近年、中学受験は低年齢化してきていると言われています。入試問題の難易度があがり、必要な勉強量がふえたためです。たくさん勉強しないといけないので、勉強に時間がかかる。だから早く勉強をはじめよう、というわけです。
では塾に通いだすのも早ければ早いほどいいかというと、そうでもないことがわかっています。
受験勉強が本格化する4-5年生辺りから成績が低迷しだす子もとても多いです。
低迷したまま受験に突入させたくありませんよね。
今回の記事では、下記の内容を紹介します。
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※Z会の中学受験コースのメリットや活用法を下記の記事で紹介しています。
Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法
4年生以降に成績が伸びるかどうかは、受験レベルの問題を解けるようになるかどうか次第です。4年生以降も成績があがる子には、共通してみられる特徴が3つあります。
それぞれ説明します。
むずかしい問題を解けるようになる子は、解き方を論理的に理解できています。
算数や国語は3年生くらいまではあまり深く考えなくても正解できます。基本レベルの問題が多く、作業スピードの速い子が有利になります。
この時期に成績がずば抜けていなかった子でも、5-6年生で成績が右肩上がりになっていって難関中学に合格することはよくあります。
「この問題で問われていることは何かな?」「どうしてこの解き方なのかな?」を理解できていると、応用レベルになってもそれほど戸惑わずに問題を解けるようになります。
中学入試の応用レベルの問題は非常に難易度が高く、中学生の数学国語よりむずかしいものがたくさんあります。小学生が解くのに苦労するのは当然と言えます。
それでもすぐにあきらめずになんとか解こうと10分15分取り組める集中力や姿勢のある子は、長期的にみると実力がそなわってきます。
学習習慣がついている子は、やはり中学受験でも強いです。
低学年のうちに学習習慣をつけさせようと努力しているご家庭は多いです。高学年になってから新たに学習習慣をつけるのはかなり大変なので、小学校入学から2年間くらいが学習習慣形成のチャンスと言えます。
4年生以降は問題の難易度があがります。
むずかしい問題を解けるようになるには、前述のように下記の3つが必要です。
4年生以降に成績を伸ばす子に育てるには、この3つの条件を3年生までに備えさせてあげると良いです。
そのために家庭でしておくと良い準備は大きく3つあります。
論理性を伸ばすには親子の間でのコミュニケーションがかなり役立ちます。
「どうしてそう思うの?」と子どもに質問して考えさせ、さらに子どもに自身の考えを説明してもらうと子どもの論理性と表現力を両方伸ばすことができます。
※関連記事:塾なしで中学受験を成功させるためにおすすめの問題集や親子間のコミュニケーション方法を紹介
低学年の間に読書や本の読み聞かせを定期的にしておくことが重要です。
入試レベルの応用問題を解くには「文章から状況をイメージする力」「状況を整理してポイントをつかむ力」が欠かせません。
そのためには、文章の読解力と文章中の言葉を的確に理解し、自分の言葉で理解しなおせる語彙力があると非常に役立ちます。
読み聞かせは1日5-10分や1-2冊の短い本でも十分です。読み聞かせをすると子どもは本の世界を頭のなかにイメージしやすくなりますし、接続詞の使い方や意味を感覚的に理解しやすくなります。
また、言葉の意味は辞書に載っている正確な説明だけでなく、良い・悪いといった感覚的な理解も必要です。
知らない言葉が本に出てきても、親の話し方から「良い意味なんだな」「悪い意味なんだな」とイメージをつかみやすくなります。
※関連記事:子どもの語彙力を伸ばす方法と語彙力の高い子の過ごし方
話しがちょっとふくらんでしまいますが、論理的に考えるのにも文章読解力を高めるのにも語彙力が欠かせません。
人間は言語を使って考えますから、言葉を知らなければそれ以上思考を発展させにくくなります。
いくつかの塾が中学受験生に必要な語彙力を調べています。
下記の表をご覧ください。
平均的な語彙数 | |
中学受験の小学6年生(偏差値60前後) | 30,000語 |
平均的な小学4年生 | 10,000語 |
平均的な小学5年生 | 12,100語 |
平均的な小学6年生 | 14,400語 |
平均的な中学1年生 | 16,900語 |
平均的な中学2年生 | 19,600語 |
平均的な中学3年生 | 22,500語 |
語彙には「知っている語彙」と「使える語彙」の2パターンがあります。
言葉は知らなければ使えませんし、いくら知っていても使わなければ「モノ」になりません。
「知っている語彙」と「使える語彙」の両方を無理なく増やすには、低学年のうちから辞書を引き、文章を書く練習をしておくのがおすすめです。
※関連記事:【中学受験】国語辞典を使って国語の読解力を大きく伸ばす方法をお伝えします!
※関連記事:【中学受験】紙の辞書と電子辞書を使い分けて成績アップしていく方法を解説します
※関連記事:必見!小学生の文章力をアップさせるおすすめのトレーニング方法を紹介!
語彙力を高めるのにおすすめの本を2冊紹介します。
1冊目の『10才までに覚えたい読解力・作文力のつく言葉1000』で語彙に慣れ、
2冊目の『小学3年生から始める!こども語彙力1200』で本格的に語彙を増やす勉強に入るのがおすすめです。
出版社:永岡書店
値段:1650円(税込)
特徴:
文章読解の下支えとなる語彙力がアップする本。
出合った言葉を「生きた形」で自分の中に取り込めるような“気持ちを表す言葉”の意味・使い方を1000語掲載。
永岡書店より引用
マンガと一緒に読むことで、記憶の定着度が高まります。
読解力・作文力の向上、読書習慣が身につくほか、中学受験にも役立つ一冊。
【おすすめする理由】
語彙を増やすには「繰り返し見聞きする・使う」のが早いです。
マンガなので自分で何度も楽しく読んでくれます。
2年生でも十分に読めます。
出版社:KADOKAWA
値段:1,760円(税込)
特徴:
言葉の伝道師・齋藤孝先生が小学生に教える人生を豊かにする日本語1200
小学校を卒業するまでに覚えておきたい言葉をテスト形式で勉強できる本。教科書に出てくる語彙の定着はもちろん、中学受験を視野に入れた語彙力の増強を目標とし、実学年プラスαのことばを、ちょっと背伸びして勉強できる内容。
KADOKAWAより引用
【おすすめする理由】
文章を読解するのに必要な語彙がランク分けされており、大人が読んでも勉強になるような語彙がたくさんあります。
中学受験も意識して作られており、
「読解基本語」「感情表現や情景描写の言葉」「論理的な表現や概念の言葉」
のように分かれています。
文章をから状況を多角的にイメージできる子は、むずかしい問題でも理解できるようになります。
問題文が長くなると、何が書かれているかわからなくなってきます。具体的にイメージしながら読む力が求められます。
これは国語だけではありません。たとえば算数でもそうです。
図形問題なのに図形が描かれておらず、文字を読んで図形をイメージしないといけないものも出てきます。
こういうとき、文字から図形を具体的に思い描き、図形を紙に描いて考えるようにすると正解にたどりつきやすくなります。
お絵描きをする、ブロックで遊ぶといった「遊び」からイメージ力を大きく養えます。人は物ごとを頭のなかに入れるとき、ほかの何かの記憶と連動させて記憶するからです。
虫を捕まえたときにバタバタさせている足が自分の指に引っかかってくる感じや、目で見たときのウネウネした動き、虫や草のほのかなにおいなど。思い出すときも同様に連動させて思い出します。
こうしたほかの何かの記憶や複数の感覚と一緒のほうが記憶しやすく、思い出しやすくなります。
※関連記事:中学受験をする小学生におすすめの図鑑(理科、社会、国語、算数)
※関連記事:知育におすすめの立体パズル(ブロック、木製、キューブなど):立体思考、論理的思考を伸ばせる理由とは?
低学年のうちにしておく3つ目の準備は、学習習慣をつけることです。
問題がむずかしくなり、学習量が増えても受験勉強に自ら取り組めるかどうかは、習慣の差が大きいです。
やる気のある日はがんばるけれど、やる気のない日はダラダラ過ごす。
この感じだと、なかなか勉強が身に付きません。
低学年のうちに学習習慣をつけるようにしましょう。
下記の3つのポイントを実行すると学習習慣をつけやすくなります。
それぞれ説明します。
3日以内だと、「勉強する日」よりも「勉強しない日」のほうが多くなります。
1週間のうち半分以上は勉強するようにしましょう。
日常生活での習慣形成プロセスの研究の結果、
新しい習慣をつけるには、同じ時間、同じ場所など同じ状況で繰り返すことが有効であることがわかっています(行動デザインラボより)。
など、毎日決まった時間に勉強するようにしましょう。
なお、1、2年生が勉強する場所はやはりリビングが一番多いようです。
一度に長い時間だと子どもにとってハードルが高くなってしまい、続けにくくなります。
まずは1日1回10分程度の短い時間からはじめてみましょう。
学研の『毎日のドリルシリーズ』を使ったり、
中学受験生向けの下記のようなドリルを使うと、無理なく学習習慣をつけられます。
※ほかのおすすめドリルを下記の記事で紹介しています。
小学校1年生におすすめの算数ドリル
小学校2年生におすすめの算数ドリル
小学校3年生におすすめの算数ドリル
小学校1年生におすすめの国語ドリル
小学校2年生におすすめの国語ドリル
小学校3年生におすすめの国語ドリル
学習習慣をつけるのに非常に助けになるのが通信教育です。
移動時間がゼロですし、塾に比べて短時間の1回あたりの勉強が短時間に設計されています。「塾と併用」「通信教育単独」のどちらも選べます。
難関中学、最難関中学(首都圏御三家、灘中学、ラサール中学など)を目指しているならZ会がおすすめです。下記のような特長があります。
※関連記事:Z会中学受験コースだけで難関中学に合格する方法
中学受験対策の通信教育として進研ゼミも多くの受験生に選ばれています。楽しく、自信をつけながら学べるという特徴があります。
※関連記事:進研ゼミ小学講座の特徴と効果的な利用法
中学受験対策には算数の先取りが欠かせません。
算数の先取りをするのに便利な学習道具としてRISU算数という、「算数に特化したタブレット型の通信教育サービス」があります。
ゲームのようにステージをクリアすればするほど算数の問題を解けるようにしていくシステムです。
小学校の勉強先取りはもちろん中学受験の問題もたくさんあり、RISUの会員で四谷大塚の全国小学生学力テストやSAPIXの模試で全国1位を取っている子も出ています。
費用のシステムが分かりにくいので、その解説も含めて下記の記事で紹介しています。
中学受験の準備はいつからはじめれば良いか
最後に、中学受験勉強の状況について説明します。
中学受験対策といえば塾に通う方が多いです。
では、中学受験のために塾に通いだすのはいつからなのか。下記のグラフは、偏差値60以上の中学校に通う子どもをもつ保護者を対象に実施された調査結果です。
小学校3年生から4年生にかけて塾に通いだす子が最も多いという結果でした。塾に通いだしてから中学入試まで2-3年間塾に通う計算になります。
受験が終わるまでの間、授業を週何日くらい受けるのでしょうか。
下記のグラフをご覧ください。
という結果になっています。
週2回通うときは宿題も週2日していることが多いですから、合計すると週4日、1週間の半分以上で塾の予定が入っていることになります。
これだけ多くの時間をつかって、成績は順調にあがっているのでしょうか。
下記のグラフは、偏差値60以上の中学校に通う子どもの保護者の方を対象にして、中学受験勉強のときに悩んでいた内容を調査した結果です。
という結果でした。この2つが突出した多い悩みです。
中学受験をするには、勉強時間も普通の小学生よりかなり多く必要です。およそ平日でも3時間ほどしている子が大半です。
下記のグラフをご覧ください。中学受験を経験した家庭を対象に、平日に何時間勉強していたかを調査した結果です。
小4で平日に3時間勉強している子が4割近くもいます。5、6年生になるともっと勉強しています。
小学校低学年でも、学習習慣がついてきたら平日に毎日1-2時間は勉強する時間を持てるようにしましょう。
前述のように、小4以降は平日3時間以上勉強している子が多いです。いきなりそれほど勉強に時間を費やすのは大変です。
遊ぶ時間やのんびりする時間を突然ゼロにはできません。習い事もあります。
「高学年になってからがんばる」よりも、低学年のうちに「努力できる習慣や基礎固め」をしておくほうが良いでしょう。
中学受験を予定されているご家庭では、小学校入学前から少しずつ勉強をはじめておきましょう。
いきなり毎日長い時間勉強をするのは、親子ともに負担がかなり大きいです。1日1-2時間の勉強時間を取りましょうとお伝えしましたが、そこまでたどりつくのに1年以上かかります。
じっくり、ゆっくり、子どもの様子をみながら勉強時間と遊ぶ時間、習いごとの時間のやりくりをしていくご家庭が多いです。
そのための猶予期間を取るためには小学校に入学してからよりも入学前からのほうが負担が小さく済みます。
いかがでしょうか。
中学受験に向けて、低学年のうちにご家庭でできる準備方法を紹介しました。
受験勉強は4年生から本格的にむずかしくなりだします。
むずかしい問題を解けるようになる子にするには、理解力やあきらめない姿勢など3つの力をつけさせておくのがおすすめです。
完璧にやろうとすると親もストレスを抱えてしまいますから、できる範囲内で取り組んでみてください!
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