中学受験対策のために塾に通おうと思ったとき、個別塾と集団塾のどちらが良いか迷いますよね。
良い塾を選べれば納得のいく受験対策ができます。
そこで、中学受験で個別塾と集団塾のどちらが良いかを判断する基準を3つ紹介し、中学受験対策ができる個別塾の選び方と家庭でできるサポート方法をまとめてお伝えします。
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塾は大きく個別塾と集団塾の2つに分かれます。
中学受験対策をするなら個別塾と集団塾のどちらが良いか、判断基準はいくつかあります。
以下にまとめました。
中学受験対策で個別塾と集団塾のどちらが良いか、1つ目の判断基準は成績です。
塾の模擬試験を受けている方はその偏差値で判断しやすいです。
塾の模試や業者模試で偏差値55以上ある場合、集団塾のほうがおすすめです。
理由は下記の3点です。
中学入試の応用レベルの問題を解けるようになるには、標準問題を確実に解けるだけの学力、毎日2時間以上勉強する習慣が必要です。
偏差値がすでに55以上ある子は、基礎学力が高く、毎日の勉強習慣もついているはずです。
こういう子は、集団塾で教えているような「中学入試特有の解答テクニック」を身につけると応用問題も解きやすくなります。
例えば「1から99までの奇数の和」を求める問題では、等差数列の和の公式(「(最初の数+最後の数)×個数÷2」)を使うと簡単に答えが出ます。
こうした解き方も、「どの問題でどの解き方を用いれば良いか」が分からないと余計に間違いが増えてしまいます。
また、これまで勉強をがんばってきた子には「次の分かりやすい目標」=「ライバル」の存在が新たなモチベーションにつながります。
逆に、偏差値55未満なら「個別塾単独」か「集団塾と個別塾の併用」がおすすめです。
理由は下記の2つです。
偏差値が55未満の場合、基礎学力がまだまだ足りていない可能性があります。
算数の計算を速く・正確にする力、国語の漢字や語彙の知識、など。これらが不足していると苦手な単元が生まれやすくなり、それが偏差値アップをはばむ要因になっていることが多いです。
一定期間勉強して苦手単元や苦手教科があっても、集団塾では授業が先に進んでいきます。
苦手を克服できないままになってしまいかねません。
そこで、個別塾で本人に合わせた授業進度を取るか、集団塾に通いながら苦手科目だけ個別塾を併用するのが有効です。
模試で偏差値が45未満の場合、個別塾単独がおすすめです。
模試で正答率50%以上の標準問題を7-8割解ければ、偏差値は45以上になるはずです。
そこに到達していなければ、標準レベルまでの問題を網羅的に解きなおす必要があります。
理解が抜けてしまっている箇所を洗い出し、一つ一つ対策するほうが良いでしょう。
勉強の進み方はゆっくりになるかもしれませんが、長期的に見て実力が伸びやすくなります。
また、理解できていない内容を子ども自身が把握できていない可能性があります。
そういう意味でも個別塾で一人ひとり見てもらえる環境のほうが勉強しやすいです。
中学受験対策で個別塾が良いか集団塾が良いかを判断する2つ目の基準は、「塾に通いはじめる学年」です。
こちらも学年によっておすすめ内容を以下にまとめています。
4年生までに塾に通いはじめる場合、集団塾にしましょう。
前述のように、模試の偏差値で集団塾か個別塾かを判断できますが、4年生まではまだ何とも言えません。
大手塾のカリキュラム上、中学受験の勉強に本格的に突入するのが5年生からが多いからです。
まずはほかの子と同じ内容の授業・宿題で勉強し、成績や本人の様子を見守りましょう。
模試の成績が芳しくない場合には、上記のように個別塾単独にするか個別塾と集団塾の併用に切り替えるのが便利です。
※関連記事:難関中学に合格するにはいつから塾に通えばいいか:受験対策に強い塾の特徴と入塾テスト対策に役立つ問題集
5年生や6年生で塾に通いはじめる場合、個別塾が良いでしょう。
受験勉強の開始時点でほかの受験生のほうが先に勉強を進めています。急いで追いつくために、まず個別塾で勉強をスタートしましょう。
個別塾での対策に不安を感じる場合、定期的に集団塾の模試を受けておき、追いついてきたら集団塾に移ります。
※関連記事:中学受験は5年生からでは遅い?出遅れを取り返すための対策と親のサポート方法を解説
3つ目の判断基準は「子どもの性格」です。
塾の雰囲気や進め方と子どもの性格との相性も大切です。
競争心が強い性格の子だと集団塾が合っていると言えます。
集団塾はクラス単位ですから、同じクラスにライバルを見つけやすいです。
授業中にライバルが正解できていたら「自分も正解できるようにがんばろう!」とやる気に火がつきます。
競争にあまり興味がなく、マイペースに勉強したい子もいます。
そういう子の場合は個別塾のほうが合っています。
中学受験と言えば「ライバルとの切磋琢磨で学力アップ」が常套手段でしたが、そうではないタイプの子どももいます(ママスタより)。
問題に正解できていても納得するまで考えたい。分からない箇所をそのままにして先に勉強を進めたくない。
そう感じる子は個別授業で質疑応答をしたり、授業を進めるのを一時中断して復習に時間を回したりするほうが勉強しやすいです。
個別塾が良いか集団塾が良いか、ここまで3つの判断基準を紹介しました。
以下の表のようになります。
偏差値 | 通塾開始学年 | 子どもの性格 | |
個別塾が良い場合 | 55未満 | 5年生以降 | マイペース |
集団塾が良い場合 | 55以上 | 4年生まで | 競争心強い |
これらのなかで「偏差値55以上」の子の多くは難関中学を志望しています。
言いかえると、難関中学を志望していない子は個別塾で何ら問題ありません。
難関中学を志望している子のなかで、志望校と現在の学力にまだギャップが大きいか、本人がマイペースに勉強したいタイプなら個別塾での勉強を選択するのが有効です。
※関連記事:難関中学に合格できる勉強法
前述のように、難関中学志望者以外は個別塾で十分に受験対策できます。
ですが、本当に大丈夫か不安に感じる方もいるかもしれません。
そこで、中学受験対策が個別塾だけで大丈夫な理由を紹介します。
※関連記事:中学受験の塾選び:中学受験に強い塾の選び方と選んではいけない塾の特徴を紹介
1対1か1対2の個別授業だと、子どもが授業に集中しやすいというメリットがあります。
集団塾に通っている子のなかには、授業にあまり集中できていない子もいます。
「先生、今日も鼻毛が出てるな」
「塾の帰りにファミマで極旨メンチカツ買っちゃおう」
こんなことを考えながら授業を受けていたり、頭のなかが「無の状態」になってしまう子もいます。
個別授業だと先生から質問をされたり、問題を解いている姿を見られたりしています。授業に集中せざるを得ず、自然と目の前の問題に一生懸命になります。
個別授業のメリットのひとつとして、個別カリキュラムがあります。
一人ひとりの得意・不得意に合わせて教科ごとの目標点数を立てて学習計画を作成し、授業スピードを変えるなどペースを調整します。
授業を先に進めるよりも以前勉強したこちらの単元を先に復習するほうが良い、
この単元を得意にしていて一人で解けそうだから宿題メインにして授業は先に進めよう、
この子は暗記が得意だから理科の生物地学や社会に力を入れよう、など。
志望校合格までの道すじはひとつではありません。子どもの得意・不得意や志望校の出題傾向や合格最低点に合わせて対策するほうが、早く合格ラインに到達できます。
個別授業だと子どもの性格に合わせて学習量を調整できるため、勉強のモチベーションを維持しやすいです。
中学入試をするのは9-12歳くらいの子どもです。
子どもは大人にくらべてストレス耐性が低いうえに、自己コントロールの成熟度の個人差がとても大きいです。
勉強をたくさんするほうが成績は上がりやすいですが、キャパオーバーになってしまうと受験自体を回避せざるを得ない状況にもなります。
個別授業は子どもの様子をみて、性格に合わせて学習量を調節するので、その子にとってちょうど良い学習量を維持しながら受験対策を進められます。
※関連記事:中学受験をやめたいと思ったら?:保護者ができる対処法と勉強嫌いにならないようにする上手なサポート方法
個別授業では生徒のすぐ横に先生が座っています。問題の正解・不正解だけでなく、解答プロセスも確認できます。
中学入試の問題は応用問題が中心です。
ところが子どものなかには、問題の解き方が我流になっていて応用が利かない子もいます。
あるいは、途中式を省略しすぎて計算間違いを多発させている子もいます。
解答プロセスをチェックしていると、早い段階で修正できます。
個別授業は子どもの理解に合わせて授業を進めます。理解していないのに次々進むことは原則としてありません。
理解してから次に進めるので子どもも「分かる!」という実感を得られます。
たいていの個別塾では、授業の振替ができます。冠婚葬祭や家族でお出かけなど、予定を入れることが可能です。
このように時間の融通が利くと、勉強から離れてリフレッシュする日をつくりやすいというメリットが生まれます。
受験勉強は長期戦ですから、定期的にリフレッシュする日を作ると勉強のモチベーションを維持しやすくなります。
ここまでお伝えしてきた内容をまとめると、個別塾は「子どもにオーバーワークさせない受験対策法」とも言えます。
集団塾ではキャパの大きい子が圧倒的に有利です。毎日4-5時間の勉強に耐え続けられる子が志望校合格を勝ち取る可能性を得られます。
その方法は、競争社会を生き抜いていくうえで重要な「競争心」や「自己コントロール力」の養成にもつながります。
ただ、すべての子どもが競争心を燃やしてエネルギーに変えるタイプなわけではありません。なかには中学受験で勉強がとことんイヤになってしまう子も多数います。
入試終了後、「当分勉強はしたくない」という気持ちになってゲームやSNSに浸りきってしまうケースはよくあります(集英社オンラインより)。
言うまでもなく受験がゴールではありません。
12歳で燃え尽きてしまわないように学習量をコントロールし、対策方法を工夫してあげるのも受験対策のひとつかもしれません。
ではすべての個別塾が中学受験対策をできるかというと、そうでもありません。
受験生は預からないと決めている塾もあります。
そこで、中学受験に合格させられる個別塾の選び方を紹介します。
塾の個別相談会などで、「志望校合格までの学習計画」を立てて提案してくれる個別塾は安心できるでしょう。
学習計画と言っても、集団塾のカリキュラムのように「何月何日にどの単元を授業で扱うか」という細かい授業予定ではありません。
以下の3つが推奨項目です。
この3項目があれば計画的に学習を進められます。細かい部分は授業を進めながら調整できます。
定期的な保護者懇談が年何回あるかを確認します。
子どもの学習の進捗状況は、必ず塾と共有しておきましょう。
塾での子どもの様子を聞きつつ、学習面で気になる点を塾に伝えます。
個別塾なら通常、年3回の定期懇談の機会を設けています。
年3回実施しているなら個別塾の対応としては十分です。
なお、「懇談は随時行っております」と言う場合、保護者側から懇談を申し込まない限り、懇談をあまり行っていないことが多いです。
授業を担当するのは大抵、大学生です。小学生を教え慣れているかどうか確認しましょう。
小学生・中学生・高校生のなかで、一番指導経験を求められるのが小学生です。
年齢的に勉強の積み重ねが一番うすいため、中学生や高校生にくらべて既習内容を忘れやすいです。
勉強の仕方もまだまだ慣れていないため、途中式の確認や解きなおしの指示など、細かい指導が必要です。
塾探しでは、責任者の人柄や面談での提案内容を重視しましょう。個別塾でも集団塾でもこの点は同じです。
※関連記事:中学受験の塾選び:中学受験に強い塾の選び方と選んではいけない塾の特徴を紹介
指導力のある塾かどうかは、責任者によって大きく変わります。
子どもへの接し方が画一的、事務的な責任者なら、その校舎のほかのスタッフも同様になりがちです。
子どもの性格に合わせて対応を柔軟に変えられる責任者であれば、スタッフにもその姿勢が浸透していきます。
ここまでは、塾のスタイルの違いや選び方を紹介してきました。
中学受験で志望校に合格するには、塾・家庭双方のサポートが必要です。
そこで、ここからは家庭でできるサポート方法について説明します。
リビングや子ども部屋など、普段勉強する場所が勉強に集中しやすい環境になるようにしましょう。
このような環境をつくってあげられると、子どもが勉強に集中しやすくなります。
※関連記事:勉強の集中力を高める方法とおすすめアイテム
スマホは受験生にとって大敵です。依存傾向になりやすいツールです。
遊びたいときにいくらでも遊べ、気づいたら5-6時間経っています。
1日30分以内にする、20時以降は使用禁止など、使用ルールを決めておきましょう。
子どもが家にいる間は家のWi-fiを切るようにしていたご家庭もありました。
塾の授業で習った内容を、その日のうちに家で解きなおしましょう。
習ってすぐのタイミングで復習すると記憶に定着しやすくなります。
塾がない日は先週や先月の内容を解きなおすと、良い復習になります。
志望校の説明会には親子で行きましょう。
志望校に足を運び、校内を見渡すことで子どものモチベーションアップにつながります。
子どもが模試の成績を持って帰ってきたら、ポジティブな反応を返してあげましょう。
「算数は良くなかったかもしれないけど、社会は良かったね!」
「計算間違いが減ってきたんじゃない?」など。
模試の結果が良くないときもあります。結果に一喜一憂するより、「次の勉強につなげる」ほうが良い結果につながります。
勉強を高いモチベーションでつづけるためにも、定期的に勉強から離れてリフレッシュする機会をつくりましょう。
子どもが「もうちょっと勉強しようかな」と思うようになると、勉強の集中力がかなり高まってきます。
いかがでしょうか。
塾探しをしている小学生と保護者の方向けに、中学受験で個別塾と集団塾のどちらが良いかを紹介しました。
成績、塾に通いだす学年、子どもの性格の3つの判断基準で個別と集団を選びましょう。
また、中学入試で合格を勝ち取るには塾だけでなく親のサポートも重要です。勉強に集中しやすい環境づくりやモチベーション維持に気を配ってあげると、子どもが実力を発揮しやすくなります。
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