小学校5年生から英語を教科として勉強します。ひと昔前は中学校に入ってからでしたから、英語学習のスタートは早くなっています。
小学生が英単語を覚えるのは、大人が考えている以上に大変です。暗記の仕方を誰からも教わったことがないうえに、小学校では英単語以外で本格的に暗記をする機会がほとんどないからです。
ですが、中学入試でも英語利用できますし、中学校に入ったら定期テストもあります。
早めに対応しておきたいですね。
そこで、今回は小学生が英単語を覚えやすくするため、家庭でできる英単語の暗記の仕方をお伝えします。
この記事は下記の方向けです。
- 英単語の暗記に困っている小学生のお子様がいらっしゃる方
- 小学生のお子様の英語学習に興味があり、英語を得意にしたいと思ってらっしゃる方
- 小学生のお子様が英会話スクールや塾に通っているが、英語がなかなか伸びないという方
※関連記事:【幼児・小学生】はじめての子におすすめの英語ドリル・アプリ:英検®5級レベルまで
小学校で習う英単語は600個
小学校では3年生から「外国語活動」として英語の勉強がはじまり、5年生から本格的に「外国語」として教科指導がはじまります。
小学校で習う英単語の数は600-700個です。
受容語彙(見て・聞いてわかる)・発信語彙(書ける・話せる)をあわせての数なので、完璧に覚えておかなくても大丈夫ですが、英検®など英語学習をしっかりしておこうと思うと、やはりきっちり覚えておくほうがいいです。

おすすめの英単語暗記方法
英単語はどうすれば暗記しやすいか。3つお伝えします。
五感をつかって覚える
1つ目の方法は、「五感をつかって覚える」です。
五感をつかって覚えるほうがやはり覚えやすいです。そのうち、下記の3つはすぐ実践できます。
- 書く
- 発音する
- 色分けする
まず、英単語を2種類の色に塗りわけてください。青と赤がおすすめです。印象が強く、脳に残りやすいです。
塗りわける基準は「良い」「悪い」(「好き」「嫌い」でもOK!)のように、対称的なものにします。「良い」なら青、「悪い」なら赤。
例えば、月曜日(Monday)はちょっと憂うつな気持ちだから「悪い」、火曜日は好きな体育の授業があるから「好き」のようにわけて色をぬります。
正しい発音で覚える
次に、アプリやCDでネイティブの発音をマネします。カタカナの発音にならないように気をつけましょう。
最初から正しい発音で覚えるようにしましょう。
今の子どもたちはリスニングやスピーキングも重要です。間違った発音で覚えると、あとですべて覚えなおさないといけなくなります。
ネイティブの発音をマネできたら、自分で発音しながら書いて覚えます。私たち日本人は”r”の発音が苦手ですが、子どもは早く上手に発音できるようになります。
「お父さん、お母さんよりも発音が上手!」と子どもが自信を持つようになり、英語の勉強にハマっていくきっかけにもなります。
確認テストをする
3つ目の方法は、「確認テストをする」です。
その日覚えようと思った単語(10個とか20個とか)を学習したら、覚えているかどうか確認テストをしましょう。
テストといっても、問題をつくる必要はありません。
ノートなどで英単語を隠し、日本語訳をみて英単語を思い出します。
このテストをその日学習した英単語すべてで実行します。全部正解するまですべてテストします。
10個テストして4個間違ったとしても、再テストはその4個だけではありません。10個すべてです。
何度も正しく思い出せた単語が記憶に定着していくようになります。
ですから、点数が高ければいい・悪いというのではなく、単語を正しく思い出すためにテストをするのです。
これはかなり有効な暗記法ですが、自宅学習の一環で手軽に実践できるのも便利です。
スペルを繰り返し書かなくてもいい
ちなみに、暗記するときに「10回書く」というのが昔は定番でした。今はそんなにたくさん書かなくてもいいことが分かっています。1回でもスペルを正しく書ければ十分です。
書いて覚えるのではなく、思いだして覚えるほうが脳は得意だそうです。
「3回書いて空中をみてスペルを1回思い出す」のがオススメです。2回書いて1回思い出すでも、5回書いて1回思い出すでもいいです。
大切なのは、2-3回書いたら「何もみずに1回思い出す」作業をはさむことです。
2-3回書いて1回思い出すと方法は英単語に限らず、国語の漢字などの家庭学習でも大変有効です。
「勉強」以外でも使って慣れる
4つ目の方法は、「覚えた英単語を日常生活で使ってみる」です。
思い出さないと脳は忘れます。
机をみたら”table”と発音し、空をみたら”sky” ”crowd”と発音してみます。このときも単語を学習したときと同じく、正しい発音で発音するようにしましょう。
文法の学習が進めば、日常会話を英語で言ってみるのもいいですね。
【英単語の暗記方法】
①五感を使う(色分け、正しい発音、3回書いて1回思い出す)
②正しい発音で覚える
③全問正解するまで確認テストをする
④日常会話でも使う
英語学習の手段
小学生の英語学習の方法で、最も多い手段は英会話スクールと学習塾です。
ですが、それ以外にもアプリや市販教材を使って家庭学習で英語力を高める手段もあります。
アプリをつかう
英単語を覚えるといえば英単語帳を思い出します。
最近では英単語を覚えるためのアプリもたくさん出ています。手軽さでアプリを超えるものはなかなかないでしょう。
それ以外に、アプリを活用するメリットは2つあります。
無料で試せる
有料のアプリもありますが、当分は無料のアプリで十分です。
親子で一緒にリビング学習すれば、子どもに合うかどうかも判別しやすいです。
英単語帳と同じく、TOEIC対策など目的別にアプリもわかれています。英検を受ける予定があれば、英検対策用のアプリを試してみましょう。
発音を再生しやすい
英単語を覚えるときは正しい発音で覚えるのが鉄則です。
その点、アプリならタッチするだけで正しい発音を繰り返し再生できます。
市販のドリルをつかう
紙の教材には、アプリでは得られないメリットが2つあります。
書いて覚えられる
実際に書くほうが覚えやすいですし、集中がもちやすいです。
小学生は大人にくらべて集中力がつづかないので、手を動かせる紙の教材のメリットはとても大きいです。

子どもの興味を引くキャラクター
大人気の『すみっコぐらし学習ドリル 小学英語 はじめてのABC ローマ字』や可愛い動物がでてくる『小学英語 はじめての英単語 (早ね早おき朝5分ドリル)』のような英単語帳は、英単語学習に乗り気ではない子どもも楽しく学べます。
本屋さんに子どもと一緒に行って選ぶと、子どものモチベーションもあがって学習をスタートしやすくなります。
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2020年からの学習指導要領の改訂で、小3から学び、小5から教科化することになった英語。
その基本となるアルファベットとローマ字を、すみっコぐらしのかわいいキャラクターとマスターする
書き込み式ドリルです。
アルファベットは大文字と小文字を何度も書いて練習。パズルや迷路などで遊びながら復習できます。
ローマ字は、パスポートの人名や駅名などで使われるヘボン式を中心に、
小学校国語で習う訓令式とのちがいにも触れます。
また、簡単な英単語や英会話にも親しみます。すみっコぐらしのかわいいシールが78枚ついています。
1回分が終わるたびにドリルに貼ると、達成感が得られ、モチベーションを高めることができます。
もちろん、好きなところに貼って楽しんでもOKです。(目次)
A・aの練習〜Z・zの練習
アルファベットABCDのまとめ〜アルファベットUVWXYZ
アルファベットゲーム
ローマ字の練習(促音・長音・拗音含む)
すみっコの名前をローマ字で書こう
いろいろな英単語
英語のあいさつAmazonより引用
なぜ英語学習が重要なのか?
2011年には5、6年生を対象に英語の授業がはじまり、2020年からは3、4年生は「外国語活動」として、5、6年生では「外国語」という必須教科になりました。
小学生の間に覚えないといけない英単語は600-700語にもなります。
小学校での英語学習が本格的にはじまると、多くのご家庭で学校外でも英語学習に力を入れるようになりました。
下記のグラフは学校外での英語学習の状況を調査した結果です。1年生から6年生まで一貫して2割前後のご家庭で、学校外の英語学習の機会をもうけています。

しかも、そのうちの8割は英会話スクールか塾で本格的に英語を習っています。

ビジネス・学術あらゆる場面で英語が共通語
英語は社会に出てからも、コミュニケーションツールとして世界中の共通言語です。
世界の英語人口は15億人といわれており、ビジネスや科学技術などの研究分野では英語で論文が執筆され、英語で世界中に情報発信されています。
英語で発表された論文や書籍が日本語に翻訳されるには数年かかることも多く、英語を使えないと情報収集に後れを取ります。
逆に英語を使ったサイトを立ち上げて、衰退しつつあった日本酒や伝統芸能を世界に発信して人気を爆発させた企業も多数あります。
情報収集・情報発信の両方で、英語は重要なコミュニケーションツールなのです。

多様な思考方法を習得できる
人間は言語をつかって考えます。ですから、使う言語の特徴が思考方法にも影響を及ぼします。
英語は論理的な特徴をもっています。
“Yes, because I think~.”(はい、なぜなら~だと考えているからです)
のように最初に結論を決めます。”because”をつければ、その後に結論の根拠がきます。
「結論→根拠」という論理的な順番になっているので、英語で考えるときや英語で伝えるときには、「結論は何かな?」「根拠は何かな?」と論理的に考えるようになります。
一方、日本語は情緒的な表現が豊富で、相手への気遣いにあふれた言語です。
細やかな感情の動きは日本語を使う人ならではの特徴と言われています。
英語を使えるようになると、日本語と英語両方の思考の特徴を取り入れられるようになります。
英語教育に力を入れる中高一貫校・大学が多い
英語学習が世間で盛んになり、中高一貫校でも英語教育に力を入れるようになりました。
海外留学や国際会議のイベント参加はもちろん、入試でも英語の重要性は高まっています。
2022年度に首都圏で英語を入試に利用した私立・国立中学は146校にものぼっています。
※関連記事:入試で英検®が使える東京の私立中学一覧
※関連記事:入試で英検®が使える神奈川、埼玉、千葉の私立中学一覧
首都圏以外に関西圏などでも英語利用は進んでおり、難関中学でも英検®で優遇制度を受けられます。この数は年々増えていくと予想されています。
※関連記事:入試で英検®が使える関西の私立中学一覧
高校入試や大学入試でも英検®優遇制度は広がっており、英検®3級から利用できます。
※関連記事:大学受験の英検®優遇制度
※関連記事:高校受験で使える英検®優遇制度と3級取得の対策方法
下記の記事で英検®5級の対策方法を紹介しています。これから英検対策をはじめるご家庭向けに書いていますので、ぜひご参考ください。
※関連記事:【英検®5級の対策】出題傾向
小学生の英語学習で気をつけること
小学生が英語を学ぶとき、気をつけることが2つあります。
「相手に伝える」を大事にする
英語はコミュニケーションのためのツールです。入試や英検®、定期テストのために勉強するのは大切なことですが、それらは英語学習の目的の一部に過ぎません。
- 単語が1つ思い出せないときは別の表現で伝える
- 英語を話しているときに日本語が混ざってしまっても気にしない
などのように、「相手に自分の意図を伝えること」を最優先にしましょう。
日本語で会話をしていて、言葉を思い出せないことはよくありますよね。そういうときは別の言葉で伝えたり、思い出せない言葉について説明したりします。
赤ちゃんもそうやって言葉を話せるようになってきました。
うまく話せないから黙っている子よりも、ちょっとくらい言い方がおかしくても積極的に話そうとする子のほうが言葉の上達は早いです。
英語を使うときも、「正しい言い方」にこだわりすぎないほうが「正しい言い方」を身につけやすくなります。
これは英検®でもかなり重視されるポイントです。2次試験で「アティテュード」と呼ばれる評価項目の1つにもなっているくらいです。
※関連記事:英検®3級の二次試験対策(スピーキング)の仕方と当日の流れ
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4技能すべてに力を入れる
前項同様ですが、英語はコミュニケーションのためのものですから、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能すべてを満遍なく学習しましょう。
大学入学共通テストでもリスニング(「聞く」)は200点満点中100点を占めています。それだけ文科省も4技能すべての学習に力を入れているのです。
ただ、「読む」「書く」ができないと「聞く」「話す」もなかなか上達しません。「読む」「書く」ができるようにするためにも、英単語の暗記は欠かせません。
まとめ
いかがでしょうか。小学生の英語学習はとても人気になっており、英会話スクールや塾、家庭で英語学習をしている子は自信を持って英語の授業にのぞめています。
自信を持てば子どもは大きく伸びていきます。

※関連記事:【英検®5級】文法の範囲とレベルを解説
※関連記事:be動詞・一般動詞の違いと使い分け方
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そのためには、英単語の暗記をいかに効率よく進められるかが大切なポイントです。
英単語暗記の3つの鉄則を「すべて」実践いただき、英語の力をしっかり高めていきましょう!
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※関連記事:小学生向けオススメの通信教育5社を比較
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