きる、立ち上がる |
first of all | 何より、まず |
get into~ | ~の中に入る |
get off~ | (バスなど)~から降りる |
get on~ | (バスなど)~に乗る |
get (back) home | 家に帰る |
give up~ing | ~することをあきらめる |
go back to~ | ~に戻る |
go for a drive | ドライブに行く |
go on a trip | 旅行に行く |
have a good idea | いい考えがある |
hear about~ | ~について聞く |
hurry up | 急ぐ |
in front of~ | ~の前で |
in those days | そのころ、当時 |
listen to~ | ~を聞く |
look around | 周囲を見渡す |
look like~ | ~のように見える、似ている |
more and more | ますます |
one day | いつか、ある日 |
play catch | キャッチボールをする |
play card | カードゲームをする |
say goodbye to~ | ~にさよならを言う |
say hello to~ | ~にあいさつをする |
start ~ing | ~し始める |
stop ~ing | ~することをやめる |
take a bath | お風呂に入る |
take a bus | バスで行く |
take a plane | 飛行機で行く |
take a shower | シャワーを浴びる |
take a picture | 写真を撮る |
the other day | この間、先日 |
worry about~ | ~を心配する |
write to~ | ~に手紙を書く |
まとめ
小学生の英検4級合格には、「無理なく・楽しく・一緒に取り組む」がカギです。
親子で力を合わせて、英語学習をポジティブな体験に変えていきましょう。
中学生におすすめの英検4級勉強法【学校の勉強との両立】
英検4級は中学英語の「基礎の定着」がカギ。
中学生にとっては学校の授業や部活、テスト勉強との時間のやりくりがポイントになります。
この章では、英検対策と学校生活を無理なく両立させるための具体的な方法をご紹介します。
中学英語と英検の違いを理解しよう
まず押さえておきたいのが、「学校で習う英語」と「英検で問われる英語」の違いです。
ポイント
項目 | 中学英語 | 英検4級 |
---|---|---|
主な目的 | 文法・読解の習得 | 英語の実用力チェック |
出題形式 | 教科書+文法中心 | リスニング&語彙中心 |
試験頻度 | 定期テストごと | 年3回の検定 (自分で申し込む) |
評価基準 | 学校の成績(内申点) | 英検独自の合格基準 (CSEスコア) |
- 英検4級は「音声重視・読解力重視」なので、中1~中2の内容を「聞けて読めるか」が合格のカギ。
- 中学英語の予習・復習を兼ねて英検対策をするのが、最も効率的な方法です。
部活や定期テストと両立する時間管理術
中学生にとって、最も大きな壁は「時間のなさ」。
限られた時間で成果を出すためには、スキマ時間の活用とメリハリのある勉強法が必要です。
時間管理のコツ
- 平日:1日15分~20分のリスニング or 単語暗記 → 通学中・休み時間に英検アプリを活用
- 休日:模擬問題1セット(30分)+復習10分 → 短時間で集中して問題慣れ
スケジュール例(1日30分以内)
時間帯 | 内容 |
---|---|
朝 | 英単語アプリで10語確認(5分) |
放課後 | 部活後にリスニング1パート(10分) |
夜 | 学校の英語の復習+英検過去問(15分) |
ポイント
- 「ながら勉強」(移動中にリスニングなど)を上手に取り入れる
- テスト期間中は英検対策を休み、終わったら再開という柔軟な調整もOK
中学生に人気の勉強アプリ
「スマホ世代」の中学生には、動画やアプリを使った学習がピッタリ。
英検対策に特化したものから、リスニング・単語力強化に役立つツールを紹介します。
- 英検®トレーニング → 英検一次試験と二次試験の問題演習と単語学習が可能
- mikan(ミカン) → 単語力を鍛える超定番アプリ。スキマ時間に最適
- 英語の友 → リスニング対策に特化した旺文社のアプリ
中学1年生から始める英検勉強のステップ
「英検は3年生になってから」ではなく、中1から始めることで英語力が着実に伸びます。
以下は、中学1年生向けの英検4級勉強のステップ例です。
ステップ1:教科書内容+αの語彙を身につける(1~2か月)
- 学校の単語+英検頻出単語をアプリで確認
- 文法はbe動詞・一般動詞・疑問文の基本を押さえる
ステップ2:リスニングを習慣化する(2〜3か月目)
- 毎日5~10分、英語の音声を聞いて耳を慣らす
- 英検のリスニングパートを週1回ペースで解く
ステップ3:実践形式の問題で腕試し(4か月目以降)
- 過去問を週1回解き、間違えた問題の復習を必ず行う
- 時間配分を意識して、試験本番の感覚に慣れる
まとめ
中学生の英検4級対策は、学校の授業内容にプラスして「リスニング」「語彙」「実践力」の3点をバランスよく鍛えるのが成功のカギ。
部活やテスト勉強と両立しながらも、コツコツと積み重ねることで確実に力がつきます。
英検4級の学習スケジュール別勉強法
つづいて、本番までの残り期間別の4級勉強法を紹介します。
3か月で合格を取る勉強法
試験本番まで残り3か月から勉強をはじめる場合、以下のような勉強法がおすすめです。
バランス良く対策する
試験まで3か月あるなら、リーディング・リスニングをバランスよく伸ばしましょう。
英検ではそれぞれ関連しあっています。リーディング対策がそのままリスニング対策にもなります。
単語帳で必須単語を覚える
英検4級は必要な単語数が1200語です。英検5級合格レベルに達している人なら、さらに600語ほど覚える必要があります。
パス単などの英検4級用の英単語帳を使えば効率よく覚えられます。
長文で使われている単語を覚える
英検4級はテーマが決まっているので、長文内でよく使う単語を覚える方法も便利です。
『英検4級 絵で覚える単熟語』(後述)を使うと、長文のなかでどのように使われているか、どのようなニュアンスになるのかが幼児や小学生にも分かりやすいです。
過去問を解いて出題傾向を知る
英単語の暗記と並行して、英検4級の過去問題を解きましょう。
どのような問題が出るのかを確認し、各分野のレベルを把握しましょう。
過去問は日本英語検定協会から最新3回分をダウンロードできますし、過去問題集を使うと解説もついていて便利です。
リスニングの過去問題を繰り返し解く
4級合格のポイントはリスニングです。9割が目標です。
細かい文法理解はいったん置いておき、4級でよく使う表現を徹底的に覚えます。
過去問のライティングやリスニングの問題でそれらの表現を思い出す練習をしましょう。
毎日シャドーイングする
リスニング対策として、シャドーイングがおすすめです。
英語の音声の後につづいてマネしながら発声する勉強法です。
一字一句聞き取るのではなく、「内容」を聞き取り、その内容を表現する力を養えます。
このパートで養う表現力が二次試験のスピーキングに活きます。
ラスト1か月は過去問や予想問題を10回分解く
本番まで1か月となったら、過去問や予想問題を10回分は解きましょう。
このときには大問ごとやパートごとではなく、時間を計って1回分ずつ通しで解きます。本番さながらの練習をして、時間配分に慣れましょう。
1か月で合格を取れる勉強法
試験本番まで残り1か月から勉強をはじめる場合、以下のような勉強法がおすすめです。
バランス良く勉強する
残り1か月であっても、あわてる必要はありません。リーディング、リスニングをバランス良く勉強しましょう。
頻出単語・熟語を覚える
英検合格には「単語・熟語の知識」が不可欠です。残り1か月となると、「本当に必要な単語・熟語」から先に覚えたいところです。
パス単なら出題頻度順に並んでいるので、必要性の高い単語から順に覚えられます。
リスニングの勉強を毎日する
4級はリスニングで9割取っておきたいです。
この分野の勉強は毎日欠かさずしましょう。勉強法は前章でお伝えしている方法をご参考ください。
時間を計って過去問を解く
残り1か月だと、過去問演習で実践力を磨いておきたいです。
週1-2回は時間を計って通しで過去問や予想問題を解きましょう。
1回分を解いた後は解きなおしをしてイディオムを覚え、リスニング原稿をみながらシャドーイングしておきましょう。
2週間で合格を取れる勉強法
試験本番まで残り2週間から勉強をはじめる場合、以下のような勉強法がおすすめです。
単語を毎日50個覚える
残り2週間という短い対策期間でも、単語・熟語の勉強は外せません。
時間が限られていますが、単語帳に載っている単語・熟語を完ぺきに覚えましょう。
シャドーイング練習を毎日する
シャドーイングを毎日しましょう。
ネイティブの発音に早く慣れられるので、リスニングでの高得点を期待できます。
時間を計って過去問を解く
どれだけ対策をしても、本番で時間配分を間違うと大失敗します。
時間を計って5回分は過去問を解いておきましょう。
1回分解き終わるごとに、やりなおし・覚えなおしをすると効率よくインプット・アウトプットできます。
試験当日の対策
英検の試験当日の過ごし方次第でまだまだ得点を伸ばせます。
以下の2点を実践してみましょう。
会場への移動中はリスニング・シャドーイングする
会場に行く途中の電車やバス、車のなかではリスニングをしましょう。
試験前に英語の音声に耳を慣らしておくだけでも得点アップを見込めます。
また、リスニングしながら頭の中でシャドーイングもしておくと、英語をアウトプットしやすい脳の状態にできます。
会場に着いたら単語帳をみる
会場に着いたら早速単語帳を見て、5個でも10個でも単語を覚えましょう。
ここで覚えた単語が1つくらい試験に出てくるかもしれません。
後ほど紹介しますが、英検4級の問題数は65問で、合格ラインは63%です。
やや大雑把な言い方をすると、41問正解できれば合格できる計算です。
※英検は配点が決まっていないので、この数字はあくまで参考程度です
41問中の1~2問ですから、試験前の勉強で1~2問正解をひろえれば合格に大きく近づけます。
英検4級の参考書・問題集
幼児や小学生・中学生におすすめの英検4級の問題集を紹介します。
※関連記事:【中学受験】英語入試の問題のレベルと対策方法
『英検4級 でる順パス単』
英検4級によく出る英単語が収録されています。
子どもにとって「英単語の暗記」は、英語学習をつづける上で大きな壁です。
4級によく出る「本当に覚えておく必要のある単語」だけを覚えれば良いので、子どもの負担感をできるだけ小さくできます。
学習効果がわかるテストもついています。

【音声アプリ対応】英検4級 でる順パス単 5訂版 (旺文社英検書)

英検4級 でる順パス単 書き覚えノート 改訂版 (旺文社英検書)
利点:漢字にふりがながついているので、漢字を読めない幼児・小学生も使えます。
出版社:旺文社
『英検4級 絵で覚える単熟語』(幼児・小学生におすすめ)
単語・熟語を「文字」ではなく「イラスト」で解説している単語帳です。
使う場面ごとに使い方や意味を解説してくれているので、幼児や小学生にも理解しやすいです。

【音声アプリ対応】英検4級 絵で覚える単熟語 4訂版 (旺文社英検書)
利点:絵と音の両方から単語の意味と使い方を覚えられます。
出版社:旺文社
『小学生のためのよくわかる英検4級合格ドリル』
タイトルにあるように、「小学生向け」につくられた4級対策ドリルです。
英検で必要な知識や文法を言葉による解説ばかりではなく、イメージや音と結びつけて覚えれるようになっています。
漢字にはふりがなが振られています。

小学生のためのよくわかる英検4級合格ドリル 4訂版 (旺文社英検書)
利点:小学生が理解しやすいような説明の仕方なので、「イメージ」や「形」で英検対策ができます。
出版社:旺文社
『新・小学生の英検4級合格トレーニングブック』
小学生が理解しやすいように、「文法用語を使わずに」イラスト中心に説明しています。
また、英検対策に特化しすぎず、「4技能」をバランスよく伸ばせるようなトレーニング問題の構成になっています。
もちろん、リーディング・ライティング・リスニングの対策ができ、予想問題で本番さながらの練習もできます。

新・小学生の英検4級合格トレーニングブック[音声DL付/学習アプリ対応]
利点:幼児や小学生が英検4級対策をつづけやすい、ハードルの低い問題から取り組めます。
出版社:アルク
『わからないをわかるにかえる英検4級』
英検4級に必要な単語や文法をすべて演習できる問題集です。
必要なものが網羅されているうえに、解説が非常に分かりやすいです。
小学生向けの英検4級対策の定番です。

わからないをわかるにかえる英検®単語帳 4級

わからないをわかるにかえる英検4級 (オールカラー,ミニブックつき)

わからないをわかるにかえる英検®過去問題集 4級 2023年度版
利点:オールカラーで分かりやすく、楽しみながら取り組めます。
出版社:文理
『小学生のための英語練習帳』(長文読解)
英語でのやり取りの仕方を覚え、英語の文章を読めるようにするための英語ドリルです。
14種類の文章を読み、それぞれ問題を解いて基礎的な英文読解力を身につけます。

小学生のための英語練習帳5 文章の読解
利点:イラスト付きの長文なので、はじめて英語の文章を読む子にも読みやすいです。
出版社:旺文社
『中学生のための英検4級合格レッスン』
例文やイラストを使って、難解な英文法を中学生に分かるように解説してくれています。
必要最低限の形や知識を学び、「やってみよう!」や「チェックテスト」ではそのアウトプットができます。
文法を学んだ後は本番そっくりの模試で腕試し。面接試験の対策もできます。

中学生のための英検4級合格レッスン (旺文社英検書)
利点:試験会場に持って行けるコンパクトな「でる順BOOK」がついています。単熟語ファイナルチェックをはじめ、「試験直前に役立つ内容」がポケットサイズの別冊に収録されています。
出版社:旺文社
『くもんの中学英語リスニング』
中学生向けに、英検5級~3級までのリスニング対策問題集です(高校入試にも対応しています)。
単語の聴き取りをする初級編からはじめて、対話文・絵や図表を使った完成編までステップバイステップで学習を進められます。

くもんの中学英語リスニング―中学1~3年 スーパーステップ
利点:3級まで対応しているので、長く使えます。
出版社:くもん出版
まとめ
いかがでしょうか。
幼児・小学生や中学生向けに、英検4級の勉強法や一発合格するためのポイントをまとめて紹介しました。
合格に必要な勉強時間は30時間程度とされています。試験まで2週間から1か月の対策でも合格は可能です。
短期間で合格を勝ち取るには、単語・熟語とリスニングの対策を重点的に行いましょう。
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