「英検®準2級を受けるから対策方法を知りたい」
「学校の勉強もあるから、効率よく合格を取れる対策がしたい」
こういうご希望をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
準2級は3級よりも大きく難易度があがりますから、効率よく対策したいと思っている人は多いです。準2級があれば中学入試・高校入試でも優遇されますし、大学入試でも利用できます。
そこで、英検®準2級を目指される方に向けて、
を例文付きで、詳しく解説します。この記事1つで一次試験の対策方法は完璧になるはずです。
※英検®準2級の対策問題集は下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:英検準2級の問題集
※ほかの級の対策方法を下記の記事で詳しく解説しています。
英検®2級のレベルと一次試験対策の仕方
英検®2級の二次試験対策の仕方と当日の流れ
英検®準2級の二次試験対策の仕方と当日の流れ
英検®3級のレベルと一次試験対策の仕方
英検®3級の二次試験対策の仕方と当日の流れ
英検®4級のレベルと大問別対策の仕方
英検®5級のレベルと大問別対策の仕方
英検®は年3回、毎年同じ時期に開催されています。個人で申し込む際の試験日程を下記の表にまとめています。
受付期間 | 1次 | 2次 | |
第1回 | 3月15日~5月2日 (書店は4月19日締切) | 6月2日(日)本会場 | (A日程)7月7日(日) (B日程)7月14日(日) |
第2回 | 7月1日~9月6日 (書店は8月30日締切) | 10月6日(日)本会場 | (A日程)11月10日(日) (B日程)11月17日(日) |
第3回 | 11月1日~12月16日 (書店は12月6日締切) | 2025年1月26日(日)本会場 | (A日程)2025年3月2日(日) (B日程)2025年3月9日(日) |
従来の英検は前述のように年3回ですが、英検S-CBTならほぼ毎週末受験機会があります。
PCで受ける方式で、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能の試験が1日で終わります。急いで合格を取りたい人におすすめの受検スタイルです。
また、通常の英検と出題レベルや出題傾向は同じですが、「面接官と1:1で話すのが苦手」という人が高得点を取れるチャンスがあります。
詳しくは以下の記事で解説しています。
※関連記事:【英検scbt】従来型英検との違いや申込・実施日程など
※関連記事:英検scbtは大学受験に使えない?
英検®準2級のレベルと、合格するにはどれくらいの点数が必要なのか確認します。
日本英語検定協会によると、準2級のレベルは「高校中級程度」(高校2年生程度)です。
日常生活に必要な話題全般が出題されます。
また、審査領域は下記のように公表されています。
読む:日常生活の話題に関する文章を理解することができる。
日本英語検定協会-各級の審査基準より引用
聞く:日常生活の話題に関する内容を理解することができる。
話す:日常生活の話題についてやりとりすることができる。
書く:日常生活の話題について書くことができる。
英検®準2級では、「日常生活で英語を使えるレベル」が必要になります。
英検®準2級は中学入試・高校入試・大学入試すべてで利用できます。
入試利用の概要を説明します。
中学受験では英検®をはじめとした英語資格を入試に利用できます。
利用方法は下記の3パターンです。
それぞれ説明します。
【受験資格を得られる】
英語教育やグローバル教育に力を入れている学校のなかには、一定以上の英語資格を取得している子だけが受験できるようにしているところもあります。
そうした学校は英語教育に力を入れるのはもちろん、国際感覚を身につけられる教育をしていて人気があります。
受験資格を得られるだけでかなり合格に近づけます。
【加点される】
英検の取得急によって、入試の得点に加点されます。準2級だと50-100点程度加点される学校が多いです。
中学入試は4教科で300-400点満点の試験が多く、1点に7-8人いると言われています。
100点の加点になれば、ほぼ合格間違いないように思われます。
【英語で受験】
英検®準2級以上あると「英語1科目+面接」で受験できる学校がたくさんあります。東京都だけで80校以上もあります。
中学受験といえば算数というイメージもありますが、英語力を求める入試も多数存在します。
※下記記事で、英検®利用できる私立中学を紹介しています。
入試で英検®が使える東京の私立中学一覧
入試で英検®が使える神奈川、埼玉、千葉の私立中学一覧
入試で英検®が使える関西の私立中学一覧
英検®準2級あると、高校入試でも優遇されます。
具体的には3点であります。
中学3年生の47%は英検®3級を所持しているか、3級相当の実力を持っていると評価されています(文部科学省「令和3年度公立中学校における英語教育実施状況調査」)。
中学生の英語力が伸びてきているなかでも、英検®準2級はやはりかなりの実力者です。
中学2年生までに準2級を取得していると、3年生になったときは英語の入試対策を「ほどほど」にしておいて、浮いた時間を数学などほかの科目に回すことも可能です。
英検®を取得しておくことで、英語だけでなくほかの科目も含めて高校入試を有利に持っていけます。
※関連記事:高校受験で使える英検®優遇措置
大学受験でも英検®資格は使えます。具体的には、
の2点です。
準2級から使える大学もありますので、各大学HPでチェックしておきましょう。
では、準2級に合格するにはどれくらいの点数を取ればいいのか確認します。
合格点は日本英語検定協会が公表しています。
満点 | 合格点 | |
準2級 | 2400点 | 1728点 |
検定で7割以上の得点が必要です。
3級よりも問題の難易度が上がりますが、合格ラインは7割と高いままです。
英検は4分野の試験があり、分野にとって得意・不得意も出てきます。ですが、得意な分野ばかり勉強するよりも4技能をバランスよく勉強している人のほうが合格しやすいです。
2015年以前はライティングやリスニングが苦手でも、リーディングでがんばれば合格しやすい試験でした。例えば、ライティングが0点でもリーディングとリスニングが満点なら準1級の一次試験は合格でした。
2016年から技能ごとの配点が同じになったため、特定の技能の点数で合格を取るのはかなり困難になっています。
また、配点も統計処理されて決められるため、試験回ごとに代わります。30問中27問正解したから9割の得点になる、というわけではないのです。
英検準2級では、幅広い範囲の文法が出題されます。
まず、文法準2級で出題レベルは「高校2年生程度」です(日本英語検定協会より)。
中学3年間の英文法はもちろん、高校で習う文法もほとんど範囲になります。
準2級から登場する文法のなかで、特に重要なものを一覧にしました。それぞれ例文もつけましたので、参考にしてください。
文法 | ポイント | 例文 |
過去完了形 | 過去よりさらに過去 | She had played tennis for ten years when she was 15 years old. (彼女は15歳のとき、10年間テニスをしていた。) |
未来完了形 | 未来のある時点を言う | She will have played tennis for 10 years by when she turns 15. (彼女は15歳になったら10年間テニスをしたことになる。) |
使役動詞 | let<have<make | She let him play tennis. She had him play tennis. (彼女は彼にテニスをすることをさせた。) She made him play tennis. (彼女は彼に(半ば無理やり)テニスをすることをさせた。) |
比較級 (応用) | ・比較and比較 ・the比較S V, the比較S V. | 【比較and比較】 She liked playing tennis more and more. (彼女はますますテニスをするのが好きになった。) 【the比較S V, the比較S V】 The more she practiced tennis, the better she did. (彼女はテニスを練習すればするほど、上手になった。) |
動名詞 (応用) | ・前置詞の後の動詞は動名詞にする ・cannot help ~ingなどのイディオム | She is proud of playing tennis well. (彼女はテニスが上手なのを誇りに思っている。) She cannot help playing tennis every weekend. (彼女は毎週末テニスをせずにはいられない。) |
不定詞 (応用) | ・It is 形容詞 of 人to ・完了形の不定詞 | 【It is 形容詞 of 人 to】 It was careless of her to make the mistakes in that big game. (あんな大きな試合でミスをするなんて彼女は不注意だった。) 【完了形の不定詞】 She is said to have been careless of making the mistakes in that big game. (あんな大きな試合でミスをするなんて彼女は不注意だったと言われている。) |
準2級は高校2年生程度のレベルですが、高校で習う英文法ばかり出題されるわけではありません。
中学校で習う英文法(3級レベル相当)で半分程度の問題に正解できます。
新たに出題範囲に入る文法も大切ですが、3級までの英文法もしっかり復習しておきましょう。
準2級の合格には3300語程度必要とされています。
3級の必要単語数が2000語ですから、さらに1300語も必要です。
これだけの数になると暗記が大変です。ほかの勉強もありますので、効率よく・確実に覚えられる暗記方法を工夫する必要があります。
※関連記事:小学生におすすめの英単語暗記方法
※関連記事:中学生以上におすすめの英単語暗記方法
前述のように、準2級は一次試験でリーディング・ライティング・リスニングがあり、
二次試験でスピーキングがあります。
日本英語検定協会によると、準2級の出題内容は下記画像のようになっています。
■リーディング・ライティング(75分) | ||||
形式・課題 | 形式・課題の詳細 | 問題数 | 問題文の種類 | 解答形式 |
短文の語句空所補充 | 文脈に合う適切な語句を補う。 | 20 | 短文 会話文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
会話文の文空所補充 | 会話文の空所に適切な文や語句を補う。 | 5 | 会話文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
長文の語句空所補充 | パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補充。 | 5 | 物語文 説明文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
長文の内容一致選択 | パッセージの内容に関する質問に答える。 | 7 | Eメール 説明文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
英作文 | 質問に対する回答を英文で書く。 | 1 | (問題文なし) | 記述式 |
■リスニング(25分) | ||||
形式・課題 | 形式・課題の詳細 | 問題数 | 問題文の種類 | 解答形式 |
会話の応答文選択 | 会話の最後に発話に対する応答として最も適切なものを補う。 (放送回数1回) | 10 | 会話文 | 3つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢読み上げ) |
会話の内容一致選択 | 会話の内容に関する質問に答える。 (放送回数1回) | 10 | 会話文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
文の内容一致選択 | 短いパッセージの内容に関する質問に答える。 (放送回数2回) | 10 | 物語文 説明文 | 4つの選択肢から解答を1つ選ぶ (選択肢印刷) |
それぞれの出題内容と対策方法を詳細にお伝えします。
リーディング・ライティングは下記のように3つの大問にわかれています。
3級では大問3つでしたが、準2級では大問4つに増えます。
問題数は増えますが、筆記試験時間も50分→75分に増えるので、それほど急ぐ必要はありません。
準2級の一次試験合格には1322/1800点(73.4%)の得点が必要で、合格率は35%ほどとかなり低いです。3人に1人しか合格できない試験です。
ちなみに3級は50%でした。難易度が急激にあがります。
単語も文法も正確で実践的な力をつける必要があります。3級に合格後、6か月~1年程度の勉強期間を見積もっておきましょう。
リーディングとライティングの試験時間は75分です。
大問ごとに時間配分と解答のコツをお伝えします。
見直しの時間を5分残すようにします。思ったより時間がかかってしまった場合に調整もできます。
また、次のリスニングが始まる前に問題用紙をみる時間にもあてましょう。
問題数は20問あり、高校課程で習う英文法や熟語の知識を問う問題が中心です。
大問1で7割(14/20問)正解できるレベルであれば、英検®準2級に合格できる知識がそなわっているとみて大丈夫です。
5割以下(10/20問正解)になってしまう人は、単語・文法の知識をつけることを優先させるほうが準2級合格に早く近づけます。
下記の手順で解きます。
大問1の問題を見ていきましょう。
例えば上記(1)の問題の赤線を引いた箇所をご覧ください。
The two leaders decided to stop the war between their countries. They promised their people that there would be ( ).
(両首脳は両国間の戦争終結を決定しました。両国民に( )を約束しました。)
( )に入る単語を選ぶ問題です。
いきなり国際紛争のニュースでよく聞く内容です。
問題文をみた時点で、どういう意味の単語が入りそうかを予想します。
終戦後の生活保障についてなのか、傷病者の社会復帰にかんすることなのか。両国間の貿易再開なのか。いずれにしても「戦争が終わること・終わったあとのこと」だろうと予想できます。
軽く予想をしたところで選択肢を確認します。
「1. peace(平和)」
「2. faith(信仰)」
「3. honor(名誉)」
「4. matter(問題)」
( )に入る語を「戦争終結かその後のこと」と予想したので、それに近い「1. peace」を選択します。
peaceを1文目に入れて確かめてみましょう。
The two leaders decided to stop the war between their countries. They promised their people that there would be peace.
(両首脳は両国間の戦争終結を決定しました。両国民に平和を約束しました。)
「平和を約束した」。記者会見の報道でよく見ますね。文意が通じました。答えはpeaceで良さそうですね。
大問1は1問1分で解きたいパートです。あまり悩んでいる時間はありません。
わからないときは消去法で選んで、早く次の問題に移りましょう。
大問2は5問あります。大問1と違って、「誰か2人」の会話です。
実際の問題をみながら解き方を説明します。
3級とちがい、準2級では誰と誰の会話なのかが書かれていません。
A: Soccer practice normally finishes at 5 p.m., but Coach Stevens said that today’s practice will finish at six.
B: Really? Did he say that? I didn’t hear him. I’d better call my mom and ask her to ( ).
A: Do you want to use my phone?
B: Thanks! My mom will be angry if she has to wait for an hour.
(A:サッカーの練習いつも午後5時に終わるけど、スティーブンコーチが今日は6時に終わるって言ってたよ。
B: そうなの!?聞いてないよ。お母さんに電話して( )してもらうよう頼まなきゃ。
A: ボク/私の電話使う?
B: ありがとう!1時間待たないといけないなんて、お母さん怒るだろうな。)
使われている単語や会話の流れから2人の年齢や関係性、会話の状況を想像します。
下記画像の赤線箇所をご覧ください。状況を想像するためのヒントです。
「soccer practice」(サッカーの練習)、「finishes at 5 p.m.」(午後5時に終わる)というフレーズから少年/少女サッカーの話題だとわかります。
この時点では、会話の2人がサッカー選手なのか、保護者なのか、監督・コーチなのか、学校の先生なのかなどはまだわかりません。
「Coach Stevens said」(スティーブンコーチが言ってた)
「call my mom」(お母さんに電話する)
というフレーズをみて、少なくともBは少年/少女サッカーチームの選手だとわかります。
ここまでで、会話の様子をイメージします。
こんな感じです。↓↓↓
状況をイメージできたら、つづいて選択肢を1つずつ入れて会話の流れが自然かどうか確認します。
「1. bring my soccer shoes」(サッカ―シューズを持ってきてもらう)
「2. pick me up later than usual」(いつもより遅く車で迎えに来てもらう)
「3. speak to Coach Stevens」(スティーブンコーチに話してもらう)
「4. keep my dinner warm」(夕ご飯を温めていてもらう)
( )に入る選択肢として、どれもおかしくはないです。このときヒントになるのが、( )の前後の会話です。
「B」はサッカーの練習が5時に終わると思っていて、6時になると分かったから母親に電話すると言っています。そして、「1時間待ちぼうけで母親が怒るだろう」と言っています。
待たされて・怒りそうな選択肢を選ぶようにしましょう。
「1. サッカーシューズを持ってきて」は怒るかもしれませんが、待たされているわけではありません。
「3. スティーブンコーチに話してもらう」も違うでしょう。5時に帰らせてもらうよう話すなら、1時間待つこともなくなります。
「4. 夕ご飯温めておいて」も違いますね。電子レンジで温めるだけなので、怒るようなことでもありません。
というわけで、正解は「2. pick me up later than usual」(いつもより遅く車で迎えに来てもらう)になります。
ちなみに、この選択肢で使われている「pick 人 up」の意味を知らない場合もあります。
その場合でも、( )の前後の会話から消去法で選択できます。
手順をおさらいすると、下記のようになります。
リーディングの大問3は5問あります。長文1つにつき、空所が2-3か所あります。
長文中の空欄に入る語句や文を選択する問題はセンターテストで毎回出題されていました。そのときの解答テクニックを使うと解きやすくなります。
まず、長文のタイトルと空欄の場所を確認します。
「A Voice from the Past」というタイトルです。何やら怪しげです。
過去と何か関係があるのかもしれません。
問題を解くときのヒントになることがよくあるので、頭の片隅に置いておきましょう。
つづいて、空欄の前後の1-2文を読んでみます。
「The bottle was old and dirty. It looked like ( ) . John picked up the bottle and gave it to his father.」
(ボトルは古くて汚れていた。ジョンは拾って父親に渡した。)
この箇所から2つの情報がわかります。
・古くて汚れたボトル
・ジョンは父親にそのボトルを渡した
これらのヒントに、選択肢を確認します。
「1. it hade ben made recently」(最近作られた)
「2. it was full of red wine」(赤ワインがたっぷり入っていた)
「3. there might be more bottles nearby」(近くにもっとボトルがありそうだった)
「4. there was something inside it」(中に何か入っていた)
さきほどわかった2つのヒントから、「1. 最近作られた」と「3. 近くにもっとボトルがありそうだった」は違うとわかります。
残り2つのうちどちらなのかはまだ分かりません。次の設問がヒントになります。
「Please ( ) .” On their way home, John and his father bought a postcard to send to Paul.」
(「( )してください。」帰り道、ジョンと父親はハガキを買ってポールに送りました。)
ポールって誰?と思ってチラっとその前を探してみると、「”My name is Paul,”」とあります。ジョンとお父さんは古いボトルをみて、そのボトルに何かあってこのポール宛にハガキを送ったことがわかります。
ボトルのハガキの関係の謎を解くヒントが選択肢にあります。
(27)の選択肢に「1. write to me at this address」(この住所のボク宛に手紙を送って)と書いています。
どうして急にポールという人にハガキを送ったのかというと、「ボクに手紙を送って」とお願いされたからなんですね。
ほかの選択肢には「なぜハガキを送るのか」を説明してくれるものはありませんから、(27)の正解は「1」になります。
ここで、「『手紙をください』といつお願いされたのだろう?」と疑問が残ります。
ここで(26)の選択肢に戻ります。
「4. ボトルのなかに何かあった」と。この「何か」が「手紙ください」というメモだったんでしょう。
さっきは、「2. 赤ワインがたっぷり入っていた」とどちらが正解かわかりませんでしたが、先に(27)に進んだことで「2」だと話がつながらないことがわかりました。
これで、(26)の正解は「4」だとわかりました。
このように、設問が複数ある場合は「2つ目の設問」がほかの設問のヒントになっていることがよくあります。
解答手順を振り返ります。
この解き方はかつてのセンターテストと同じです。学校のテストでは使わない解答テクニックですから、何回か練習して慣れるようにしましょう。
ポイントは「2つ目の選択肢に解答のヒントがあること」です。
リーディングの大問4は長文2題で設問が7問あります。
時間をかければ解ける範囲ですから、15分かけてしっかり点数を稼いでおきましょう。
大問4の問題を見ていきましょう。
まずメールの送信者(From)と受信者(To)、タイトル(Subject)を確認します。
この問題ではAlanからJeffに映画祭(Movie festival)についてのメールだとわかります。
特に外国人の固有名詞が複数あると、私たち日本人は途中でややこしくなるときがあります。
最初に「誰」から「誰」へのメールなのかをしっかり頭に入れておきましょう。
確認できたら、設問をみましょう。
選択肢をみると、「長文から何を探せばいいのか」がわかります。
この長文だと、下記の3点です。
「1. Alanが先週土曜にしたこと」(What did Alan do last Saturday?)
「2. JeffとAlanが去年したこと」(Last year, Jeff and Alan))
「3. Alanが映画祭について言っていること」(What is one thing Alan says about the festival?)
探す内容がわかれば長文に戻ります。段落が3つあります。
このタイプの問題は、設問の順番と長文内で解答の書かれている場所が同じです。
段落が3つで設問も3つですから、
第1段落に(31)の答え、
第2段落に(32)の答え、
第3段落に(33)の答えがある確率が非常に高いです。
まず第1段落から(31)の答えを探してみましょう。
「last Saturday」の文字を探すと、4行目にありました!その近くに「Alanが何をしたか」が書かれているはずです。
「I found a book」とあります。本を見つけたんですね。
(31)の選択肢に戻ると、
「2. He bought a book about movie.」(Alanは映画についての本を買った。)とあります。
この選択肢が解答ですね。
つづいて、(32)の答えを探すため、「Last year」の文字を第2段落から探します。
「Last year」と書かれた箇所がありました。「AlanとJeffが何をしたのか」を探せばいいのですが、同じ文に書かれています。
「the Mexican restaurant that we went on your birthday」(Jeffの誕生日にメキシコ料理屋に行った)とあります。
(32)の選択肢に戻りましょう。
「1. tried Mexican food for the first time」(初めてメキシコ料理を食べてみた)
「4. went to a restaurant for Jeff’s birthday」(Jeffの誕生日のお祝いでレストランに行った)
の2つが本文の内容に近いです。
「1」には「初めて」と書かれていますが、メキシコ料理を食べたのが初めてかどうかは本文からはわかりません。
そこで、「4」が解答だとわかります。
最後に、(33)をみてみましょう。
「Alanが映画祭について言ったこと」を下記の4つの選択肢から選ぶ問題です。
「1. チケット購入済」
「2. すべて古いアクション映画」
「3. 映画はすべて地元の映画ファンチョイス」
「4. 2日間以上開催される」
選択肢に合う内容を本文の第3段落から探しましょう。
「over two days」(2日間以上)とあります。ですから、(33)の正解は「4. 2日間以上開催される」です。
解答手順をおさらいします。
ライティングは1問です。形式も解答の仕方も毎回同じです。
書く構成と順番が決まっているので、それに沿って定型表現を使って書きます。
実際の問題をみながら解説します。
まず、質問を確認します。質問は1番下に書かれています。
Do you think it is good for people to use smartphones while studying?
(勉強中にスマホを使うのは良いと思いますか。)
この質問に対する解答を書きます。
「構成」と「書く順番」は下記のようになります。
結論 → 理由① → 理由②
解答例は下記のとおりです。赤字部分が定型表現です。
<結論>I think it is good for people to use smartphones while studying.(I have two reasons.)
(はい、勉強中スマホを使うのは良いことだと思います。(理由は2つあります。)
※字数に応じて、「I have~.」を使うようにしましょう。
<理由①>First, people can look for things in the Internet quickly.
(まず、ネットで早く検索できます。)
〈具体例・根拠①〉For example, it takes only a few seconds to look up English words.
(例えば、英単語を調べるのに数秒で済みます。)
<理由②>Second, they can watch videos that explains the things they learn.
(次に、学習内容の解説を動画で見られます。)
〈具体例・根拠②〉It helps them understand what they are studying quickly.
(学習を早めるのに役立ちます。)
日本語は結論を後ろに持ってくる傾向があります。「結論を先に書く」というのを覚えておきましょう。
この例では「Yes」で解答していますが、「No」でも大丈夫です。
書く順番や定型表現は同じで、「I think it is ~.」で自分の意見を主張し、その理由2つを「First,」「Second,」で書きだします。
理由の具体例やさらなる根拠をそれぞれもう1文付け加えます。あっさりと字数が大きくオーバーしてしまうので、簡潔に書くようにしましょう。
また、減点を少しでも減らすため、「間違えずに書ける単語と文法で書くこと」が大切です。
できるだけ関係代名詞や高校英文法を使わないようにしましょう。中1、中2で習う範囲の文法で書くようにします。
つづいて、リスニングの対策方法を説明します。
リスニングは大問3つにわかれています。問題数はすべて10問ずつです。
放送は1回ずつしか流れません。
解答のコツを1つ1つ説明します。
リスニングの大問1は10問あります。イラストも選択肢もなく、音声だけで問題に解答します。
男女2人の会話が流れます。必ず男女2人ですから、聞こえてきた放送がどちらの発言なのか迷うことはありません。
①1人目の発言
②2人目の発言
③1人目の発言(2回目)
と音声が流れて、「2人目の2回目の発言として適当な内容」を選択肢(放送)から選びます。
下記の手順で解答すると正解しやすくなります。
ちなみに問題用紙は下記のような感じです。
大問1のリスニングの放送がはじまる前に大問2(第2部)の選択肢をみて、「何」「どこ」「誰」など聞き取る内容をメモしておきましょう。
大問1の放送の原稿は下記のとおりです。
1人目(男性):
Hi, Mom. I’m at the mall looking for a Father’s Day present for Dad.
(お母さん、父の日のプレゼントを買いにショッピングモールに来てるんだけど。)
2人目(女性):
What are you going to get him?
(何をあげるつもり?)
1人目(男性、2回目):
I don’t know yet. I thought you could give me some ideas.
(わからないんだ。お母さんなら何かいいアイデアあるかなと思ってるんだ。)
2回目の発言で「you could give me some ideas」と言っています。ということは、2人目の解答は「何」になるはずです。
2人目の発言の選択肢を放送で聞きます。
2人目(女性、2回目):
1. I don’t need a present.(私はプレゼントいらないわ。)
2. It’s his birthday tomorrow.(明日がお父さんの誕生日よ。)
3. He might like a necktie.(ネクタイがいいんじゃないかしら。)
「何」を答えているのは「3. ネクタイ」だけです。この選択肢が正解になります。
もし1人目の2回目の発言が「When~?」なら、「2. 明日」が答えになるでしょう。
「誕生日いつだっけ?「明日よ。」という会話になるでしょう。
こんな具合に、1人目の2回目の発言の文頭に注意すると答えを選びやすくなるときもあります。
ただし、毎回この方法で解けるわけではありません。「会話の流れ」を聞き取ることを大切にしましょう。
リスニングの大問2も10問あり、今度も会話を聞きます。
1問ずつ選択肢が4つあり、選択肢は問題用紙に印刷されています。
大問2の放送の流れは下記のようになります。
①1人目の発言が流れる
②2人目の発言が流れる
③1人目の発言が流れる(2回目)
④2人目の発言が流れる(2回目)
⑤質問が流れる
下記の手順で解答すると正解しやすくなります。
実際の問題をみながら解説します。
1回目の放送が流れる前にまず、解答の選択肢をみます。
実際の選択肢をみてみましょう。
「1. pasta」(パスタ)
「2. bakery」(パン)
「3. place」(場所)
「4. supermarket」(スーパーマーケット)
すべて「何」か「どこ」です。
これから流れる放送では、「何」「どこ」のどちらかが質問されるだろうと予想できます。
実際の放送原稿は以下の内容でした。
1人目:
Alison, I want to invite my girlfriend out for dinner. Can you recommend for a dinner?
(Alison、ガールフレンドを夕食に誘いたいんだ。いいお店知ってる?)
2人目:
Sure. What kind of place are you looking for?
(いいよ。どんなところがいいの?)
1人目(2回目):
Well, something a little different would be good. I want our meal special.
(いつもとちょっと違う感じがいいな。特別なディナーにしたいんだ。)
2人目(2回目):
There’s a great new Italian restaurant downtown on Third Street. You could go there.
(ダウンタウンの3rdストリートの新しいイタリアン、良いわよ。そこがおすすめ。)
質問:
What is the man asking the woman about?
(この男性は女性に何を尋ねていますか。)
予想どおり、「何」を聞いています。
男性は「ガールフレンドとのディナーに使えるおすすめのレストラン」を聞き、Alisonと呼ばれる女性は「3rdストリートのイタリアン」を勧めていました。
選択肢をみてみると、
「2. A bakery for dinner.」か「3. A place to go for dinner.」
1回の放送だとどちらか迷うかもしれません。「2」の選択肢だと、「bakery(パン)」と言っているので、消去法で「3」を選択できます。
放送が終わったらすぐに次の問題の選択肢に目をとおしておきましょう。
リスニングの大問3も問題数が10問あります。問題用紙に選択肢が印刷されています。
英文を聞き、その質問に対する適切な回答を4つの選択肢から選びます。
下記の手順で解答すると正解しやすくなります。
No. 21の選択肢をみてみると、下記のようになっています。
「1. She had to walk for a long time.」(彼女は長時間歩かないといけなかった。)
「2. She stayed up late watching TV.」(彼女はテレビを夜遅くまで観た。)
「3. Her train was very crowded.」(彼女の電車はとても混んでいた。)
「4. Her office is far from her house.」(彼女の職場は家から遠い。)
「話の内容」に関するものが並んでいます。こういう場合は「なぜ」を聞き取るようにしてみましょう。
上記の選択肢をもとにして、
を念頭に置いて放送を聞きます。
実際の放送原稿は以下の内容でした。
After working until late last night, Sophia fell asleep on the train and missed her stop. She woke up when the train arrived at the last station. There were no more trains, so she had to walk home her heavy bag. It took more than one hour. Her co-workers could see that she was tired this morning.
Q. What is one reason Sophia was tired this morning?
(昨晩遅くまで仕事をして、Sophiaは電車で寝すごしてしまった。彼女が目を覚ましたら、終着駅だった。電車はもうなかったので、重いカバンを持って家まで歩かないといけなかった。1時間以上かかった。彼女の同僚は、今朝の彼女は疲れていたようにみえた。
Q. Sophiaが今朝疲れていたのはなぜ?)
やはり、「なぜ?」と聞かれました。
なぜSophiaが疲れていたのかというと、「昨晩歩いて帰ったから」ですし、
なぜ歩いて帰ったのかというと、「電車で寝過ごしたから」です。
どちらかの理由が選択肢にないか、確認してみましょう。
「1. She had to walk for a long time.」(彼女は長時間歩かないといけなかった。)
があります。これが解答になります。
大問ごとの練習が終われば、最後は過去問を1回分ずつ解いてみましょう。
目的は3つあります。
それぞれ説明します。
英検®は時間が限られています。
準2級は一次試験で68問解きます。
問題数が多いので、1つの問題で詰まってしまうと時間がすぐになくなります。
大問が1つ終わるごとに時計をみて時間を確認しましょう。
リーディングの大問1なら20分以内に解きたいところですから、もし大問1が終わって25分経っていたら、大問2は急がないといけません。
などを、時計をみて考える練習をします。
英検®本番でも、時間が足りないことはよくあります。
そういうときに練習で時間配分に慣れていると、あわてずに対処できます。
リーディングは問題を解くスピードを自分でコントロールできます。
ですがリスニングのパートは流れてくる放送にあわせて問題を解かないといけません。
「上手く聞けなかった…」と気になってしまう問題もありますが、次の問題に気持ちを切り替えましょう。
上手くいかなかったときに気にしてしまうと、次の問題に集中できず、また失敗してしまいます。
リスニングはたった25分ですから、「あれよ、あれよ」という間に終わってしまいます。
過去問を使って、1問ずつ集中して解く練習もしておきましょう。
準2級の一次試験はリーディング・ライティング・リスニングあわせて大問が8つあります。
など、人によって得意・不得意があります。
英検の採点方式が変わってから、「満遍なく正解を取れる人」が合格しやすくなっています。
不得意なタイプの問題を繰り返し練習して克服しましょう。
また、リーディングの大問1が20問中10問以下の正解になる場合、単語や文法の知識を申少しインプットしなおすほうがいいです。
知識をつければ、ほかのパートの点数もグっと上がってきます。
「自宅で勉強したときは解けるのに、試験の場になると解けない」
こういうこと、ありますよね。慣れた環境や慣れた方法じゃないと、人はなかなか実力を発揮しづらいです。
検定当日に実力を発揮できるようにするには、やはり問題になれる必要があります。
過去問を、時間を計って10回は解くようにしましょう。
同じ試験回のものを2回解いても大丈夫です。過去問は「何点取るか」よりも「解き慣れる」ほうが大切です。
英検®は出題内容が固定されているので、しっかり対策すれば得点を伸ばしやすい試験です。
前述の大問ごとの対策方法を繰り返しつつ、過去問演習で慣れておくと試験本番でも合格をあわてずに解答しやすくなります。
ただし、3級にくらべて準2級は難易度があがります。注意点と対策方法をお伝えします。
準2級の範囲は「小学校5年生から高校2年生までの7年分」です。
覚える範囲がとても広いので、定期的に復習するようにしましょう。
不定詞・動名詞の基本と応用など、1つの文法でもさまざまな使い方があります。
複数の単元をまとめて復習すると、それぞれの文法の違いもわかりやすくなります。
英語の基本は「単語と文法」です。
前述のように、準2級の一次試験は合格率が35%です。大まかな知識では合格点に届きにくいです。
また、中学・高校の定期テストで出てくるような、「重箱の隅をつつく」ような引っかけ問題はあまり出ません。文意を正確に取ることを1番重視しましょう。
また、リスニングも「テクニックによる解答選び」ができる問題が減り、「会話の自然な流れ」をわかっているかどうかで判断する問題が増えています。
テクニックに頼り切らず、「英語の実力」をつける勉強も並行して進めましょう。
まず、英単語の暗記方法と注意点をお伝えします。
英検®準2級は高校中級程度です。
合格に必要な単語数は約3300語です。3級が2000語なので、3級で英単語をしっかり覚えた人は「あと1300語」です。
1日10個ずつ覚えたとして4か月あまりで覚えられますが、覚える数が増えると、どんどん忘れていってしまいます。
週末には1週間分の単語をもう1度覚えるようにしましょう。
英検®にはリスニング試験があります。カタカナ発音だと聞き取りづらくなります。
付属のCDやアプリを使うなどして、ネイティブの発音で覚えるようにしましょう。
英検®準2級対策用の英単語帳を使えば、効率よく必要な英単語だけを暗記できます。
下記の英単語帳は英検®準2級用の単語帳として定番です。
これを使って暗記に慣れておくと、この先も同じシリーズで英検®の勉強をしやすくなります。
出版社:旺文社
英単語はそのまま丸暗記してもいいのですが、アプリを使うと楽しく暗記できます。
英検®準2級用のアプリを2つ紹介します。
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評価:4.7
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準2級の英文法は「文法の意味」を理解することが大切です。
例えば、3級で出てきた「現在完了形」の別バージョンとして、
があります。
現在完了形の場合は「have + 過去分詞形」という「形」で覚えてしまえば良かったです。
過去完了形と未来完了形も登場してくると、過去形との違い・未来形との違いをきちんと理解する必要があります。
問題を解くだけでなく、
という2点を説明できるようにしておきましょう。
今使っている文法問題集がむずかしすぎたり、
これから文法問題集を探す人は、下記の問題集がおすすめです。
「~をひとつひとつわかりやすく」という名前のシリーズで、
先取り学習や理解のしなおしに非常に便利です。
イラストを使ってわかりやすい説明をしてくれています。
出版社:学研プラス
ほかにも下記の記事でおすすめ問題集を紹介しています。
※関連記事:英検®準2級対策のおすすめ問題集
準2級のライティングは3級同様に、書き方が決まっています。得点源にできる問題です。
英訳・英作練習を毎週するようにしましょう。
ライティングは「減点されない書き方」がポイントです。
上記の2点を意識して練習しましょう。練習しているうちに、「絶対正解だとわかる書き方・表現」を身に付けられます。
書き方がわからない表現や文法は、そのつど勉強すれば知識を補強できます。
問題集を3周以上して、「なじみのある英語表現」を増やすようにしましょう。
※関連記事:英検®準2級~1級のおすすめ問題集
いかがでしょうか。
英検®は英語学習と入試の両方に役立ちます。
準2級を取得しておくと中学入試での加点が大きくなりますし、中堅校なら英語入試を余裕を持って解けるだけの実力がついてきます。
慶應湘南藤沢のような難関校の問題も解けるようになります。
また、高校入試でも有利になります。英検®と高校入試は出題ポイントが似ていますが、高校入試のほうが、長文が長い傾向にあります。
英検®なら、それほど長い文章は出ません。
英検®資格を計画的に取得しておけば、英語の受験勉強の時間をほかの教科に回せるようになるというメリットもあります。
大学入試でも準2級を英語利用できる大学が出てきます。
英語は継続的に学習すればきちんと成果がでる勉強です。英検®という目標があるとモチベーションも保ちやすくなります。
※関連記事:英検®準2級の二次試験対策の仕方と当日の面接の流れを徹底解説
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